解法スキル完全マスターの書籍を購入して頂いた方へ。
それでは、今年度の伊藤塾の行政書士試験最終模試の問題を全問検討するシリーズ。
参りたいと思います。
本日(22日)が在宅+通学受験のピークであるため、復習の便宜を図るために、更新していきます。
若干、まだ受験されていないという方もいらっしゃると思いますので、その場合には、受験後に見るようにしてください。
それでは、いきます。
問題1
出題テーマ自体は予想されるところですが、問題が難しすぎます。
一応、この問題の限度で知識を増やすのはありだと思いますが、択一の得点が160点くらいに乗っている人しか手を出してはいけない問題ですね。
もちろん、正解する必要は全くない問題です。
問題2
イ・ウが瞬間的に埋まります。
アは少し悩むものの、憲法の学習でも、「主任の大臣」という表現を使っていたかなと思いますので、さらっと答え自体は出せるのではないでしょうか。
出来れば落としたくない問題です。
問題3
1・3・5が基本だと思います。5の問題のように、「直ちに」という強い語調があって惑わされた方は、まだまだ条文読込みの修行が足りません。4は意外に盲点かもしれませんね。2は知らないなーと思いつつ、可分だったら、その限度で無効ということでよいのではないか。なんとなく、附款でやるような話を応用させられればいいのかなと思います。
問題4
あまり判例を読んだことがないというもののオンパレード。
以下、自分の思考過程を示します。(若干知らないこと前提で考えてみました)
1→ 「唯一、絶対」という強い語調から、×っぽいと思う。
2→ 1人別枠方式は、合理性がないという話は知っているから×
3→ 選挙制度の仕組みを、裁量の問題にしている。方向性的には、○
4→ 結論は合っていることを確認。1回○にしてしまうが、後で読み直し、小選挙区制の特徴が違うことに気づく。これで×が確定。
5→ 憲法に違反する。で×が確定。そんな違憲判決はない。
上記の思考過程で、3に出来るとよいと思います。4を○にしてしまった方は、惜しかったです。
問題5
形式的に、1回パスすべき問題。(問題4も長すぎるから、パスが正解)
条文の暗記が極まっていれば、イを埋める瞬間に答えが出ます。
この形式にしては、簡単な問題でしたね。出来れば取りたいですが、時間との関係で戦略的に無視をしたのであれば、それもあり。
問題6
条文をしっかりと暗記していれば、どうということはない問題。こういうのを落とさないのが合格者なんです。4の「又は」のひっかけに気づかないというのは、やはり、条文読み込みの修行が足りません。条文のタイトルのみを見て、条文の内容をブツブツ言う。答え合わせをしながら、ひっかけポイントを見つけてみる。こういう地道な勉強が4点を生むのです。
問題7
個数で聞かれたため、ちょっと厳しいところはありますが、やはりこれも条文一辺倒です。
ただし、個数問題の場合、読み落としに気づく機会を与えられないので、1個差で正解に至らなかったということであれば、合否に影響はないかなと思います。落とされた方も、そんなに気にしなくて良い問題。
ここまで、総合すると、基礎法学は2問目を確実に拾うこと。
憲法は、問題3、問題6を含んだうえで、4、5、7から1~2問拾うイメージです。中間模試に比べると、難易度はかなり上がっていると思います。3問取れていれば、大丈夫だと思います。
それでは、次に、商法にいきます。
今回は、マイナー科目を先にということで。
問題36
代理商=アウトソーシングというイメージから、どれだけ知識を紐づけられていたかがポイント。
1→ 商法の常識として「請求があるときに限りはおかしい」と思えれば、OK。
2→ アウトソーシング=商人の様々な情報を受け取っている=競業はまずい=だから、原則は禁止。もっとも、被害を受けそうな商人が許可を出しているなら構わないだろう。という論理です。
3→ 競業に反した場合、いくらが損害額か算定するのはかなり難しい=じゃあ推定してしまえ!という論理です。
4→ アウトソーシングである以上、こういう通知くらい処理しとけよと。
5→ アウトソーシング=ある程度継続的な取引が予定されている=いきなり解除されると業務が滞る=いつでも解除はできない。という論理です。
これを機会に絶対押さえたい問題の1つです。
問題37
全般的に基本知識で構成されていますので、設立の基本が習得できているかを試すには良い問題です。特に、現物出資の不足額てん補責任はパターンが多いところなので、確実に確認をしておいてください。出来れば、取りたい問題の1つです。
問題38
比較的細かいことを聞いていますが、2の「公開会社でないときであっても」=「非公開会社」=4倍ルールの適用はないはず。ということは、×でいいかな?と思えたかがポイント。実は、ここが平成26年改正なのですが、それを知らなくても、答えが出せると。
4倍ルールは重要な知識ですから、反応できなかった方は、確実に潰しましょう。あとの選択肢は、気にしなくて大丈夫だと思います。
問題39
まずは、ウが過去問知識でピシャっと切る。ここまでで、あとは厳しいですね。以下、こんな感じになるのではないかと。
ア→ 職務上必要なのに、子会社の調査をできないのは…おかしい…で×。
イ→ 正論なので、○だと思うが、あまり意識したことがない。△。
エ→ どこにとりつけばいいか分からない。△。
オ→ 監査役は地位の保護の要請が強い。報酬について何か言えてもいいんじゃないか。○。
ちょっと、現場思考としても厳しいですね。取れなくてもしょうがないです。
問題40
普段勉強はしていないテーマだと思いますが、予想が高いテーマなので、しっかりと復習しておいてください。まずは、資本金の額の減少を行う場合、決議機関はどうなるか。この部分を解説講義を通して学んでください。そこを押さえておくだけで、十分浮上すると思います。
総じて考えると、商法は、中間模試をそのまま承継したような形で、難しい問題が多いです。
問題36、37、38辺りで、いかに1~2問取るか。これがカギになると思います。
とはいえ、ここまでのレベルが取れる学習は必要ないと思いますから、あくまでも過去問が解ける限度での復習を。
基礎法学で1問。
憲法で4問。
商法で2問。
合計6問取れていれば、本試験合格レベルだと思います。
全体的には、かなり厳しい戦いでしたね。
それでは、次回は行政法を検討したいと思います。