アルファブロッガー 橋本大也さんをインタビュー!
昨日、橋本大也さんにお願いして、インタビューをさせてもらった。彼の人柄、独自の視点、そして社会に対する鋭くもあたたかい考え方に触れることができ、とても幸せな気持ちを味わった。
大也さんのブログはユーモアに溢れ、大人気なのだが、その秘密がわかったような気がする。
彼こそが、日本のインターネット社会の発展を仕掛けた「事務局」だったのだ。
彼は、コミュニティの本質を知り抜いている。
・コミュニティでは、誰もが平等で、誰かが偉いということはない
・コミュニティでの力は、他の人が助けたいと思ってくれる能力である
つまり、もっとも重要な力は、「人のネットワークを作る力」だと言う。
この考え方とコントラストを為すのは、大企業のマネジメント層の考え方だ。
・組織では、権限を持つ人と、その命令に従う人がいる
・組織での力は、圧倒的な知識や権力で、他人を動かす能力である
この対比は、まさに「裏方ほどおいしい仕事はない!」で主張していた「事務局力」の発想とまったく同じである。人を動かすのに権限を使わず、相手の動機を引き出すことで、コトを起こしていく。それはまさに、「人のネットワークを作る力」である。
大也さん曰く、コミュニティの中でリーダシップを発揮するということは、渋谷の交差点の真ん中で、人の輪を作り出すような難しさがある、と。その瞬間、権限ではない、人を一瞬にして惹きつける魅力が必要なのだ。
階層型の組織では、このような能力を身につける機会が少ない。だからこそ、事務局力を発揮して、自らプロジェクトを作ろう。誰からも依頼されていなくても、自分の意志で立ち上げればいい。社内を動かすのは、渋谷の交差点で歩行者を集めるよりは、ずっと簡単なことだから。
橋本大也さんの人懐っこい笑みで、「コミュニティの中で生きて行くには、『愛嬌』も大事な要素なんですよ」と言われて、その通りだと思った。
大也さんのブログはユーモアに溢れ、大人気なのだが、その秘密がわかったような気がする。
彼こそが、日本のインターネット社会の発展を仕掛けた「事務局」だったのだ。
彼は、コミュニティの本質を知り抜いている。
・コミュニティでは、誰もが平等で、誰かが偉いということはない
・コミュニティでの力は、他の人が助けたいと思ってくれる能力である
つまり、もっとも重要な力は、「人のネットワークを作る力」だと言う。
この考え方とコントラストを為すのは、大企業のマネジメント層の考え方だ。
・組織では、権限を持つ人と、その命令に従う人がいる
・組織での力は、圧倒的な知識や権力で、他人を動かす能力である
この対比は、まさに「裏方ほどおいしい仕事はない!」で主張していた「事務局力」の発想とまったく同じである。人を動かすのに権限を使わず、相手の動機を引き出すことで、コトを起こしていく。それはまさに、「人のネットワークを作る力」である。
大也さん曰く、コミュニティの中でリーダシップを発揮するということは、渋谷の交差点の真ん中で、人の輪を作り出すような難しさがある、と。その瞬間、権限ではない、人を一瞬にして惹きつける魅力が必要なのだ。
階層型の組織では、このような能力を身につける機会が少ない。だからこそ、事務局力を発揮して、自らプロジェクトを作ろう。誰からも依頼されていなくても、自分の意志で立ち上げればいい。社内を動かすのは、渋谷の交差点で歩行者を集めるよりは、ずっと簡単なことだから。
橋本大也さんの人懐っこい笑みで、「コミュニティの中で生きて行くには、『愛嬌』も大事な要素なんですよ」と言われて、その通りだと思った。
フューチャーセンター・セッション大成功!
今日は朝から、刺激的だった。
資本主義、ビジネス、日本、チーム、暮らし、という抽象的な5つのテーマで、企業横断のフューチャーセンター・セッションを午前2テーマ、午後3テーマ、並列で実施した。企業横断で参加してくれた方々の、考えられないような高いモチベーション、主体性に支えられ、素晴らしい対話のプロセスを描くことができた。
これら5つの漠然としたテーマで、「未来はどうなる?」ということに明確なオピニオンを出すのは、きわめて難しい。だが、それぞれ3時間のセッションで、驚くような発見、視点が得られた。内容を公開できないのが、残念!
対話によって、未知のもの、無理なものに挑戦する、そのすばらしさがすこしでも広がることを願う。
あー、いい対話をしたあとの興奮は、本当に気持ちがいい。
資本主義、ビジネス、日本、チーム、暮らし、という抽象的な5つのテーマで、企業横断のフューチャーセンター・セッションを午前2テーマ、午後3テーマ、並列で実施した。企業横断で参加してくれた方々の、考えられないような高いモチベーション、主体性に支えられ、素晴らしい対話のプロセスを描くことができた。
これら5つの漠然としたテーマで、「未来はどうなる?」ということに明確なオピニオンを出すのは、きわめて難しい。だが、それぞれ3時間のセッションで、驚くような発見、視点が得られた。内容を公開できないのが、残念!
