音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~ -26ページ目

音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

ロシアのモスクワで行われる、第17回チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門が、ついに始まった(公式サイトはこちら)。

6月20日は、1次審査の第1日。

ネット配信を聴いた(こちらこちら)。

ちなみに、第17回チャイコフスキー国際コンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

第16回チャイコフスキー国際コンクール(ピアノ部門)が終わって

第17回チャイコフスキー国際コンクール(ピアノ部門) 出場者発表

 

 

 

 

 

24. Min Joo YI (USA)

 

Johann Sebastian Bach: Prelude and Fugue in C minor, BWV 871, from Well-Tempered Clavier, Part 2

Frédéric Chopin: Étude in F major, Op. 10 No. 8

Franz Liszt: Étude No. 3 La campanella from Grandes études de Paganini

Sergei Rachmaninoff: Étude-tableau in F-sharp minor, Op. 39 No. 3

Pyotr Tchaikovsky: Romance, Op. 16 No. 1

Ludwig van Beethoven: Piano Sonata No. 32 in C minor, Op. 111

 

ピアノは長江。

 

 

12. Xianfei LIU (China)

 

Johann Sebastian Bach: Prelude and Fugue in B-flat major, BWV 866, from The Well-Tempered Clavier, Book 1

Frédéric Chopin: Étude in A-flat major, Op. 10 No. 10

Franz Liszt: Étude No. 1 in G minor from Grandes études de Paganini

Pyotr Tchaikovsky: Nocturne in F major, Op. 10 No. 1

Pyotr Tchaikovsky: March (Song of the Lark) from The Seasons, Op. 37-bis

Joseph Haydn: Piano Sonata in E-flat major, Hob.XVI:52

Sergei Rachmaninoff: Étude-tableau in C minor, Op. 39 No. 1

 

ピアノは長江。

 

 

08. Stanislav KORCHAGIN (Russia 1993-)

 

Johann Sebastian Bach: Prelude and Fugue in A-flat major, BWV 886, from The Well-Tempered Clavier, Book 2

Joseph Haydn: Piano Sonata in E-flat major, Hob. XVI:45

Frédéric Chopin: Étude in A-flat major Op. 10 No. 10

Sergei Rachmaninoff: Étude-tableau in D minor, Op. 33 No. 4

Franz Liszt: Étude d’exécution transcendante No. 4 Mazeppa

Pyotr Tchaikovsky – Mikhail Pletnev: Five pieces from Concert Suite from The Sleeping Beauty

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

15. Xuanyi MAO (China 1995-)

 

Johann Sebastian Bach: Prelude and Fugue in C-sharp minor, BWV 849, from Well-Tempered Clavier, Part 1

Pyotr Tchaikovsky: Dumka, Op. 59

Frédéric Chopin: Étude in A minor, Op. 10 No. 2

Franz Liszt: Transcendental Étude No. 10 in F minor

Sergei Rachmaninoff: Étude-tableau in E-flat minor, Op. 33 No. 6

Ludwig van Beethoven: Piano Sonata No. 31 in A-flat major, Op. 110

 

ピアノはヤマハ。

 

 

01. Sergei DAVYDCHENKO (Russia 2004-)

 

Johann Sebastian Bach: Prelude and Fugue in B-flat minor, BWV 891, from The Well-Tempered Clavier, Book 2

Joseph Haydn: Piano Sonata in D major, Hob.XVI:42

Pyotr Tchaikovsky: Marche funèbre (No. 4) and Scherzo (No. 6) from Six Pieces on a Single Theme, Op. 21

Frédéric Chopin: Étude in E minor, Op. 25 No. 5

Franz Liszt: Étude d’exécution transcendante No. 5 Feux follets

Sergei Rachmaninoff: Etude-tableau in D major, Op. 39 No. 9

 

ピアノはヤマハ。

 

 

18. Marcel TADOKORO (Japan/France 1993-)

 

