リヴァプール 30年ぶりのリーグ優勝!!
6月25日(日本時間26日)、ついにリヴァプールが30年ぶりのリーグ優勝を果たしました。1992年に現在のプレミアリーグとなってからは、初めての優勝でした。7試合を残しての優勝はプレミア史上最速。一方で6月25日に優勝が決まったのは史上最遅という奇妙な記録が生まれました。こんなシーズンはおそらく後にも先にも無いでしょう。いざ待ちに待った優勝が決まると、なんか気持ちの持って行き場に困るというか、どう喜んでいいのか分からず、戸惑っているここ数日です。あまりに長い道程だったのもあるし、今シーズンは独走状態だったのでかなり以前から優勝を確信していたのもあるしで、コロナの影響でシーズンが中止になって優勝もチャラなんて理不尽なことが起きないかだけが心配でした。無事にリーグが再開され、目の前に迫っていた優勝がマンCの敗戦で決まった瞬間は、あー良かったー、ようやく優勝できたーという安堵感の方が強かったかも知れません。それでもクロップ監督が感極まってしまった会見の様子や、公式ページで流れていた動画などを観ると、グッとこみ上げるものがありました。とにかく長かった。待ちに待った瞬間の爆発よりも、今までの記憶が日を追うごとに少しずつ蘇り、数日経った今も幸せな気分に静かに包まれているというのが正直なところです。かつてプレミアリーグ以前に隆盛を極め、国内や欧州でも有数の強豪クラブだったリヴァプールは、90年代以降マンチェスターUやアーセナル、その後はチェルシーやマンチェスターCなどの後塵を拝して、欧州のカップ戦では何度かタイトルを獲るものの、国内リーグの優勝からは長く遠ざかっていました。30年前というと、私は大学生。当時はまだ野球部に在籍していて、サッカーのサの字も知らない若僧でした。その数年後に社会人になり、日本でもJリーグが華々しく誕生して、あの"ドーハの悲劇"があり、ワールドカップを観るようになって、徐々にサッカーに触れることになりました。98年に行なわれたW杯フランス大会で、個性的な面々が躍動したイングランド代表に魅了され、サッカーの母国イギリスのサッカーに興味を持ち、ワンダーボーイと呼ばれ大活躍したオーウェンのいるリヴァプールの存在も、その頃初めて知ることになります。そのオーウェンがレアルマドリーに電撃移籍した翌年の2004ー05シーズン、リヴァプールは若き闘将スティーブン・ジェラードを中心に、チャンピオンズリーグで快進撃を見せ、ファイナルで奇跡的な大逆転勝利を演じて欧州の頂点に返り咲きます。(イスタンブールの奇跡)この大会でのリヴァプールとジェラードの熱い戦いぶりに心揺さぶられ、私は完全にこのクラブの虜になりました。翌シーズンからスカパーで毎週の試合をチェックするようになり、少年時代から自身もプレーしてきた野球から、殆どやったこともないサッカーへと自分の中のスポーツマインドが切り替わっていきました。それから約15年。経営不振によるオーナー交代や主力選手の移籍など多くの苦難を経ながらも、リヴァプールは幾度か悲願のプレミアリーグ制覇にあと一歩まで迫ったシーズンもありました。そしてその時代をずっと背負ってきたキャプテンがジェラードでした。私にとってリヴァプールは彼であり、彼こそリヴァプールという象徴的な存在でした。しかしそのジェラードが14ー15シーズンを最後にチームを離れても、私のリヴァプールへの愛は変わりませんでした。もはや私の心のクラブはリヴァプールであり、すでにその精神は赤く染まっていたのです。そして翌シーズンの途中、成績不振を理由にロジャース監督が解任されます。それまでも繰り返してきた指揮官交代。再び悪しきサイクルに逆戻りしてしまう不安が頭をよぎった矢先、新監督がリヴァプールにやって来ました。ユルゲン・クロップです。私は元々ロジャース解任には反対でしたが、もし連れてくる新指揮官がこの人なら希望が見えると思っていた唯一の人物でした。クロップが率いる新生リヴァプールは、その後年々強くなり、着実に復権への道を歩むことになります。2年連続でチャンピオンズリーグ決勝へ勝ち進み、昨季はあの04ー05以来の優勝をもぎ取りました。そしてプレミアでは、マンCと史上最高レベルのデッドヒートを繰り広げ、勝ち点わずか1差の2位でフィニッシュしました。しかしその昨シーズンが終わった時、私だけでなく多くのリヴァプールサポーターは思ったはずです。必ずこのチームで優勝できる。クロップなら絶対にプレミアも獲れる、と。今シーズンは序盤から、圧倒的な勝利こそ少ないものの僅差で勝利を積み重ね、CLを制覇し歴史的な成績を上げた昨シーズンで得た自信と、勝者のメンタリティーがひしひしと感じられました。現時点まで31試合を消化して28勝2分け1敗。2位マンCが20勝3分け8敗。勝ち点差は実に23も開きました。マンCを率いるペップ・グアルディオラ監督は、リヴァプールの優勝に敬意を表し「リヴァプールと我々は優勝に懸ける熱量が違っていた。