対話によって、未知のもの、無理なものに挑戦する、そのすばらしさがすこしでも広がることを願う。
あー、いい対話をしたあとの興奮は、本当に気持ちがいい。
企業が抱える本質的な課題とは?
明日は、フューチャーセンター・コミュニティのイベントを開催する。
その準備のために、KDIは全員が脳に大汗をかいて準備をしている。なぜなら、「日本を豊かにするビジネスモデル」といった、きわめて大きなテーマを5つ掲げ、それぞれのテーマで「未来スキャニング・セッション」をやろうという、意欲的なイベントだからだ。参加企業は36社、それぞれの企業から3名が登録されていて、明日は約60名が参加する。言わば、「未来を創るための企業横断の真剣なワールドカフェ」である。
参加者は製造業、サービス業、商社、IT企業など多彩で、参加者の所属部門も経営企画、新規事業、技術企画など様々だ。フューチャーセンターの最大の特徴は、参加者の多様性を活かして、全参加者が気づきを得るような対話をする、そのための場作りとファシリテーションを完璧に演出するところである。
たとえば、この「日本を豊かにするビジネスモデル」は、多くの参加者が関心をもったテーマなのだが、このテーマに関心があるということは、さぞかし、「ビジネスモデルは日本を豊かにしない」と思っている人が多いのだろう。このことは、日本企業が抱える本質的な課題だと思う。
一生懸命に仕事で追求しているものが、必ずしも日本を豊かにしているとは思えないとするならば、日本人が幸福でいられるはずがない。この矛盾を超えるアイデアを明日、きちんと引き出すことができるか・・・。私自身のファシリテーターとしての腕が試されていますね。
どんなセッションになるか、今から楽しみである。どんな対話が行われたか知りたい人がいましたら、コメントを残してくださいね。
その準備のために、KDIは全員が脳に大汗をかいて準備をしている。なぜなら、「日本を豊かにするビジネスモデル」といった、きわめて大きなテーマを5つ掲げ、それぞれのテーマで「未来スキャニング・セッション」をやろうという、意欲的なイベントだからだ。参加企業は36社、それぞれの企業から3名が登録されていて、明日は約60名が参加する。言わば、「未来を創るための企業横断の真剣なワールドカフェ」である。
参加者は製造業、サービス業、商社、IT企業など多彩で、参加者の所属部門も経営企画、新規事業、技術企画など様々だ。フューチャーセンターの最大の特徴は、参加者の多様性を活かして、全参加者が気づきを得るような対話をする、そのための場作りとファシリテーションを完璧に演出するところである。
たとえば、この「日本を豊かにするビジネスモデル」は、多くの参加者が関心をもったテーマなのだが、このテーマに関心があるということは、さぞかし、「ビジネスモデルは日本を豊かにしない」と思っている人が多いのだろう。このことは、日本企業が抱える本質的な課題だと思う。
一生懸命に仕事で追求しているものが、必ずしも日本を豊かにしているとは思えないとするならば、日本人が幸福でいられるはずがない。この矛盾を超えるアイデアを明日、きちんと引き出すことができるか・・・。私自身のファシリテーターとしての腕が試されていますね。
どんなセッションになるか、今から楽しみである。どんな対話が行われたか知りたい人がいましたら、コメントを残してくださいね。
台湾からの訪問団が来ました
今日、台湾生産性本部が主催する、台湾企業の日本企業のKM(ナレッジマネジメント)の視察団をKDIで受け入れました。
ナレッジマネジメントというのは、「知識をいかに生みだし、活用するか」という視点から、組織や戦略のあり方を問い直す経営手法で、10年くらい前に一大ブームになり、今では「当たり前の経営手法」として根付いた考え方です。私が富士ゼロックスの中で立ち上げた、このKDIというコンサルティング・グループは、立ち上げ以来10年、つねにこの分野での最先端を走ってきたと思います。
まず、「知識創造」を促すわけですから、オフィスが他と全く違います。オフィスとも呼ばないのですが、KDI Studioという自分たちのワークプレイスと、Future Centerと呼ぶ、お客様とワークショップをするための専用空間から成る、かなりユニークな場だ。このFuture Centerは、「場を使った問題解決サービス」という新しいビジネスモデルとして、グッドデザイン賞2009をいただいた。台湾からのKM訪問団の皆さんも、Studio内で、必死に写真を撮りまくっていました。
