何度も撮影している、ハート星雲&胎児星雲ですが、今年も撮影してみました。

右にあるのが、ハート星雲(IC1805)で、左下が、胎児星雲(IC1848)。カシペア座にある散光星雲のペアを、F3.6の光学系で、月のない時間帯に、4時間を超える総露出時間で捉えたLRGB画像です。できるだけ素直な現像に努めたつもりです。これまで、この構図では、まともにLRGBブロードバンド撮影できていませんでした。Hα撮影の力を借りなくとも、ブロードバンド撮影で、綺麗な色がでる対象なのですね。

 

あまりにも有名なエリアですが、注釈画像と、星図での位置も提示しておきます。

   

 

折角のフルサイズセンサーですので、強拡大トリミングから、ハート星雲の中央部もどうぞ

Melotte 15 のカタログ番号も付けられています。メロッテ15は散開星団であり、同じ分子雲から生まれた若く高温の星々の集まりです。この中の明るい星からのエネルギーによって、ハート星雲(IC1805)は輝いています。この真ん中の散光星雲は「馳ける馬」とも呼ばれていますが、わかりますか?(馬は犬の間違いでした。 Running Dog Nebula とも呼ばれているようです。記憶違いでしたが、来年は午年なので、当ブログでは、来年いっぱいまでは、馬ということにしておきます💦)

 

ナローフィルターでも撮影したので、SHO ハッブルパレット現像もご覧いただきましょう。

ノイズリダクションのかけすぎでしょうか。過去の現像と比して、ヌルヌル感が出てしまいました。でも、解像感は十分にあるような気もします。

 

ここも、強拡大トリミングから、Melotte 15 をご覧ください。

こちらの方が、 「馳ける馬」がわかりやすいでしょうか。やっぱり、「走る犬」?

 

SHO に HOO を重ねると

これも美しい色合いですね。いろんなカラーバリエーションを楽しめるのも、ナローバンド撮影現像の素敵なところです。

 

 

備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)

 

撮影データ:  

SXP赤道儀 + N.I.N.A. コントロール

オフアキシスオートガイド PHD2 + ASI 120MM mini

鏡筒: タカハシ FSQ-106EDP + 645RD QE0.72×(焦点距離 380mm F3.6) + ZWO EAF

光学センサー: ASI 6200MM pro  (cooling 0℃) 

Lum、Red、Green、Blue 各 79、50、59、71コマ、gain 100、60sec(LRGB露出時間 259分間)

SII、Hα、OIII 各 31、21、40コマ、gain 300、300sec(SHO露出時間 460分間間)

2025年9月27日、10月13日、17日、11月14日、15日、22日の6夜 自宅にて撮影 

画像処理: PixInsight (BXT、NXT、SXTを含む)、   Photoshop 使用

     (SHOカラーシフトには  Flat Aide Pro 使用)


 

おおいぬ座の16番星に重なる青みがかったガラス瓶のような丸っこい星雲に、初めて挑戦しました。南天で低くて淡いので、当地ではなかなか撮りづらい対象です。

周囲に、紅い散光星雲(Sh2-304、303)もあるので、ミルクポッド星雲(Sh2−308)を中央から外した画角にしましたが、撮る前に思っていたのと、ちょっと違っていたので、少しトリミングしています。撮影が難しいとの前評判のなかで、LRGB画像にHOO画像を重ねたら、予想以上に綺麗に写って大満足しています。

 

注釈画像と、星図での位置画像を、トリミング前の画像を使って表示します。

           

右にある散光星雲(Sh2-303)をしっかり入れようと思ってましたが、左上の散光星雲(Sh2-304)をもっと意識した画角の方が良かったかもしれません。

 

ミルクポッド星雲の拡大画像もご覧ください。

透明感を意識した現像をしてみましたが、いかがでしょうか。繊細な構造が楽しめる美しい星雲だと思います。反時計回りに回転させて、左が北になっていますが、この向きだと、欧米でのニックネーム「イルカの頭(dolphin head)星雲」の雰囲気になる気がします。

 

 

備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)

 

撮影データ:  

SXP赤道儀 + N.I.N.A. コントロール

オフアキシスオートガイド PHD2 + ASI 120MM mini

鏡筒: タカハシ FSQ-106EDP + 645RD QE0.72×(焦点距離 380mm F3.6) + ZWO EAF

光学センサー: ASI 6200MM pro  (cooling -10℃) 

Lum、Red、Green、Blue 各 9、12、10、10コマ、gain 100、60sec(LRGB露出時間 41分間)

