イノベーションを科学する: フューチャーセンター、ゲームストーミング、サラサラの組織、事務局力、コミュニティ・オブ・プラクティス -3ページ目

2010年は日本APECの年!

世界のことを考えるのは、難しい。とくに、日本の平和な日常の中で生きていると、アジアや南米の人々が日々何を考えて生きているのか、考える機会すら持ちにくい。

経産省の服部崇さんから、素晴らしい贈り物をいただいた。彼自身がAPEC事務局員として働いた数年間の経験をそのまま日記のように綴った、「APECの素顔」という本を送ってもらったのだ。
$「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG-APECの素顔
この本は、すごく不思議な魅力に溢れた本だ。自分自身が服部さんになりきって、APECを感じることができる。どうしてだろう?それは、彼自身の観察力であり、まるでその瞬間にTwitterで書いたようなリアルタイム感のある文章のチカラからくるものだと思う。
吉原真理さんのドット・コム・ラヴァーズBLOGに、その服部さんの肌感覚がうまく紹介されているので、こちらも見てほしい。

とにかく、「APECって何?」とか思ったりする人にこそ、ぜったい読んでみてほしい。かなり身近なものに感じられるだろう。

私のお付き合いしている、多くの企業の変革リーダーたちも、経営環境の変化には敏感であるだろうが、「アジア太平洋経済協力」みたいなスケールになると、ちょっとパス、となってしまうのではないだろうか。
でも、今年はAPECが日本で開かれる。各国の首脳が集まり、そこで日本は「アジア太平洋の経済の未来」についてのリーダシップをとることを期待されている。こういうことに、企業トップや変革リーダーたちが無関心ではいけないと思うのだ。

もう一つ、この本で注目すべき点が、APEC=事務局力そのもの、であるということだ。APEC事務局員の裏方活動が、各国首脳を動かし、国家の利権を超えた協力関係を築き上げていくダイナミズムを感じることができるだろう。服部さんも、APEC事務局に参加したときは、ほとんど知識を持たず、アジア太平洋の経済についての明確なビジョンを持っていたわけではない。しかし、事務局仕事を通して、彼自身の知識と想いが高まり、そして世界に影響を与えていく様子が見て取れる。

事務局力が世界を動かす。この本で、その醍醐味を味わってほしい。
そして、自分にもできるぞ、という「有力感」を服部さんからもらってほしい

相談を受けました――「事務局力」実践プログラム

某IT・電機系大企業の経営企画部の人から、相談を受けた。

彼は、組織全体に対話の文化を作ろうと、大きな対話集会を開いたりしてきた、変革リーダーだ。強い想いと共感力、そして戦略的思考を併せ持っている。
「全社的に対話の文化を作っていくためには、間接スタッフがファシリテータになっていくべき」
これが、彼のアイデアである。そのために、全事業部の企画・計画スタッフに、事務局力をつけていってもらいたいと言う。

私の用意した、「事務局力実践プログラム」は、次の4つのステップに分かれている。まずは現状の問題点を見極め、成功イメージを描くことができること。これが大事だ。次に、会議の前後のケアメール、会議の最中のファシリテーション、そして会議後のバイオグラフィーなどをマスターしてほしい。最後は、具体的な職種・業種別のケーススタディを学ぶ。

実践講座の実施に興味のある人は、ぜひお知らせしてきてほしい。ノウハウを共有するコミュニティも立ち上げていきたいので、我こそは「事務局力の達人!」という人にはご協力いただきたい。

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「事務局力」実践プログラム
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Ⅰ. 事務局力ベーシックメカニズムの理解
  (参考:序章・第1章)
  生産性症候群の見極め
  負のスパイラルの分析
  正のスパイラルの理解
Ⅱ. 事務局力の仕掛け方の理解
  (参考:第2章)
  雪かき仕事の連鎖の発見
  事務局の(勝手な)開き方
  事務局力の成功イメージ
Ⅲ. 事務局力の仕掛けの習得
  (参考:第3章)
  Before
  ・プロセスデザイン
  ・人選
  ・ケアメール
  During
  ・鍋奉行ホワイトボード
  ・付箋ワークセッション
  ・内職プレゼンテーション
  After
  ・あこがれベンチマーキング
  ・あとづけバイオグラフィー
Ⅳ. 事務局力の実践力向上
  (参考:第4章)
  Basic
  ・部門内ケーススタディ
  Cross-function
  ・職種別ケーススタディ
  Social
  ・社会イノベーションのケース
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あー、<事務局力>の影響範囲がどんどん広がっていくといいですねー!