彼らは一試合一試合を決勝戦のようなモチベーションで戦っていた」とコメントしました。まさにその通りだったと思います。今季のリヴァプールは昨シーズンわずか1ポイントで逃した優勝に執着して、絶対に勝ち点1すら失わない、引き分けすらしない、勝ち切るんだという気持ちで毎試合戦っていました。このプレッシャーを自らに課して1シーズン戦い切ることがどれほど大変か。リヴァプールは全員の力でそれを乗り越えたのです。今季はサラーもマネも、得点王のタイトルは獲れないでしょう。MVPもおそらく何人かの選手に評価が分かれると思います。それほど突出した個人の活躍があった訳ではなく、まさに全員サッカーで掴んだ優勝だったのです。これほどの独走をしてきたリヴァプールには、残り7試合で達成の可能性がある記録が多くあります。7試合のうち5勝すれば、シーズン最多勝利と最多勝ち点記録を更新します。残り3試合のホームゲームを勝てば、シーズン最多ホーム勝利(史上初のホーム全勝)となります。しかし優勝が決まって、しかもコロナ中断により今後は過密日程となるため、メンバーを入れ替えながら戦うことになるでしょう。新記録の達成は難しい状況なので、あまり期待値を上げずに残り試合を楽しみたいと思っています。元野球人だった私が完全にサッカー好きに変貌して、15年にわたりずっと追い続け、敗れて泣き、勝って泣いてきた我が心のクラブが、ついに頂点に立ちました。今は何とも表現しきれない想いで一杯です。まさかプレミアチャンピオン、欧州チャンピオン、そしてワールドチャンピオンとして過ごす日が来るとは…。嬉しいような、くすぐったいような、うまく行きすぎてて怖いような、複雑な気分です。 でもこれだけは自信を持って言えます。リヴァプールは本当に強くなったと。それは単に試合に勝つという強さではなく、クラブとしてオーナーからクラブ、そのスタッフ、監督、選手に至るまで、一体となって確かな再現性を持った強固な組織とサッカーを作り上げたという意味でです。今やリヴァプールの成功は、世界のサッカーのモデルケースとして賞賛されるまでになりました。そしてそこには紛れもなく我々サポーターもいます。苦しい時も、悔しい時も、ずっとチームを信じてきた我々の想いが、この優勝を勝ち取ったという自負があります。誇らしい気持ちに疑いはありません。見てくれ!俺たちのクラブを!!と思いきり叫びたい気持ちです。しかしリヴァプールの逆襲はこんなもんでは終わりません。舐めてきた苦杯はこんなもんじゃない。新たな黄金時代の幕はまだ上がったばかりです。それでも今回の優勝に際してひとまず言いたいです。おめでとう、リヴァプール。おめでとう、リヴァプールを応援する世界中の人たち。ありがとう、クロップ。ありがとう、ヘンダーソン。ありがとう、選手たち。ありがとう、ジョン・ヘンリーオーナー。ありがとう、マイケル・エドワーズSD。ありがとう、リヴァプールを支えるスタッフの皆さん。ありがとう、私を魅了し続けてくれた今までの選手や監督たち。ありがとう、ケニー・ダルグリッシュ。ありがとう、リヴァプールの人たち。ありがとう、共にリヴァプールを愛するサポーター、KOPたち。そしてありがとう、ジェラード。あなたがいたから私はリヴァプールが大好きになれました。これからも、たとえどんなに弱くなっても、リヴァプールを愛する気持ちは変わらないでしょう。You'll Never Walk Aloneの精神は、もはや私の中に永遠に息づいています。これでも語り尽くせないリヴァプールへの想い。選手個々にもスポットを当てて語りたいです。今後もリヴァプールの話題がしばらく続くかも知れませんが、ご容赦願います。♪You'll Never Walk AloneWhen you walk through a stormHold your head up highAnd don’t be afraid of the darkAt the end of the stormThere’s a golden skyAnd the sweet silver song of a larkWalk on, through the windWalk on, through the rainThough your dreams be tossed and blownWalk on, walk on, with hope in your heartAnd you’ll never walk aloneYou’ll never walk alone♪ 嵐のなかを進むなら顔を上げて前を向こう暗闇を恐れるな嵐の向こうには青空が広がっている小鳥の優しい歌声が待っている風に向かって進もう雨にうたれても歩みを止めずたとえ夢破れようと行こう、進むんだ希望を胸に抱いて行こう君は独りぼっちじゃない君は独りぼっちじゃないんだ