銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。


 

間が空いてしまいましたが、こちらの続きです

 

 

 

前回の最後に一次治療についてのまとめを載せましたが、もう一度

(一次治療については、2021年12月の時と全く変わっていません)

 

 

 

 

 

 

 

上記をまとめるとこんな図になります

 

 

上記の補足をしますね

 

まず、ステージ4ということは、遠隔転移があるか再発かのどちらかです

手術で組織が取れた場合はその組織で遺伝子異常を調べますが、ステージ4の場合にはそれが難しく、生検で取った組織で判断することが多いです

 

それでMSI-H(マイクロサテライト不安定)だった場合には、キイトルーダが単体で使われます

その方が、標準的化学療法よりも生存期間の延長が望めます

 

 

 

それ以外の場合には標準的化学療法が行われますが、標準的化学療法は以下の3つの組み合わせにアバスチンが加わったものになります

・5-FU系(5-FU・TS-1・ゼローダ)

・オキサリプラチン

・イリノテカン

 

①5-FU系+オキサリプラチン

・FOLFOX(5-FU)

・CAPOX(ゼローダ)

・SOX(TS-1)

 上記に +アバスチン
 

②5-FU系+イリノテカン
・FOLFIRI(5-FU)

・TS-1+イリノテカン

  上記に +アバスチン

 

③5-FU系+オキサリプラチン+イリノテカン

 FOLFOXIRI(5-FU)

  +アバスチン

 

 

FOLFOXIRIはアバスチンなしでも、59%という高い奏効率をたたき出します

 

 

 

 

もし、高齢や状態が悪いなどの場合には、オキサリプラチンやイリノテカンといった効果も高いが副作用の強い薬剤は使えません

その場合には、5-FU系±アバスチンというメニューが組まれます

 

5-FU系は以下の4種類です

(注射)

・5-FU+ロイコボリン

(内服)

・ユーエフティ+ユーゼル

・TS-1

・ゼローダ

 

基本的にはアバスチンを追加します

 

 

ただ、アバスチンは、ワーファリンなどの血液サラサラ系の薬を飲んでいると出血のリスクが上がるので使いづらいですし、血栓症や高血圧、腎機能低下など高齢者によく見られる病態が悪化する可能性があるので、使えないことがあります

 

 

 

最後に、RAS(ラス)遺伝子に異常がなければ(RAS遺伝子野生型と言います)、アービタックス(CET)もしくはベクティビックス(PANI)が使われます

 

その際は、アバスチンは併用せず

・FOLFOX+CET/PANI

・FOLFIRI+CET/PANI

というメニューになります

 

 

 

次回は昨年大きく変化した二次治療について

 

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