読んだり観たり聴いたりしたもの -28ページ目

自分の頭で考えるということ/羽生善治/茂木健一郎

2月の積み本処理1冊目。

割合最近拾った本。でも出版は2010年か。
見ての通りの脳科学者と棋士の対談本。
凄く面白かった。特に、超一流の将棋名人が、将棋というものをどう捉えているのかを、認知学的なメスで切り分けて覗ける事にゾクゾクとした。聞き手の茂木さんの手腕と言うより、羽生さんにITや脳科学的な素養がある、という点が大きいように感じた。
特に、先日天地明察を読んで、江戸期に成立したお城碁打ちの生き様を知っていたので倍楽しめた感じ。
茂木さんも有名な人ではあるが、言説を読むのは初めてだった。やや意固地に自説にたぐる癖があって、時々強引さを感じた。
最近よく対談本を処理読みしているので思うのだが、やはり対談というのは、一種の芸を観るものであって、内容自体はあまり期待してはいけないな、という事がよく分かった。

羽生善治/茂木健一郎
自分の頭で考えるということ

蒐集記録 2016/02/06


●Wii ワンピース アンリミテッドクルーズ エピソード1 波に揺れる秘宝(おすすめスリーブ) \980 並品

※ガンバリオンの良作として機会があればプレイしたいと思っていた。

●Wii アースシーカー \280 並品

●Xbox プロジェクトゴッサムレーシング2 \180 並品

●Xbox プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー \46 並品

夢をかなえるゾウ/水野敬也

先週既に書き終えていたが、ぶっちゃんのお見送りで動転してアップ忘れてた分。

積み本消化7冊目。

数年前に爆発的に流行った本。例に漏れず職場にも何冊も転がっていたので、まあ読んでみるかと拾って積んでおいたもの。
実に面白かった。
内容は、確か映画だかドラマだかにもなったので知っている人も多いのだろうが、ストーリー仕立ての自己啓発本である。
平たく言うと、大人向けのドラえもん。
欲だけはある平凡なサラリーマンの元へ、ゾウの形をしたインドの神様ガネーシャが現れ、秘密道具よろしく「成功するための課題」を毎日与えてくれ、愉快な関西弁でノリノリの解説と、破壊的性格がもたらすスラップスティックがかき回すギャグ展開でおもしろおかしく締めくくる、というショートストーリーの繰り返し。最初は、うさんくさいガネーシャの教えに半信半疑の主人公も、課題をこなす内に変わりつつある自分に驚いていよいよ自己啓発に邁進し、またガネーシャとのデコボココンビの友情(?)にホロリとしながら、やがて訪れる別れに涙しつつ成功を誓うのだ、という感じか。

自己啓発本としての、自己啓発内容は、特に目新しいものはなく、どこに転がっている啓発本にも書いてあるような平凡な内容。実際、本書の中でも、繰り返しその旨は書いてある。ワシの教えは、当たり前の事やで、と。でも、ほとんどの人は読んでも行動しない、だからほとんどの人は成功せえへんのや、とも説く。つまり、今すぐ行動せよというのが本書のメインテーマで、そして、それも含めて、啓発本の良くあるパターンの一つに過ぎないだろう。
実際こうした本は、読んだだけで満足する人向けに書かれるものであるし、そうした啓発本を何十冊も読み込む啓発本マニアに向け、「そうそう、読んだだけで満足するやつっているよな、大事なのは行動する事なのにさ。自分は既にそのことを知っているからそいつらとは違うんだけどね!」という満足感を与える事を主眼にしているわけである。
本書のような啓発本は、読者が実際に成功する率でもってその真価を測ってはいけない。啓発本の価値はワナビーに与える読後の満足感で測るべきだろう。そうした意味では、後半、成功は難しい難しいと連ねつつ決して可能性を完全には否定しない絶妙な飴と鞭のバランスで、誰にでもできる成功というぼんやりした幻想を、誰にでもできるように見えて実際は難しいがそのことをよく分かって今すぐ行動する(予定の)自分には成し遂げられる手が届く成功、というリアリティ溢れる幻想にすり替える本作のテクニックには目を見張るものがあった。