「裏方ほど!」に対する嬉しいフィードバックがたくさん!

「裏方ほどおいしい仕事はない!」に対して、嬉しいフィードバックをたくさんいただきました。
$「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG-urakata-hyoushi

★某大手自動車会社の情報マネジメント部の部長さんから、「これこそ、部員に考えてほしいことだ!」というメールをいただき、年明けには部員500人を集めての講演会を開いていただくことになりました。ありがとうございます!

★某大手ITソリューション会社では、経営企画部長さんが、「みんなに読んでほしい本!」として部長席に積み上げ、部員全員に読むようすすめてくださっているそうです。

その他、「こういう裏方仕事、雪かき仕事が大事なんだよな。みんなにわかってほしい」であるとか、「事務局に、もっと戦略的な動きをしてほしい。こういう考えをみんなに知ってほしい」という声をとにかくたくさんいただいています。ありがとうございます。

★また、先日の「チームビルディング・カンファレンス」でお会いした方からは、次のような熱いメールをいただきました。勢いが感じられますよね。私も嬉しくなりました。

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まずはご著書「裏方ほど…」、一気読みしました!
ページをめくるごとに「そうそう、そうなんだよね~」と
いちいち同意しながらポストイット貼りまくりで読ませて
いただきました。

今まで自分自身がもやもや思っていたことが、その背景も含めて
ロジカルに説明されており、そのメカニズムが納得感をもって
理解できるとともに、「志」なんていう口に出すにはちょっと
気恥ずかしい、でも仕事をするうえで一番大事だと自分が密かに
思っていた言葉にスポットライトが当たっていて、ほんとに
うれしく元気が出る、そんなご本でした。すごいです、この本。
すでに社内外含め6人の人に勧めてしまいました。これで世界に
広がりますね(笑)!
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経営企画部、情報システム部、品質管理部、広報宣伝部、等々の事務局的手腕が問われる部門の方。また、プロジェクトマネジメント、ファシリテーションなどに従事されている方。ぜひ、ぜひ、一度手にとっていただければと思います。

『<事務局力>特別ワークショップ』をGLOCOMで開催しました。

12月15日、GLOCOMで、「事務局力」をダイレクトにあつかうワークショップを開いた。

講演と、50名強の参加者同士の対話、そして皆でアウトプットを作り上げる、という3時間であった。

ゆる~い時間を楽しんでもらいたい、という気持ちと、「事務局力を発揮したい!」と感じて帰ってもらいたい、という気持ちの両方を持って、このワークショップに臨んだ。

会に参加してくれた水谷さんが素晴らしいメモを書いてくれたので、それをGLOCOMのBLOGでも紹介した。

この日のメインは、事務局的パラダイムを全員で共有することだった。そのために、「自分の生産性をもっと上げよう」というカツマー的パラダイムとの比較を多用した。

カツマー的パラダイム は、自分の生産性を最大化するための自己改革を迫る。思いっきり、「自分」に焦点を当てる考え方だ。流されるな、自分の生産性を上げろ、自分の能力を伸ばせ、損得で判断せよ、できない仕事は断れ、と経済論理を個人の仕事に持ち込むことを薦める。

これを「悪い」とは言わない。だが、このような考え方が、組織全体を「タコツボ化」させていることは否定できない。

だから、その逆の「あり方(being)」が必要なのだ。

事務局力パラダイムでは、「他者」あるいは「私たち」に焦点を当てる。他人、他部門、他者、他国の生産性を高めるために働く。このようなことができ、結果的に周囲を味方に付けていく力を、人は「人間力」と呼ぶのだ。


この日のワークショップで出した話題を一つ、紹介しよう。事務局力欠如、の事例だ。

次々回のオリンピックはリオデジャネイロに決まった。東京でオリンピックをやりたい!と思うのは構わない。だが、世界各国は、日米のような先進国でオリンピックをやることを応援してはくれなかった。このことをどうレビューするか?「前回は一枚岩になっていなかった。2020年こそ、東京が一丸となって、開催地を獲得するぞ」というレビューをした都知事もいる。

別に、悪いとは言わない。だが、このような考え方をしているから、GDPが世界二位になろうと、世界から尊敬される国にはなれない。

東京は、世界のオリンピックで「事務局力」を発揮すべきだ。つまり、「リオデジャネイロで、世界最高の環境オリンピックを実現しよう!」と、東京でやりたかったベストの提案をリオで実現しよう、と考え、今度はブラジルを誠心誠意、応援する側に回るのだ。すぐに安藤忠雄さんをリオに派遣したらいい。

さあ、あなたは自分最適を追求するカツマー的パラダイムと、他者最適を追求する事務局的パラダイムのどちら派だろうか?

