(イブラギモヴァの新譜 フランク&ヴィエルヌ ヴァイオリン・ソナタ) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

好きなヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモヴァのコンサートに先日行ったが(それについての記事はこちら)、そこで彼女の新譜を買った。

曲目は、フランクとヴィエルヌのヴァイオリン・ソナタである(CD)。

詳細は以下の通り。

 

 

 

 

 

フランク:ヴァイオリン・ソナタ、ヴィエルヌ:ヴァイオリン・ソナタ、イザイ:悲劇的な詩、他 アリーナ・イブラギモヴァ、セドリック・ティベルギアン

 

 

 


イブラギモヴァ&ティベルギアンの黄金デュオ
新録音はロマン派ヴァイオリン・ソナタの傑作、フランクのヴァイオリン・ソナタ!


音楽の神ミューズに愛されたヴァイオリニスト、21世紀ロシアの名手アリーナ・イブラギモヴァと、フランスの清新なるピアニスト、セドリック・ティベルギアン。2018年度レコード・アカデミー賞において、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ全集全5巻が「特別部門 特別賞」を受賞し注目を浴びている黄金コンビの新録音。
 ロマン派ヴァイオリン・ソナタの最高傑作の1つ、セザール・フランクのヴァイオリン・ソナタとルイ・ヴィエルヌのヴァイオリン・ソナタをカップリング。ヴィエルヌのソナタは、録音や演奏の機会は少ないものの、フランクと同じくウジェーヌ・イザイのために書かれた作品で、ヴァイオリンにもピアノにも華麗な技巧が使われた隠れた逸品です。(輸入元情報)

【収録情報】
● イザイ:悲劇的な詩 Op.12
● フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
● ヴィエルヌ:ヴァイオリン・ソナタ ト短調 Op.23
● リリ・ブーランジェ:ヴァイオリンとピアノのための夜想曲


 アリーナ・イブラギモヴァ(ヴァイオリン)
 セドリック・ティベルギアン(ピアノ)

 録音時期:2018年1月11-13日
 録音場所:ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
 

 

 

 

 

 

以上、HMVのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。

 

 

フランクのヴァイオリン・ソナタで私の好きな録音は

 

●五嶋みどり(Vn) ロバート・マクドナルド(Pf) 1997年6月セッション盤(Apple MusicCD

●アリーナ・イブラギモヴァ(Vn) セドリック・ティベルギアン(Pf) 2005年12月セッション盤(CD

 

あたりである。

そして、今回のイブラギモヴァ新盤を聴いてみると、これら2盤にも勝る素晴らしさだった。

五嶋みどり盤の洗練と、イブラギモヴァ旧盤のエスプリとを兼ね備えた演奏、と言ったらいいか。

イブラギモヴァの音からは、何ともいえずベルギーの香りがする(彼女自身はロシア生まれ、イギリス育ちなのだが)。

その点では、旧盤も新盤も変わらない。

ただ、旧盤は雑誌の付録CDのため一発録りだったのか、ヴィブラートのかけ方など少しべちゃっと広がってしまっている箇所もないではない(とはいえ、他の人たちと比べるとよほどうまいのだけれど)。

それに対し、今回の新盤ではすべての音がシャープに引き締まっており、五嶋みどり盤と比べても全く遜色のない洗練度となっている。

加えて、ピアノのティベルギアンは、五嶋みどり盤におけるロバート・マクドナルドに比べ、繊細さやフランス風の味わいといった点で一日の長がある。

同曲における最高の名盤、といっても過言ではない。

 

 

また、ヴィエルヌのヴァイオリン・ソナタ、こちらはよく知らない曲なのだが、フランクと同様に大変素晴らしい演奏となっている。

ピエルネやマニャール、ルクー等と共通した、フランス後期ロマン派ならではの情熱的な美を湛えた名曲だと感じた。

同じように、イザイの「悲劇的な詩」も、リリ・ブーランジェの夜想曲も良い。

こうなると、本当に曲が良いのか、それとも演奏の良さに目をくらまされているのか、よく分からなくなってくる。

 

 


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