KDIの最大の特徴は、「知識の共有」ではなく、「知識の創造」を中心にワークスタイルをデザインするところだ。そのため、ITは仕事の中心ではなく、対話が仕事の中心になる。
私の口癖は、「会社に来たらパソコンなんかやってないで、対話をしよう」だ。「(文書作成やメールのような)家でもできることは、家でやってきてくれ」というのが本音なのだが、最近はこれを言うと、労働強化、パワハラになるようで、気をつけないといけない。でも、考え方としては、「ユビキタスワーク(どこでもネットワーキング)+ 対話中心のワークプレイス」という形に、これからの企業は確実に移っていくと思う。
***
夕方には東工大の学生たちが見学に来たのだが、就職活動も控えている修士の学生である彼らに対して、「会社に入って馴染もうとするな、会社は自分で変えるモノだ!」と熱い(熱すぎる?)メッセージを送った。「こんなオフィスで働きたい」と言っている彼らには、「どんな会社でも、自分で作れいいんだ」と勇気づけ、一方で、「自由は自分で勝ち取るしかない」と厳しいことも伝えた。どこまで伝わったかはわからないが。
会社は変えられる。いや、自分で変えるもの。こういうマインドの社員が増えることを願う。
ナレッジマネジメントというのは、「知識をいかに生みだし、活用するか」という視点から、組織や戦略のあり方を問い直す経営手法で、10年くらい前に一大ブームになり、今では「当たり前の経営手法」として根付いた考え方です。私が富士ゼロックスの中で立ち上げた、このKDIというコンサルティング・グループは、立ち上げ以来10年、つねにこの分野での最先端を走ってきたと思います。
まず、「知識創造」を促すわけですから、オフィスが他と全く違います。オフィスとも呼ばないのですが、KDI Studioという自分たちのワークプレイスと、Future Centerと呼ぶ、お客様とワークショップをするための専用空間から成る、かなりユニークな場だ。このFuture Centerは、「場を使った問題解決サービス」という新しいビジネスモデルとして、グッドデザイン賞2009をいただいた。台湾からのKM訪問団の皆さんも、Studio内で、必死に写真を撮りまくっていました。
KDIの最大の特徴は、「知識の共有」ではなく、「知識の創造」を中心にワークスタイルをデザインするところだ。そのため、ITは仕事の中心ではなく、対話が仕事の中心になる。
私の口癖は、「会社に来たらパソコンなんかやってないで、対話をしよう」だ。「(文書作成やメールのような)家でもできることは、家でやってきてくれ」というのが本音なのだが、最近はこれを言うと、労働強化、パワハラになるようで、気をつけないといけない。でも、考え方としては、「ユビキタスワーク(どこでもネットワーキング)+ 対話中心のワークプレイス」という形に、これからの企業は確実に移っていくと思う。
***
夕方には東工大の学生たちが見学に来たのだが、就職活動も控えている修士の学生である彼らに対して、「会社に入って馴染もうとするな、会社は自分で変えるモノだ!」と熱い(熱すぎる?)メッセージを送った。「こんなオフィスで働きたい」と言っている彼らには、「どんな会社でも、自分で作れいいんだ」と勇気づけ、一方で、「自由は自分で勝ち取るしかない」と厳しいことも伝えた。どこまで伝わったかはわからないが。
会社は変えられる。いや、自分で変えるもの。こういうマインドの社員が増えることを願う。
BOPビジネスの本質
「BOP」という言葉を聞いたことがあるだろうか―――?
ボップ? いやいや、BOP = Base of the Pyramid、ベース・オブ・ピラミッド、つまり経済的に世界のピラミッドの底辺にいる人々のことだ。
具体的には、1日2ドル以下で生活している人が、世界の半分くらいの人口を占めており、3,000ドル/年以下という範囲にすると、40億人、世界の70%以上に達すると言われている。これらの人々の生活を改善することを目的とした、ビジネスを考える。それが、BOPビジネスと言われるものだ。
このトピックのオピニオンリーダーの一人、三井物産戦略研究所の新谷大輔氏に話を聞いた。GLOCOMのプラカデミアサロンという「社会起業家の行動科学」研究フォーラムで、講演およびワークショップをしていただくためだ。
最貧国で、どうやってビジネスをするの?
