先月の土星は、シーイングが悪くて不満足だったので、再挑戦です。台風の影響で、地表の風が若干ありましたが、ジェット気流はやや北で流れているようなので、平日の夜ですが、主砲ミューロンを持ち出しました。これが今月9日夜の土星(Saturn)です。
土星と地球、太陽の位置関係で、土星の輪の形や見え方は変わります。今年の春(3月24日)に土星の輪の向きと地球の位置が一直線となりました。でもこの時の土星は、地球から見て太陽に近く、素人の観測は困難でした。その後、5月7日に、土星の輪の向きと太陽が一直線になりました。これらの時に、土星の輪は、地球から見て、完全に消失して見えるとされています。その後、土星の輪の傾きは、7月初めに、4.5度程度まで広がりましたが、土星と地球の公転面の傾きの差があることから、再び土星の輪は細くなっています。11月24日の最小傾き 0.45度程度に向かって小さくなり、その頃には土星の輪がほとんど消失してしまう予測です。来月11月下旬に、もう一度、土星を観測して、確認してみたいところですね。
土星の近くにやってきている海王星(Neptune)も、ついでに見てみました。恒星との区別が難しかったですが、電子観望では、ぼんやりした面を持った青っぽいものが見えました。ついでにビデオに撮って、写真に現像してみました。
気流によるブレもあって、青い球体にしか見えません。本当に海王星なのか、不安になってしまいます。
土星と同じ光学系なので、縮尺を揃えて、土星と海王星を並べてみました。
こんなに見かけの大きさが違います。ちなみに、土星の直径は12万km程度ですが、さらに輪があって大きく感じます。海王星の直径は、4万7千km程度のようです。地球までの距離がずいぶん違うので、こんなふうに見えるのでしょう。
備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)
撮影データ:
AXP赤道儀 + FireCapture v2.6 コントロール
鏡筒: タカハシ Mewlon250CRS + Powermate 5.0x
光学センサー: ASI294MCPro ( cooling なし)
土星:Shutter 100ms、Gain 390、Frames captured 5000
海王星:Shutter 1s、Gain 390、Frames captured 546
2025年10月9日の夜 自宅にて撮影
画像処理: AutoStakkert!3(Lucky Imaging 30%)、RegiStax6 (Wavelet) 使用