エビのカクテルサラダやコブサラダ的なサラダなど、冷製でいただくエビをしっとりと加熱する方法をご紹介します。

 

一種の低温調理ですので、最初にちょっとだけ低温調理の理論上大切な温度について説明します。

 

① 62℃ タンパク質が固まり始める温度

② 68℃   タンパク質が変性し始める温度。筋肉組織が収縮し、細胞の破壊が味まる=細胞中の水分の分離が始まります。

 

要するに68℃を超えると、肉汁が流れ出してパサつき始めますので、62℃から68℃の間で加熱すればしっとりと仕上がるわけです。

 

では実際の調理をご説明します。

 

茹でる液体のことをフランス料理では「ブラン」と呼んでます。白いからですね。

エビ以外、鳥の胸肉とかパサつきやすい素材の下ごしらえに使いますが、クセのある野菜の下茹でなどにも使います。

 

ブランの材料:

水1Lに対し

・薄力粉 大さじ1/2

・塩 小さじ1/2

・レモン 1/8個

・長ネギの青いところ 適宜

・ハーブ タイム、ローリエ、パセリの茎、など適宜

・スパイス 適宜

ハーブやスパイスは、使う料理の種類、好みで適当に。ニンニクや生姜を加えても構いません(今回少し加えました)。

汎用性を求めるなら、控えめにしましょう。レモンは皮だけでも結構です。

 

エビは無頭のバナメイえびを14尾使いました。

 

さて調理します。

 

①えびは殻を剥いて、背中を開いて背わたを取り、さっと洗っておきます。

 

②鍋に水1L、薄力粉と塩を加えホイッパーなどでよく攪拌し、残りの材料を加えて火に掛けます。

③エビを加えると一気に温度が下がるので、一旦湯温が75℃くらいまで上がったら①のエビを加えます。

湯温は、65℃〜68℃の範囲をキープするようにしましょう。

*多少オーバーしても大丈夫ですが、72℃を超えないように。

 

④エビがくるっと丸まって来たら加熱終了です。丸まったものから引き上げます。

 

⑤全部引き上げたら、ブランをヒタヒタに注ぎ、氷を入れて冷やします。

粗熱が取れたら冷蔵庫に移し、ブランに漬けたまま保存します。3〜4日以内に使い切ります。

 

冷製のお料理だけでなく、炒飯やエビカレーなど温かいお料理にも。すでに加熱済みですので、炒飯であれば、最後に加えてサッと炒めれば、エビ自体が非常に美味しくいただけます。

 

とりあえず、アボカド、きゅうり、トマトなどと合わせてサラダしました。調味料はマヨネーズ、ヴァージンオリーブオイル、塩、パプリカなどです。

マヨネーズはぜひ自家製で!

 

 

ちなみに、温度計はアマゾンなどで「調理用温度計」で検索すると色々出てきます。

湯温、揚げ物の油の温度はもちろん、ローストビーフやローストポーク、厚切りのステーキなど中心温度を正確に測れるので、失敗がなくなります。ぜひご用意ください。

*ワイヤー式のプローブがついているものをお勧めします。

 

ちなみに、ブランの残りはラーメンや中華スープ、シーフードカレーのベースなどに使えます。