清水義範のパスティーシュのように、こうした構造を楽しむエンタテインメントとして、また1編のドラマとして、本書は非常に楽しく読める作品として評価できるだろう。

水野敬也
夢をかなえるゾウ

海馬 脳は疲れない/池谷裕二/糸井重里

そんなわけで、今後はより一層貪欲に日々生きる喜びを追求して行きたいと思う。

積み本消化8冊目。
ここまでで1月分。こんな感じで、軽い本なら1ヶ月で大体8冊程度は処理できるみたいだ。

こちらも何年も前に職場で拾って積んでおいたもの。
タイトルは海馬だが、内容は、単なる脳に関する雑談、という程度なのであまり期待してはいけない。すでに結構古いし。
ざっと暇つぶしに流し読みするにはそこそこ面白いし、糸井ファンならなおさら楽しめるだろう。が、逆に、話題を食い散らかすだけの糸井節が嫌いな人は、読まない方が無難な本であろう。
池谷という人の言説は初めて読んだが、対談本だからまああまり目くじらを立てるのはどうかと思うけど、科学者にしてはちょっと断定や思い込みがキツイ人だなという印象。彼の本はもう1冊積んであるので、そっちも読んでみよう。


池谷裕二/糸井重里
海馬 脳は疲れない

愛猫ぶっちゃんのゴール

先月27日、愛猫ぶっちゃんが息を引き取った。
18歳と9ヶ月だった。

死因は詳しくは分からない。数日前の血液検査ではBUNが振り切っていたので、腎不全だった事は間違いないが、チックやけいれんなどの症状はなく、尿毒症ではないように思えた。むしろ、多臓器の不調から自然と心肺停止した老衰のように思われた。
苦痛や倦怠など苦しそうな感じは全く見受けられなかった。
前日から寝たきりで動けなくなっていたものの、支えて補助すれば自分でご飯を食べ、甘えてぐいぐいと力強く頭を押しつけた。
直前も、深い昏睡の合間には、かすかに戻った意識で甘え、満足げに手足を動かし、私と妻とが見守る中、数回深く息をついて、安らかにその生涯を終えた。
本当に安らかだった。
それがどれほど素晴らしい贈り物だったかこの1週間でしみじみと理解した。

6年前にみけぼんを亡くした時、私達夫婦はそのショックに打ちのめされた。その死を直視できず、受け入れるのに長い時間が必要だった。その理由には、当時人間精神として未熟だったと言う事もあるし、突然に大切な者を奪われるという衝撃、そしてみけぼんが苦しんだ事、それを看取る事で我々も苦しみ傷ついた事、いろいろな物事のタイミングなど、諸事重なった結果であると思われる。みけぼん不在の寂しさはもちろん、辛くて写真を見る事すら叶わない程の心の傷跡が長く残った。
2年前の義弟の死はさらに悲惨だった。理解も納得もできないその突然の死は、特に妻の心を酷く傷つけ、日常を破壊した。私自身その忌まわしい記憶に苛まれ、妻にしてやれる事と言えば、ただその背をさすりながら年月がその生々しい記憶を薄れさせるのを願いつつひたすら待つ事しかなかった。

この逃げ出したいほどの、暗々と累積した忌まわしき死のイメージを、ぶっちゃんは、その穏やかな死で綺麗に払拭してしまった。
雪解けのようだった。雨上がりにエンジェルラダーが降りるかのようだった。
辛い経験と記憶が歪めた陰惨な死のイメージ、そしてそれが源泉となって紡ぎ出す様々な負の感情と記憶。このネガティブな脳内ループを、ぶっちゃんはそっと優しく解き放ってくれたのだ。

穏やかに楽しく日々暮らし、嬉しい事好きな事に満足し、その日常のほんの続きであるかのように、愛する家族に囲まれ見守られながら、ただ眠るようにぶっちゃんは息を引き取った。
大満足の生涯だったと語っているようなその姿に、妻と私は、ぶっちゃんの死を、大満足ゴールと呼んだ。
死とは禁忌のイベントではなく、誰にでも訪れるゴールである。そのゴールへ大満足で辿り着く事ができるなら、こんなに幸せな事はない。
そう教えてくれていた。