Hα、OIII 各9コマ、gain 300、300sec(HOO露出時間 90分間   総露出時間 131分間)

2025年10月22日の夜 自宅にて撮影  

画像処理: PixInsight (BXT、NXT、SXTを含む)、Photoshop 使用 

ぎょしゃ座の明るい散光星雲、勾玉星雲(IC405)、オタマジャクシ星雲(IC410)を含めて、クモ星雲、ハエ星雲付近を、380mm画角で撮ってみました。

一番好みの色合いである、LRGB現像です。F3.6で、2時間弱の露出時間ですが、散光星雲は淡いですね。それでも、メジャーな部分はしっかり描出されました。

アリクイ星雲を中央にしていますが、そこがあまりはっきりしません。M38散開星団の星々をアリに見立てて、それらそ狙っているアリクイの鼻の部分が見えているだけと言えましょうか。天の川の微恒星が明る過ぎて埋もれていることを差し引いても、普通に写したブロードバンド撮影では、淡い散光星雲は描出しにくいです。

注釈画像と、星図での位置画像も添えておきます。

  

Sh2-230 は、アリクイ星雲だと思うんですが、どこまでが含まれるのか、境界がよくわかりません。この注釈画像では、Sh2-230として、かなりの広範囲を示しています。

 

ナローフィルターでも撮ってますので、HOO画像をLRGB画像にブレンドしてみましょう。

微恒星にも暗くなってもらったので、全体的に輝度アップして表現しています。Sh2-230 はこんな感じかな〜 と、わかっていただけたでしょうか。

有名どころも、トリミング拡大してみましょう。まずは、勾玉星雲の頭付近

勾玉の穴付近の明るい星は「ぎょしゃ座AE(AE Aur)」という星で、オリオン座の方から秒速1000kmという高速で移動してきた星だそうで、「Runaway star」とも呼ばれてます。その星に照らされる反射星雲もあって、この星雲は、flaming star nebula(炎上する星の星雲)とも呼ばれています。

 

IC410も拡大してみましょう。

2匹のオタマジャクシが泳いでいるのがわかるでしょうか。これまで、ナローで強調しないと見えないと思っていましたが、今回、RBG画像でも確認できるとわかりました。

 

クモ星雲、ハエ星雲付近も拡大表示しておきますね。

蜘蛛が蝿を狙って、糸を吐いているかのようです。

 

SIIIフィルターでも撮っているので、SHOのハッブルパレット画像も供覧しましょう。

すこし、SIIIのオレンジ色が薄くなってしまいました。ナローはもっとたっぷりと露出時間を確保すべきですね。

この秋、いろんなバリエーションの画像を供覧できて嬉しいです。

 

 

 

備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)

 

撮影データ:  

SXP赤道儀 + N.I.N.A. コントロール

オフアキシスオートガイド PHD2 + ASI 120MM mini

鏡筒: タカハシ FSQ-106EDP + 645RD QE0.72×(焦点距離 380mm F3.6) + ZWO EAF

光学センサー: ASI 6200MMPro  (cooling −10℃) 

Lum、Red、Green、Blue 各 30、25、22、22コマ、gain 100、60sec(LRGB露出時間 119分間)

SII、Hα、OIII 各 17、22、12コマ、gain 300、300sec(SHO露出時間 255分間間)

2025年9月27日、10月13日、17日の3夜 自宅にて撮影  

画像処理: PixInsight (BXT、NXT、SXTを含む)、Photoshop 使用 (SHOカラーシフトには Flat Aide Pro 使用)

 

レモン彗星を撮影後、バタバタしていたけれど、せっかく機材がセットされているので、そのままの設定で、プレアデス星団(M45 すばる)などを撮ってみました。

最初にレモン彗星を撮った夜、少し雲が通過していましたが、その後雲は切れてきました。その時に撮った昴です。ズームレンズで焦点距離100mmの設定なので、中央にプレアデス星団が、ぼんやりと反射星雲を伴って写っています。周囲の分子雲が少しは浮き出てくるかと期待しましたが、ほとんど描出できませんでした。まだ薄雲が残っていたのか、住宅地の光害の影響でしょう。

 

彗星を撮影できた最終日は、天体望遠鏡を使っていたので、プレアデス星団付近のアップとなりました。

彗星撮影時に水平線が概ね横となるようにカメラを回転させているので、画角が斜めになっています。刷毛で描いたような反射星雲が美しいです。残念ながら、これも周囲の淡い分子雲はほとんど映っていません。

星団の星の名前などの説明画像、位置の星図も添付しますので、ご確認ください。

   

