イノベーションを科学する: フューチャーセンター、ゲームストーミング、サラサラの組織、事務局力、コミュニティ・オブ・プラクティス -4ページ目

「ワールドカフェ」と「フューチャーセンター」

明日からの一週間は、日本にとってたいへんエポックな週になるかもしれない。

一つは、「ワールドカフェ・ウィーク」。日本のあちこちで、たくさんのワールドカフェが開かれる。もちろん、KDIでも「裏方ほど!」ワールドカフェを開く

もう一つは、「知的資産経営ウィーク」。
そのメインイベントで、「日欧のフューチャーセンター事例」を私も、オランダの研究パートナーであるHank Kune氏とともに、講演する。こちらの「知的資産経営国際ワークショップ ―イノベーションを生み出す組織と人材」は、無料なので、ぜひ参加していただきたい。

そして、KDIでも、フューチャーセンター・ウィークを迎える

フューチャーセンターについては、これまで何度か書いているが、イメージがわかないと思うので、写真を載せよう。
$「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG-KDI-FC

示し合わせたように、複数の「未来創造」のムーブメントが同じ集中ウィークを迎える。
その意味合いは、GLOCOMのWebで述べたので、参照してほしい。
どんな未来が描かれ、そこに参加した人たちがどう行動を起こすのか、乞うご期待。

セミナーでワールドカフェの強行実施!

今日、セミナーの講師をやった。テーマは、「Future Centerで生産性を革新する!」

このテーマを理解するためには、「対話によって多くの気づきを得る」ということ。

そこで今日の1時間半のセミナーでは、強引に全員の席替えを2度行い、3回もワールドカフェの対話をしてもらった。本当に面白いもので、3人グループを作るまでは警戒感を前面に出していた方々が、対話を始めると、非常にリラックスして話し始める。そして、お互いに気づきを得る。目

でも、「どんな話が聞けましたか? どなたか手を挙げてくださいますか?」と何度か聞いたが、毎回手はほとんど挙がらず。パー
最後の質疑応答も、堅い雰囲気を崩さず、まじめな質問だけが挙がった。

本当に不思議だ。どうして、あんなに堅い雰囲気の中でも、対話が始まるとリラックスするのだろうか? 逆に、対話でなごんだあとでも、全員でプレゼンを聞き始めると、すぐに堅い雰囲気に戻るのはなぜだろうか?

永遠のテーマかもしれない。

「勢川びき」さんのビジネス4コマ漫画

「裏方ほど!」をご紹介していただいている、面白いブログをご紹介。

私がGLOCOMで知り合った方なのですが、「勢川びき」のペンネームで、ビジネス4コマ漫画を書かれています。

彼は、イノベーション行動科学の研究ワークショップに参加いただいたときの様子も、おもしろおかしく描いてくれています。

短い漫画で本質を言い当てる力は、事務局力として、たいへん重要な資質だと思います。事務局力の向上のために、ユーモア、物語、4コマ漫画、落語などを研究することが、大切なのだと思います。

11月19日の「裏方ほどおいしい仕事はない!」ワールドカフェのご案内

いよいよ来週 11月19日、我が KDI Studioクラッカー にて、「裏方ほどおいしい仕事はない!」のワールドカフェを行います!

まだまだ間に合いますので、お申し込みは、こちらから(ワールドカフェ・ウィークのページへ)!!

下の写真は、国際大学GLOCOMのスポンサー企業の経営トップの方々を集めての、「イノベーション経営者会議」の一場面。企業経営者レベル20名強で、ワールドカフェをやった。ホテルオークラの丸テーブルに、紙でできたテーブルクロスをかけて、クレパスのようなもので書いてもらった
$「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG

経営者の皆さんがワールドカフェに馴染んで、テーブルクロスに対話の内容を書いてくれるか?ということをぎりぎりまで心配していたが、ふたを開けてみると、みんな大いに盛り上がり、たくさんのメモでテーブルが埋まった。

後日談として、ホテルオークラの人たちが、「こういう対話のやり方というのは、最近増えているんですか?」と聞いてきたということ。さらに、「写真撮らせてもらっていいですか?」と頼まれたと聞いた。

そう、増えているんですよ。ワールドカフェをする人は。

「裏方ほど!」ワールドカフェで、お待ちしています。
必ず、「裏方ほどおいしい仕事はない!」を読んで参加してくださいね目

「裏方ほどおいしい仕事はない!」の編集者と打ち上げ―――

お世話になった編集者、表紙イラストを描いてくれたデザイナー、加えて2人のGLOCOMでお世話になっている人たちと、10月19日に出版した「裏方ほどおいしい仕事はない!」の打ち上げをした。

出足は好調で、昨日の読売新聞の夕刊には、書評も載った。
本は、内容が良くても、手にとってもらわなければ始まらない。自分たちも「事務局力」を発揮して、一人でも多くの人に届けたい―――。そう強く思った。

$「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG-urakata-hyoushi
プレジデント社のWebで序章が読めます。ぜひ、読んでみてください!!

