「発熱」とは、芥川賞作家の辻原登さんが24年ほど前に日経新聞の朝の連続小説で書かれた現代小説です。実はこの小説には少なくとも2名のモデルが居たのですが、そのひとりが私でした。当時辻原さんは一週間ほどマネックスのオフィスに一日中居て雑然とした中で何やら書かれておられて、夕飯にも一緒に行ったりしました。今だから話せるちょっとした秘密ネタですね。

 そんな「発熱」は四半世紀前の話ですが、私、一昨日の夜から発熱しました。39度を超える熱で、やや辟易としたのですが、一晩寝れば治るだろうと思ったところ、翌朝にも下熱してなかったので、念のため検査を受けました。幸いコロナでもインフルエンザでもなく、昨晩には平熱に戻ったので良かったです。私、大抵24時間以内に下熱するのです。

 建物の外はとても暑いので薄着をすると、建物の中は冷房が強く効いていてカラダが冷えて、抵抗力が一時的に下がり、一方私はとても多くの人と会い、外国の人も多く会うので握手することも多いし、あと最近はやることがテンコ盛りでやや心労もあったのか、久し振りの発熱となったのでしょう。皆さんもくれぐれも御自愛下さい。

 ところで先週末は都知事選もあり、つぶやきを前のように毎日書いていれば月曜には必ずそのことを書いていたと思うのですが、今更書くのは陳腐感が強く、そうすると来週のことを書いた方がいいかなと思う次第。今週末日曜日から祇園祭の前祭りが始まります。日本を代表する夏の風物詩ですね。今年の夏は、浴衣や着物を多く着ようと思っています。でもカラダを冷やさないように気を付けます!

 お暑うございます。人の体温を超えるような猛暑が続く今日この頃、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?「あつい」という言葉には色々な意味があって、篤い、暑い、熱い、厚い、などあり、特に篤いなどは同じ字でも全く逆のような意味も持っているので、甚だしく紛らわしいです。最近の気温は暑い、最近の日本株マーケットは熱い、米大統領選はアツい?

 現職の政治リーダーは、独裁国でない限り世界的に概ね皆お尻に火が点いている状況で、どのあつさか不明ですが、メルトダウン=溶けて崩壊する過程のようです。しかし日々の生活は変わらない。特に先進国に於いては、政治の世界がどんなにメルトダウンしても、実際の生活や経済活動に対する影響は僅かです。多面的な分析による、世界各国の実質的な民主主義度合いの研究があるのですが、独裁的な国の株式のリターンは、短期的に高いことがあっても長期的には低いことが分かっています。そして実質的民主主義度合いの高い国における株式リターンは、政治局面などによるボラティリティはあるものの、長期的リターンは高いことが分かっています。

 日本の実質的民主主義度は高いのですが、バブル崩壊後実に30年以上、株式投資リターンが冴えない国でした。これは、1945年の終戦後、正にボロボロなっていた国が、たった23年間で世界第2位の経済大国になり(1968年)、その後も1989年まで株価は上昇し続けるという、本当に奇跡的な成長をした、リターンを生んだ後の調整が、山高ければ谷深し、で長く大きかったのでしょう。日本の株価は今、ようやく巨大調整を終えて、長期的リターンを生んでいく麓にいるのだと思います。

 暑い夏はいい夏だ!良い週末をお迎え下さい。

 一週間は長いものです。今週の初めには先週の土曜日に行ったマネックスグループの株主総会について書こうと思っていたのですが、週の半ばでは為替について、そして今日はアメリカ大統領選について書きたくなりました。日々目まぐるしく、一週間前のことの印象は既に薄くなっていきます。日々が月と地球の自転、月々が月の公転、年々が地球の公転であるように、綿々と世の中の活動は続いているのですが、ようやくこの歳になって、長めのスパンのことをちゃんと考えないといけないな、と思うようになって来ました。そう考えると、やはり今週で一番書きたいことは、先週土曜日のマネックスグループの株主総会のことかも知れません。

 今回の総会では、新任取締役候補の方々に、取締役選任議案の説明の後に、自己紹介・所信表明的なひとことをもらいました。え?!それがどうかしたの?と思うなかれ、株主総会に於いては、全ての議事が終了し、総会の閉会が宣言されたのちに、総会後の非公式なパートとして、新任取締役が挨拶をする、それも通常は名前だけを話す、というのが通常なのです。総会での取締役選任議案可決前に候補に喋ってもらうのは前代未聞のことだと思います。しかし選挙では投票の前に公約を説明するのが当たり前だし、この方が合理的であると考えて実施しました。