内容だけなら、幾百の書で読み幾千の人が語った教えと同じかも知れない。しかし、肉親が身をもって示したその真理は金言に勝る実感として妻と私の腑に浸みた。

もちろん、胸に穴が開くほどの寂しさはある。毎日何度も泣いている。寂しさが癒えるには長い時間が掛かる事は間違いない。

しかし、今、妻と私の胸の底には、ぶっちゃんに導かれて歩いて行けるんだ、という暖かな実感がある。
ぶっちゃんが成し遂げた大満足ゴールを、私も妻も、頑張って目指そう。大満足に生きよう。

ぶっちゃんは大切な家族であるが、その存在に癒やされる事は多かれど、あくまで庇護する、お世話する対象なんだとずっと思っていた。
そうじゃなかった。何も分かっていなかった。
ぶっちゃんは文字通り私と妻を支えていた。時に叱り、時に励まし、なにより幸せと安らぎを与えてくれていた。そして、人生の真理をお手本として教え、そのゴールの後も、ずっとずっと導いてくれているのだ。
驚愕だった。
本当に、こんな事が起こりうるとは想像もしていなかった。これほど素晴らしい置き土産があるなんて、いくらサプライズ好きのぶっちゃんだからといって、まったく予想外だった。

19年前にダンボールで拾い、育て、一緒に幸せに暮らした事に対する報恩だというのだろうか。
だとすれば、私達の方がはるかに素晴らしい贈り物をもらった事になる。そして、そのゴールで、本当にどれだけ助けられたか分からない。

ぶっちゃん、本当に、ありがとう。ありがとう。

ねこ背は治る! 知るだけで体が改善する「4つの意識」/小池義孝

積み本消化6冊目。
やはり1年ほど前に職場で拾った本。

猫背で姿勢が悪いという自覚は昔からあり、健康のためにも改善したいといううっすらした願望は持ち続けていた。
逆に、読んで「知る」だけで変わります、との惹句が如何ほどの効果なのか野次馬根性も働いた。

普通のライトな実用書の体裁で、イラストも多く、文章は平易で明快で分かりよい。
主張も押しつけがましくなく、できるだけ根拠を明示して無理な断定はせず、丁寧に好感の持てる書き方をしている。

で、実際効果の程はというと…。

結構効果があると思う。かいつまんで言うと、本書に寄れば次の4点を理解して意識すべきという。
・肺を意識して呼吸する
・大腿骨や骨盤を意識して骨格を支える事で姿勢を楽に整える
・肩胛骨を意識する事でパワーを引き出す
・大腰筋を意識する事で歩行を改善し、気分も改善する

知って意識する事で変わる、というのが著者の主張であり、それは概ね首肯できる内容である。長年染みついた慣習は即座に矯正できるものではないが、意識は即座に変わる。意識を変えつづけていれば、そのうち体も付いてくるだろう。
例えば、本書の指摘通り、これまでは確かに無理して良い姿勢を取ろう猫背を治そうという考えが強かった。そうではなく、骨盤や大腿骨で支えた楽な姿勢が良い姿勢なのだというのは意識の転換だった。楽に安定する位置を意識して探る。そしてそれを保持する。それだけだ。ただし、その保持の筋肉が弱っている。長年サボっていたからだ。無意識にできるようになるまでは、多少時間が掛かるだろう。

歩行と気分の関係には、大変に納得感がある。個人的にも人間にとって如何に歩く事が重要か、というのは痛感しているからだ。先日書いた、妻の足マッサージの習慣も、早い話が、この歩く運動の代替に過ぎない。