社会事業の立ち上げの先に、社会システムの変革をめざす

GLOCOMのプラカデミアサロンで、とてもエキサイティングな対話があった。
プラカデミアサロンは、大企業3社(10~15名)と、コンサルタントやNPO代表者など5~10名が集まり、コミュニティ・トレードやBOPビジネスなどに関わる、新たな社会事業モデルと自社の社会企業構想を描く、ということをめざして進めているフォーラムだ。

今日は全員で対話を続けていたのだが、「ねらいとするアウトプットは、CSRでもよいのか?ビジネスでなければならないのか?」という質問がきっかけとなり、私自身の熱い想いがこみ上げた。

「最初のステップは、CSRでも社会ビジネスでも、どちらでもよい。重要なことは、最終的にソーシャルチェンジにまで持って行くことをめざすこと。途上国に本を寄付するというのが第一歩でもよいが、最終的に『子供たちが本を読むことに困らない世界を創る』というところをめざさなければ、ソーシャルチェンジとは言えない」

いつものとおり、熱~く、熱~く語ってしまった。

「そのレベルを目指すほうが元気が出る」「当然、そこを目指している」
といった反応があり、大いに勇気づけられた。

次のようなステップで、大きな構想を育てていきたい。本当に強く思った。

1. トントンの社会事業をとにかく立ち上げる
2. 立ち上げてみると、100も200も発見がある
3. 発見に基づき、素早く変化対応する
4. 組織能力を高め、持続的に拡大していけるようにする
5. ソーシャルチェンジをめざす (社会全体にスケールアウトさせる)


来月は、各参加者がこの構想を書いてきてくれる。今から楽しみだ。

鉄鋼業界の「ホットチャージ」

「ホットチャージ」という言葉をご存じだろうか?

鉄鋼業界では、鉄を作る各工程の間で、熱したものを冷まして、また熱するということをすれば、大きな無駄になる。熱したまま、次の工程にうまく受け渡し、そのまま加工をする。これを続けていくことを「ホットチャージ」と言うそうだ。

このメタファーは、事務局力を発揮する際の、「議論の熱」が冷めないうちに、次の「場」を作るという、ホットチャージ理論にできそうだ。一度さめてしまった熱をまた再加熱するためには、多大な労力と時間がかかる。だからこそ、フューチャーセンターで「その場でアウトプットを出す」ことがきわめて効率的なのである。

その一方で、「熱くなりすぎた議論」は、興奮を冷ますことでうまくいくこともある。フューチャーサーチという方法論では、一晩寝かして、翌日また続けて対話を行うところにミソがある。

いずれにしても、「ホットチャージ」でいくのか、「クールダウン」でいくのか、場の寒暖を考慮するのが、事務局力の要点になりそうである。

第五話: 事務局代行、やってみますか

「ふぅ―――。やれやれ」

朝8時のオフィスには、まだ誰も来ていない。ユリの机は、いつでもきれいに整理されている。PCを立ち上げ、昨日ユリに頼まれた事務局代行のリストを眺める。彼女が女性だという理由だけで押しつけられている裏方仕事、というのがユリの主張だ。

・ダイバーシティ委員会の事務局
・女性だけで商品開発しようというプロジェクトXの事務局
・部屋の後片付け

朝一番で、この三つを動かしてみることにしよう。
まずは、委員会とプロジェクトのメーリングリストに投げ込みをするところから始める。

==========メール(1)==========
From: Jiro.Ozawa@O-denki.co.jp
To: diversity@O-denki.co.jp
Cc: Yuri.Koike@O-denki.co.jp
------------------------------
ダイバーシティ委員の皆様

おはようございます!
経営企画の小沢です。
このたび、小池さんのヘルプで一緒に事務局をさせていただくことになりました。
なんでもやりますので、よろしくお願いいたします!

小池さんから伺ったところ、ダイバーシティ委員は女性社員が多く、
またそれぞれ異なる事情で、社内に壁を感じているところもあるとのこと。
ダイバーシティ初心者の小沢としては、
まずは皆さんそれぞれの考えをお伺いしたく、
今日から皆さんの職場を回らせていただきます。
アポなしで伺いますので、都合が悪いときは、
嫌な顔せずに「あとでね」とおっしゃってください!

では、よろしくお願いいたします。
小沢
------------------------------

==========メール(2)==========
From: Jiro.Ozawa@O-denki.co.jp
To: project-X@O-denki.co.jp
Cc: Yuri.Koike@O-denki.co.jp
------------------------------
商品開発プロジェクトXの皆様

おはようございます!
経営企画の小沢です。
このたび、小池さんのヘルプで一緒に事務局をさせていただくことになりました。
なんでもやりますので、よろしくお願いいたします!

小池さんから伺ったところ、プロジェクトXは女性社員が多く、
今までと全く異なるセンスで商品構想を作り上げているとのこと。
初心者の小沢としては、まずは皆さんそれぞれの考えをお伺いしたく、
今日から皆さんの職場を回らせていただきます。
アポなしで伺いますので、都合が悪いときは、
嫌な顔せずに「あとでね」とおっしゃってください!