シンプルな質問だ。だが、BOPビジネスは、シンプルではない。
「BOPビジネスの解釈は、今、あまりに混乱している。ただの途上国でのビジネス、というのはBOPビジネスではない」と新谷氏は熱く語る。そして、「BOPビジネスは、最低限、次の2つの条件を満たしていなければならない」と言う。
1) BOPペナルティ解消: 貧しい人々が、貧しさ故の不利な条件でモノを買わされることがないようにする。
2) BOPのエンパワーメント: 貧しい人々の暮らしを改善するビジネスでなければならない。
このことは、BOPビジネスに取り組もうとする日本企業に、何を示唆するのだろうか。
新谷氏は、「『もうかるかどうか』の検討の前に、まず、『どんな社会問題に取り組むのか』を会社として明確にしなければならない」と言う。
今日の結論。BOPビジネスに取り組むのは、途上国でのビジネス拡大のためではない。
企業の社会的責任の発揮の仕方の一つとして、社会問題の解決にコミットして取り組むべきものなのだ。
もうからなければ撤退ではなく、持続的にビジネスを続けられるよう、あらゆる手を打つべきものなのだ。
企業がビジネスを通して、このような社会的責任を発揮することが、最低限の存在条件になる日も、遠くはない。
ボップ? いやいや、BOP = Base of the Pyramid、ベース・オブ・ピラミッド、つまり経済的に世界のピラミッドの底辺にいる人々のことだ。
具体的には、1日2ドル以下で生活している人が、世界の半分くらいの人口を占めており、3,000ドル/年以下という範囲にすると、40億人、世界の70%以上に達すると言われている。これらの人々の生活を改善することを目的とした、ビジネスを考える。それが、BOPビジネスと言われるものだ。
このトピックのオピニオンリーダーの一人、三井物産戦略研究所の新谷大輔氏に話を聞いた。GLOCOMのプラカデミアサロンという「社会起業家の行動科学」研究フォーラムで、講演およびワークショップをしていただくためだ。
最貧国で、どうやってビジネスをするの?
シンプルな質問だ。だが、BOPビジネスは、シンプルではない。
「BOPビジネスの解釈は、今、あまりに混乱している。ただの途上国でのビジネス、というのはBOPビジネスではない」と新谷氏は熱く語る。そして、「BOPビジネスは、最低限、次の2つの条件を満たしていなければならない」と言う。
1) BOPペナルティ解消: 貧しい人々が、貧しさ故の不利な条件でモノを買わされることがないようにする。
2) BOPのエンパワーメント: 貧しい人々の暮らしを改善するビジネスでなければならない。
このことは、BOPビジネスに取り組もうとする日本企業に、何を示唆するのだろうか。
新谷氏は、「『もうかるかどうか』の検討の前に、まず、『どんな社会問題に取り組むのか』を会社として明確にしなければならない」と言う。
今日の結論。BOPビジネスに取り組むのは、途上国でのビジネス拡大のためではない。
企業の社会的責任の発揮の仕方の一つとして、社会問題の解決にコミットして取り組むべきものなのだ。
もうからなければ撤退ではなく、持続的にビジネスを続けられるよう、あらゆる手を打つべきものなのだ。
企業がビジネスを通して、このような社会的責任を発揮することが、最低限の存在条件になる日も、遠くはない。
コンサルタントの事務局力
コンサルタントは、他の人とどう違うのか? コンサルタントらしさとは、どんな特性なのだろうか。
「プロフェッショナル・サービスファーム」を書いた、デビッド・メイスター教授の言う、"Trusted Advisor"は、一つの答えだと思う。その基準は、つねにクライアントにある。「私の価値は、クライアントに聞いてくれ」といったハードボイルド的な態度である。
勘違いしがちなのは、一流のコンサルタントは、すごく頭が良くて、コンセプトがズバっと言えて、仕事もすさまじく論理的かつ素早い。そういうスーパーマン・スーパーウーマンであるという幻想だ。
HRインスティテュート代表の野口吉昭氏も、『コンサルタントの解答力』で、ずばっと言うのが、必ずしもいいコンサルタントではない。相手の状況に合わせた「解答」を導き出すところが重要、と述べている。
究極的には、コンサルタントは「正しい答えを出すのが仕事ではない」と言ってもいいだろう。「クライアントにとって必要な役割を演じること」が何より必要なのだと思う。たとえば、何でも答えを自分で持っているクライアントもいる。だが、その人は自分だけではそれを実行に移せないかもしれない。そのときコンサルタントの役割は、「それは正しい戦略ですね」と言って背中を押してあげることかもしれないし、「リーダーの意図はこういうところにあるのですよ」と周囲に説明してあげることかもしれない。
そういう役割になったときに、「こんなことでよいのか。自分が戦略を提言していない」と悩む必要はない。クライアントに人生を捧げる、少なくともそのクライアントのために時間を使っているときは。それが、コンサルタントに必要な心構えである。
では、優れたコンサルと平凡なコンサルの境目は、どこにあるだろうか?
