今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
好きなヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモヴァの新譜が発売された(CD)。
曲目は、メンデルスゾーンのヴァイオリン・ソナタ集である。
詳細は以下の通り。
アリーナ・イブラギモヴァ新録音。メンデルスゾーンのソナタ集!
バロックから新作委嘱作品までをモダン楽器とピリオド楽器の双方で演奏するロシアのヴァイオリンのミューズ、アリーナ・イブラギモヴァ。ロックダウン中に鋭く磨き上げ、レコード芸術「特選盤」他、BBCミュージック・マガジン「Instrumental Choice」、ICMA(国際クラシック音楽賞)ノミネート、Presto「レコーディング・オブ・ザ・イヤー2021」ノミネートなど世界中で絶賛を浴びたパガニーニに続く大注目の新録音は、メンデルスゾーンのヴァイオリン・ソナタ集!
2012年にリリースされたメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲集でも、有名なホ短調の協奏曲に加え演奏される機会の少ないニ短調の協奏曲も収録して大成功を収めたイブラギモヴァ。今回のソナタ集でも、唯一生前に出版された作品4のヘ短調ソナタに加え、メニューインが発掘・校訂・出版した1838年作曲のヘ長調ソナタ(ここではメニューインが大幅に手を加えていないオリジナル版を収録)、1820年(メンデルスゾーンが11歳頃)に書かれたヘ長調ソナタ、そして1820年代後半に着手され第1楽章の断片だけが残されたニ長調/ニ短調のソナタ、計4曲を収録。これまでモーツァルト、シューベルト、ラヴェル、ブラームス、フランクなど多くのアルバムで共に素晴らしい芸術を作り上げてきたセドリック・ティベルギアンの繊細で豊かなピアノとともに、メンデルスゾーンの多彩なヴァイオリン作品の真髄に迫ります。(輸入元情報)
【収録情報】
メンデルスゾーン:
● ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 MWV Q26(1838)
● ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調 Op.4 / MWV Q12(1823)
● ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 MWV Q7(1820)
● ヴァイオリン・ソナタ ニ調 MWV Q18(断片、恐らく1820年代後半)
アリーナ・イブラギモヴァ(ヴァイオリン)
セドリック・ティベルギアン(ピアノ)
録音時期:2021年1月19-21日
録音場所:ロンドン、ケンティッシュ・タウン、殉教者聖サイラス教会
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
以上、HMVのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。
メンデルスゾーンのヴァイオリン・ソナタ ヘ長調(1838)で私の好きな録音は
●ヴァイトハース(Vn) アーフェンハウス(Pf) 2008年9月セッション盤(NML/Apple Music/CD/YouTube1/2/3)
あたりである。
ドイツらしい味わいを持ちつつもすっきりと軽やかな、メンデルスゾーンにふさわしい名演。
しかし、今回のイブラギモヴァ&ティベルギアンの演奏は、この名盤を超えてしまった。
ヴァイトハースは好きなヴァイオリニストの一人で、かなりの腕前の持ち主だが、それでもイブラギモヴァの信じがたいほどに正確でヴィヴィッドな音と比べると、ぼやけて聴こえるのは否めない。
変なたとえだが、ヴァイトハースとイブラギモヴァの音は、DVDとBlu-rayの画面くらい解像度の差が歴然としている。
イブラギモヴァは、五嶋みどりと並んで、現代最高(そしておそらく史上最高)の精度と繊細さを備えたヴァイオリニストだと思う。
他の曲の演奏もみな素晴らしく、メンデルスゾーンのヴァイオリン・ソナタの決定的な全集と言っていいだろう。
なお、アリーナ・イブラギモヴァのこれまでのCDについての記事はこちら。
(イブラギモヴァの新譜 フランク&ヴィエルヌ ヴァイオリン・ソナタ)
(イブラギモヴァの新譜 ブラームス ヴァイオリン・ソナタ全集)
(イブラギモヴァの新譜 ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1、2番)
また、彼女が第1ヴァイオリン奏者を務めるキアロスクーロ四重奏団のこれまでのCDについての記事はこちら。
(キアロスクーロ四重奏団の新譜)※ハイドン「太陽四重奏曲」後半
(キアロスクーロ四重奏団の新譜 シューベルト 弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」、第9番)
(キアロスクーロ四重奏団の新譜 ハイドン 弦楽四重奏曲第75~77番)
(キアロスクーロ四重奏団の新譜 ハイドン 弦楽四重奏曲第78~80番)
(キアロスクーロ四重奏団の新譜 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第1~6番)
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