では、よろしくお願いいたします。
小沢
------------------------------


見てのとおり、似たり寄ったりのメールだ。だがもちろん、メンバーは重なってない。ユリには、事務局としてのノウハウを見せるため、あえて両方のCc:に入れてある。そしてお次は、ヴァーチャルではなく、フィジカルにアクションを起こす。

さ、部屋の後片付け、つまり雪かき仕事*だ。どんどんやってしまおう。そして9時になったら、仕事をぱっぱとすませ、10時過ぎから、委員会とプロジェクトのメンバーを一人ずつ回ろう!
さぁ、いくぞ!!

* 雪かき仕事とは、事務局力のノウハウのキーワード。誰もやりたがらない、誰も見ていないし評価しない、だけど誰かがやらなければ世界の平和は保てない仕事のこと。詳しくは、内田樹の研究室を参照のこと。

「ダブルセクター」という働き方

「ダブルジョブ」という働き方がある。

それは、メインの仕事を強みとしながら、もう一つの仕事をすること。たとえば、企業で働きながら大学で講師をするという産学ダブルジョブもあるだろうし、企業の中で営業をしながら、人事の仕事もする、といった企業内ダブルジョブもあるだろう。副業として、全く異なる仕事をする、という場合だって考えられる。

私が今チャレンジしているのは、もちろん企業で働きながら大学でプロジェクトをプロデュースしているという意味では、ふつうの産学ダブルジョブなのだが、それ以上に意識をしているものがある。それは、ビジネスのパワーをソーシャルセクターに活用する、ということだ。この働き方を「ダブルセクター」と名付けたい

具体的には、たとえばフェアトレードの普及を助けたいと考えたとき、企業のバイイングパワーを使って、持続的に購買することができる。それは、ビジネスセクターの力を使って、ソーシャルセクターを支援することになる。逆に、ソーシャルセクターでの経験をビジネスセクターに活かすこともできる。たとえば、海外でNGOなどの活動を手伝っていれば、自社の海外進出の際に現地の視点をうまく入れていくこともできるだろう。

こういったことは、偶然起きるものではない。自分自身が「ビジネスの自分」としても、「ソーシャルな自分」としても、一貫した目的にコミットして生きていれば、それが自ずとつながってくる。

「ダブルセクター」の構えで生きていくことは、とても気持ちがいい。企業の中では、「社会的責任に応える商品を出していきましょう!」と正論を述べ、ソーシャルなところに行けば、「企業のパワーを使って何とかいたしましょう!」と景気の良い話をしてあげることができる。これは調子の良い話に聞こえるかもしれないが、それでいいのだ。ダブルセクターで生きる人が増えれば、確実に社会は変わる。誰もがソーシャルな目的にコミットしつつ、企業のパワーを活用していく。そういう気持ちになることができれば、日本の未来は明るい。

これこそ、「ヴァーチャルな事務局を勝手に開く」ということ。詳しくは、「裏方ほどおいしい仕事はない!」(プレジデント社)をご覧になってください
$「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG-urakata-hyoushi

皇居前でサイクリング!

秋の快晴の中、パレスサイクリングで自転車を借りて、皇居の脇でサイクリングを楽しんだ。皇居脇の大通りを道路の真ん中、堂々と走るのは爽快で、ちょっと不思議な体験だった。

$「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG-koukyo-cycling

このパレスサイクリング、自転車産業振興協会というところがやっているらしいのだが、競輪の収益で運営している団体らしい。かなり綺麗な自転車を多数揃えていて、皇居前の300メートルほどの道路を貸し切り、車を完全にシャットアウトしてサイクリングのためだけに使わせてくれる。もちろん、自転車を借りるのも無料だ。

まったく経済効果は発揮していないのだが、資源としては、かなり多くのものを使っている。特に皇居脇の道路を日曜日まるまる借り切っているわけだから、もしまともにお金を支払うとしたら、もしかして1億円くらいの価値があるのではないか。サイクリングを無料で楽しめたわけだから、まったく不満はないのだが、この資源をもっと有効活用したら、相当な経済効果をねらえるのではないか?と経済活性化のアイデアが頭にぽわーんと浮かんでしまうのであった。

ボランティアは美しい。だが、ボランティアの名の下に資源を有効に活用していないとするならば、それは逆にもったいないことかもしれない。たとえば、「皇居前の道路の貸し切り」を証券化し、それを国が売るとしたら、そこで様々なイベントが毎週行われ、経済の活性化にも一役買うのではないか。そのことが、社会全体をよりよいものにしていく、ということもあり得ない話ではない。社会にとってよいことは、必ずしも「よさそうなこと」とは限らない。社会の全体最適を考えると、違う結論もあり得る。

とはいえ、また遊びに行きたい、素敵なサイクリング体験であった。