それは、クライアントのために尽くしながらも、クライアント自身に影響を与え、クライアント自身の変化・変身を後押しすることができるかどうかである。つまり、相手の人間に影響を与えることである。そのためには、もちろんカリスマ的な人間力で影響を与えることもあるだろうが、多くの場合は、相手の心理を読んで、相手の心のバリアをはずしてあげたり、相手が言ってほしいタイミングでズバっと厳しいことを言ってあげたりすることが大事だ。
これは、事務局がスポンサー役員の心理を考えることと、非常に似ている。つまり、事務局力である。
事務局力は、相手のために尽くしながら、相手の人生に良い影響を与えることのできる、善の力だ。
「プロフェッショナル・サービスファーム」を書いた、デビッド・メイスター教授の言う、"Trusted Advisor"は、一つの答えだと思う。その基準は、つねにクライアントにある。「私の価値は、クライアントに聞いてくれ」といったハードボイルド的な態度である。
勘違いしがちなのは、一流のコンサルタントは、すごく頭が良くて、コンセプトがズバっと言えて、仕事もすさまじく論理的かつ素早い。そういうスーパーマン・スーパーウーマンであるという幻想だ。
HRインスティテュート代表の野口吉昭氏も、『コンサルタントの解答力』で、ずばっと言うのが、必ずしもいいコンサルタントではない。相手の状況に合わせた「解答」を導き出すところが重要、と述べている。
究極的には、コンサルタントは「正しい答えを出すのが仕事ではない」と言ってもいいだろう。「クライアントにとって必要な役割を演じること」が何より必要なのだと思う。たとえば、何でも答えを自分で持っているクライアントもいる。だが、その人は自分だけではそれを実行に移せないかもしれない。そのときコンサルタントの役割は、「それは正しい戦略ですね」と言って背中を押してあげることかもしれないし、「リーダーの意図はこういうところにあるのですよ」と周囲に説明してあげることかもしれない。
そういう役割になったときに、「こんなことでよいのか。自分が戦略を提言していない」と悩む必要はない。クライアントに人生を捧げる、少なくともそのクライアントのために時間を使っているときは。それが、コンサルタントに必要な心構えである。
では、優れたコンサルと平凡なコンサルの境目は、どこにあるだろうか?
それは、クライアントのために尽くしながらも、クライアント自身に影響を与え、クライアント自身の変化・変身を後押しすることができるかどうかである。つまり、相手の人間に影響を与えることである。そのためには、もちろんカリスマ的な人間力で影響を与えることもあるだろうが、多くの場合は、相手の心理を読んで、相手の心のバリアをはずしてあげたり、相手が言ってほしいタイミングでズバっと厳しいことを言ってあげたりすることが大事だ。
これは、事務局がスポンサー役員の心理を考えることと、非常に似ている。つまり、事務局力である。
事務局力は、相手のために尽くしながら、相手の人生に良い影響を与えることのできる、善の力だ。
社会→従業員→顧客のハッピーサイクルを描こう
SR (Social Responsibility)、ES (Employee Satisfaction)、CS (Customer Satisfaction)
これら3つの間に、明確な相関関係があると思えるだろうか?
ESが高くなければ、CSを高めることはできない! という意見を耳にすることは多い。これは確かそうだ。自分の仕事を楽しんでいない社員は、その気持ちが顧客に伝わってしまう。
ジャック・ミッチェルの声に耳を傾けよう。顧客満足は、どれだけ従業員が顧客をハグするかで決まる。顧客をハグする従業員を育てるには、経営者が従業員をハグしなければならない。確かにその通りだ!
もう一つの関係性を考えてみよう。SRが高くなければ、ESを高めることはできない。つまり、仕事に社会的な意味を感じることが、社員の満足度と相関がある、という考えだ。思い当たるところはないだろうか?
売上のことばかりを言われ、成長しようが、顧客が喜ぼうが、「それで儲かったのか?」とだけ言われたら、ESが上がるはずがない。金銭的インセンティブで動機付けをしたとしても、それはESにはつながらない。結局、儲かった方がいいという考え方は、顧客との信頼関係をも崩す。
やはり、SRとESは、意識していないかもしれないが、明確に相関関係を持っているように思える。
そして残るもう一つの関係性、CSとSRはどうだろうか。CSが上がると、結果的にブランド価値や売上が向上する。つまり、CS向上による売上が、次の持続的なSR投資へとつながっていくのだ。
そう考えると、
・SR (社会的責任) を感じる仕事をしていると、ES (従業員満足) が上がる
・ESが高いと、CS (顧客満足) が上がる
・CSが上がると、SRを続けられる
という関係性は満たされそうだ。

つまり、SR→ES→CS→SR...という好循環、言うなれば「ハッピーサイクル」ができあがるのだ。
昔の言葉で言えば、三方良しだ。
あなたの会社のハッピーサイクルはなにか? 考えてみてほしい。
これら3つの間に、明確な相関関係があると思えるだろうか?
