みなさま、ごきげんよう。

このブログにお立ち寄り下さり、ありがとうございます。


今回は、
去年公開された細田守監督の最新作
竜とそばかすの姫
について紹介したいと思います。


(スタジオ地図Twitterから引用)


竜とそばかすの姫は、

高知県仁淀川周辺
巨大メタバース空間を舞台にした
SFファンタジー大作です。


毎回、国内外で高く評価されている細田守作品ですが、

今回の「竜とそばかすの姫」は、
間違いなく細田守監督の最高傑作だと思います。


ということで、ここからは作品の見所を紹介したいと思います。


§1 ファンタジーとリアリティの調和

(スタジオ地図Twitterから引用)


竜とそばかすの姫」の最も凄い所は、
ファンタジーとリアリティを両立させた点だと思います。

この作品は、
高知県を舞台にしたリアルな物語と、
巨大メタバース空間を舞台にしたファンタジーの物語
交互に描かれますが、

ファンタジーはあくまでもメタバースの中だけの話で、
現実世界の場面ではファンタジー的な演出が一切ありません

それどころか、現実世界のストーリーは徹底的にリアリティを重視して描かれています。


主人公のキャラクター設定もかなり現実的に描かれており、

細田守監督が描きたいのはメタバース空間のファンタジーではなく、あくまでも現実の物語なのだと分かります。


(スタジオ地図Twitterから引用)


何より注目すべきなのは、メタバース空間の中では何も解決しないという点です。

主人公が成長するのも、悩んだり苦しんだりするのも、人間関係を育むのも、少年を救うのも、すべて現実世界での出来事です。

それこそが細田守監督の凄さであり、
この作品が他のファンタジー映画とは決定的に違う所だと思います。


§2 「美女と野獣」との関係

映画を観た人のほぼ全員が気付いていることだと思いますが、
竜とそばかすの姫」は、ディズニー映画「美女と野獣」をモチーフにしています。

主人公・すずのメタバース内でのハンドルネームが「美女と野獣」の主人公と同じ“ベル”ですし、
”はメタバースの住人たちから“The Beast”として怖れられています。

また、城の中でのダンスシーンなどは、誰が見ても「美女と野獣」だと分かるように描かれています。

これらのオマージュは、「何となく『美女と野獣』を彷彿とさせる」というレベルではなく、観客が「『美女と野獣』をモチーフにしている」と分かるように、はっきりと明示してします。


(スタジオ地図Twitterから引用)


その一方で、ストーリー展開は「美女と野獣」とは全く違います

美女と野獣」的なのは、あくまでもメタバースの中だけの話です。
現実世界では「美女と野獣」の要素はゼロで、リアルなストーリーが描かれます。


なので、「竜とそばかすの姫」は「美女と野獣」をモチーフにしている一方で、
ファンタジー的・童話的なストーリー展開や問題解決法を否定しているように思えます。

その証拠に、主人公のすず現実世界の人々の支えによって成長しますし、
最終的に少年を救うのはファンタジー的な奇跡ではなく、すず現実世界での行動です。


§3 斬新なヒロイン像① 自分に自信がない内気な少女

竜とそばかすの姫」が名作と言える最大の理由は、主人公のキャラクター設定だと思います。


主人公・すずは、
内気で自分の容姿に自信が無い「陰キャ」少女
です。


(スタジオ地図Twitterから引用)


このようなタイプのキャラクターを主人公にするというのは、女性主人公のファンタジーでは相当珍しいと思います。

モチーフとなっている「美女と野獣」と比較すると、どれほど斬新なのか分かります。


美女と野獣」のヒロイン・ベルは完璧な女性ですが、すずは違います。

現実世界のすず自分に自信が無く、心に深い傷を抱えた少女で、「美女と野獣」のベルとは正反対のキャラクターです。

美女と野獣」が自立した強い女性が殻に閉じ籠った男性を救う物語なのに対し、

竜とそばかすの姫」は、どこにでもいる普通の少女が仲間に支えられながら社会的弱者の少年を救う物語で、

すずのキャラクターだからこそ成立するストーリーだと思います。


(スタジオ地図Twitterから引用)




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