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それって儲かるの?

~TVQぐっ!ジョブ番組スタッフの取材日記

お客とつくる楽しいコミュニティー

街の○○屋さんの“コト売り”戦略

 

今回のぐっ!ジョブは、

販売プラスアルファの取り組みでキッチリ稼ぐ “街のお店”に注目!

店を単なる販売店ではなく「遊びの拠点」と捉え、

サイクリングやカフェ巡りなど、とにかくお客と遊び尽くす自転車店。

かたや、文章力養成ゼミや写真撮影講習など、

ユニークかつ実践的なワークショップで業績を伸ばす書店。

「モノ」の先にある「コト」を売るユニークな顧客獲得作戦に迫る!

 

福岡市南区にある「正屋」は、

ロードバイクやマウンテンバイクなど、スポーツ用自転車を取りそろえる専門店。

数十万円クラスから100万円を超える自転車が次々に売れているから驚きだ。

店主の岩崎正史さんは、こうした本格志向のお客をある「楽しい仕掛け」で呼び込んでいる。

毎週お客を募り無料のツーリングイベントを開催。先々で景色やグルメを楽しめると大人気!

さらに店には、お客の自転車を保管するガレージやシャワールームが完備されているほか、

スペシャルティコーヒーやオリジナルビールを楽しめるカフェも併設。

軒先では農産品のマルシェも開く。

こうした“自転車ライフをとことん楽しむ場”を設けることで自転車好きが集結!

お客が互いに“自転車熱”を高め合うことで、新規購入やカスタマイズにつながっていた。

 

一方、“本の先にある体験”を売って好評なのが「天狼院書店」。

三浦崇典社長は「お客は、本ではなく、

本を読んで得られる体験や知識を求めている」と考え、

プロのカメラマンを講師にした「写真撮影講座」や、

著名作家による「ライター養成講座」など、100種類以上の有料ゼミを開催。

受講したお客からプロのカメラマンやライターも生まれ、かなり実践的だと評判に!

今や売り上げの柱となっている。

さらに、こうして生まれたプロたちに仕事として原稿を依頼し文芸雑誌の出版にもつなげている。

学びの場、発表の場を提供し、お客が買うというユニークな循環を生み出している。

書店とお客のコミュニティーはコロナ禍でもオンラインを駆使して広がり、

現在同書店は全国10店舗にまで拡大している。

 

民間会社&地元の知恵がワクワクを生み出す!

新たな「街の公園」のカタチ

 

全国の「公園」の姿が変わり始めている。

敷地内に民間の商業施設が次々にオープン、ここ福岡でも飲食店やレジャー施設、

中には宿泊施設をも備えた公園が登場した。

“ビジネスチャンスの追求”を超えた、民間資本による新たなにぎわいと

まちづくりの最新局面に迫る!

 

民間企業が公園内に商業施設を建て、その収益で園を維持・管理していく仕組みは

Park-PFI(パークピーエフアイ)」と呼ばれる。

福岡市の「海の中道海浜公園」もこの制度を活用し、今年3月にリニューアルを果たした。

広場には、国内最大規模のアスレチックタワーや宿泊・飲食施設、スパも登場した。

運営主体はホテルや建設など民間企業からなる共同事業体。

公園を“観光の目的地”と捉え、滞在しながら自然を楽しむ「パークツーリズム」が基本コンセプトだという。

今後はマリンスポーツ対応も充実させ、フェス会場としても活用する予定。

集客目標は従来の2.4倍となる年間12万人を掲げている。

 

いっぽう久留米市では、公園を地域の新たな“交流の場”へと変える取り組みが進行中。

拠点となるのは、今年7月に同公園内にオープンしたカフェ「KURUMERU(くるめる)」だ。

地元の食材を生かした料理を楽しめ、巨大な窓を開放すれば公園と一体化したイベントスペースが出現!

今後は朝ヨガや、地元飲食店によるキッチンカーイベント、星空観察会などを開く予定だ。

地元に住む人たちがアイデアを出し合い、

ワークショップなどさまざまなイベントを開催できる場へと変化しようとしていた。

 

買い物から大掃除までシニアをフルサポート!

