イノベーションを科学する: フューチャーセンター、ゲームストーミング、サラサラの組織、事務局力、コミュニティ・オブ・プラクティス -7ページ目
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フェアトレードは日本と世界をつなぐ切り札になるか?

有楽町の丸井の一階に突如現れた、超オシャレなフェアトレード・ショップ、"Love & Sense"

代表の高津玉枝さんは、長年LOFTなどで鍛えたマーチャンダイザー、そして世界的NGOのオックスファム・ジャパンの副代表理事も務める、ビジネス/ソーシャル両面のスーパー・ウーマンだ。

Love & Senseで買った「ハリネズミ君」は、驚くなかれ、雑誌・広告・電話帳などの再生紙から作られている。よく見ると、身体のあちこちに文字が書かれているのが、わかるでしょ?
タイのバンコクで生活が楽ではない女性たちが多数参加し、この再生紙動物作りで、子供たちや家族の生活を支えているそうだ。
ハリネズミ君は、ウチに来て、写真のように元気にパリの街を歩いている。
$「裏方ほどおいしい仕事はない!」―――― 「事務局力」で会社を動かす-hari-nezumi

フェアトレードは、たいへん奥が深いビジネスモデルだ。
「地域コミュニティの文化を壊さないように、適正な量を長期にわたって取引する」
それが何より重要だと言う。額は小さくても、安定的に。その仕事を地域コミュニティに存在させること。

ではなぜ、規模の小さいフェアトレードが、それほど社会問題解決の切り札と考えることができるのだろうか?
自給自足で暮らしていた人たちが、たとえば学校に行くための少しのお金が必要になった場合、現金収入を得るすべがない。その結果、強制労働に近い出稼ぎに行ったり、人身売買が起きたりしてしまう現地に小さな産業ができれば、こういったことは防げる
だからこそ、フェアトレードは、継続性が大事。一時的な購買だけでは、現地を振り回すことになってしまう。「現地を助ける」という急激な成果を求めるのではなく、現地にも無理のない量を5年、10年と、細く長く続けることが肝要。

先進国側にとっても、フェアトレードがもたらす効果は小さくない。多様な価値観・生活をしている人たちと、顔が見える関係を築くことで、新しい課題の発見につながるからだ。「新しい発想」を得ながら、社会にも役立つ。
紛争・難民などの問題を解決するには、直後は寄附が大事。だが、次の段階としては、仕事を作ることが必要。日本企業は、寄附だけではなく、持続的に「購買」で貢献することにも関心をもってほしい、と高津さんは言う。
企業は効率性重視のため、時間のかかる活動を排除しがちである。 しかし、グローバルな流れは、確実に社会性重視に舵を切っている

同日、もう一人のフェアトレードの仕掛け人、杉原たみさんのお店Tammy's Treatsも、二日間限定で代官山ヒルズに登場した。杉原さんは、国連の仕事で難民支援をしているときに、「どうしたら日本の人たちに現地の人たちのことを覚えていてもらえるか」と考え、フェアトレードの小物を日本で売ることを思いついたと言う。

杉原さんのお店では、キリンを型取った山羊皮のブックカバーを買った。皮は非常にしっかりしていて使いやすく、また色も美しい。
$「裏方ほどおいしい仕事はない!」―――― 「事務局力」で会社を動かす-kirin

フェアトレードの仕掛け人たちは、本当に尊敬に値する人たちだ。

飛行機現地の人たちの支援をまず、最大に考えている。彼らに、安定的な仕事の提供を約束しなければならない。途上国の地方に自ら足を運び、NGOと協力して、一緒になって商品を考える。そして彼らが日本市場の要求に合うペースで、安定した仕事をしてくれるよう、協力と祈りを捧げる。
サーチまたさらに、日本の流通業界の常識とも戦う。手作りゆえに、工業製品のように品質が安定していない。それを「エラー」ではなく、「良さ」「個性」として理解してもらう必要もある。
ラブラブ!そして最後に、消費者の理解。「できるだけ安いところで買う」から、「適正な価格、適正なプロセスの商品を選ぶ」ということの重要性を啓発していかなければならない。

