音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~ -36ページ目

音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

大阪芸術大学 特別演奏会 2022

 

【日時】

2022年12月8日(木) 開演 18:30 (開場 17:30)

 

【会場】

フェスティバルホール (大阪)

 

【演奏】

指揮:大友直人

ソプラノ:上野舞 *

アルト:太島優希 *

テノール:秋本靖仁 *

バリトン:三原剛 *

合唱:大阪芸術大学混声合唱団 *

管弦楽:大阪芸術大学管弦楽団

 

【プログラム】

ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 より 第1幕への前奏曲

モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626 *

 

 

 

 

 

大阪芸術大学の特別演奏会を聴きに行った。

指揮は、1958年東京生まれの指揮者、大友直人。

 

 

 

 

 

最初の曲は、ヴァーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲。

この曲で私の好きな録音は

 

●フルトヴェングラー指揮 バイロイト祝祭管 1943年7月15,18,21,24日バイロイトライヴ盤(NMLApple MusicCD

●フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィル 1949年4月1,4日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

●フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル 1949年12月19日ベルリンライヴ盤(NMLApple MusicCDYouTube

●カラヤン指揮 ベルリン・フィル 1957年2月18,19日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

●クナッパーツブッシュ指揮 ミュンヘン・フィル 1962年11月セッション盤(Apple MusicCDYouTube

●カラヤン指揮 シュターツカペレ・ドレスデン 1970年11月24日~12月4日セッション盤(NMLCD

●カラヤン指揮 ベルリン・フィル 1974年9月22日~10月1日、15-19日セッション盤(NMLCD

 

あたりである。

 

 

今回の大友直人&大阪芸大管の演奏は、これらの古き名盤たちの迫力に敵うものではなかったけれど、それでもどっしりしたこの曲は彼に向いていると感じた。

 

 

 

 

 

メインの曲は、モーツァルトのレクイエム。

この曲で私の好きな録音は

 

●ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ 1986年9月22-24日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

 

あたりである。

ノイマン盤(1990)、サバール盤(1991)、ヘレヴェッヘ盤(1996)、ベルニウス盤(1999)、クルレンツィス盤(2010)、鈴木雅明盤(2013)など、合唱の洗練された美しい名盤は多いが、色々聴いてもやっぱり最後には自然なガーディナー盤に原点回帰してしまう。

それに、ガーディナー盤のソリストたちの質の高さ、特にソプラノのバーバラ・ボニーの天上の声ともいうべき清らかな歌唱は、唯一無二のものである。

 

 

今回の大友直人&大阪芸大管の演奏は、私がこの曲に期待する、上記の名盤に聴かれるような“軽み”や“祈り”のようなものは感じられず、どっしり淡々としたもので、何とも彼らしいなと思った。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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大阪フィルハーモニー交響楽団

第563回定期演奏会

 

【日時】

2022年11月18日(金) 開演 19:00

 

【会場】

フェスティバルホール (大阪)

 

【演奏】

指揮:エリアス・グランディ

ピアノ:ミシェル・ダルベルト *

管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団

(コンサートマスター:崔文洙)

 

【プログラム】

モーツァルト:ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K.467 *

マーラー:交響曲 第1番 ニ長調 「巨人」

 

※アンコール(ソリスト) *

シューベルト/ラフマニノフ:「美しき水車小屋の娘」 より 第2曲 「どこへ?」

 

 

 

 

 

大フィルの定期演奏会を聴きに行った。

指揮は、1981年ドイツ生まれの指揮者、エリアス・グランディ。

ソリストは、1955年フランス生まれのピアニスト、ミシェル・ダルベルト。

 

 

 

 

 

前半の曲は、モーツァルトのピアノ協奏曲第21番。

この曲で私の好きな録音は

 

●古海行子(Pf) K.ブーマン指揮 カペラ・ビドゴスティエンシス 2019年11月19日パデレフスキコンクールライヴ(動画

●アンスネス(Pf、指揮) マーラー・チェンバー・オーケストラ 2020年11月8-10日セッション盤(Apple MusicCDその記事はこちら

 

あたりである。

この曲の清涼さを、古海行子が表現しつくしている。

濁りなき第1主題部のトリル、涙が出るほど晴れやかな第2主題。

少しもべたつくことなく自然体で疾走する、理想的な「モーツァルトのハ長調」である。

ただ少しミスがあるため、ミスのない演奏が聴きたいときにはアンスネス盤を聴く。

この2つさえあれば十分ではないか、と思われるような名演。

 

 

