CBDの論文仕事が忙しくて

ブログの更新をさぼっていました…

 

論文はまだ終わっていないのですが

ブログが空きすぎてしまったので

書こうと思っていたものについて

 

 

オプジーボやキイトルーダといった

免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の

効果に影響する因子として

 

・PD-L1の発現量

・マイクロサテライト安定性

・遺伝子変異量(TMB)

・三次リンパ組織様構造(TLS)

・好中球/リンパ球比(NLR)

・腸内細菌叢

・喫煙

 

などが考えられています

*好中球/リンパ球比については

以前のブログも参照に

 


ちなにみ、上の3つはエビデンスがあり

その他はエビデンス構築中です

 

 

三次リンパ組織様構造(TLS)は

最近特に話題で今回の学会でも

いくつか取り上げられていました

 


三次リンパ組織様構造と言われても

何のこっっちゃいなという感じですが

 

免疫細胞の小基地

だとイメージしてもらえれば良いです

 

その小基地の中で

免疫に関わる抗体や細胞が作られたり

活性化されたりします

 

 

基地が腫瘍の周りにできると

すぐに効率よく腫瘍を攻撃できるので

免疫チェックポイント阻害剤の効果が

出やすいと考えられています

 

 

では、その基地ができているかどうかは

どうすれば分かるのか?

 

手術でがん組織を切除して

病理組織を見なければなりません

 

針生検などで得られた組織でも

予測はできるかもしれませんが

やはり大きな組織が確実です

 

となると、

三次リンパ組織様構造(TLS)の確認は

外科医無しでは成り立ちません

 

ですから、免疫療法の効果について

外科学会で話題となる訳です

 

 

腫瘍周囲にTLS(基地)が

いくつもできている症例は

統計学的に予後が良い

 

でも、どうすればTLSができるかは

まだ分かっていません
 

 

人工的にTLSを作ることができれば

がんの治療成績が変わるでしょうね