 マネックスグループの株主総会では、数年前に質問・意見される株主の方に、入場票番号やお名前を云っていただくのをなくしました。会場入場時に株主であることは確認しているので、敢えて発言前に誰だか特定できる情報を云っていただくのは、まるで余計なことを云うなと牽制しているようなので、よろしくないと考えてなくしたのです。マネックスはそもそも上場会社として初の株主総会を開いた23年前から、その開催を土曜日とし、なるべく多くの方が来られるようにしました。当時は株主提案という制度の存在や仕方まで、当社総会に関するページで案内していました。

 これらは全て、健全な資本市場・上場企業制度を追究し、実践するためです。何故ならマネックスの活動は、全て健全な資本市場・上場企業制度のみの上に成り立つものだと考えるからです。これは、日々、月々、年々、変わるものではありません。というところでこのつぶやきを完了しようかと思ったのですが、おまけでアメリカ大統領選についてひとこと。

 日本時間の午前中の討論会後、トランプ対バイデン、どちらが大統領選勝つか?の賭けのマーケットでは、一気に8%程度、トランプが勝つだろう率が上がり、バイデンのそれは下がりました。アメリカ人はやはり「強い(強そうな)」ことが好きなのですね。活字で見るとバイデンの云ってることの方が分があるように思えるのですが、実際の話し方で、バイデンが口ごもったりするのを見て、アメリカ人はこりゃイカンと思ったのでしょう。アメリカ人らしいと云えば、アメリカ人らしい。

 しかしあの討論、私もちょっと聞きましたが、ひとことで云うと「けなし合い」でした。東京都民としての自分を悲しんでいましたが、彼の国も変わらないかぁ。。。良い週末をお過ごし下さい。

 明日はマネックスグループの株主総会です。私にとっては25回目の上場企業株主総会の議長を務めることになります(24回の定時総会と1回の臨時総会)。その意味では、慣れているかと聞かれれば慣れていますが、株主総会が上場企業グループにとって一年で一番大切な行事であることは間違いなく、そして年と共に時代の要請や株主の方の興味も違いますので、株主総会はいつでも初舞台のようなものです(梅沢富美男の夢芝居みたいだ)。そういう気持ちで臨まなければいけないと考えています。

 

 ところで私は今週の前半にニューヨークでマスターカード社の株主総会に社外取締役として出席してきたのですが、彼の国の株主総会は、日本とは随分様相が違います。コロナ以降、アメリカのナスダック上場企業株主総会の平均所要時間は15分程度です。え?!どうゆうこと?アメリカは株主の意見を良く聞くのではなかったでしたっけ?はい、アメリカの企業は、株主の声にめちゃくちゃ耳を傾けます。一年中ちゃんと耳を傾けて、一年中様々な形で対話をしているので、株主総会の時に敢えて説明・質問・回答をする必要があまりないのです(一部の、バークシャーハサウェイなどのお祭り的イベントとしての株主総会を除きます)。

 

 翻って日本に於いては、そのような通年での株主との対話が少ないので、アメリカと違って、株主総会の重要度が飛躍的に高いのです。マネックスグループに於いては、機関投資家向けのIR活動も通年行っていますし、様々な形で個人株主の皆さまとの対話も持っておりますが、やはり株主総会は格別に重要ですので、明日は心して臨みたいと思います。因みにマネックスの株主総会は、過去24回、天気予報に限らず、一回も雨が降ったことがありません。明日もなんとか雨は降らなそうですね!

 今、ニューヨークに出張で来ています。ニューヨークは知り合いも多く、色々なことが肌に合うというか、私にとってはこの上なく心地良い土地であり、今回も私なりに楽しんでいます。

 ミーティングで会う人に、大統領選=トランプとバイデンどちらが勝つか?についてもおまけ質問的に聞いています。今のところ全員がトランプとの答え。トランプと答える人の方が多いと思っていたのですが、全員がトランプと云うとは想像していなかったので、ちょっと驚きです。少なくとも私が会うような人たちは、その人たちがしているビジネスに関して、バイデン政権に対して多くの不満を持っているのですね。しかし同時に一方で、トランプが大統領になると秩序が壊れるのではないかとの心配も多いようではあります。

 バイデンが現政権内のいくつかの重要なポストの人事を変えれば、バイデンが一気に有利になるだろう、という仮説にも全員が同意するのですが、それが出来ないところが、バイデンが弱い正に理由なのかも知れません。たかが人事、されど人事。人事がいかに大切であるかを思い知らされます。さて実際に大統領選はどうなることやら。

