みなさま、ごきげんよう。

このブログにお立ち寄り下さり、ありがとうございます。


今回は、先日放送された
山田洋次ドラマ
続・遙かなる山の呼び声
を紹介したいと思います。


遙かなる山の呼び声」と言えば、
1980年に高倉健さん主演で製作された、

巨匠山田洋次監督不朽の名作です。


そして今回、約40年の時を経て、
続編が製作されました。


最大の注目は脚本で、

山田洋次さん自らが書き下ろした完全新作となっています。


現在91歳の生きる伝説である山田洋次さんが書き下ろしたテレビドラマというだけで、
十分観る価値はあると思います。




§1 作品紹介

続・遙かなる山の呼び声」は、

現代北海道を舞台に、

刑務所帰りの不器用な男と、
彼の帰りを待ち続けるシングルマザーと自閉症の息子、
そして、彼らを暖かく見守る周囲の人々
を描いた、

山田洋次節全開の人情ドラマです。


人に言えない過去を抱えた男」「北海道の大自然」「障がい者」という、山田洋次作品の定番が全て詰まった作品で、

今の時代には珍しい、王道の人情ドラマとなっています。


主演は阿部寛さんと常盤貴子さん、
共演は筧利夫さん・藤井隆さん・真飛聖さんです。

阿部寛さんが演じたのは、
刑務所帰りの不器用で心優しい男・森山耕作で、
オリジナル版では高倉健さんが演じた役です。

常盤貴子さんが演じたのは、
中標津で牧場を経営するシングルマザー・風見民子で、
オリジナル版では倍賞千恵子さんが演じた役です。

佐藤優太郎さんが演じたのは、
民子の息子で自閉症の風見武志で、
オリジナル版では吉岡秀隆さんが演じた役です。

筧利夫さんが演じたのは、
森山を兄貴と慕う会社社長・蛭田太郎で、
オリジナル版ではハナ肇さんが演じた役です。

藤井隆さんが演じたのは、
武志の中学の音楽教師で、自閉症児にも理解がある西川浩介で、
続編から登場する新キャストです。

真飛聖さんが演じたのは、
兄の幸せを心から願っている森山の妹・森山加奈で、
続編から登場する新キャストです。


§2 注目ポイント① 山田洋次さんが42年ぶりに描いた登場人物たちのその後の物語

ドラマの見所は3つあります。

1つは、
山田洋次さんが42年ぶりに描いた登場人物たちのその後の物語
です。

切ない結末を迎えた「遙かなる山の呼び声」でしたが、
42年ぶりの続編では、登場人物たちにハッピーエンドが訪れます。

42年ぶりに続編を書き下ろしたことに加え、
前作では叶わなかったハッピーエンドを迎えたことから考えても、

山田洋次さんのこの作品に対する思い入れの深さを感じます。


§3 注目ポイント② 障がい者に対する暖かい眼差し

2つ目の見所は、
障がい者を描いたこと
です。

今回の続編で多くの視聴者が驚いたのは、民子の息子の武志が自閉症だったことだと思います。

ストーリーの根幹に関わる重要なキャラクターに、「自閉症」という設定を加えた所に、山田洋次さんの強い想いを感じます。


山田洋次監督と言えば、
学校」「学校Ⅱ」「学校Ⅲ」「息子」など、
障がい者を扱った作品で知られています。

山田洋次さんが凄いのは、
障がい者を特別な存在として描くのではなく、社会に普通にいる当たり前の存在として描いている所です。

そして、障がい者に対する暖かい眼差しは、山田洋次作品の大きな特徴でもあります。


今回の「続・遙かなる山の呼び声」でも、
武志の障がいについては特に詳しく説明されません

ですが、民子も森山も西川先生も、当たり前のこととして受け入れています。

その一方で、武志の自閉症の描写は非常に自然でリアルです。

何かデフォルメする訳でも、特殊な才能を持った人物として描く訳でもなく、

たまたまこの子は自閉症なんだ」くらいのさりげなさで描かれています。

敢えて説明せず、自然にさりげなく障がい者を描く。

そこに山田洋次さんの強い信念を感じます。


§4 注目ポイント③ 全編北海道ロケ

もう1つ忘れてはいけない見所が、
全編北海道ロケで撮影された美しい風景
です。

この作品の主な舞台は札幌中標津ですが、

全編に渡り、実際に札幌と中標津で撮影されています。

重要なのは、作品の舞台が現代という点です。

中標津は昔からあまり景色が変わらないと思うのですが、

札幌のシーンでは改めてこの作品が現代を舞台にしていると気付かされます。

2022年現在の大通公園赤れんがテラスが出てくるので、そこも大きな注目ポイントだと思います。


§5 生きる伝説・山田洋次

山田洋次さんは、

一貫して市井の人々社会的弱者を描いて来ました。

社会的弱者に対する徹底した暖かい視点からは、山田洋次さんの強いメッセージを感じます。


最近は、山田洋次さんのような作風の作品は絶滅寸前だと思います。
今の日本のテレビドラマや映画で、義理人情を描いた作品はほとんど見たことがありません。

そんな中で、91歳という年齢にも関わらず精力的に活動する山田洋次さんは、ある意味、日本の映画界・ドラマ界の最後の砦だと思います。

男はつらいよ」のイメージで山田洋次作品を敬遠している人は、騙されたと思って「続・遙かなる山の呼び声」だけでも観て欲しいです。


そして、山田洋次監督の最新作が来年公開さへます。

通算90作目の監督作品で、タイトルは
こんにちは、母さん
です。

吉永小百合さんと大泉洋さんのW主演で、

親子愛がテーマの人情喜劇です。




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右矢印「これって攻めすぎ!?世界旅行」









最後まで読んで戴き、ありがとうございました。
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