人生観を変える冒険の旅。
常にそういうものへの憧れはあります。
そんな男たちにはこれを観てほしい。
モーターサイクル・ダイアリーズ
The Motorcycle Diaries
(2004年/イギリス=アメリカ)
【作品紹介】※DVDパッケージ裏面から引用
遥かなる南米大陸1万キロ縦断の旅。
その記憶が名もなき青年の未来を変え、世界を変えた。
のちに親しみをこめて"チェ"と呼ばれ、今もなお愛され続けている伝説の革命家ゲバラ。
知られざる青春時代の心の軌跡を綴った真実の物語。
1952年、23歳の医学生エルネスト・ゲバラは、親友アルベルトとともに中古のおんぼろバイクに乗って南米大陸縦断の冒険旅行に出る。
アルゼンチンからアンデス山脈を越え、チリ、ペルー、マチュピチュ、クスコ、そしてアメリカへ、それは金も泊まるあてもない無鉄砲な旅だった。
情熱にあふれた美しい茶褐色の瞳で、出会う全ての人々を魅了するエルネスト。
大いなる自然を疾走しながら、彼はラテン・アメリカの真の姿に気付き始めていた…。
製作総指揮/ロバート・レッドフォード
監督/ウォルター・サレス
出演/ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリゴ・デ・ラ・セルナ、ミア・マエストロほか
126分
【レビュー】
これはあの革命家チェ・ゲバラの若き日の実話です。
旅を続ける道中で彼らはそれまで知らなかった南米大陸の悲壮な現実を目の当たりにします。
貧困や差別に苦しむ人々に触れ、国家や社会の在り方に疑問を抱いた彼は、自分に何ができるのか、この世界には何が本当に必要なのかを考え苦悩するのです。
私たちが知るチェ・ゲバラがなぜ生まれたのか、彼がこの旅を経てどのように変革したのか、どんな想いでその後の革命へと突き進んでいくのかが紐解かれ、観ているこちら側も彼の心のうちに入り込んだ思いがして胸が熱くなります。
昨年は憧れの南米まで足を伸ばせませんでしたが、いつか必ず行ってみたいです。
男なら、こういうあてもない無謀な旅って憧れるもんですよね。
私もこの作品をもっと若い頃に観る機会があったら、少なからず感化されてたかもなーと思ったりしますが、一方で面倒くさがりだしこんな無茶な冒険旅行はたとえ若くても俺には無理かもなーとも思います。
実際のゲバラとは風貌もかなり違いますが、ガエル・ガルシア・ベルナルはメキシコ映画「アモーレス・ペロス」(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督)から好きで、その精悍で思慮深いイメージは適役だと思います。
その後の世界を変えた男の静かな内なる変革。
いつもこの作品を観終わると、じっとしていられなくなるというか、自分に何ができるのか、何をすべきなのかを考えて熱い気持ちになるのです。
個人的には2000年代を代表する傑作だと思います。
ロードムービーの金字塔「イージー・ライダー」や、大好きなスティーブ・マックィーンが躍動する「大脱走」など、結構バイクが登場する作品に好きなものが多いんですが、私自身はバイクに関心があまりなく憧れだけ。
バイク乗りの先輩にオススメしときます。