今回のダルベルトの演奏は、これらの名盤とは対極にあるもの。

滑らかさや自然さとは無縁の、酸いも甘いも知ったる大人の演奏である。

ダンディズム、と形容してもそれほど遠くはないか。

私のこの曲のイメージとは異なっており、またテクニック面でも万全とは言えず、楽しめないかと思いきや、意外と面白く聴くことができた。

音楽の引き出しというのは、本当に色々あるものである。

 

 

 

 

 

後半の曲は、マーラーの交響曲第1番「巨人」。

この曲で私の好きな録音は

 

●ワルター指揮 コロンビア響 1961年セッション盤(Apple MusicCD

●ブーレーズ指揮 シカゴ響 1998年5月セッション盤(Apple MusicCDYouTube1234

●ネゼ=セガン指揮 バイエルン放送響 2014年6月26,27日ミュンヘンライヴ盤(NMLApple MusicCD動画

●カンブルラン指揮 読響 2017年4月8日東京ライヴ(音源)

 

あたりである。

いずれも、清々しい森の空気が感じられるような名演。

カンブルラン&読響の演奏は実演でも聴いたが、素晴らしかった(その記事はこちら)。

 

 

今回のグランディ&大フィルの演奏は、残念ながらこれらの名盤に比べられるものではなかった。

レベルの高いはずの大フィルの弦がうまく活かされず、純な響きが得られない。

テンポはけっこう変化するが、不自然ということはないにせよ、あまり板についてはいない印象。

終楽章の音の鳴りもいま一つで、大音響に圧倒されるということがない。

まだ若い指揮者であり、これからの研鑽に期待したい。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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「フランツ・リスト」

※ライブストリーミング配信

 

【日時】

2022年11月14日(月) 開演 20:00

 

【会場】

カフェ・モンタージュ (京都)

 

【演奏】

ピアノ:松本和将

 

【プログラム】

リスト:「森のざわめき」

 - 2つの演奏会用練習曲 第1番 S.145-1

 

リスト:愛の夢 第3番 変イ長調 S.541-3

 

リスト:「ラ・カンパネッラ」

 - パガニーニによる大練習曲 第3番 嬰ト短調 S.141-3

 

リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178

 

 

 

 

 

カフェ・モンタージュでの、松本和将によるフランツ・リスト演奏会シリーズをオンライン配信で聴いた。

今回は同シリーズの第2回である。

 

→ 第1回 「ダンテを読んで」 バラード第2番 ほか

 

 

 

 

 

松本和将のピアノは、相変わらず好調。

リストのラ・カンパネラでは、私は

 

●M.アムラン(Pf) 2002年2月セッション盤(CD

●プーン(Pf) 2016年私家録音(動画

●進藤実優(Pf) 2019年6月クライバーンJr.コンクールライヴ(動画

●丸山凪乃(Pf) 2019年8月25日京都ライヴ(動画

●Youngho Park (Pf) 2021年5月4日エリザベートコンクールライヴ(動画

 

あたりが好きなのだが、ひんやりと無機質なアムランやPark、しっとりと抒情的なプーンや進藤実優や丸山凪乃とも違った、硬派ながらも有機的で温かみのある今回の松本和将の演奏もまた、この曲の新たな一面を見せてくれるものだった。

テクニック的にも同音連打部分など安定していて危なげない。

 

 

 

 

 

また、リストのピアノ・ソナタでは、私は

 

●ツィメルマン(Pf) 1990年セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

●デミジェンコ(Pf) 1992年2月5,6日セッション盤(CD

●江尻南美(Pf) 2005年5月フランクフルトライヴ(動画1234

●チョ・ソンジン(Pf) 2012年8月8日ドゥシニキ=ズドゥルイライヴ(音源)

●リード希亜奈(Pf) 2019年パルマドーロコンクールライヴ(動画

●阪田知樹(Pf) 2021年5月12日エリザベートコンクールライヴ盤(NMLApple MusicCDYouTube動画

●キム・セヒョン(Pf) 2022年6月11日仙台コンクールライヴ(動画)

 

あたりが好きなのだが、七人七色のこれらのきわめて個性的な名盤のいずれとも違った、今回の松本和将の交響詩を思わせる力強い演奏もまた聴きごたえのあるものだった。

演奏前後の楽曲解説(ファウストに基づく)も興味深く、また昨今のテクニック偏重主義への警鐘もあって、その通りと思いながらも、私の聴き方にもそのきらいがあると思いドキッとした。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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「R.シューマン」 室内楽全集 VOL.7

- 弦楽四重奏 #2 -

※ライブストリーミング配信

 

【日時】

2022年11月7日(月) 開演 20:00

2022年11月8日(火) 開演 20:00

 