している株式会社の「チームビルディング・カンファレンス」に参加!

まいった。チームビルディングとか、ファシリテーションは、本当に毎日のようにやっている仕事そのものなので、軽い気持ちで参加した。そしたら、見事に、でっかい気づきをもらった。

目隠しした13人全員で、輪になったロープを15分で正方形にする、というタスク。前半チームに入った私は、はりきってリーダシップをとって、見事に大失敗することになる。


「順番に数を言っていこう!オレが1ね、隣をさわったら2と言ってって」、とまず全員で数を言ってもらって、次は、「さぁ、全員で12人だったね。じゃ、4で割って、その割り切れた数の人は、頂点になる。その他の人は、自分のロープをまっすぐにしよう」とチームを引っ張った。

そしたら、「おいおい、ちょっと待ってよ」って声が上がる。なんと、ロープを握っているのは私の周辺の3人だけ。さらに、順に数を言っていったのに、1人は輪から外れて、番号を言えてなかった。

勝手な思いこみだったのだ。全員がさっとロープを握っていて、円になっている風景が、自分の想像の中に広がっていた。実は、みんなばらばら。不安なまま、自分のインストラクションを聞いていたのだ。

そう。まいった。自分はリーダシップをとろう、とろうと思っていて、実は浮いていた。周りの人が、文字通り、「見えていなかった」のだ。

こういうことが、ばっちり浮き彫りになってしまうなんて、アクティビティは恐ろしや。すごい。



そして、後半チームは見事全員で協力し合って、正方形に成功。

彼らは、「みんな、どういうふうにやりたい?」と一人が声をかけて、「全員でロープを持ちたい」という声が上がり、「じゃ、そういうふうにやろう」と一つになった。
成功すると、「全員が祝福された気持ち」になっていた。


そうか、これがチームビルディングだ。簡単なことだが、追い込まれると、皆、結果を出すためにバラバラになる。
でも、アクティビティでやっておくと、もう忘れない。


そう、私は忘れないよ。二度とね。リーダシップを発揮しているときは、自分が見えている(と思っている)ものと、マワリが見えているものは、違うんだっていうことをね。

GLOCOMで12/15に「裏方ほどおいしい仕事はない!」の特別ワークショップ開催します

GLOCOMイノベーション行動科学プロジェクト 特別ワークショップ
◆ <事務局力>半径10メートルの現場から、1人でも始められる組織変革

■日時:2009年12月15日(火)午後3時-6時
前半は、野村研究員に、身近な例を交えながら"事務局力とは?"をわかりやすく解説してもらいます。後半は、フロアのみなさまにもご参加いただきながら、より実践的な事務局力の活かし方のヒントを探ります。
■会場:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター
 港区六本木6-15-21ハークス六本木ビル2F
■参加費:無料
■ぜひご参加していただきたい方: 企画・人事などの部課長、現場部門の変革リーダー、など
■定員:50名(定員になり次第締め切らせていただきます)
■参加申し込み:事前に申し込みをお願いいたします。こちらをクリック!


「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG-urakata-forum

事務局力養成講座が生まれそう!―――裏方ほど!ワールドカフェの成果

木曜日、「裏方ほどおいしい仕事はない!」を読んで集まっていただき、KDIにてワールドカフェを開催しました。

満員御礼、約45名の方が集まって3時間にわたる対話を楽しみました。

テーマは、ズバリ『事務局力』

裏方仕事に対して、「おいしい!」「面白い!」と思っている人が半数強、裏方を押しつけられるとしんどいよねー、という人が半数弱。そういう人が集まって対話が始まったと思ってください。

ワールドカフェのパワーは、対話をしているうちに、「ポジティブなパワーが、ネガティブな気持ちを包み込んでいく」ところにあることを本当に実感しました。だって、誰も説得なんてしてないのに、ほぼ全員が裏方、事務局をポジティブに捉えるようになって、最後は「事務局力って母親の愛で皆を包むパワーだよね」とか、口を揃えて言ってるんですよ!

