いよいよこのシリーズの最終回です

 

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2020年にまたまた大腸がん治療に

大きな革命が起こりました

 

このインパクトはアバスチン以来かも

 

それは

免疫チェックポイント阻害剤

の登場です

 

オキサリプラチンやイリノテカンといった

従来の抗がん剤が効かなくなった後の

二次治療で承認がありました

 

それが

オプジーボ・ヤーボイ併用療法

です

 

 

がん細胞を攻撃するT細胞の表面にある

PD-1やCTLA-4というアンテナに

がん細胞や抗原提示細胞が結びつくと

「がん細胞への攻撃を止めろ!」

という信号が伝えられます

 

そうなると免疫の働きにブレーキがかかり

T細胞の攻撃から逃れることができます

これを「免疫チェックポイント機構」といいます

T細胞の情報を伝えるアンテナにがん細胞や抗原提示細胞が結びつくことで抑制信号がT細胞に伝えられ、免疫の働きにブレーキがかかる「免疫チェックポイント機構」の仕組みです。

~小野薬品工業HPより~

 

 

この免疫のブレーキを解除する薬が

オプジーボやヤーボイです

 

オプジーボは「PD-1」

ヤーボイは「CTLA-4」

と呼ばれるT細胞のアンテナに結びつき

免疫のブレーキを外します

 

ブレーキが解除されるとT細胞が

再びがん細胞を攻撃できるようになります

 

この解除する薬を

免疫チェックポイント”阻害”薬

と言います

 

2種類の免疫チェックポイント阻害薬

~小野薬品工業HPより~

 

 

ただ、この免疫チェックポイント阻害薬が

効きやすい条件というのがあって

それが

マイクロサテライト不安定(MSI-H)

DNAミスマッチ修復機能欠損(dMMR)

です

 

以前のブログで少し解説していますが

この話はかなり難しいんですよね。。。

 

 

話を戻します

 

その条件が整っている場合には

通常は抗がん剤が効きにくくなる

二次治療といった状況でも

オプジーボ・ヤーボイ併用療法が

かなり効くことが分かりました

 

 

 

特定の条件の大腸がんには

免疫チェックポイント阻害薬が効く

ということが分かりました

 

そしてキイトルーダの登場です

 

オプジーボ・ヤーボイとは異なり

キイトルーダは一次治療から

いきなり使うことができます

 

 

 

そして最近の発表では

オプジーボ・ヤーボイ併用療法も

一次治療に使ってみたら

めちゃくちゃ効いてるみたいです

 

 

2年(24か月)経っても

まだまだ効いているようですので

大腸がん化学療法では初めての

一次治療で3年生存

が起こるかもしれません

 

というか、間違いなく起こる

 

 

オキサリプラチンやイリノテカン

アバスチンの組み合わせで

10数年前にやっと2年を超え

その後ずっと停滞していた

一次治療の生存率が

とうとう3年に!