「本業+御用聞き」の顧客獲得術

 

“買い物難民”が増加する街で、タクシー会社が異例の「買い物代行サービス」をスタート!

一方、米の配達から大掃除の手伝い、そして住宅リフォームまで、

お客の困りごと解決を請け負う街の電器店も…。

シニア客をガッチリつかんで本業につなげる、驚きの「御用聞き」サービスに迫る!

 

 長崎県で全国的にも珍しい、タクシー運転手による買い物代行サービスが始まった。

県内19のタクシー会社と、地元のスーパーが提携するサービスで、

利用者は専用カタログから商品を選び、タクシー会社へ伝えればOK

運転手がスーパーで買い物をし、自宅まで届けてくれるのだ。

発案したのは「佐世保タクシー」。

コロナ禍で稼働が少なくなった車両や人員を生かすと同時に、

交通手段を持たず日々の買い物に苦労する高齢者たちを支援している。

料金は商品代に加え、代行手数料(2km以内1000円)がかかるが、

長崎県には不便な斜面地に住む高齢者も多く、利用者数は増加しつつある。

 

 いっぽう、福岡市東区和白にある電器店「カノデンキ」は、

家電販売以外の「御用聞き」で店のファンを獲得している。

半径5km以内に暮らす人を対象に、米の配達や高所のくぎ打ち、

掃除の手伝い、住宅のバリアフリーリフォームなど、

生活に関わる様々なサービスを実施。

「困りごとは何でも解決してくれる」、「呼べば30分で来てくれる」と評判を呼び、

3000世帯もの顧客獲得に成功した。

頻繁に顧客訪問することで、買い替えや家電修理のタイミングも逃さずキャッチ!

また、家の広さや家族構成、生活スタイルまで把握することで、的確な商品提案も可能に。

周辺には安くて品ぞろえの良い大手家電量販店があるが、

この顧客との厚い信頼関係によって価格競争に巻き込まれることなく、

安定した業績を上げている。

48年前に夫婦2人で始めた小さな店は、今や従業員20人、

年間3億5000万円を売り上げる繁盛店に成長している。

 

 

寿司からスイーツまで驚きのコスパ!!

筑豊最強“食のワンダーランド”

 

今回のぐっ!ジョブは、福岡県飯塚市にある “食の複合施設”「一太郎」に注目!

新鮮な海・山の幸、豪華手作り総菜が並ぶ「道の駅型物産館」と、

特大ネタが自慢の「回転寿司」がドッキング!

市内外から1日3000人を超えるお客を呼び込み、

売り上げは年間25億円に上る。その絶大な集客力のヒミツに迫る。

 

飯塚市郊外にある食の複合施設「一太郎」が盛況だ。

週末には県外ナンバーの車が殺到し、敷地内の回転寿司店には行列、

物産館は大勢の人でごった返す。その魅力は何といっても魚!

 

シャリからネタがはみ出すド迫力の寿司や、豪華な刺し盛りが特価で販売されているのだ。

運営元の「丸和水産」では、ベテランの目利きバイヤーが、毎朝各地の魚市場で一括大量仕入れ。

それを切り身や寿司ネタだけでなく、干物や加工品、総菜に調理し無駄なく使い切る。

さらに、仕入れから調理、販売まで自社一貫で行うことで、高いコスパを実現しているのだ。

 

また、物産館では朝採れ野菜の直売も人気だ。

ここは栽培方法にこだわる地元の生産者が、自慢の野菜を持ち込む売り場。

こうした農家との直接契約も、年々拡大している。

さらに、地元飯塚市で活躍するパティシエとコラボし、本格スイーツの販売も開始。

地元の人々へ売り場を提供する「地域貢献」と、ラインナップ充実との両立を目指す。

 

年間25億円を売り上げる“食のワンダーランド”の心臓部へいざ!

 

出演者:中島浩二・小野口奈々・土居祥平

 

パン、スイーツ、究極の麺まで… 国産米粉の可能性をひらけ!

 

今回は、輸入小麦の高騰でにわかに注目されつつある国産米粉の話。

普及はまだまだこれからという状況だが、

国際的な政情不安で小麦供給がひっ迫するのではとの懸念もあり、

様々な食の分野でニーズが高まる予感。

そんな中、独自技術とアイデアで、より使いやすい新たな米粉商品を生み出す企業が登場。

国内はもちろん、世界へと売って出ようとしていた!