ESが高くなければ、CSを高めることはできない! という意見を耳にすることは多い。これは確かそうだ。自分の仕事を楽しんでいない社員は、その気持ちが顧客に伝わってしまう。
ジャック・ミッチェルの声に耳を傾けよう。顧客満足は、どれだけ従業員が顧客をハグするかで決まる。顧客をハグする従業員を育てるには、経営者が従業員をハグしなければならない。確かにその通りだ!
もう一つの関係性を考えてみよう。SRが高くなければ、ESを高めることはできない。つまり、仕事に社会的な意味を感じることが、社員の満足度と相関がある、という考えだ。思い当たるところはないだろうか?
売上のことばかりを言われ、成長しようが、顧客が喜ぼうが、「それで儲かったのか?」とだけ言われたら、ESが上がるはずがない。金銭的インセンティブで動機付けをしたとしても、それはESにはつながらない。結局、儲かった方がいいという考え方は、顧客との信頼関係をも崩す。
やはり、SRとESは、意識していないかもしれないが、明確に相関関係を持っているように思える。
そして残るもう一つの関係性、CSとSRはどうだろうか。CSが上がると、結果的にブランド価値や売上が向上する。つまり、CS向上による売上が、次の持続的なSR投資へとつながっていくのだ。
そう考えると、
・SR (社会的責任) を感じる仕事をしていると、ES (従業員満足) が上がる
・ESが高いと、CS (顧客満足) が上がる
・CSが上がると、SRを続けられる
という関係性は満たされそうだ。

つまり、SR→ES→CS→SR...という好循環、言うなれば「ハッピーサイクル」ができあがるのだ。
昔の言葉で言えば、三方良しだ。
あなたの会社のハッピーサイクルはなにか? 考えてみてほしい。
個人の社会的責任 (パーソナル・ソーシャル・レスポンシビリティ)
「あなたは社会起業家ですか?」
こう聞かれて、「yes!」と答える人は、1万人に1人だろう。
社会のために起業する人は、本当にレアだ。
では、個人の社会的責任について、質問してみよう。
「あなたは、S(ocial)の人?それともB(usiness)の人?」
こういう質問をされたら、あなたはどちらだと思うだろうか?
Sの人というのは、物事を判断するとき、行動するときの基準が、次表の左半分の原則に基づく。逆にBの人というのは、次表の右半分の原則に基づくとしよう。
S(ocial)の人 B(usiness)の人
----------------------------------------------
・問題から入る ・Benefitから入る
・解決のために行動を起こす ・効率性を選ぶ
・想いで繋がる ・損得で繋がる
・Storytellingで共感を得る ・数字で説得する
この質問に答えるのは容易ではない。大いに自問自答する必要がある。
「あなたの会社はS寄りですか? B寄りですか?」
という質問に対しては、多くの社員が自信を持って「ウチの会社はB」と答えるだろう。もちろん、何の責任感もなく。だって、会社がそうなんだから。
でも、個人の社会的責任を問われた場合、そのような言い訳はできない。
自分自身がどちらなのか、その判断・行動原則を問われるのだ。
週末にボランティアをしているかどうかではない。
本当に重要な決定のときに、あなたはどちらの基準で考えるか、ということだ。
通常の事業活動の中で商品仕様を決定するときに、Sの基準で考えるか、Bの基準で考えるか。この毎日の判断・行動の積み重ねで、企業はS寄り、B寄りの方向へ進む。誰もが、無意識の加担者なのである。
「あなたは社会起業家ですか?」「No.」
「あなたの判断・行動原則はS(ocial)ですか?」「Yes!」
自信を持って、Yes!と答えたい。
こう聞かれて、「yes!」と答える人は、1万人に1人だろう。
社会のために起業する人は、本当にレアだ。
では、個人の社会的責任について、質問してみよう。
「あなたは、S(ocial)の人?それともB(usiness)の人?」
こういう質問をされたら、あなたはどちらだと思うだろうか?
Sの人というのは、物事を判断するとき、行動するときの基準が、次表の左半分の原則に基づく。逆にBの人というのは、次表の右半分の原則に基づくとしよう。
S(ocial)の人 B(usiness)の人
----------------------------------------------
・問題から入る ・Benefitから入る
・解決のために行動を起こす ・効率性を選ぶ
・想いで繋がる ・損得で繋がる
・Storytellingで共感を得る ・数字で説得する
この質問に答えるのは容易ではない。大いに自問自答する必要がある。
「あなたの会社はS寄りですか? B寄りですか?」
という質問に対しては、多くの社員が自信を持って「ウチの会社はB」と答えるだろう。もちろん、何の責任感もなく。だって、会社がそうなんだから。
でも、個人の社会的責任を問われた場合、そのような言い訳はできない。
自分自身がどちらなのか、その判断・行動原則を問われるのだ。
週末にボランティアをしているかどうかではない。
本当に重要な決定のときに、あなたはどちらの基準で考えるか、ということだ。
通常の事業活動の中で商品仕様を決定するときに、Sの基準で考えるか、Bの基準で考えるか。この毎日の判断・行動の積み重ねで、企業はS寄り、B寄りの方向へ進む。誰もが、無意識の加担者なのである。
「あなたは社会起業家ですか?」「No.」
「あなたの判断・行動原則はS(ocial)ですか?」「Yes!」
自信を持って、Yes!と答えたい。
好評御礼! 「裏方ほど!」に対する書評も最高ですね
「裏方ほど!」が発売になって一週間、多くのメッセージをいただきました。ありがとうございます!