Johann Sebastian Bach: Prelude and Fugue in D minor, BWV 875, from Well-Tempered Clavier, Part 2

Ludwig van Beethoven: Piano Sonata No. 16 in G major, Op. 31 No. 1

Frédéric Chopin: Étude in A minor, Op. 10 No. 2

Pyotr Tchaikovsky: Danse caractéristique (No. 4) from 18 Pieces, Op. 72

Franz Liszt: Transcendental Étude No. 5 Feux follets

Sergei Rachmaninoff: Étude-tableau in E-flat major, Op. 33 No. 7

Pyotr Tchaikovsky: Scherzo fantaisie (No. 10) from 18 Pieces, Op. 72

 

ピアノはヤマハ。

 

 

16. Ilya PAPOYAN (Russia 2001-)

 

Johann Sebastian Bach: Prelude and Fugue in E minor, BWV 879, from The Well-Tempered Clavier, Book 2

Ludwig van Beethoven: Piano Sonata No. 30 in E major, Op. 109

Frédéric Chopin: Étude in A minor, Op. 25 No. 11

Franz Liszt: Étude No. 6 in A minor from Grandes études de Paganini

Sergei Rachmaninoff: Étude-tableau in B minor, Op. 39 No. 4

Pyotr Tchaikovsky: Theme and Variations, Op. 19 № 6

 

ピアノはヤマハ。

 

 

19. Alessandro VILLALVA (Italy 1998-)

 

Johann Sebastian Bach: Prelude and Fugue in B-flat major, BWV 866, from Well-Tempered Clavier, Part 1

Muzio Clementi: Piano Sonata in B minor, Op. 40 No. 2

Frédéric Chopin: Étude in C-sharp minor, Op. 10 No. 4

Pyotr Tchaikovsky: Four excerpts from The Seasons

March (Song of the Lark) / August (The Harvest) / October (Autumn Song) / December (Christmas)

Sergei Rachmaninoff: Étude-tableau in D minor, Op. 33 No. 4

Franz Liszt: Transcendental Étude No. 5 Feux follets

 

ピアノはカワイ。

 

 

 

 

 

まだざっとしか聴けていないが、第1日の演奏者のうち、私が2次審査に進んでほしいと思うのは

 

08. Stanislav KORCHAGIN (Russia 1993-)

15. Xuanyi MAO (China 1995-)

01. Sergei DAVYDCHENKO (Russia 2004-)

18. Marcel TADOKORO (Japan/France 1993-)

16. Ilya PAPOYAN (Russia 2001-)

 

あたりである。

第1日は、出来不出来が比較的はっきり分かれた気がする。

もともと注目していた田所マルセルとIlya PAPOYANのほか、パワフルなStanislav KORCHAGIN、センスあるXuanyi MAO、今回初めて知った若手で活きのいいSergei DAVYDCHENKOが印象に残った。

 

 

次回(6月21日)は1次審査の第2日。

 

 


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今回は演奏会の感想でなく、別の話題を。

2023年6月にロシアのモスクワで行われる、第17回チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門(公式サイトはこちら)。

出場者(すなわち予備審査通過者)が発表されたので、ここに引用しておきたい。

 

 

 

 

 

01. Sergei DAVYDCHENKO (Russia 2004-)

02. Timofey DOLYA (Russia 1993-)

03. Bogdan DUGALIĆ (Serbia 2003-)

04. Yan FANG (China)

05. George HARLIONO (United Kingdom 2001-)

06. Konstantin KHACHIKYAN (Russia 1995-)

07. Aleksandr KLIUCHKO (Russia 2000-)

08. Stanislav KORCHAGIN (Russia 1993-)

09. Koki KUROIWA (Japan 1992-)

10. Nikolai KUZNETSOV (Russia 1994-)

11. Qiao LIU (China)

12. Xianfei LIU (China)

13. Anchi MAI (France 2002-)

14. Valentin MALININ (Russia 2001-)

15. Xuanyi MAO (China 1995-)

16. Ilya PAPOYAN (Russia 2001-)

17. Kyoungsun PARK (South Korea 1992-)

18. Marcel TADOKORO (Japan/France 1993-)

19. Alessandro VILLALVA (Italy 1998-)

20. Angel Stanislav WANG (USA 2003-)

21. Anton YASHKIN (Russia 1998-)

22. Suah YE (South Korea 2000-)

23. Yelaman YERNUR (Kazakhstan 1995-)

24. Min Joo YI (USA)

25. Zijing ZENG (China 1997-)

 