 

米粉のパイオニア的企業「熊本製粉」は、

2006年にいち早くパンやケーキ用米粉の商品化に成功した。その最大の特徴は、

「米粉100%でもふっくら焼きあがる」こと。

パンをふっくらさせるのは小麦に含まれる「グルテン」の働きによるもの。

それまで米粉で焼くパンは、ボソボソ、パサパサ…が相場だったが、

同社は「技術センター」を設けて徹底研究!

特殊な粉砕技術を発案し、既存のものよりはるかに細かく均一で、

でんぷん質をしっかり保った米粉を作ることに成功した。

パン以外にも、てんぷら粉、お好み焼き粉など14種類の米粉100%商品を開発し、

「グルテンフリー」を売りに、国内外に販路を広げている。

 

一方、福岡県遠賀町のイタリア料理人・金田淳二氏は、

地元の自治体と共に100%米粉で作る「べいめん」を開発。

独特のもっちりした食感と、炊き立てのご飯のような味わいの麺で、

和洋中どんな料理にでも合うのが特徴だ。

材料は地元遠賀川流域の農家と契約した専用米。

コメ価格の下落に苦しむ農家の支援も兼ねているのだ。

この「べいめん」を広めるため、金田氏は専門の料理店をオープン。

ふるさと納税の返礼品としても注目されている。

さらに、栄養価の高い発芽玄米を使った乾麺バージョンも開発。

長期保存できる利点を生かし、海外への販路拡大も目指している。

 

出演:中島浩二、土居祥平、小野口奈々

 

 

繁盛店の“理想の麺”をカタチにします!

 ラーメン王国・福岡を支える㊙製麺カンパニー

 

今回のぐっ!ジョブは、名だたる実力派ラーメン店から依頼が殺到する

製麺カンパニー「麺屋 慶史」に注目。

粉から製法までカスタムオーダーOKな徹底対応で“理想の麺”をカタチに。

さらに、麺だけでなくラーメン店で扱うアイテムをまとめて調達する新サービスもスタート!

ラーメン王国・福岡を陰で支える驚きの多極化ビジネスに迫る!

 

横浜家系から味噌、しょうゆ、煮干などの非とんこつ系まで、実力店がしのぎを削るラーメン王国・福岡。

あまたある小規模繁盛店の信頼を勝ち取り、勢力を拡大中なのが製麺企業「麺屋 慶史」だ。

自慢のスープにマッチする専用麺を作りたいが、自家製麺所を設ける余裕はない。

慶史は、そんな店側のニーズに応えるべく、小麦粉の種類や配合、

熟成時間までカスタムできる「フルオーダー麺」を最低ロット30玉から請け負う。

「シメのラーメンを始めたい」という居酒屋や、

「テークアウト用に伸びにくい麺が欲しい」というラーメン店の細かな注文も余さずキャッチ。

専用麺を手掛ける店は約250軒にも及ぶという。

 

さらに、去年からはラーメン店専門の卸「SSフーズウエスト」と業務提携し、

とんこつや肉、野菜はもちろん、箸や皿の取り扱いも始めた。

両社は互いの強みを生かし、得意先にセールス⇒売り上げアップ!

ラーメン店は仕入れをワンストップ化することで、輸送費や手数料を圧縮。

物価高の折、コストカットを実現できる“三方良し”の構えだ。

このトータルサポートで、新たな地域への進出を狙うラーメン店を強力にバックアップ!

すでに海外での出店サポートの依頼が続々と寄せられている。

 

出演:中島浩二、土居祥平、小野口奈々

“推しアニマル”続々誕生!

攻める動物園 ファン獲得大作戦

 

今回は、異色の取り組みを続ける大分・長崎の動物園に注目する。

コロナ禍からの巻き返しを合言葉に、動物の知られざる魅力を掘り起こし、

トレーディングカードやSNSなどユニークな手法で園外に広く発信!

