みなさま、ごきげんよう。
今回は、先日放送された
「北海道道」
の内容を紹介したいと思います。
「北海道道」は、
NHK北海道で製作されている情報番組で、
道民にも知られていない北海道の様々な魅力を紹介する番組です。
司会は、
TEAM NACSの育ての親として知られる、
ミスターこと鈴井貴之さんと、
人気ご当地アイドルの多田萌加さんです。
(ミスターは赤平出身・赤平在住、
多田萌加さんは斜里町出身です。)
今回はその中から、9/17に放送された
第50回「停電の中で、あの時… ~胆振東部地震 営業したコンビニ~」
について書きたいと思います。
2018年9月6日、
胆振東部地震の影響で北海道中が大停電となり、
札幌市の中心部も大混乱に陥りました。
都市機能がストップする中、営業を続けていたのが、
セイコーマートでした。
なんと、全店舗の95%が営業を続けたそうです。
札幌市内の多くの商店やコンビニが営業できない状況の中で、
同じように被害を受けていたはずのセイコーマートだけが、なぜ営業出来たのでしょうか?
番組ではその秘密に迫りました。
まず、オープニングトークでは、司会のミスターと多田萌加さんが、当時の「ブラックアウト」の衝撃を語ります。
北海道では知らない人はいない人気のコンビニ「セイコーマート」ですが、北海道大停電の際の対応は今では伝説となっています。
停電で北海道中が大混乱する中で、店を開けただけでなく、おにぎりなど温かい食べ物を用意したり、売り物にならなくなったアイスクリームを無料で配ったりしたそうです。
(ちなみに、ミスターのお気に入りのおにぎりは「ベーコンおかか」、多田萌加さんのお気に入りは「明太子」だそうです。)
さて、ここからが本題の「セイコーマートが営業できた秘密」です。
胆振東部地震では「セイコーマート」も甚大な被害を受け、店舗の棚が倒れて商品が割れたり、工場や倉庫の稼働がストップしたりしました。
通常なら絶対に営業不可能だと思われる状況の中、「セイコーマート」は驚きの施策を次々と打ち出していきます。
地震から僅か3時間後の9月6日午前6時20分、
本社には既に多くの社員が出社し、対応に追われていました。
対策本部は本社2階の会議室、当時の副社長・赤尾洋昭さんを中心に、被害状況の確認が行われていました。
約1100の店舗、倉庫、工場、配送センターのほぼ全ての機能がストップしており、被害総額はなんと5億円以上でした。
しかし、午前6時40分、札幌南9条店の店長・相原さんは店を開けていました。自宅も地震で物が割れるなどの被害がある中で、お客さんのために店に駆けつけたそうです。
札幌全域が停電にも関わらず、なぜ「セイコーマート」が店を開けられたかというと、
それは「非常用電源セット」のおかげでした。
災害時のために本社から全店舗に配布されており、これのおかげでレジを稼働させることが出来たのです。
レジは会計以外にも、店舗の商品状況を本社に伝えるという大切な役目があり、レジを稼働できたことが店を営業できた大きな理由の一つでした。
しかし、ただ「非常用電源」が店舗に置いてあるだけでは意味がありません。
「セイコーマート」の各店舗で従業員が迅速に対応できたのには理由があります。
それは「緊急用マニュアル」の存在です。
マニュアルには「非常用電源セットを使ってレジを動かす」という指示が明記されていました。
それだけでなく、「ガス釜でお米を炊いておにぎりを作る」ことも書かれており、
電気が使えなくても店を営業するための方法が事前に準備されていたことが分かります。
一方、本社では、「住民を安心させる意味でも営業を続ける」という指針のもと対応が話し合われていましたが、
午前11時ごろになると、店舗では商品が底を尽き、危機的な状況が発生していました。
午後2時、地震発生時には東京にいた当時の社長・丸谷智保さんが本社に到着。
午後5時、丸谷さんを中心に営業を続けるための話し合いが進められていましたが、問題となっていたのは、倉庫や配送センターの被害でした。
倉庫や配送センターでは棚が倒壊し、ほとんどの商品が販売不可能な状態になっていました。
その夜、札幌南9条店でも食料品の棚は空の状態でした。
しかし、そんな中で店長の相原さんは「HOT CHEF」の厨房に立っていました。材料がほとんど無いにも関わらず、自分の判断で「玉ねぎなしカツ丼」や「塩おにぎり」を作り、販売したのです。
札幌南9条店だけでなく、多くの店で店員が自分たちの判断で調理を行い、それを販売したそうです。
相原さんをはじめ店員の人たちは、困っているお客さんの力になりたいという一心で、本社に相談せずに独断で調理を行い、勝手に値段を決めて販売しました。
本来、ラインナップに無い商品を勝手に作ったり、値段を勝手に決めて売ったりすることは、あり得ないことです。
しかし丸谷さんは、現場での判断を全て認めました。
「会社からの指示を待つのではなく、お客様のために自分で考えて行動すること」が重要だと考えたからです。
「緊急用マニュアル」にも、
「『しない』ことが悪。『しすぎた』ことを善とする。」と明記されています。
地震から3日目の9月8日午前9時、
遂に全ての工場が再稼働しました。
しかし、ここで新たな問題が発生します。
工場が再開しても商品の数はまだ十分ではなく、どの店舗にどれだけ分配するかを考える必要があったのです。
そこで、丸谷さんは商品の分配に関する全ての権限を販売企画部長の穂高祐司さんに一任します。
災害時でスピードを重視しなければいけない状況では、全員の要望を聞くのではなく、一人が全てを決める方が良いと考えたからです。
そして穂高さんは見事、その重責を果たしました。
こうして、「セイコーマート」は3日間の大停電とその後の物流の混乱を見事乗り切ったのでした。
そして番組の終盤に、衝撃の事実が明らかになります。
番組で使用された、「大停電の混乱の中で奮闘するセイコーマートの内部映像」は、
なんと、全て社内報係の社員が自己判断で撮影したものだったのです。
こういった所も、「セイコーマート」の凄い所だと思います。
さらに、「セイコーマート」の凄さはこれだけでは終わりません。
地震から1ヶ月後、パートタイマーを含む全ての従業員に今回の対応に関するアンケート調査を行います。
その結果、現場からの不満や指摘が次々と寄せられます。
その声に応えて新たに作られたのが、
「非常用ボックス」です。
そこには、災害対応マニュアルや非常電源キットのほか、ヘッドライトやLEDランタンや延長コードが入っています。
さらにチェックシートによって対応に不足が無いか確認できるようになっています。
それに加え、本社では発電機やスマホ充電器なども準備しており、必要な店舗に配布できるようになっているそうです。
このように、「セイコーマート」では災害対応のための準備を日々アップグレードしています。
ぜひ、多くの人に「セイコーマート」の凄さを知って欲しいと思います。
ちなみに、今回の司会者紹介の一言メモには、
ミスターは「自家発電機持ってます」、
多田萌加さんは「備えるのは苦手」
と書いてありました。
最後に、
セイコーマートのお薦め商品ベスト3
を紹介したいと思います。
1位 フライドチキン(HOT CHEF)
2位 フライドポテト(HOT CHEF)
3位 ちくわパン
ちなみに、
好きなセイコーマートは、
大通ビッセ店です。