(ヤクブ・フルシャの新譜 マーラー 交響曲第4番) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

好きな指揮者、ヤクブ・フルシャの新譜が本年3月に発売予定となっている。

曲目は、マーラーの交響曲第4番である(NMLApple MusicCD)。

発売前だが、NMLおよびApple Musicではもうすでに聴けるため、さっそく聴いてみた。

詳細は以下の通り。

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年7月録音
フルシャ&バンベルク響によるマーラー第4番。コロナ禍に美しく響く『天上の生活』


2020年1月、ヤクブ・フルシャ率いるバンベルク交響楽団がマーラーの交響曲第4番を引き下げてドイツ・ツアーを行ったそのわずか2か月後にドイツはロックダウンに入り、文化施設の閉鎖等でコンサートの中止を余儀なくされ、また感染リスクの観点から大編成の交響曲を演奏することが難しくなりました。
 しかし、バンベルク交響楽団は早くから科学者チームとの実験を行い、コロナの時代に安全に音楽を演奏する方法を模索していました。そしてソーシャル・ディスタンシング配置、無観客で、交響曲第4番を中心としたプログラムで2020年7月にバンベルクでグスタフ・マーラー国際指揮者コンクールが行われました。第4番はマーラーの交響曲の中でも比較的編成の小さいものですが、数か月ぶりの交響曲の演奏となりました(コンクールの優勝者はイギリス出身のFinnegan Downie Dear)。
 本盤は、その際にフルシャ指揮、ソリストにはドイツのアンナ・ルチア・リヒターを迎え録音されました。ソーシャル・ディスタンシング配置ではありますが、細部までとても丁寧に作り上げた、数ある録音の中でも繊細で美しいものに仕上がっています。第4番はマーラーの交響曲のなかではシンプルな作品ですが、どの楽章も容易ではなく、フルシャの整然とした音楽作りと、アンナ・ルチア・リヒターのすっきりとした歌唱により見事にまとめあげられています。特に第3楽章の深々とした響き、終楽章の『天上の生活』の澄み切った美しさが際立つ演奏です。(輸入元情報)
 


【収録情報】
● マーラー:交響曲第4番ト長調


 アンナ・ルチア・リヒター(ソプラノ)
 バンベルク交響楽団
 ヤクブ・フルシャ(指揮)

 録音時期:2020年7月
 録音場所:バンベルク、ヨゼフ・カイルベルト・ザール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
 

 

 

 

 

 

以上、HMVのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。

 

 

マーラーの交響曲第4番で私の好きな録音は

 

●ブーレーズ指揮クリーヴランド管 1998年4月セッション盤(NMLApple MusicCD

●ネゼ=セガン指揮グラン・モントリオール・メトロポリタン管 2003年10月2、3日セッション盤(NMLApple MusicCD

●アバド指揮ベルリン・フィル 2005年5月ベルリンライヴ盤(NMLApple MusicCD

 

あたりである。

実演で比較的良かったのは、ガッティ指揮コンセルトヘボウ管(その記事はこちら)、ルスティオーニ指揮大阪フィル(その記事はこちら)あたりである(上記3盤ほどのインパクトはなかったが)。

 

 

今回のフルシャ指揮バンベルク響は、上記3盤にも匹敵するもの。

フルシャの作る音楽は本当に優しく、第3楽章などその優しさに包まれて心が一杯になる。

この優しさ、穏やかな愛情は、古いブルーノ・ワルターの録音にも通じるところがある。

人柄が音楽に表れ出るのだろう。

フルシャは、あの感動的だったスメタナ「わが祖国」公演の公開リハーサルで、楽団員たちに何度も「Thank you」とお礼を言っていたのを思い出す(その記事はこちら)。

 

 

ソプラノのアンナ・ルチア・リヒターは、特別に質の高い歌唱というわけではないけれども、上記3盤の歌手たちに劣らないと思う。

 

 

余談だが、上の録音時の写真を見て、フルシャがすごく良い身体をしていることを知った(燕尾服では気づかなかった)。

優しいのみならず身体も鍛えられているなんて、何ともかっこいい。

 

 

Symphony No. 4 in G Major: I. Bedächtig, nicht eilen - YouTube

 

※YouTubeのページに飛ぶと全曲聴けます。飛ばない場合は以下のURLへ。

https://www.youtube.com/watch?v=9-6PHbagEp4&list=OLAK5uy_lAM2QxdA7VHk7KZN3gQ9SAnYbsBWIuZbs

 

 

なお、ヤクブ・フルシャのこれまでのCDについての記事はこちら。

 

ヤクブ・フルシャの新譜 バルトーク&コダーイ 管弦楽のための協奏曲

ヤクブ・フルシャの新譜 ブラームス 交響曲第4番 ドヴォルザーク 交響曲第9番

ヤクブ・フルシャの新譜 ブラームス 交響曲第3番 ドヴォルザーク 交響曲第8番

ヤクブ・フルシャの新譜映像 シューマン 交響曲第2番

一人レコード・アカデミー賞2020 その7 声楽曲部門)※ドヴォルザーク レクイエム テ・デウム

 

 


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