 

 

 

 

以上、チャイコフスキー国際コンクールのページより引用した(公式サイトはこちら)。

 

 

全25名。

私が注目しているのは、日本から出場する黒岩航紀、田所マルセルのほか、George HARLIONO、Valentin MALININ、Ilya PAPOYANあたりである。

 

 

ただし、2022年4月にチャイコフスキー国際コンクールは国際音楽コンクール世界連盟から除名されており、前回までと同列には評価できないことを留意されたい。

特にロシア以外からの出場者たちは、相当迷ったのではないだろうか。

ロシアの名を冠したコンクールで入賞し、ロシアの指揮者やオーケストラとの共演機会が増えることが、現代において何を意味するか。

それでも、コンクール実績は人生がかかった大事なことであり、難しい選択をした若者たちに罪はない。

 

 

なお、今後の日程は以下の通り。

1次審査:2023年6月20日(火)~22日(木)

2次審査:2023年6月23日(金)~24日(土)

3次審査:2023年6月27日(火)~29日(木)

 

 

また、前回のチャイコフスキー国際コンクール(ピアノ部門)の記事はこちら。

 

第16回チャイコフスキー国際コンクール(ピアノ部門)が終わって

 

 


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大阪フィルハーモニー交響楽団

第569回定期演奏会

 

【日時】

2023年6月16日(金) 開演 19:00

 

【会場】

フェスティバルホール (大阪)

 

【演奏】

指揮:シャルル・デュトワ

チェロ:上野通明 *

管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団

(コンサートマスター:崔文洙)

 

【プログラム】

フォーレ:組曲「ペレアスとメリザンド」作品80

ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲 第1番 変ホ長調 作品107 *

ストラヴィンスキー:交響詩「ナイチンゲールの歌」

ラヴェル:ラ・ヴァルス

 

※アンコール(ソリスト) *

バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007 より 前奏曲

 

 

 

 

 

大フィルの定期演奏会を聴きに行った。

指揮は、1936年スイス生まれの大御所指揮者、シャルル・デュトワ。

彼の大フィル定期への出演はこれで3回目(1回目はこちら2回目はこちら)。

大御所だけあって、座席はかなり埋まっていた。

86歳とは思えない、ぴんと伸びた背筋に、俊敏な動作。

ソリストは、1995年パラグアイ生まれ、2021年ジュネーブ国際音楽コンクール優勝の日本のチェリスト、上野通明。

 

 

 

 

 

最初のプログラムは、フォーレの「ペレアスとメリザンド」。

この曲で私の好きな録音は

 

●ジョージアディス指揮 RTEシンフォニエッタ 1995年3月23,24日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

●サラベルジェ指揮 ルーアン・オート・ノルマンディ歌劇場管 2011年7月18-22日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube12345

 

あたりである。

しっとりした前者、さらりとした後者といった解釈の違いはあるが、フォーレの静かな感動を伝えるといった点では甲乙つけがたい。

 

 

今回のデュトワ&大フィルもこの名曲を品よくまとめてはいたが、思ったほどにはパッとしなかった。

“色彩の魔術師”たるデュトワにとって、“灰色の真珠”ともいうべきフォーレの音楽は、少し持て余すところがあるのかもしれない。

それでも、第3曲「シシリエンヌ」は彼らしく華やかに仕上げていて良かった。

そしてこの曲では、田中玲奈の繊細で滑らかなフルートが何より印象的で、その点では上記名盤をも大きく上回る。

あまり朗々と吹き上げず弱音で慎ましいのも、フォーレに全くふさわしい。

 

