8月5日

産卵編に入ったが、実はまだ産卵を開始した訳ではない。産卵を待つ状況に入っただけである。

実は今までツマベニチョウの採卵は何度か試み、少しは産卵したこともあったが、全く産卵しなかったこともあった。全体として、アゲハ類よりもかなり難しい。


日光が当たらない場所に置くと全く産卵しない、日光が良く当たる場所に置くと少数産卵して熱死する。簡単に言うと、私はまだ、ツマベニチョウが良く産卵する条件を把握していないと言うことだろう。


コヒョウモンモドキと同様、こちらも長期戦に入ったかなと思う。コヒョウモンモドキの時も、採集した直後は全く産卵する気配を見せなかったが、5日程で産卵を始めた。今回はいつ産卵するのか、それ以前に雌が交尾しているかどうかも分からない。とにかく雌を元気に保つしかない。


ただ、雄は2頭共、同じ容器に入っていた雌が羽化した翌朝までに死亡、雌は3頭全部、その後もずっと元気と言うこの状況、偶然に起こることではないようにも思う。雄は死ぬべくして死んだ、雌は生きるべくして生きているのかも。


またしてもエバの策略かな、と言う気もしている。あまり早く産卵しすぎると、屋久島に行くまでに幼虫が大きく育ち過ぎ、沢山は持って行きにくくなる。かといって屋久島に行く直前に産卵では卵または若齡幼虫を持っていくことになり、生存率が低くなる。


そう考えると、産卵から2週間程度だと、持っていきやすく、生存率もそこそこ高い。そう考えると、エバにとって最も好都合な産卵日は8月10日からお盆明けあたり…。


いやいや、考え過ぎ。あれ、ただのボロボロで死にかけのツマベニチョウだったから…。