プレジデント社のページに行くと、序章が読めるようになっておりますので、ぜひご覧になってください!
アマゾンの書評にも、たいへん素晴らしいコメントが寄せられています。
たぶん秋山進さん(GLOCOMのビジネスプロデューサー道場の主宰者)が書いたであろう書評のタイトルは、
> 野村マジックの種明かし
です。まいりました。
アルファブロガーである橋本大也さんのPassion For The Futureにも、ご紹介いただきました。ありがとうございます。橋本さんのユニークなコメントは、本当に笑えます。
> 私はこのプロジェクトの多数の参加者のうちの一人にすぎないのだが、
> 毎回、野村氏らの事務局に乗せられて、いい気分になり、写真のように
> 調子に乗って相当しゃべっている。これだけ見たら私は司会のようだ(笑)。
> そうか、これだけのノウハウが背後にあったのか、そりゃ踊らされるよなあ、
> 仕方ないよなあ、と妙に納得した。
橋本さんの締めの言葉も、とても的確に本書を反映してくださってますので、参照させてください。
> 大組織の中で、確信犯的に戦略的な裏方になりたい人におすすめの一冊。
営業の暗黙知を活かした組織能力向上の第一人者である山本藤光さんにも、ブログでご紹介いただきました。ありがとうございます。いつも辛口の藤光さんに、「辛口」と言われて、びっくりしました!
> 辛口ですっきりとした後味の本だ。
> 甘いのも、甘えるのもダメ。実践するには、ちょっと勇気がいるけれど、
> ぶつぶつだらだらの毎日よりも、張り詰めた仕事への扉をあけてみないか。お勧め。
サイバーエージェントの人事本部長である曽山さんのブログにも、ご紹介いただきました。ありがとうございます! 曽山さんのホスピタリティ、ケア力はとにかくすごいのですが、その曽山さんにコメントいただき感謝です。
> たとえばメール。「ケアするメール」と題して、
> 単なる一斉送信で送るのではなく個別感を出すテクニック。
> たとえばメールの最後1、2行にその人個人向けの言葉を添える。
> 「今回○○さんと一緒に仕事ができるのを楽しみにしています!」
> などのような感じ。たしかにいいですね
そして、福島正伸さんのアントレプレナーセンターから生まれた、感動仕掛け人の大前みどりさんのブログでも、しっかりとご紹介いただきました。
とても嬉しかったので、一部参照させていただきます。
> 私はずーーーーーーーーっと裏方のような人生を歩んできているので、
> なかなか自分が表に出て行くということに関して、抵抗のようなものや、
> いえいえ私なんて、、、、、みたいな気が働くことも多かったのだけれど、
> それは大きな間違いだと気つきました。
>
> 裏方こそ、おもしろい、そしておいしいのだ!
もっと「裏方」「事務局力」について話したい!という方には、KDIで行うワールドカフェにぜひご参加いただければと思います。
汐留、赤坂、六本木などの書店で見ると、かなりいい場所に置いてもらっていて嬉しいです。
写真の売り場は、真ん中4冊が、高い台に載っています。

プレジデント社のページに行くと、序章が読めるようになっておりますので、ぜひご覧になってください!
アマゾンの書評にも、たいへん素晴らしいコメントが寄せられています。
たぶん秋山進さん(GLOCOMのビジネスプロデューサー道場の主宰者)が書いたであろう書評のタイトルは、
> 野村マジックの種明かし
です。まいりました。
アルファブロガーである橋本大也さんのPassion For The Futureにも、ご紹介いただきました。ありがとうございます。橋本さんのユニークなコメントは、本当に笑えます。
> 私はこのプロジェクトの多数の参加者のうちの一人にすぎないのだが、
> 毎回、野村氏らの事務局に乗せられて、いい気分になり、写真のように
> 調子に乗って相当しゃべっている。これだけ見たら私は司会のようだ(笑)。
> そうか、これだけのノウハウが背後にあったのか、そりゃ踊らされるよなあ、
> 仕方ないよなあ、と妙に納得した。
橋本さんの締めの言葉も、とても的確に本書を反映してくださってますので、参照させてください。
> 大組織の中で、確信犯的に戦略的な裏方になりたい人におすすめの一冊。
営業の暗黙知を活かした組織能力向上の第一人者である山本藤光さんにも、ブログでご紹介いただきました。ありがとうございます。いつも辛口の藤光さんに、「辛口」と言われて、びっくりしました!