半端ではない知恵と労力をかけて、多くの可能性をつなぎあわせたところにビジネスを実現させる。だが、規模は本当に小さい。ではなぜ、彼女らはフェアトレードの仕掛けを続けているのか? それはズバリ、「この仕事が好きだから」
フェアトレードは、ビジネスとソーシャルの間を結ぶ、大切な大切な「裏方仕事」だ
現地コミュニティの人たちとも心がつながり、一緒にビジネスの成功を喜び、先進国の流通の仕事をしている人たちとも、消費者とも心でつながる。本当にハッピーの連鎖を作る仕事だ

彼女らの「裏方仕事(=事務局力)」は、社会を少しずつ、よい方向に導いてくれるに違いない。
そう信じている。

第二話: 仕事は自分で創るもの…?

「今日は、本当に素晴らしいお話をありがとうございました。O電気の経営企画部から来ました、小池ユリと申します。よろしくお願いいたします」
「こちらこそ、熱心に聞いてくださってありがとうございました。小池さんが、話の間もさかんにうなずきながら聞いてくださっていたんで、とても話しやすかったです」
「今日のお話の中で、『そこに自分がいる』と実感できる仕事をしよう、という言葉が印象的でした。日常に流されて、なかなかそう思える時間が少ないのですが、どう心がければよいのでしょうか?」
「それは簡単ですよ。そういう仕事を自分で創ることです。自分らしい仕事を提案する、今の仕事を自分らしく味付けする、勝手に自分らしい仕事を始めてしまう。どれでも構わない。でも、心がければ、いつでもできることですよ」

ユリは、社外の勉強会で人脈を広げ、できる限り新しいアイデアに触れようとしている。今日のテーマは、ズバリ「自分の仕事」だ。最初は馴染めなかった、こういった哲学的テーマにも、今では仮説を持って対話できるようになってきた。講師のレクチャーも勉強になるが、それ以上にワールドカフェで交わす、他の参加者との対話は、何より刺激的だ。
それでもユリは、会社の仕事に悩んでいた。小沢君のように「すべて会社に捧げます」って感じで生きていきたくないし、でもアシスタントのような形で仕事を続けたいわけではない。自分らしいキャリアを描いて、力を発揮していきたい。ワールドカフェでは、初対面でテーブルが一緒になった人に、ついつい人生相談をしてしまう。

「では、そろそろワールドカフェを始めましょう。今日のテーマは、もちろん、『自分の仕事』です。自分の仕事は何か、今の仕事でもいいし、本当はやりたい仕事、あるいは天職としての仕事は何かなどなど、なんでも構いません。テーブル毎の対話をお願いします」
ユリのテーブルは、ユリを含めて5人が着席している。40前後の男性が二人、それから女性は二人で、一人は同年代、もう一人は40代後半くらいのベテランだ。
「はじめまして。私は――――」

ショックだった。最初のテーブルの5人も、そのあと席替えで一緒になった人たちも、ほとんどの人が、自分らしい仕事ができていないことに悩んでいた。管理職の女性も、今の職務を全うするために、自分とはまったく異なるキャラクターで頑張っている、と言う。
講師の人の話と、現実はまったく違う。どうして自分の仕事を自分で創るということは、こうも難しいのだろうか

明日、小沢君に相談してみようかな。彼は、会社人間の代表だからね。

第一話: このままでいいんだろうか…

「小沢君、何やってるの?」
「見てのとおり、明日の役員会資料のホッチキス留め。結構たいへんなんだよ、差し替えのたびに全部付け直し。よかったら手伝う?」
「まじ、勘弁。私はこれから社外の勉強会なの。お先ー」

チェッ、いいよなユリは。とにかく要領がいい。7年前、同期で経営企画に配属されたのは、オレとユリの二人だけ。会社の将来は、オレに任せておけ!って感じの鼻息も最初の三ヶ月で吹き飛ばされ、未だに経営企画でペイペイのオレたち。どうなってるんだ?

