続きです

 

 

術後好中球・リンパ球比(NLR)と予後

に関する論文は少なくありません

 

 

例えば

術後好中球/リンパ球比(neutrophil-to-lymphocyte ratio: NLR)高値は限局性 上部尿路上皮癌の予後不良マーカーとなり得る

 

この研究の結果を見ると

5年生存率に大きな差が出ています

 

 

 

 

 

 

これはなにも進行がんに限らず

早期がんでも同じことがあります

 

早期非小細胞肺癌根治切除例における好中球/リンパ球比,血小板/リンパ球比の意義

 

結果は、

5年全生存率

NLR高値群/低値群:84.8%/74.6%

 

 

 

 

また、術後だけでなく手術前の

NLRでも同じ傾向があるようです

 

 

肺がん術前

肺癌手術例における予後予測因子としての術前好中球/リンパ球比の有用性

 

肺がん手術前のNLRを比較すると

5年生存率

NLR高値群:低値群=65.6%:77.3%

5年無再発生存率

NLR高値群:低値群=58.5%:70.6%

 

 

子宮体がん術前

治療前末梢血好中球リンパ球比高値は子宮体癌の予後不良因子である

 

 

悪性胸膜中皮腫術前

悪性胸膜中皮腫の切除例の予後因子の検討


 

 

 

 

また、抗がん剤治療においても

NLRによる違いが出ています

 

 

 

抗がん剤治療の報告をもう一つ

 

再発大腸がんの抗がん剤治療

 

再発大腸癌に対する化学療法施行症例における好中球・リンパ球比の意義

 

結果は、

2年生存率

NLR低値群:高値群=65.2%:31.5%

 

この研究で面白いと思ったのは

治療前にNLR高値を示していても治療開始後にNLRが低下していれば予後が改善することが示された

ということ

 

 

治療前にNLRが高かったとしても

もし治療中に低下したのであれば

予後が改善する可能性がある

 

万が一炎症があったとしても

経過中に改善させることができれば

予後が変わる可能性がある

 

ちょっと希望が出てきますね

 

 

 

次回は、

炎症を抑えるには

どうすればよいのか

について