映画「怪物」 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

怪物

 

【劇場公開日】

2023年6月2日

 

【解説】

「万引き家族」でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した是枝裕和監督が、映画「花束みたいな恋をした」やテレビドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」などで人気の脚本家・坂元裕二によるオリジナル脚本で描くヒューマンドラマ。音楽は、「ラストエンペラー」で日本人初のアカデミー作曲賞を受賞し、2023年3月に他界した作曲家・坂本龍一が手がけた。

大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子どもたちが平穏な日常を送っている。そんなある日、学校でケンカが起きる。それはよくある子ども同士のケンカのように見えたが、当人たちの主張は食い違い、それが次第に社会やメディアをも巻き込んだ大事へと発展していく。そしてある嵐の朝、子どもたちがこつ然と姿を消してしまう。

「怪物」とは何か、登場人物それぞれの視線を通した「怪物」探しの果てに訪れる結末を、是枝裕和×坂元裕二×坂本龍一という日本を代表するクリエイターのコラボレーションで描く。中心となる2人の少年を演じる黒川想矢と柊木陽太のほか、安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広、中村獅童、田中裕子ら豪華実力派キャストがそろった。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され脚本賞を受賞。また、LGBTやクィアを扱った映画を対象に贈られるクィア・パルム賞も受賞している。

 

【スタッフ】

監督:是枝裕和

脚本:坂元裕二

製作:市川南、依田巽、大多亮、潮田一、是枝裕和

エグゼクティブプロデューサー:臼井央

企画:川村元気、山田兼司

プロデュース:川村元気、山田兼司

プロデューサー:伴瀬萌、伊藤太一、田口聖

ラインプロデューサー:渡辺栄二

撮影:近藤龍人

照明:尾下栄治

録音:冨田和彦

音響効果:岡瀬晶彦

美術:三ツ松けいこ

セットデザイン:徐賢先

装飾:佐原敦史、山本信毅

衣装デザイン:黒澤和子

衣装:伊藤美恵子

ヘアメイク:酒井夢月

音楽:坂本龍一

キャスティング:田端利江

スクリプタ−:押田智子

助監督:森本晶一

制作担当:後藤一郎

 

【キャスト】

麦野早織:安藤サクラ

保利道敏:永山瑛太

麦野湊:黒川想矢

星川依里:柊木陽太

鈴村広奈:高畑充希

正田文昭:角田晃広

星川清高:中村獅童

伏見真木子:田中裕子

 

【作品データ】

製作年:2023年

製作国:日本

配給:東宝、ギャガ

上映時間:125分

受賞歴:第76回 カンヌ国際映画祭(2023年)

 受賞 コンペティション部門 脚本賞 坂元裕二

 出品 コンペティション部門 出品作品 是枝裕和

 

 

 

 

 

以上、映画.comのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。

 

 

好きな俳優、高畑充希が出演する映画「怪物」が公開されたため、観にいった。

映画に疎い私が言うのもナンだけれど、良い映画だったと思う。

以下、ほとんど何もネタバレしないけれど、この映画を観る予定の方は、これ以降読まないことをお勧めしたい(既に観た方や、観る予定のない方、観ようかどうか迷っている方は、よろしければお読みください)。

 

 

この映画は、カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したのだという。

むべなるかな、と感じた。

芸術系というか、非エンタメ系というか、こういう映画の場合、ストーリーの流れが冗長で眠くなることも多いけれど、本作は話の組み立てが巧く、無駄なシーンがない。

時系列が前後する展開もあるのだが、例えば先日観た演劇「宝飾時計」(その記事はこちら)などは、時間軸が戻った際のシーンの繰り返しがややくどかった(そのぶん分かりやすくはあったが)のに対し、今回の「怪物」は、シーンの繰り返しもそれぞれ全く違う見せ方をしており、かつ必要十分なだけおこなっていて、スマートだった。

 

 

脚本家の坂元裕二は、先日観たドラマ「問題のあるレストラン」(その記事はこちら)の脚本を手掛けた人でもあるらしい。

そのドラマはポップでえげつない話、今回の映画は芸術系の雰囲気、とテイストは全く異なるが、そういえば確かに共通点がある。

それは、あらゆる人の“生きにくさ”に焦点を当てていること。

どんな人でも、周りからどう見えていようとも、誰もが皆それぞれ生きにくくて、必死にもがいて生きている―それを多角的に浮き彫りにするのが、坂元裕二の持ち味といえるかもしれない。

彼が才能ある脚本家であることは、私のような素人にもよく分かった。

 

 

そうした脚本の巧緻さが、「お気に入りの作品」というところに必ずしもそっくりそのまま直結するとは限らないのが、映画や舞台の奥深いところではあるのだけれど、ともあれ見ごたえのある映画であったことは間違いない。

俳優陣の演技力も、言うことなし。

高畑充希は、友情出演といった程度の出番の少なさだったが、それでも味のある演技でこの作品に華を添えていた。

今後も、こういう系統の映画にぜひどんどん出演してくれたらと思う。

 

 

 

 

 

 


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