即効性もあり、長期的にも非常に有効な良書と言えるだろう。

小池義孝
ねこ背は治る!  知るだけで体が改善する「4つの意識」

3DS/ニッキーの旅するクイズ/任天堂

ちょっと前になるが一応一通りクリアしてエンドロール観たのでメモ。

本作は、今は亡きクラブニンテンドーのプレゼント商品として開発された非売品ソフトである。引き換え単価は80ポイント。
任天堂の看板キャラの一人ニッキーを使ったクイズゲームである。
ニッキーとは、これも今は亡き(あるが)すれちがい交換日記のヘルプキャラとして誕生したお絵かき好きの女の子である。一部で人気を博したものの、ソフトの事実上の終了と共に葬られたかと思われたが、バッジとれ~るセンターのバッジとして再登場して喝采を浴び、その勢いのまままさかの専用ソフト登場という流れである。
ファンなら必携という位置づけのソフトではあるが、内容は、ゲームソフトとしてみるなら評価が分かれるだろう。
タイトル通り、全国津々浦々の「ご当地」問題を選択形式のクイズで解答するのがメインのモード。コンプアイテムなどの収集要素もある。
この問題のレベルが、「○○市駅前にある食堂■■の名物メニューと言えば何?」というたぐいの、知らなければ解答できないし、○○市の住民以外はほぼ知らないだろうというまさに「ご当地」問題な点を、どう評価するかである。
単に一クイズゲームと捉えた際のクイズゲームファンの評価はかなりキビシイものになるだろう。問題がニッチすぎるからだ。例の方法などの構造解析解法でクリアを目指すという遊び方もできないわけではないが、そこまで楽しいものでも無いだろう。
ポイントは、解答に対して、おのおの1ページ程度の問題解説が付く点である。なぜそれが名物なのか、いつからか、市民の反応はなど、ちょっと詳しい解説を知る事ができる。いわばバスガイドが車中で出すクイズのようなもので、正答するのが目的ではなく、解説を聞くのがこのゲームの本来の目的なのである。

途中下車した知らない街の、ぶらりと入った食堂で、由来を女将さんに聞きながら名物メニューを食べる、そんなニュアンス。立派すぎないがギリギリしょぼくもない、そんな史跡や観光名所をのんびり歩いて解説を聞く。そんなほっこりのんびりした感じが嫌いでなければ、結構楽しめるのではないだろうか。


任天堂
ニッキーの旅するクイズ

腐女子彼女。パート2/ぺんたぶ

積み本崩し第5弾。

と言うわけで、1巻に引き続き、ついでの勢いでさくっと続巻を読む。

前巻のテイストが好きだった人なら楽しめるだろう。
腐女子というキーワードは単なるフレーバーになり、オタ話さえ彩りに過ぎず、もはや直球の恋愛エッセイ日記としての本性を露わに。
表紙にある左手の薬指を見れば明らかなように、ハッピーエンドで締めくくる。

構成も展開も素晴らしく上手い。
穿って見るなら、非常に作為的ですらある。なるほどなるほど、漫画化に続いて映画化も目論みましたね?という。
全編通してみると、結局、作者の育ちの良さというか人柄の良さからくる、人が好きという感性にしっかりと裏打ちされた「彼女が好き」という想いの強さが本作の魅力のほぼ全てを担っている気がした。

ほぼ10年前のお話である本書を読んで、その後の二人はどうなったんだろうとググると、今でも幸せにしてそうな雰囲気の作者のツイッターを見つけてほっこりした。作者は銀行員になったらしいが、その後小説も書いたとの事なので、機会があれば是非読んでみたい。

ぺんたぶ
腐女子彼女。パート2

腐女子彼女。/ぺんたぶ

積み本崩し第4弾。うーんサクサク爽快。

この本も数年前に職場で拾って積んでおいたもの。

タイトル観て想像すれば最早読む必要などないダイレクトな本。電車男より連なる、ネット系オタク系恋愛日常エッセイ。
腐女子を彼女に持つ大学生の彼氏が、彼女の趣味では無く、彼女の性格に起因する無理難題などの傍若無人な言動に振り回されつつ、要所では結局のろけ話を交えて、詰まるところ自らの包容力をさりげなく誇示しようとする軽い読み物を日記形式で綴ったものである。