> 辛口ですっきりとした後味の本だ。
> 甘いのも、甘えるのもダメ。実践するには、ちょっと勇気がいるけれど、
> ぶつぶつだらだらの毎日よりも、張り詰めた仕事への扉をあけてみないか。お勧め。
サイバーエージェントの人事本部長である曽山さんのブログにも、ご紹介いただきました。ありがとうございます! 曽山さんのホスピタリティ、ケア力はとにかくすごいのですが、その曽山さんにコメントいただき感謝です。
> たとえばメール。「ケアするメール」と題して、
> 単なる一斉送信で送るのではなく個別感を出すテクニック。
> たとえばメールの最後1、2行にその人個人向けの言葉を添える。
> 「今回○○さんと一緒に仕事ができるのを楽しみにしています!」
> などのような感じ。たしかにいいですね
そして、福島正伸さんのアントレプレナーセンターから生まれた、感動仕掛け人の大前みどりさんのブログでも、しっかりとご紹介いただきました。
とても嬉しかったので、一部参照させていただきます。
> 私はずーーーーーーーーっと裏方のような人生を歩んできているので、
> なかなか自分が表に出て行くということに関して、抵抗のようなものや、
> いえいえ私なんて、、、、、みたいな気が働くことも多かったのだけれど、
> それは大きな間違いだと気つきました。
>
> 裏方こそ、おもしろい、そしておいしいのだ!
もっと「裏方」「事務局力」について話したい!という方には、KDIで行うワールドカフェにぜひご参加いただければと思います。
汐留、赤坂、六本木などの書店で見ると、かなりいい場所に置いてもらっていて嬉しいです。
写真の売り場は、真ん中4冊が、高い台に載っています。

東京でやらなくても「日本らしいオリンピック」を実現すればいい
事務局力は、国家レベルでも発揮し得るという話をしたい。
まず地球温暖化対策。25%低減のコミットを実現するためには、自分たちが省資源するだけではなく、他国へ技術供与して、その国の削減に貢献することで、カーボンオフセットで実現に近づける、という方法もある。「CO2削減の事務局」になることで、他国の実現に貢献し、それが自国の実現につながるのだ。
オリンピックは、「リオに敗れた」「また2010年で挑戦」といったフレーズが流れることもあるが、これは事務局精神からすると、いただけない反応だ。自国で開催しないのなら、一生懸命やらない、というのは、「ほめられたい症候群」の典型的症状である。
私の考える「事務局力のある日本」は、「リオでやるなら、自分たちの環境技術をリオで実現しよう」と考える。「リオの成功のために、自分たちが用意していたアイデアや技術をぜひ使ってもらおう。それによって、みんなで地球温暖化を防ごう」という発想だ。
オリンピックの開催地にならなくても、オリンピックの裏方になり、オリンピックを通じて持続可能な地球環境に向けての活動を促進していくことは、十分できる。また4年待とうなどと思わず、すぐに交流を始めたらいい。そうして「雪かき仕事」のように、開催地の支援をしていれば、自ずと「次は日本でやるか?」というリクエストが上がるだろう。すぐに順番がやってくる。
日本よ、もっと事務局力で社会の仕組みを再構築しようよ。
まず地球温暖化対策。25%低減のコミットを実現するためには、自分たちが省資源するだけではなく、他国へ技術供与して、その国の削減に貢献することで、カーボンオフセットで実現に近づける、という方法もある。「CO2削減の事務局」になることで、他国の実現に貢献し、それが自国の実現につながるのだ。
オリンピックは、「リオに敗れた」「また2010年で挑戦」といったフレーズが流れることもあるが、これは事務局精神からすると、いただけない反応だ。自国で開催しないのなら、一生懸命やらない、というのは、「ほめられたい症候群」の典型的症状である。
私の考える「事務局力のある日本」は、「リオでやるなら、自分たちの環境技術をリオで実現しよう」と考える。「リオの成功のために、自分たちが用意していたアイデアや技術をぜひ使ってもらおう。それによって、みんなで地球温暖化を防ごう」という発想だ。
オリンピックの開催地にならなくても、オリンピックの裏方になり、オリンピックを通じて持続可能な地球環境に向けての活動を促進していくことは、十分できる。また4年待とうなどと思わず、すぐに交流を始めたらいい。そうして「雪かき仕事」のように、開催地の支援をしていれば、自ずと「次は日本でやるか?」というリクエストが上がるだろう。すぐに順番がやってくる。
日本よ、もっと事務局力で社会の仕組みを再構築しようよ。