 8年前の今頃のニューヨークでも、私は会う人会う人に大統領選について聞きましたが、その時はほぼ全員ヒラリー・クリントンがなる、トランプはあり得ない、と云ってましたが、私はトランプが勝つだろうと思っていました。果たしてトランプが大統領になりました。一部地域や一部業界での事前の下馬評はアテにならないものです。今回はどうでしょうか?でもなぁ、今のままではバイデン駄目だろうなぁと、私も思います。もっと色々な人に意見を聞こうと思います。

 他に街を観察してて思うのは、ちょっと観光客が減ったかな?という感覚です。ドルも強いし物価も上がっているから、旅行の目的地として敬遠されているのかも知れません。その関係で云うと、ドルに対する円安はそろそろ終わる、今のレベル辺りがボトム(ドルで云うと天井)ではないかとの考えが、これまた色々な人と話をしてて、私の中でかなり強くなって来ました。多くの発見がある街です、ニューヨークは。まだ暫く居るので、大いに楽しみたいと思います。

 今日、母が都内の或るデパートに行くのを見守りました。「はじめてのおつかい」のように、私は手を出さず、ひとりでデパートに行って買い物をして帰宅するのを、見守りました。つい一年ちょっと前までは、ひとりでどこでも行っていたのですが、怪我というか病気をして、この一年はほとんど行動が制約されていたのでした。数回私が連れ出したことはあるのですが、やはり自分で出掛けたい。その夢を叶えるために、ちょっと前から計画を立てました。

 

 母は計画実行に向けて歩く量を増やし、そして今日遂に、出掛けました。私は付いていきましたが、一切手は出さない。タクシーに乗り、歩行器を畳んで車内に入れてもらい、Suicaで払い、デパートの車寄せに入り、デパートの人に手伝っていただいて降りる。ちょこちょこと歩いて、好きなように買いたいものを探し、クレジットカードで払う。そしてまたタクシーで帰る。デパートでの滞在時間は30分ほどでした。母は超ゴキゲンで、疲れた?と聞いても、とっても元気になりました!とガッツポーズ。デパートでは店員さんに質問したり説明したりせねばならないので、必然的に声も大きくなり、滑舌もたった30分の間でも良くなりました。自宅の部屋に戻っても、いつもより力強く様々なことをしていました。

 

 やはり活力って自立から来るのですね。今日は私もとてもハッピーな気持ちで、元気をもらいました。ありがとう!

 今日は4月9日に書いた<縁とは>の続編です。家族の先祖が190年前に或る強い思いを持って或るお寺でしたこと。その事実の記録がお寺で発見されて、お寺さんも家族もかなりの驚きだったこと、縁は原因ではなく結果ではないか、と感じたこと、を前回は書きましたが、そのお寺さんが家族の実家やお墓まで来て下さいました。そして私は自分の役割をじっくりと考えることになりました。

 家族とお寺さんが190年前に思いを馳せる。その場に私もずっと一緒に居たのですが、ここで家族とは姻族なのです。今回のことのきっかけを作ったのは私なのですが、なぜ私がこのような役割を担っているのだろう?ということに思いが巡りました。

 私は小さい頃から、自分を「器」のように考える傾向があります。私の人生の目標は、「あの人のようになりたい」「あそこまで行きたい」ではなくて、自分として出来るキャパシティの何%増しで自分を回しているか?自分の効用をどれだけ使い切っているか?社会の中の「器」としての自分がどれだけ社会の中で使われているか?というようなことなのです。4年半前に始めたマネックス・アクティビスト・ファンドの運用助言をする投資顧問会社も、私が会長を務めて中心となって活動していますが、「カタリスト投資顧問」と名付けました。カタリストとは触媒、もしくはきっかけ・触媒の働きをする人を意味する英語です。自分は触媒でありたい。カタリストでありたい。そういう気質が、私にはあります。

 化学反応を起こす主役は、きっかけが欲しくて触媒を呼ぶのか?或いはきっかけが主役を呼び寄せるのか?そして何よりも、触媒である私の次の役割は何なのか?答えはすぐには見つかりそうにありません。でも、どの辺りにあるのかは、ちょっと分かる気もするのです。探したいと思います。

 昨日、外国の方たちとのディナーで、パッション(情熱)について話し合いました。自身の仕事・職業に関係のないことで何にパッションを持っているか?色々な答えが出て来た中で、ひとつ最初に聞いた時はえっ!?と思ったのですが、良く聞くうちにじわじわと染み込んできたのが、「Passion to relax」でした。