エンタテインメントとしてみるなら必要十分な構成で、非常にクレバーな印象。実際読んでいてもツボを押さえており面白い。
しかし、裏を返せば心を打つ、心に迫る描写や真情の吐露が皆無であるので、印象には残らない。
例えば、彼女の腐女子趣味に困惑の主人公、という表向きの設定も、本当は別に困ってもないし嫌でも無い。そういうポーズを見せているだけである。彼女の横暴なドS傾向に対しても同様である。
これまでに読んだ同様の本、つまり、パートナーの特異な趣味や性格の悩みを綴るエッセイのたぐいでは、本気で悩んだ痕跡があると、そこが光っていたと思う。
この本では、そうした体を装いながら、その実、煩悩とは乖離している。つまり、腐女子というキーワードはここでは本質では無いのだ。それが残念だったな。真っ新な目で真摯に腐女子を捉え、ズバズバと切り込んでの丁々発止を観られたら面白かったろう。

平たくまとめるとオタク趣味バカップルのイチャイチャエッセイである。そうした内容に興味を維持できる向きには良いだろう。

第2巻もあるので続けて読むぞ!

ぺんたぶ
腐女子彼女。

督促OL 修行日記/榎本まみ

積み本崩し第3弾。

こちらも何年か前に職場で拾ったもの。妻が先行して読んだ折には、中々良かった、との評だったので楽しみにしていた。

カード会社に就職しキャッシングの回収部門に配属された新卒OLが、過酷な職場の凄惨な業務に圧倒されつつも奮闘する様を描きながら、督促業務のポイントや意義を示し、そしてこうした「感情労働」に携わる全ての人に向けて、少しでも心の安寧をもたらす盾と矛たらんと著されたのが本書である。

もとはブログ掲載とのことで、軽いタッチでサクサク読める。
拾った当初はもっと、ブラック自慢みたいな下世話な内容を想像していたのだが、全くそんな事は無く、筋が一本通ったような真摯な姿勢には非常に感銘を受けた。人柄であろう。
興味本位で読んでもそれなりに楽しめるし役立つと思うが、むしろ、本当に業務で必要とする人が手に取るべき入門書という位置づけである。
個人的にも、対人の営業スキルとして非常に参考になったと思う。

ただ、あまのじゃくなためか、若干首肯しかねる主張もある。

督促とは、債務者の信用を守る仕事なのです。現代社会では信用を失うという事は生きていく術を失うという事に等しい。返済が滞りカードが止まり、信用情報に傷が付けば、その人の命すら危うい状況になりかねない。だから、怒られても怒鳴られても、人から後ろ指を指されても、私達は督促するんです。督促する事で、債務者の信用を、ひいては債務者を守るのです。

こうした著者の主張は尊いしもちろん真実が含まれているだろう。だが、そもそも安易に借金ができてしまう仕組み自体はどうなのだろう。むろん、今すぐ資金が無ければ命に関わる、という事態はあるかもしれない。しかし、簡単にキャッシングできる、簡単にクレジットできる、という仕組みが、積もり積もって危機的債務者を生み出しているという側面は無視できないだろう。もちろんそうした構造は一企業一部署で奮闘する著者の責に帰すべき問題では無いが、上記の主張を丸ごと飲み込むには違和感を禁じ得ないのも事実である。

個人的には、借金をしたらもはや人間では無いと心得よ、と躾けられた古い(?)価値観が染みついており、借金という概念からは直ちに忌まわしさが反射される。もちろんいい大人なので、借金の有無で人を差別してはいけないという理性は働くが、借金なんてしたくないし借金をするような人とは関わりたくないというのが本音である。
と偉そうに書きながら、かくいう自分だって、ローンを組んだ事もあるし、商売していれば未払い金も積み上がるし、なにより毎日のようにクレジットカードを使ってネットショッピングをしているのだ。心の隅にやましさを感じながら借金に汚れつつ生きていかざるを得ないのが現代なのだろう。これもある意味修行なのかも知れない。

検索すると続編ぽいものが出版されているらしいので機会があれば読んでみたい。

榎本まみ
督促OL 修行日記