ラブ・サウンド・ベストヒット | geezenstacの森

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ラブ・サウンド・ベストヒット

LOVE SOUNDS SPECIAL

 

曲目

A

1.シバの女王 3:04

2.愛のオルゴール   3:13

3.エーゲ海の真珠 4:00

4.アドロ   2:43

5.フィーリング 3:50

6.夜明けのカーニバル   2:51

B

1.愛のテーマ

2.マイ・ウェイ

3.そよ風のメヌエット

4.悲しみのソレアード

5.ミスター・サマータイム

6.ロミオとジュリエット

 

演奏/カラベリ・グランド・オーケストラ A-1,3-6B-1,5

   ミッシェル・ド・フランス・オーケストラ A-2

   ブリアクリフ・ストリングス B-2

   ファンタスティック・サウンズ・オーケストラ B-3

   パーシー・フェイス・オーケストラ B-4,6

 

発売 1980

 

CBSソニー FCPA 430

 

 

 先日捕獲したイージー・リスニングのアルバムの一枚です。一般には市販されなかった物で、CBSソニーのファミリークラブで発売された物の一枚です。こういうセットでの特徴は普段あまり目にしない演奏者がアルバムを構成しているところで、このアルバムも都合5つのイージー・リスニング・オーケストラがオムニバスで収録されています。大半を占めているのがカラベリですが、リアルタイムでの彼の演奏はどちらかというと大人しめで日本では特徴がなさ過ぎてあまり売れませんでした。ここでも、トップの「シバの女王」は日本のスタジオ・オーケストラのようなドラムスとベースでリズムセクションを組み立てるオーソドックスな表現で終始しています。

 

 

 このアルバムでの1番の注目は2曲目のミッシェル・ド・フランスの演奏による「愛のオルゴール」です。何せ原曲がヒットしたのが1979年でしたから、この曲は1980年に録音されています。「パリ便り」という2枚目のアルバムに収録されていましたが、このアルバム、全10曲しか収録されていないのにも関わらず、2,700円と非常にCPの悪いアルバムでした。まあ、こういう形でオムニバス盤に採用されたのはいいことでしょう。傀儡アーティストですから、演奏のポリシーはありません。ここではチェンバロを使ってメロディが演奏されています。原曲のイメージとはちょっとかけ離れています。このミッシェル・ド・フランスは来日したこともあるのですが、知ってる人はほとんどいないでしょうなぁ。

 

 

 このレコードの中でブリアクリフ・ストリングスとファンタスティック・サウンズ・オーケストラは日本のスタジオーミュージシャンの演奏です。まあ、そのサウンドを聞いてみてください。なを音源はモノラルです。

 

 

 このスタジオ・ミュージシャンを集めたオーケスと背は映画音楽なら、アンサンブル・プチとスクリーンランド・オーケストラという名前に変わります。サウンドは先のカラベリの演奏と同じようにベースとドラムスのリズムセクションに貧相なストリングス、それにサックスのソロが加わっています。

 

 そして、下はファンタスティック・サウンズ・オーケストラの「そよ風のメヌエット」ですが、サウンドイメージはポール・モーリアの響きに似せていますがストリングスは薄く、チェンバロの響きでは無く、エレクトーンで演奏されています。音がスカスカでいかにも安物のサウンドだということが分かるのではないでしょうか。

 

 

 比較で本家ポール・モーリアの音源を貼り付けておきます。

 

 

 パーシー・フェイスの演奏が2曲収録されています。一つは「悲しみのソレアード」ですが、オリジナルはダニエル・センタクルツ・アンサンブルが1974年にヒットさせた曲です。まあ、オリジナルがコーラスを含むアンサンブルで演奏されていますからこのパーシー・フェイスのアレンジもさもありなんというところでしょうか。ただ、この当時のパーシー・フェイスはコーラス入りのアルバムばかり発売していましたので、日本ではそんなに受けませんでした。

 

 

 オリジナルのダニエル・センタクルツ・アンサンブルはリズムがしっかりしていてヒットの要素をきっちり抑えています。

 

 

 最後の「ロミオとジュリエット」もパーシー・フェイスの演奏です。この曲を含むアルバムで1969年のグラミー賞のコーラス賞を受賞しています。確かに映画のドラマチックなシーンを見事に再現しています。この時代アメリカではコーラス入りのアルバムが流行ったんでしょうなぁ。パーシー・フェイスに限らず、ヘンリー・マンシーニやレイ・コニフなんかもしゃかりきにコーラス入りのアルバムを出していました。そのため、日本ではフレンチ・ポップが優勢になり、ポール・モーリア、フランク・プゥルセル、レーモン・ルフェーブルが席巻していましたからねぇ。

 

 

 それにしても、このアルバム。日本と欧米のオーケストラの響きに差があり過ぎました。この時代日本はまだまだイージー・リスニングでは無くムード・ミュージックのレベル止まりだったんですなぁ。

 

過去記事

カラベリ

 

 

 

 

ミッシェル・ド・フランス

 

 
パーシー・フェイス