 

 リラックスする情熱。情熱を持ってリラックスすることに専念する。なるほどー。何ごとも中途半端ではいけません。リラックスする時は真剣にリラックスする。真剣どころか情熱を持ってリラックスをする。これはそれまで様々な自身の情熱を熱く語っていた人たちも、はたと気が付いて立ち止まるように、うんうんと聞き入っていたのでした。私も実践しようと思います。

 

 でもこの人の場合は、情熱を持ってリラックスするのではなくて、リラックスすることが自分の情熱だと云っていたので、本当はどういうことなのかなぁ。うーむ、悩ましい。しかし、こんなことに悩むようではリラックス出来ません。楽に考えようと思います~

 先週末は富山で日本株のセミナー、週央には京都に用事がありビジネスディナー後の新幹線で赴き、今日は長野県に用事がいくつかあり日帰りで移動中。忙しくしていますが、5月は天候が概ね気持ち良くて、苦になりません。そうだ明日土曜日は東大五月祭で講演するのだった。移動も活動も多いです。

 さて今日は着物の話。最近、着物にやや嵌まってます。おじ臭!と云うなかれ。日本の在り方が、良く着物には現れていると思うのです。

 例えばお箸とフォーク。お箸は作るのは(フォークに比べれば)簡単ですが、使いこなすにはノウハウが必要です。フォークを作るのは大変ですが、使うのは幼児でも出来ます。浴衣とパジャマも同様。日本は、使う・活用するためのノウハウというか(ソフトウェア、ハードウェアなどの)ウェアが、モノではなく人間にあるのが特徴だと思います。

 着物を着るために帯を結んだり、袴を締めたりする。この帯類の結び方や締め方は、複雑・不思議なようで、ずれず、緩まず、同じモノで違う表現も出来て、収納時にはかさばらずと、とても良く考えられた合理的なもので、興味深く、そして楽しいです。折り紙然り、懐紙を折って様々なものを作ること然り、手先と頭、特に想像力を使い、こんな所のどこかに日本の真髄がちょっとだけ隠れている気もするのです。

 ということで、茶道や着物や、和なモノの見直しに傾倒がちの近頃の私でした。

 一昨日5月8日に、東京大学本郷キャンパスの小柴ホールにて、東京大学応用資本市場研究センターが初めての政策提言を記者発表しました。東京大学応用資本市場研究センターは、昨年私が個人的に(正確には株式会社松本という私の資産管理会社が)寄付を行い、それを基に設立されたエンダウメント型のリサーチセンターで、英語名は UTokyo Center for Applied Capital Markets Research、その頭文字を取って略称をUTCMRといいます。

 

 政策提言の詳細は、以下のリンクから見ていただきたいのですが、簡単に云うと、上場企業の配当金の損金算入を認めよ、というものです。そうすれば配当が増え、株価が上がり、国民年金資産が増え、企業の買収能力も人材採用能力も高まり、日本株に対する投資から円安を止める効果も期待でき、また資産効果から国内消費も増え、日本経済の大いなる活性化に繋がる。

 

 一方企業側に着目すると、経営者は利益を内部留保する理由が減り、なぜなら配当を払えばその部分に減税を受ける訳ですから、少なくとも内部留保をする場合にはその説明を求められ、基本は増配することによってお金が社会に環流して活用(消費や違う投資)されるか、或いは増配の替わりに成長投資にお金が振り向けられるように促され、即ち企業経営者のマインドセットに前向きになるプレッシャーを与え、日本の企業部門が新しい時代に向けて変革していくことを後押しする。そのような提言です。

 

 私は常々思っているのですが、三大経営資源であるヒト・モノ・カネについて、日本ではどれも最適配置されていないにも関わらず、GDP世界第3位もしくは4位であるのは、あたかも鉄ゲタを履いてマラソンをして銅メダルを取っているようなものです。ですからその経営資源をより良く再配置するだけで、日本はまだまだイケると思うのです。

 

 配当の損金算入によって、「カネ」を最適配置に向かわせることを動機付けることは、日本再生に大きく貢献出来る筈です。何よりも即効力で株高を演出し、風景を一変させるでしょう。私はUTCMRではあくまでもアドバイザーに過ぎませんが、その活動を支援していきます!

(東大からの発表)
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z1701_00003.html
(実際の政策提言レポート)
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400239903.pdf