最後には、「事務局力には色々な型があることがわかった。でも、分かっていても自分ですぐにできるものでもない。事務局力の本質を理解し、トレーニングやシミュレーションをしたり、互いに実践を共有するような、事務局力養成講座を作ることで、社会をもっとよくしていけるよね!」という気持ちにみんながなりました。

本当にすごい!

結論。「事務局力は、相手を包み込む愛。そして、責任を抱え込まない、適度ないい加減さ。責任をとるのはリーダー。事務局は、人をつなぎ、人を支援し、人を活かす仕事。ハブとなって、仕事も知恵も活性化させることに意義がある!!」

ワールドカフェの風景。KDIのフューチャーセンターで、皆が対話を楽しみました!!!

$「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG-urakata-worldcafe

こんな対話の成果が、10枚以上!

$「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG

事務局力養成講座にご興味のある方は、ぜひご連絡くださいませ。

「コモンズの悲劇」を超えて

「『コモンズ』への再注目」に注目したい。

エリノア・オストロム博士が、今年、女性としてはじめてのノーベル経済学賞を受賞したことは記憶に新しい。彼女の研究は、ゲーム理論で有名な「共有地の悲劇」、つまり「『コモンズ』の悲劇」に関したものである。

「コモンズの悲劇」 は、ガーネット・ハーディン博士が、1968年にサイエンス誌に掲載した論文。「オープンアクセスな共有地(コモンズ)は、必然的に荒廃する」ということを経済理論で証明した。牧草地を牛飼いたちが共同で使っている場合、牛をあと1頭牧草地に入れるときの損害(コスト)は牛飼い全体で等分されるが、利益はその牛の所有者だけが得られる。それゆえ、各牛飼いにとっての利益は費用を常に上回り、どんどん自分の牛を牧草地に入れてしまう。これによって、牧草地は回復不能なほど荒廃してしまうことになる、というものだ。

この「コモンズの悲劇」に基づき、共有資源の保全管理は人々の自主性に委ねては不可能であり、その解決には、「国家による解決」か「市場による解決」の二つしかないということになっていたが、実際のところ、国家による保全管理も、民営化による資源配分も、環境破壊の進行を食い止めることはできなかったのが現実だ。グローバルコモンズの最大の問題は、環境問題である。

これに対して、オストロム教授の経済学に対する最大の貢献は、実証研究および理論研究を通して、共有資源の保全管理のために有効な方法は、国家や市場だけではなく、第三の方法として、共有資源に利害関係をもつ当事者が自主的に適切なルールを取り決めて保全管理をするというセルフガバナンス(自主統治)の可能性を示したことだ。つまり、コミュニティによる自主統治である。

その実現のための成功要因は、「当事者によるモニタリング」「ルール違反者に対する処罰ルール」であったと言う。当事者同士が、ルール違反者に、わざわざ自分でコストを払ってまでも処罰行動に出る。これは、経済理論では説明のできない行動なのだそうだ。

今、社会起業家が取り組んでいる社会問題は、「経済理論では解けない問題」ばかりである。コミュニティがセルフガバナンスを利かせることができるか?

そのためには、利害一致ではない、倫理的一致をめざした対話の場をもっと増やしていかなければならない。
そのために、私たちは何ができるのだろうかはてなマーク

レイフ・エドビンソン教授(フューチャーセンター創始者)来日!