 

 

 

 

次のプログラムは、ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番。

この曲で私の好きな録音は

 

●ロストロポーヴィチ(Vc) ガウク指揮 モスクワ・フィル 1959年10月6日モスクワライヴ盤(NMLCDYouTube1234

●ロストロポーヴィチ(Vc) オーマンディ指揮 フィラデルフィア管 1959年11月8日セッション盤(Apple MusicCDYouTube1234

●ロストロポーヴィチ(Vc) コンドラシン指揮 チェコ・フィル 1960年5月29日プラハライヴ盤(NMLCDYouTube1234

●ロストロポーヴィチ(Vc) ロジェストヴェンスキー指揮 レニングラード・フィル 1960年9月9日エディンバラライヴ盤(NMLCD

●ロストロポーヴィチ(Vc) ロジェストヴェンスキー指揮 モスクワ・フィル 1961年2月10日モスクワライヴ盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

●ロストロポーヴィチ(Vc) 小澤征爾指揮 ロンドン響 1987年11月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

 

あたりである。

この曲は、初演者ロストロポーヴィチの独壇場。

他にトルトゥリエやシフ、イヴァシュキン、コーゾフらの演奏も好きではあるが、ロストロポーヴィチの分厚い音と比べると、どうしてもひ弱に聴こえてしまう。

 

 

今回の上野通明も音が細く、残念ながらショスタコーヴィチらしい凄味は感じられなかった。

それでも、緩徐楽章の抒情的な表現などは良かったように思う。

全体に、爽やかでかわいらしい感じの演奏で、強音よりも弱音の素直な丁寧さが強みといった印象。

アンコールのバッハは、そんな彼の性質が曲に合っていた。

 

 

 

 

 

次のプログラムは、ストラヴィンスキーの「ナイチンゲールの歌」。

この曲で私の好きな録音は

 

●クラフト指揮 コロンビア響 1967年1月セッション盤(Apple MusicCDYouTube1234

●ブーレーズ指揮 ニューヨーク・フィル 1975年セッション盤(Apple MusicCDYouTube1234

 

あたりである。

いずれも、高い透明度に強烈な色彩感を併せ持った名盤。

ブーレーズは後年にも複数の同曲録音を残しているが、透明度は保たれているものの、色彩感は上記の盤を再現することができなかった。

 

 

今回のデュトワ&大フィルは、それとは逆に、色彩感はかなりあったものの、各パートを聴かせる透明度という点では物足りなさを感じた。

前回のペトルーシュカでもそうだったが(その記事はこちら)、やはりあらゆる音型がヴィヴィッドに聴こえる透明度の高い演奏でないと、ストラヴィンスキーを聴く醍醐味が半減してしまう。

それでも、実演であまり取り上げられることのないこの曲を、このクオリティで聴けるというのは、貴重な機会だった。

 

 

 

 

 

最後のプログラムは、ラヴェルのラ・ヴァルス(管弦楽版)。

この曲で私の好きな録音は

 

●ネゼ=セガン指揮 ロッテルダム・フィル 2008年セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

 

あたりである。

ラヴェルにふさわしい、エスプリ溢れる洗練された名盤。

 

 

今回のデュトワ&大フィルは、上記ネゼ=セガン盤ほどの繊細さはなかったけれど、華やかさではむしろ優るほど。

終盤のクライマックスなど、ラヴェルの意図した“さんざめくシャンデリアの光”をこれほど眩く表現した演奏は、他に聴いたことがない。

今回の演奏会全体においてもクライマックスといえる、極上のひと時だった。

 

 

 

 

 

それにしても、デュトワ&大フィルの演奏会は今回が3回目だが、毎回そのプログラムの妙に唸らされる。

フランスものを中心に、古典やロシアものを織り交ぜながら、多彩で個性的なプログラムの中に、常に自身の持ち味をしっかりと魅せることのできる“核”がある点で、私にはピアニスト務川慧悟のコンクール選曲と同様のセンスが感じられる。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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ドラマ「unknown」

 

【放送日】

2023年4月18日(火)~6月13日(火) (全9話)

 

【番組概要】

高畑充希×田中圭

あなたは大切な人のすべてを本当に知っていますか―?