動物ファンの愛すべき「推しアニマル」を生み出し集客につなげていた。

「来園を待つのではなく、掴みにいく」新たな動物園のファン獲得作戦を追った!

 

  野生のニホンザルを間近で見られる大分市の「高崎山自然動物園」。

そのサルたちを題材としたトレーディングカードが話題になっている。

園と地元の出版会社が共同で製作し、伝説のボス「ベンツ」など人気のサル30匹が登場する。

去年11月の発売以降、ツイッターで話題となり半年で4000パックを販売。

カードコレクターの中には、実物を見たいと来園する人も現れているという。

ヒットの秘密は、カードに記されたサルたちのプロフィール。

園のスタッフが毎日記録するサルの観察ノートをもとに、それぞれの逸話や攻撃力、

カリスマ性など能力をトレーディングカード風に数値化。収集欲を刺激しているのだ。

個性豊かなサルたちの魅力をカードの形で発信し、ファンのすそ野を広げている。

 

 一方、いまSNS界隈でダントツにバズっている動物園が「長崎バイオパーク」だ。

フォロワーは130万人超、スイカを食べるカバ動画が16000万回の再生数を記録!

「動物が自然に暮らす場に、人間がお邪魔する」をコンセプトに、

オリや柵を極力廃し、身近に触れ合えることで人気を博してきた。

しかしそんな同園も、コロナ禍には休園を余儀なくされ大幅に減収。

そこで始めたのがSNSへの動画投稿だった。強みの「身近さ」を生かし、

動物たちの愛らしい表情や暮らしぶりを11投稿。

さらに全国の動物園と同時配信で、「カピバラの長風呂対決」や「早食い競争」などの

オンラインイベントも開催し大当たり!

スイカ動画で人気のカバ・モモちゃんや、カピバラの青葉ちゃんなど、

新たな「推しアニマル」が次々に生まれ、彼らに直接触れ合いたいお客が全国から来園。

なんと今年のゴールデンウィークは過去10年で最多の入園者数を記録した。

 

取材企業(団体)

■高崎山自然動物園

大分市神崎3098-1

097-532-5010

https://www.takasakiyama.jp/

 

■長崎バイオパーク

長崎県西海市西彼町中山郷2291-1

0959-27-1090

http://www.biopark.co.jp/

 

「お客様は神様じゃない」⁉
“唐揚げ戦国時代”を勝ち抜く型破り経営

 

福岡・大分・熊本で35店舗を展開する

唐揚げチェーンの先駆け「大分からあげ」に注目。

大小各店がしのぎを削る“唐揚げ戦国時代”に、

「欠品OK」「従業員が神様」などセオリーの逆を行く経営方針で躍進を続けている。

その裏には、徹底的にムダを無くす周到なデータ戦略があった!

 

  コロナ下でも好調な唐揚げ市場。

この1年、唐揚げ専門店は全国で1200店以上増えたともいわれている。

時はまさしく“唐揚げ戦国時代”。

こうした中、大分・福岡・熊本3県に35店舗を展開し、

存在感を見せつけているのが「大分からあげ」だ。

輸入鶏肉が定石の業界で、高コストの国産鶏肉、

国産米油使用を打ち出し、根強いファンを獲得している。

一方で、その“高くつくこだわり”を、徹底したロス削減で補っているのが好調の秘密だという。

過去の販売データから緻密な需要予測を立て、作り過ぎを徹底セーブ。

想定外の来店があれば「品切れ」も珍しくない。

一般的には機会損失だが、河邉哲也社長は「欠品OK」とどこ吹く風。

むしろ、ロスの少なさをアピールするため全店で「フードロス率」を掲示する。

「食べ物を大切にする企業だ」とお客の好感度アップにつなげているのだ。

 

こうした需要予測は社内環境にも良い影響が。

工場で働くパート従業員たちにシフト表は無く、

働きたい日と時間帯をカレンダーに書き込めば100%希望が叶うという。

人手が集まる日とそうでない日のばらつきは生じるが、

需要予測に基づき2週間スパンで生産量を調整し予定をクリア。

労働環境の良さからスタッフの定着率はほぼ100%で、

求人広告費用も抑えられている。

河邉社長の「もったいない」精神が、驚くべき好循環を生んでいたのだ。

 

農業で・ゲーム作りで…思考力を育てる“新たな学び”とは?

