ポーランドのビドゴシチで開催されている、第11回パデレフスキ国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。
11月22日は、ファイナルの第1日。
ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。
なお、第11回パデレフスキ国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。
なお、以下はいずれもJakub Chrenowicz指揮、パデレフスキ・ポメラニアン・フィルハーモニー管弦楽団との共演である。
1.
01. BELYAVSKY Sergey – Russia (02.11.1993)
S. Rachmaninov – Concerto No. 2 in C minor, Op. 18
ピアノはファツィオリ。
音に迫力があり、第1楽章の展開部など大音量のオーケストラの中でもピアノの音が埋もれない。
第2楽章のメロディの崩し方にはロシア風の味がある。
しかし、全体的に技巧面で苦しく、終楽章は(彼としてはわりあい弾けているものの)ところどころ指がもつれて♩ ♫のリズムが甘くなる。
オーケストラと縦の線がずれることも多い。
終楽章コーダは、テンポが遅く華麗さに欠ける。
2.
39. PACHOLEC Kamil – Poland (11.11.1998)
P. Tchaikovsky – Concerto No. 1 in B-flat minor, Op. 23
ピアノはスタインウェイ。
素朴で誠実な感じのする演奏で、鄙びたような音色にも味がある。
しかし、技巧面では(先ほどのBELYAVSKY Sergeyよりはいくぶん安定感があるものの)やはり弱い。
例えば、第1楽章や第2楽章の両手のオクターヴのトレモロにムラがあるし、終楽章の両手のユニゾンは速いテンポでないのに滑らかさに欠けぼってりしている。
第1楽章と終楽章で、それぞれ目立つミスがあったのも痛いところ。
3.
29. LYNOV Philipp – Russia (06.01.1999)
S. Prokofiev – Concerto No. 2 in G minor, Op. 16
ピアノはスタインウェイ。
「ロシアの重戦車」とでも言うような、力強い打鍵を持つ。
第1楽章のカデンツァや終楽章では特にそれが活きている。
テクニック的には最高度の洗練があるとはいえず、第2楽章などやや遅めのテンポで、両手ユニゾンのキレはあまり感じられない(いまいちとまでは言わないが)。
それでも、他の2人と比べるとテクニック面での弱さは目立たず、全体的には第1日の中では一番インパクトがあったかもしれない。
そんなわけで、ファイナル第1日の3人の演奏を気に入った順に並べると
1. 29. LYNOV Philipp – Russia (06.01.1999)
2. 39. PACHOLEC Kamil – Poland (11.11.1998)
3. 01. BELYAVSKY Sergey – Russia (02.11.1993)
といったところか。
2と3は入れ替えてもOK、1は少しリード、といった印象。
ただ、これぞという演奏はなかった。
次回は、ファイナルの第2日(最終日)。
本日11月23日の19時(日本時間でいうと明日24日の早朝3時)に開始予定。
古海行子は20時(日本時間でいうと明日24日の早朝4時)にラフマニノフの協奏曲第2番を演奏。
結果発表は22時(日本時間でいうと明日24日の早朝6時)。
いよいよラスト、最高の舞台。
ぜひ肩の力を抜いて、大いに楽しんで演奏してほしいところである。
↑ ブログランキングに参加しています。もしよろしければ、クリックお願いいたします。