結婚を誓い合った週刊誌記者の≪闇原こころ≫と交番警察官≪朝田虎松≫は、決して誰にも言えない秘密があった。

やがて2人は、凄惨な連続殺人事件に巻き込まれゆく―。

秘密(unknown)を抱えた男女の“究極の愛”を描く、衝撃のラブサスペンス開幕。

 

【スタッフ】

脚本:徳尾浩司

音楽:河野伸

ゼネラルプロデューサー:大江達樹(テレビ朝日)

プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、岡美鶴(アズバーズ)

監督:瑠東東一郎、金井紘

制作協力:アズバーズ

制作著作:テレビ朝日

 

【キャスト】

闇原こころ:高畑充希

朝田虎松:田中圭

加賀美圭介:町田啓太

世々塚幸雄:小手伸也

五十嵐まつり:ファーストサマーウイカ

闇原漣:井上祐貴

五十嵐大五郎:曽田陵介

庭月聖夜:長田成哉

一条彪牙:井浦新

暁凛:MEGUMI

南十字初:新納慎也

曽我眞一:石川禅

庭月源治:酒向芳

今福梅:木野花

闇原伊織:麻生久美子

闇原海造:吉田鋼太郎

 

 

 

 

 

好きな俳優、高畑充希さんが出演するドラマ「unknown」全9話を観ました。

高畑充希さん演じる吸血鬼の闇原こころと、田中圭さん演じる人間の朝田虎松、結婚したばかりのこの夫婦が、連続殺人事件に巻き込まれていくというストーリーです。

サスペンスとラブとコメディが1:1:1と等配分されたようなドラマで、とりとめがないといえばその通りですが、そのぶん色々な要素があって、飽きずに楽しく観ることができました(以下、少しだけネタバレあります)。

 

 

ところで、サスペンスにしてもラブにしてもコメディにしても、吸血鬼の設定がなくても構成できそうですが、そもそもなぜ吸血鬼の設定にしたのでしょうか。

吸血鬼とは、何なのでしょうか。

分かりませんが、おそらくこのドラマの“真のテーマ”に関わってきそうです。

このドラマの真のテーマは、いったい何か。

それは、奇しくも最近観た映画「怪物」(その記事はこちら)や、「リトル・マーメイド」(その記事はこちら)と同一だろうと思いました。

怪物=人魚=吸血鬼、です。

吸血鬼とは何か、というのは、怪物だーれだ、と同じなのです。

 

 

つまりは、吸血鬼とは、多様性ということです。

多様性には、人種、国籍、性別、宗教、思想、病気、家族、性格、趣味、価値観など、様々なものがあります。

吸血鬼とは、これらの暗喩なのでしょう。

私も、分かり合えない人を、何か別の生き物であるかのように感じてしまうことが、あるいは逆に人からそう感じられてしまうことが、これまでにありました。

 

 

第5話での、こころのお父さんの台詞。

「人間は、自分の理解を超えた悲劇に直面したとき、何か悪者を仕立て上げてそいつのせいにしないと気が済まない。今回それが、我々吸血鬼だったというわけだ。我々のような未知の存在を標的にしてにわか正義を振りかざし、ここぞとばかりに徹底的に叩きのめす」

あるいは、最終話での、こころの台詞。

「長い間かけて、お互いのことゆっくり知っていくのが、愛するってことなのかな」

こういったことが、おそらく真のテーマなのでしょう。

 

 