プレアデス星団の目立つ星には、神話の家族の名前がついていてますね。おうし座の略称 Tau に続けて黄色い文字で星の名前も表記されています。

 

 

100mmで撮影時は、カシオペア座のα星(シェルダー)、β星(カフ)、γ星(ナビ)付近も撮影していました。

彗星撮影時のままで、上が北の縦構図となっています。下の方には目立ったものがなくて寂し構図になってしまいました。上の方の面白そうなところのみ拡大すると、

パックマン星雲や、幽霊星雲、オペラ座の怪人星雲などが確認できました。ナローバンド系のフィルターを使っていないのに、ここまで写って、ちょっと吃驚しました。

こちらも、説明画像と位置を示す星図を添付しておきます。

  

 

パックマン星雲の拡大画像オペラ座の怪人の拡大画像幽霊星雲の拡大画像は、以前供覧しました。(青色の文字をクリックすると、リンク先で確認できますよ^^) こんなものが、夜空に散らばっているんだと実感できて、遠ざかるレモン彗星の名残を感じながら、秋の夜空を楽しみました。

 

 

 

備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)

 

撮影データ:  ズームレンズ100mm撮影のプレアデス星団

AXP赤道儀 + N.I.N.A. コントロール  ノータッチガイド  

レンズ: キャノン EF70-200mm F4L IS USM (焦点距離 100mm F4)

光学センサー: ASI2600MCPro  ( cooling -10℃) 

フィルター: HEUIB-II フィルター (光路長調整のため挿入)

gain100  180sec  31コマ (露出時間 93分間)

2025年10月23日の夜 自宅にて  

画像処理: PixInsight使用 

 

 

撮影データ:  天体望遠鏡380mm撮影

AXP赤道儀 + N.I.N.A. コントロール   

オフアキシスオートガイド PHD2 + ASI 120MM mini

鏡筒: タカハシ FSQ-106EDP + 645RD QE0.72×(焦点距離 380mm F3.6) + ZWO EAF 

光学センサー: ASI2600MCPro  ( cooling -10℃) 

フィルター: HEUIB-II フィルター (光路長調整のため挿入)

gain100  60sec  138コマ (露出時間 138分間)

2025年10月29日の夜 自宅にて  

画像処理: PixInsight使用 

 

 

撮影データ:  ズームレンズ100mm撮影のカシオペア座のα星、β星、γ星付近  

AXP赤道儀 + N.I.N.A. コントロール  ノータッチガイド  

レンズ: キャノン EF70-200mm F4L IS USM (焦点距離 100mm F4)

光学センサー: ASI2600MCPro  ( cooling -10℃) 

フィルター:  HEUIB-II 

Exposure : 60.00s  50コマ (露出時間 50分間)

2025年10月23日の夜 自宅にて 彗星撮影後

画像処理: PixInsight使用 

 

急激に寒くなってきましたが、本日の画像は、まだ残暑が残る9月下旬の撮影分からです。なので、クーリングも摂氏0度までです。秋の代表的な夜空から、ペルセウス座のカルフォルニア星雲を、いつもの7種類のフィルタで撮影してみました。

まずは、4つのフィルターで、自然な色調に仕上げたLRGB画像から

やっぱりこの色調での画像が、心が落ち着きますね。背景に関しては、フラット調整がもうひとつのところで、淡い分子雲は埋もれてしまいました。それでも、島根県のような紅い散光星雲の濃淡が面白いです。

 

説明画像と、位置画像も提示します。

    

 

ナローバンドの3つのフィルターでも撮影したので、ハッブルパレット画像もどうぞ。

虹色カルフォルニアも、人気がありますね。いろんなカラーバリエイションも可能ですが、この星雲はこの現像が鉄板かもしれません。

 

 

備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)

 

撮影データ:  

SXP赤道儀 + N.I.N.A. コントロール

オフアキシスオートガイド PHD2 + ASI 120MM mini

鏡筒: タカハシ FSQ-106EDP + 645RD QE0.72×(焦点距離 380mm F3.6) + ZWO EAF

光学センサー: ASI 6200MM pro  (cooling 0℃) 

Lum、Red、Green、Blue 各 43、23、27、22コマ、gain 100、60sec(LRGB露出時間 235分間)

SII、Hα、OIII 各 8、13、12コマ、gain 300、300sec(SHO露出時間 165分間間)

2025年9月21日、22日、23日、26日の4夜 自宅にて撮影  

画像処理: PixInsight (BXT、NXT、SXTを含む)、Photoshop 使用 (SHOカラーシフトには Flat Aide Pro 使用