 

今回は、時代の変化を見据えた「新たな学び」の現場に注目。

受験合格が至上命題の学習塾が、小学生に野菜作りから収穫、

販売までを体験させる実地の課外授業をスタート。

その狙いとは?一方、福岡市内の公立小学校では、

プログラミング教材としてある画期的なスマホアプリが採用数を伸ばしていた。

地元ITベンチャーが開発した“直観的なゲームづくり”は、

子どもたちにどんな学びをもたらすのか。ひらめきや思考力は、

教室や教科書の外でも養える?

 

九州北部で69の学習塾を運営する「全教研」が、

教室の外で「新たな学び」の提供を始めている。

糸島市に3カ所の農地を借り、小学生に野菜作りを体験させているのだ。

“自然との触れ合い”だけでなく、無農薬で野菜を作る労力やコスト、

作った野菜をどこでいくらで売るべきか、売れ残りをどうするかまでを一緒に考えるという。

経営の要素を意識し、地域の課題と解決策を模索しながら「考える力」、

「ひらめく力」を育てようという狙いだ。

「学力偏差値から思考力・対応力へ」という時代の要請に、

教室とテキストを離れた課外授業が人気を集めている。

 

 

一方、福岡市の公立小中学校でいま、

あるスマホアプリが画期的なプログラミング教材として注目されている。

地元ベンチャー企業「しくみデザイン」が開発した「スプリンギン」だ。

2017年のリリース後、学習塾や学校が教材としてこぞって採用し、

ダウンロード数は100万件に迫る勢い。

その特徴は、自分で描いたイラストに動きや音声を与え、

誰でも直観的にオリジナルゲームが作れるという点。

専門知識や難解なプログラミング言語は一切使わず、

どうすれば面白い展開を作れるかに集中することで、

思考力やひらめきが養われると期待されている。

福岡市の公立小中学校だけでなく、全国500以上の教育機関で導入が進む。

「発想を鍛える」このアプリの快進撃はまだ始まったばかりだ。

 

出演:中島浩二、土居祥平、小野口奈々

福岡の個性派飲食チェーン・ONOグループ

「採算度外視」のウラに地道な効率化あり!

 

今回のぐっ!ジョブは、福岡を中心に10以上の飲食店を展開する「ONOグループ」。

和食懐石からホテルレストラン、ラーメンとジャンルも業態もバラバラだが、

共通するのは、料理の質・量において「お客が満足するまで帰さない」という

“おもてなしスピリッツ”だという。

採算度外視にも見える手厚いサービスの裏には、

地道な効率化の取り組みがあった。

去年11月、福岡市天神にオープンした新スタイルの飲食店

「ザ・オノ・マーケット」が盛況だ。

海鮮、ベーカリー、中華、イタリア総菜、バーなどの売り場が並び、

買ったものをフロア中央の席で楽しむマーケット方式。

運営するのは、福岡市内でさまざまな飲食店を展開する「ONOグループ」。

その実績と経験を生かして作りあげたのがこの店だ。

グループのこだわりは「お客が満足するまで帰さない」という手厚いもてなし。

例えばラーメン店では150ものメニューを開発、

替え玉やご飯のお変わりは無制限という大盤振る舞い。

創作中華やホテルレストランでもお客の想像を超える

「質とボリューム」を追及し、根強いファンを獲得している。

一見採算度外視にも映るが、その裏では地道な効率化の取り組みが続いていた。

その拠点となるのが冒頭の「ザ・オノ・マーケット」だ。

小野孝社長が1人で目利き・一括仕入れした食材をこのキッチンで仕込み、

グループ全店に供給する。余った食材も総菜として無駄なく活用、

業務効率化とコストダウンにつなげていた。

こうした取り組みで、

コロナ禍に平時の3割まで落ち込んだグループの売り上げは7割にまで回復。

さらに、今夏JR九州が京都にオープンするホテル、

「ザ・ブラッサム京都」で、レストラン事業を担うことが内定。

独自の「小野のもてなし」を全国発信しようとしている。

 

出演:中島浩二、土居祥平、小野口奈々