こちらでは、梅雨が明けないまま、お月様が大きくなってしまいました。そのため、「春の短焦点ちっこいのシリーズ」が続きます(汗 

今回は、大型連休前半のお月様が出てくる頃までに撮った、ヘラクレス座のM13球状星団をご覧いただきます。小さいので、いきなりトリミング画像からどうぞ。

これぐらいのトリミングだと、少し離れた銀河たちも一緒に写っていて、楽しいですね。左上の小さな銀河には、NGC6207の番号を振られています。中央の球状に集まった恒星たちが、どれぐらいまでの範囲にまで広がっているのかと、その大きさを考えてしまいます。北半球の球状星団の中では最大とされていますが、淡い恒星も含めて、大きさはどれぐらいと考えるのが妥当なのか、いつも迷います。

せっかく周囲にたくさんの銀河が写っているので、もう少し広い範囲の説明図も提示しておきます。

 

球状星団M13の星の密度の高いところのみを拡大してみましょう。

黄色っぽい年老いた星が多いようですが、青く光る若い星もたくさん存在してますね。こんなに綺麗に球状に集まった星を分解して確認できると嬉しくなってしまいます。上端左寄りに、とっても小さなIC4617銀河も確認できますね。

 

トリミングなしの画像も置いておきます。

こんなふうに、球状星団は浮かんでいます。

大きめの画像で確認したい方は、それぞれの画像をクリックしてみてくださいね。

 

 

備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)

 

撮影データ:  

AXP赤道儀 + N.I.N.A. コントロール

オフアキシスオートガイド PHD2 + ASI 220MM mini

鏡筒: タカハシ FSQ-106EDP + 645RD QE0.72×(焦点距離 380mm F3.6)

光学センサー: QHY600M  ( gain 26、cooling -10℃) 

Lum、Red、Green、Blue 各  gain 26 60sec   43、7、6、7コマ  (LRGB総露出時間  63分間)

4月28日の夜 お月様が出てくる頃まで、自宅にて撮影

画像処理: PixInsight(BTX、NXTなどを含む)、Photoshop 使用

 

これまで、R200ssのような20cmの反射鏡を持つ望遠鏡で撮っても、

真ん中にバッテンマークのように星が融合してしまう部分があった

今回の画像も、PixInsight STFで、RGB合成直後(BXT前)画像の中央部を見ると

このように中央にはバッテン状に明るい星が癒合して見える

25cm反射鏡のミューロンで、ようやくバッテンがなくなって嬉しかった記憶がある

今回、対物レンズが 10.6cm しかない望遠鏡でも、中央部の星々がなり分離してくれた 

  ちょっと得した気分

これには、BlurXTerminator によるデコンボリゼーションが相当に効いている

昨今の画像処理技術の発展は、素人にも絶大な恩恵をもたらしてくれる