【会場】

カフェ・モンタージュ (京都)

 

【演奏】

ヴァイオリン:上里はな子

ヴァイオリン:ビルマン聡平

ヴィオラ:坂口弦太郎

チェロ:江口心一

 

【プログラム】

シューマン:弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調 op.41-2 (1842)

メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第4番 ホ短調 op.44-2 (1838)

 

 

 

 

 

カフェ・モンタージュ主催の、メルセデス・アンサンブルによるシューマン室内楽全曲演奏会シリーズをオンライン配信で聴いた。

今回は同シリーズの第7回である。

 

→ 第1回 ピアノ三重奏曲第1~3番

→ 第2回 ピアノ四重奏曲

→ 第3回 ピアノ五重奏曲

→ 番外編 ブラームスのピアノ三重奏曲第1番

→ 第4回 ヴァイオリン・ソナタ第1番、F.A.E.ソナタ

→ 第5回 ヴァイオリン・ソナタ第2、3番

→ 第6回 弦楽四重奏曲第1番

 

 

 

 

 

似たような時期に書かれたメンデルスゾーンとシューマンの弦楽四重奏曲3曲セットを、1曲ずつ組み合わせて演奏するという大変興味深い企画。

上里はな子らの演奏はいつもながら質の高いもので、こうした綿密かつ網羅的な企画演奏会で聴けるのは贅沢なことである。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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大阪フィルハーモニー交響楽団

第562回定期演奏会

 

【日時】

2022年10月21日(金) 開演 19:00

 

【会場】

フェスティバルホール (大阪)

 

【演奏】

指揮:ミシェル・タバシュニク

合唱:大阪フィルハーモニー合唱団(合唱指導:福島章恭) *

管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団

(コンサートマスター:崔文洙)

 

【プログラム】

ウェーベルン:管弦楽のための6つの小品 op.6

ストラヴィンスキー:詩篇交響曲 *

チャイコフスキー:交響曲 第4番 ヘ短調 op.36

 

 

 

 

 

大フィルの定期演奏会を聴きに行った。

指揮は、1942年スイス生まれのいわくつきの指揮者、ミシェル・タバシュニク。

彼の演奏を聴くのは、私は今回が初めて。

 

 

 

 

 

最初の曲は、ヴェーベルンの「管弦楽のための6つの小品」op.6。

この曲で私の好きな録音は

 

●R.クラフト指揮 R.クラフト管 1956年2月24日セッション盤(Apple MusicCD

●ブーレーズ指揮 ロンドン響 1967-1972年セッション盤(Apple MusicCD

●R.クラフト指揮 フィルハーモニア管 2002年7月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123456

 

あたりである。

 

 

今回のタバシュニク&大フィルの演奏も、これらに匹敵するものだったように思う(さすがはブーレーズの弟子)。

特に第4曲の、少しずつ少しずつ盛り上げ壮絶な大音響に向かいながらも、音の響きがごちゃごちゃすることなく整理されているのには、感心させられた。

これぞ、大オーケストラで聴く前衛音楽の醍醐味である。

 

 

 

 

 

次の曲は、ストラヴィンスキーの詩篇交響曲。

この曲で私の好きな録音は

 

●ストラヴィンスキー指揮 CBC響 1963年3月セッション盤(Apple MusicCD

●ブーレーズ指揮 ベルリン・フィル 1996年2月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●ガーディナー指揮 ロンドン響 1999年セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

 

あたりである。

 

 

今回のタバシュニク&大フィルの演奏も良かったが、新型コロナウイルス対策の覆いのために、合唱団の声がだいぶ小さく聴こえてしまうのが残念。

それでも、合唱曲が生で聴けるだけでもありがたいものである。

 

 

 

 

 

最後の曲は、チャイコフスキーの交響曲第4番。

この曲で私の好きな録音は

 

●メンゲルベルク指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管 1929年6月11,15日セッション盤(CD

●フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィル 1951年1月4、8-10日、2月16日セッション盤(Apple MusicCD

●ムラヴィンスキー指揮 レニングラード・フィル 1960年9月14,15日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

●カラヤン指揮 ウィーン・フィル 1984年9月17-24日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

●ソヒエフ指揮 トゥールーズ・キャピトル国立管 2006年7月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

 

あたりである。

 

 

今回のタバシュニク&大フィルの演奏は、これらの名盤ともまた違う、熱狂でも闘争でもない、落ち着いたテンポながら楽天的なエネルギーに満ちた音楽だった。

動的というわけでもないのに不思議と明るい、この一風変わった解釈は、この曲の私の好みとは違ったけれど、確かにある種の説得力があった。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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