梅の季節で名所が紹介されていたが | がいちのぶろぐ

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昨日配信されていたインターネット情報誌「TRIP EDITOR」に、「早春の絶景を。いまから行きたい、日本全国『梅見』の名所10選」と言う記事が掲載されていた。

 

これを見て、いよいよ梅の季節になったという気がした。この記事に取り上げられているところは、以下の〝梅の名所″だった。

 

偕楽園(茨城県)・湯島天満宮(東京都)・六義園(東京都)・新宿御苑(東京都)・隅田公園(東京都)・熱海梅園(静岡県)・大阪城公園(大阪府)・梅宮大社(京都府)・二条城(京都府)・北野天満宮(京都府)

 

ただこれを見て、少し違和感を持ってしまった。例えば東京・文京区にある六義園は、小石川後楽園と並ぶ、江戸を代表する庭園であることは間違いない。

 

しかし本文にも、梅の木の本数を18本と紹介していた。これってどうなの?という気がしてしまった。

 

逆に茨城県水戸市の偕楽園と言えば、金沢の兼六園、岡山の後楽園と並んで、日本三庭園に数えられている。しかも「梅の偕楽園」として知られている。

 

 

 

また天神様と梅は〝付きもの″であるから、北野天満宮の梅園には1500本ほどの梅が植えられている。〝梅″と言えば〝北野の天神さん″と言われるほどの場所だ。

 

 

(北野天満宮/本殿脇の梅)

 

東京の湯島天満宮も、〝湯島天神″として知られている。〝湯島の白梅″として、お芝居の舞台にもなっている。私も行ったことがあるが、本当にほとんどが白梅で、記事では300本となっていた。

 

名前の〝知られ方″からしても、ここは名所として挙がっても良いと思う。逆に、大阪城公園は桜では有名だが、実は梅も1000本ほどはあるようで、こちらは〝隠れた″梅の名所だろう。

 

隅田公園も、桜の時期には花見客でごった返す場所だ。だが梅も150本ほどあるということだった。まあ、これはこれで良いのかとは思う。だがやはり、「隅田公園は桜でしょ」と思ってしまった。

 

新宿御苑は「桜を見る会」の開催場所として、今や“大問題”になっているけれど、梅の名所と言うよりやはり桜であり、それ以上に東京都民の憩いの場という感じがしてしまう。

 

それで言うなら、「天神さん」つながりで、福岡県の太宰府天満宮だってここには上がっていないけれど梅の名所だ。

 

(太宰府天満宮/私が出かけたのは真夏だったが)

 

ましてや、奈良県の京都府との境にある「月ヶ瀬梅林」(奈良市)は、昔から「梅の名所」として関西ではよく知られた場所だ。五月川渓谷に沿って広がる梅林である。

 

 

 

今でこそ奈良市となっているが、旧・月ヶ瀬村はJR奈良駅からでも、剣の達人で有名な〝柳生″を通ってバスで1時間はかかるという山間にあり、ハイキングコースでもある。

 

ここには、現在はなんと1万3千本もの梅が栽培されている。もともと、梅の実を採ることを目的に江戸時代から栽培されていて、江戸時代には10万本あったとされている。

 

さらに、今も粒の大きい高級な梅「南高梅」で知られる、和歌山県南紀の南部(みなべ)町にある「南部(みなべ)梅林」も有名だ。こちらも、梅干しの原料の梅の実を採る目的で栽培されている。

 

 

 

こちらは、1年間に2月ごろの1ヵ月間だけ公開されていて、昔から「一目百万香り十里」と言われるほどの梅林だ。

 

 

 

今回の記事では都市の中にある公園や寺社などで、「梅の名所」と言われるところを拾い上げたのだと思うけれど、こうしてみるとやはり〝なんだかなあ″という気がしてしまった。

 

10選とした以上、せめて南部梅林や月ヶ瀬梅林は入っていてほしいし、大都市から近いという基準なら、無理に10カ所を選ぶこともないだろうと思ってしまった。

 

ところで、記事に出ている京都の「梅宮(うめのみや)大社」だが、ここは京都の中でもそれほど知られた神社ではない。京都市の西の方の、桂川に架かる松尾橋の東側に当たる場所にある。

 

 

 

そんなに広くない境内だが、記事でも450本の梅が植えられていると紹介されているように、本殿脇の庭園はほぼ梅園で占められている、と言っても良いだろう。

 

 

 

何しろ名前からして「梅の宮」なのである。京都市バスの「梅宮大社前」という、京都の目抜き通り〝四条通″の西の“果て”になるバス停で降りて、少し北へ入ったところにある。

 

北野天満宮や二条城は梅見に訪れる人も多いけれど、こちらは案外ひっそりとしていて、ゆっくりと梅の見物が楽しめる。

 

 

 

私の印象では、神社の中にやたらと猫がいて、それがけっこう人に慣れていて近付いても逃げないし、あくびをしたり首筋を掻いたり、それなりに愛嬌もある。

 

今は猫ブームだから、猫好きの方にはお勧めの「梅」スポットかも知れない。