このドラマは、そういったテーマを前面に押し出しているわけではなく、あくまでサスペンスとラブとコメディがメインです。

それに、ストーリーの組み立ての巧さでは「怪物」に、ストーリーのシンプルな力では「リトル・マーメイド」に敵わないところがあります。

これらの映画のように、今後語り継がれていくということは、きっとあまりないのでしょう。

それでも、このドラマの言いたかったことの大きさや重要性は、これらの映画に引けを取らないように思いました。

 

 

最後に、主演の高畑充希さんの演技について、共演のMEGUMIさんのコメントを引用したいと思います。

「高畑さんは、以前舞台を拝見して、天才だっ!と感激していましたので、ご一緒出来るのを楽しみにしていました。ご一緒してみたら、やはり天才でした」

 

TVerでの視聴はこちら

 

 

 

 

 

 

 

 


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リトル・マーメイド

 

【劇場公開日】

2023年6月9日

 

【解説】

アンデルセン童話を原作とする1989年製作の名作ディズニーアニメを、「シカゴ」の名匠ロブ・マーシャルのメガホンで実写化したミュージカル映画。

海の王国を司るトリトン王の末娘で、世界で最も美しい声を持つ人魚姫アリエル。まだ見ぬ人間界に憧れる彼女は、嵐に巻き込まれた人間のエリック王子を救うため陸に上がる。人間界への思いを抑えきれなくなったアリエルは、海の魔女アースラに提案され恐ろしい取引を交わす。その内容は、3日間だけ人間の姿になる代わりに、美しい声をアースラに差し出すというものだった。

主人公アリエル役には新人女優ハリー・ベイリーを抜てきし、エリック王子を「ベラのワンダフル・ホーム」のジョナ・ハウアー=キング、魔女アースラを「ゴーストバスターズ」のメリッサ・マッカーシー、トリトン王を「ノーカントリー」のハビエル・バルデムが演じる。アニメ映画版も手がけた巨匠アラン・メンケンと、「モアナと伝説の海」のリン=マニュエル・ミランダが音楽を担当。

 

【スタッフ】

監督:ロブ・マーシャル

製作:マーク・プラット、リン=マニュエル・ミランダ、ジョン・デルーカ、ロブ・マーシャル

製作総指揮:ジェフリー・シルバー

脚本:デビッド・マギー

撮影:ディオン・ビーブ

美術:ジョン・マイヤー

衣装:コリーン・アトウッド

編集:ワイアット・スミス

音楽:アラン・メンケン

作詞:ハワード・アシュマン

新曲作詞:リン=マニュエル・ミランダ

作曲:アラン・メンケン

音楽監修:マイク・ハイアム

音楽プロデューサー:マイク・ハイアム

 

【キャスト】

アリエル:ハリー・ベイリー

エリック王子:ジョナ・ハウアー=キング

セバスチャン(声):ダビード・ディグス

スカットル(声):オークワフィナ

フランダー(声):ジェイコブ・トレンブレイ

トリトン王:ハビエル・バルデム

アースラ:メリッサ・マッカーシー

ペルラ:ロレーナ・アンドレア

カリーナ:カイサ・モハマー

インディラ:シモーヌ・アシュリー

タミカ:シエナ・キング

マラ:カロリナ・コンチェット

カスピア:ナタリー・ソレル

ヴァネッサ:ジェシカ・アレクサンダー(演・声)、ハリー・ベイリー(声)、メリッサ・マッカーシー(声)

セリーナ女王:ノーマ・ドゥメズウェニ

グリムスビー:アート・マリック

ジョシュア:ジュード・アクウディケ

マリガン:ジョン・デグレッシュ

ローザ:エミリー・コーツ

店主:ジョディ・ベンソン

 

【作品データ】

製作年:2023年

製作国:アメリカ

配給:ディズニー

上映時間:135分

原題:The Little Mermaid

 

 

 

 

 

以上、映画.comのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。

 

 