今日は、朝からエキサイティングだった。

スウェーデンから、フューチャーセンターの創始者である、レイフ・エドビンソン教授がKDIを訪れたからだ。KDIに来るのは初めてではないが、8月にリニューアルした新しいフューチャーセンターを見てもらうのは初めてだ。コンセプト、デザインともに、たいへん気に入ってくれたのは嬉しかった。

午前中は、日欧のフューチャーセンターの動向について、意見交換。そして、午後3時にスタートするKDIのエグゼクティブ交流会(クライアント企業の役員レベルをお招きする対話の場)に向けて、その進め方を打合せした。レイフ・エドビンソン氏と一緒に来日したハンク・クーネ氏とは、木曜日に早稲田で開かれる知識資産経営ワークショップでもコラボレーションする。その打合せも行った。

昼は3人で天ぷら屋さんに行った。なぜ自分が社会イノベーションに関心を持ったかを話し、彼らからは、北欧の国々で「社会イノベーションの担い手」を国家的に育成する活動の話を聞いた。そして、来年6月にヘルシンキで開催される、「トレーニング・キャンプ」と呼ばれる8日間の社会イノベーター養成プログラムに、絶対来なさい!!、と強く背中を押された。

「社会イノベーションの担い手」か・・・・

自分が地球規模の問題に立ち向かっていくべき人として、立ち上がることを覚悟しなければならないのかもしれない。そう、本気で考え始めている。

ワールドカフェ・ウィークのオープニング参加しました!

本日の13:00から17:30の4時間半、虎ノ門の一室に100名以上の、社会を変えるつながりを求める人たちが集まった。

ワールドカフェの常連から、「日本の伝統的な強み、目に見えない価値」というテーマに関心をもって初参加した人たちまで、多種多様であったが、一様に「何かが生まれるかもしれない期待感」にあふれている様子は、ひしひしと伝わってきた。何というか、いい意味での緊張感。何か起こるぞ、という感じ。

ワールドカフェはゆったりと進み、アウトプットよりもプロセスを楽しむ雰囲気が、皆を包んだ。


3回のワールドカフェの対話を経て、私のテーブルでは、次のような「気づき」を得ることができた。断片だが、示してみる。

サーチ 日本の目に見えない価値である、「あうんの呼吸」が、今の組織の中で「空気を読む」という、一歩踏み出しにくい文脈で使われてしまう実態がある。
サーチ しかし、ほぼ同じ能力なのだが、「即興劇のように、息を合わせて場を作る」という形で使われれば、新たなものを集団で生み出していくことができるようになる。
サーチ 問題は、「空気を読む必要のある場での停滞」から、「即興劇のような息の合った場の創造」へと進んでいけるか、である。しかし、組織に属する多くの人は前者に絡み取られ、フリーにでもならない限り、なかなか後者に進んでいくことができない。(出る杭は打たれる日本の伝統)
サーチ 重要なことは、この二つを分け隔てているダムのようなものに、卵を産むために川を上ってきた鮭が通れる、バイバスをきちんと作ってあげることではないか? 例えば、相互プロデュースという考え方で、他の人が「場の創造」へと進んでこれるよう、お互いにバイバスを作ってあげ合うということができるのではないか。それが、第一歩ではないか。
サーチ その結果として、「場の創造」に進んだ人たちが、場が停滞するまでそこに留まるのではなく、次は自らが他人をプロデュースし、「場の創造」に努める見えないところで気を利かす、やってますよと自分から言わない、という美徳を活かし、裏方のプロデューサになる
サーチ その結果、たくさんの場が生まれ、「おもてなし」や「思いやり」の心が、次々と広がっていくのではないか。


そして、それぞれのテーブルから、多くの発見が報告され、場の熱が高まったところで、いよいよ田坂広志さん登場。

驚いた。「聴く側の準備ができている」ということをこれほどに感じた講演は、はじめてだ。会場全体から、「聞きたいことがある」というオーラが田坂さんへと突き刺さる。

そして田坂さんからは、「目に見えない価値を大切にするためには、答えのない問いを問い続ける知性が何より大事」という話が、ユーモアを交えつつも、いい緊張感の中で伝えられた。

はっきりと感じる。いつもの自分よりも、ずっと大切なものが心に沁み込んでくることを
これぞ、ワールドカフェの本当の力。今日からの一週間、何が起こるのだろうか。

夜の街

今週の木曜には、KDIでもワールドカフェを開く。「裏方ほどおいしい仕事はない!」を読んでから参加していただき、「事務局力」の可能性を発見しようというものだ。

$「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG-urakata-hyoushi

世の中のあらゆる変革活動には、必ずと言ってよいほど事務局が置かれる。事務局は、主催者の意志だけではなく、参加者の気持ちに共感し、状況に応じたシナリオを書いていくことで、大きな革新をプロデュースできる素敵な役割だ。
さぁ、日本全国の事務局の皆さん、「事務局力」を発揮しよう!