「小沢君たちは、気の毒だよね」
定年間近で管理職にもなっていない、佐藤さんに気の毒呼ばわりされたくもない。でも、入社以来業績はつねに右肩下がり、新入社員も数を絞って前線に送り出すので、経営企画に回ってくるヤツなんて一人もいない。宴会の場所取りと出欠確認に始まり、部会議の日程調整、パソコンの設定、サーバのバックアップ。それでいて、手のかかる仕事はどんどん降ってくる。

ユリは仕事が早い。時間を決めて、パッパと済ます。会社にいる間は結構テキパキと忙しそうにしているので、雑用も頼まれにくい。女だって言うのもあると思うが。とにかく、オレのところにはいつも、しょうもない仕事が回ってくる。ほらまた、部長の声が聞こえる。
「おいー、これ誰もやれるやついないのかよ。参ったな。山田、お前、今空いてないか―――。うぅん、そうねえ、ま、しょうがないか。お―――い、小沢、これお願いするよ!」
はいはい、断れないんだよね、オレが最後の砦だって、自分で分かっているから。

こうやって、いつまでオレは雑用をこなしていればいいんだろうか? だって、ずっと業績悪いし、部長はいつも「経営企画のメンバーは、成長できる仕事をさせてもらっていることに感謝しなさい。その上いい成績をもらおうなんて、思っちゃいかんのだ」と言っていて、それを半年に一度、有言実行する。

このままで、いいんだろうか…

ワールドカフェウィークに、『裏方ほど!』のワールドカフェを開催します!

ワールドカフェは、本当に面白い。多くの人が集まり、アウトプットを求めず、相互理解を通して自分自身の答えを見つけて、それぞれが帰って行く

ワールドカフェ・ウィークという、世界を変えるかもしれない試みが、11月16日週に開催されます。もちろん、『裏方!』のワールドカフェも開きます。

【こんな方におススメです!】
○会社の仕事で、横断タスクなどの事務局をやっている人
○プロマネで他部門・他社の人たちを動かさなければならない人
○自分の仕事は評価されていない、と不安を感じている人
○会社を変えたいけれど自分の立場・力では変えられない、と思っている人
○いちいちほめないと動いてくれない部下に疲れている人
○いまの会社をやめて、もっと社会に役立つ仕事がしたいと思っている人

【日時】 11月19日(火)19:00~22:00 (18:45開場)
【会場】 富士ゼロックス株式会社 KDI Future Center
  (会場地図URL) http://www.fujixerox.co.jp/solution/kdi/contact/
  (最寄駅)南北線 「六本木一丁目駅」 1番出口より地下通路で徒歩2分
  〒106-0032 東京都港区六本木3-1-1 六本木ティーキューブ 15F

本当に、そう思う。「裏方ほどおいしい仕事はない!」、と。

「裏方ほどおいしい仕事はない!」がプレジデント社より、10月19日に発売されます。
「裏方として働く個人」に着目し、誰もが組織を裏方として動かすことで社会を変えられる、その主役になれるんだ、ということを伝えています。

$「裏方ほどおいしい仕事はない!」で会社を動かす-urakata-hyoushi
アマゾンからお申し込みいただくのであれば、こちらをクリックください

いつまでも若手扱いされ、自分の力を出し切れない、と考えていたあなた。管理職めざして、今はガマン、と考えていたあなた。本当に会社を動かす人は権限を使わないこと、権限がなくても会社を動かせるということが、理解できると思います。
そして、事務局力という「みんなのために献身的に尽くすイノベーター」になるための、「7つの仕掛け」が本書では詳しく紹介されています。どの仕掛けも、身近なツールの使い方の工夫ですから、誰でもすぐに取り入れることができます。

仕掛け(1)「ケア」するメール 手紙
仕掛け(2)アガペー(神の愛)モード UFO
仕掛け(3)鍋奉行ホワイトボード お酒
仕掛け(4)付箋ワークセッション アート
仕掛け(5)内職プレゼンテーション 演劇
仕掛け(6)あこがれベンチマーキング 目
仕掛け(7)あとづけバイオグラフィー カチンコ
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