映画「リトル・マーメイド」を観た。

ディズニー映画最大の巨匠とされるアラン・メンケン作曲作品の実写化としては、「美女と野獣」「アラジン」に続く第3作。

概ね原作アニメ映画に忠実なつくりだが、相違点もある(以下、ネタバレあるためご注意を)。

シェフのアリアなど数曲が省かれ(そもそもシェフは登場しない)、代わりにアリエルの新しいアリア、エリック王子のアリア、スカットルとセバスチャンのラップ調の二重唱曲が新たに書かれた。

新曲はいずれも魅力的で、特にエリック王子役のジョナ・ハウアー=キングがなかなか良い声をしている。

 

 

有名なアリエルのアリア「パート・オブ・ユア・ワールド」、これはもう今となっては古典的名曲ともいうべきナンバー。

それだけに、今回の実写版においてこの曲は大事に扱われ、原作よりもキー(調性)は高め、テンポはじっくりと、オーケストラのアレンジは華やかで、アリエル役のハリー・ベイリーの歌唱も起伏が大きく、全体的に壮大なつくりとなっていた。

こだわりを感じたが、私としては原作のキー、あのさらりとしたやや速めのテンポで、肩の力を抜いて歌われる、一人の女性の等身大の憧れを表現したジョディ・ベンソンの歌唱のほうが、どちらかというと好みではあった(余談だが、彼女は今回の実写版にもカメオ出演していたらしい)。

とはいえ、歌唱力そのものは今作のハリー・ベイリーも決して劣らない。

 

 

一方、魔女アースラのアリアからアリエルの変身にかけては、今回の実写版の高いキー、アースラ役のメリッサ・マッカーシーの優れた歌唱力、ハリー・ベイリーの神秘的な歌声、オーケストラの華麗なアレンジ、これらが全てプラスに作用し、実写版ならではの映像美も相まって、原作以上の名シーンとなったように思う。

全体に、歌唱力を優先して配役していそうなのが良かった。

 

 

ストーリーとしては、アリエルとエリック王子が、未知の場所や物事に憧れを抱く似た者同士であることを原作よりも強調し、そのことにお互い気付いていくシーンを追加することで、二人が惹かれ合う過程をより丁寧に描いていたのが印象的だった。

また、二人の好奇心や偏りない視点が、人間界と人魚界という二つの断絶した世界の交流の接点となるさまも、より意識的に描写されていた。

 

 

映像としては、さすがのディズニーだけあって、海底の世界がCGを駆使して美しく映し出されていた(俳優たちは、実際にはどのようにして演技しているのだろうか)。

動物のキャラクターなど、リアルすぎて逆にどことなく違和感があるのも、これまでの他のディズニー実写映画と同じでご愛敬、といったところ。

 

 

それにしても、無鉄砲なアリエルを見ていると、このままおとなしく海の世界にとどまっていれば何不自由なく暮らせるのに、とついセバスチャン目線で見てしまうが、それでも未知のものに憧れてしまうのが人間というもの。

もし人類に無鉄砲な好奇心がなければ、1969年にアポロ11号は月に着陸していなかっただろうし、紀元前600年頃にフェニキア人はアフリカ周航を(ポルトガル人より2000年以上も前に)達成していなかっただろうし、7万年前のトバ火山の大噴火による地球規模の異常気象発生後にも人類は移動することなく、今でもアフリカの一地域のみで細々と暮らしていたことだろう。

今の私たちの“普通の暮らし”はきっと、これまでのたくさんのアリエルたちの無邪気な好奇心や無鉄砲な行動の上に成り立っている。

 

 

そんな、ちっぽけだけれど無限の可能性を秘めた憧れの気持ちを、以前の記事にも書いたように(その記事はこちら)、ベートーヴェンやシューマン、ショパン、ヴァーグナーらが用いたのと同じ、トニカ(主和音)を長らく回避する手法で美しくロマンティックに表現した「パート・オブ・ユア・ワールド」は、やはり屈指の名曲である。

そんなことをしみじみ考えながら、映画を観ていた。

 

 

 

 

 

 


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