過去記事の修正 74 クラシック編 | geezenstacの森

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過去記事の修正 74

クラシック編

 

 恒例の過去記事の修正です。誤字脱字、音源の追加収録等懐かしく読み返しながら、色々修正しました。それにしても記事にした頃に比べてYouTubeの音源は充実しています。当時は取り上げる音源がなくて見送ってしまったものも最近ではもう一度記事にしています。

 

 

 個人的に古楽器による演奏の扉を開いてくれたのはこのホグウッドでした。それ以前にもコレギウム・アウレウムとかウィーン・コンチェントゥス・ムジクスとかの演奏では知られていましたが、本格的に系統立ててバッハやヘンデル、ヴィヴァルディ、それに続くモーツァルトやベートーヴェンを他者に先駆けて次々と録音していったバイタリティには一目を老いていました。それをリードしたのがオワゾーリル・レーベルを率いるデッカでしたが、これに遅れを取るまいとアルヒーフのピノックが同様なレパートリーで後追いしたのは今では懐かしく思い出されます。

 

 

 このディスクが特徴的なのはムローヴァが古楽オーケストラとセッションしているということです。自らは90年代中頃から古楽様式に興味を持ちその奏法を取り入れているということで、ここでもガット弦と古典/バロック式の弓を装備した1723年製ストラディヴァリウス“ジュールス・フォーク”を駆使して演奏しています。ということで、一昔前のコレギウム・アウレウムのスタイルによる演奏といっても良いのでしょう。

 

 

このブロクを開設した2005年の2月27日に初めて書いた記事がこの「シェエラザード」でした。 取り上げたのはムーティ/フィラデルフィア管弦楽団のものです。それまでこのコンビの演奏はあまり興味がなかったのですが、ムーティの歌心たっぷりな表現とゴージャスな演奏でさすがフィラデルフィアのサウンドだと得心したものです。それでも、この曲の一番のお気に入りはモントゥーの演奏でした。そして、これは本家の「アラビアンナイト」の世界です。それと対極にあるのがこのデュトワの演奏で、こちらは「新アラビアンナイト」の世界を描き出しているというのが小生のとらえ方です。

 

 

 

この弦楽五重奏曲第3番は、ドヴォルザークがアメリカの国立音楽院の楽長として招かれていた時期の作品で、作品95が交響曲「新世界より」、作品96が弦楽四重奏曲「アメリカ」、そしてこの曲が作品97というわけで、「アメリカ」の完成3日後の6月26日に着手された作品でひと月ほどで書き上げられた作品です。この曲もアメリカの民族音楽に触発されてはいますが、ドヴォルジャークのボヘミア的な音楽語法の特徴が見事に表れた作品といえるでしょう。まさに円熟期の傑作なのです。

 

 

 初出は1985年11月、タイトルは「ブラック/楽しいクラシック名曲集」というタイトルで発売されましたが、ほとんど話題になりませんでした。そうでしょうね。スタンリー・ブラックといえばスペキュタクラーものというイメージが定着していたので、クラシックの名曲集といってもピンと来なかったというのが本音ではないでしょうか。今回は音源を貼り直しました。

 

 

 

 ハーゲン四重奏団のデビュー録音となったシューベルトの「ます」です。早くから実力を認められていた団体で、モーツァルテウム管弦楽団の首席ヴィオラ奏者オスカー・ハーゲンを父に持つ4人の兄弟(ルーカス・ハーゲン、アンゲリカ・ハーゲン、ヴェロニカ・ハーゲン、クレメンス・ハーゲン)によってオーストリア・ザルツブルクで結成された弦楽四重奏団でした。ただし、プロデビューにあたって第2ヴァイオリンのアンゲリカ・ハーゲンが脱退したため、ここではコントラバスのアロイース・ボッシュを迎えてのこの曲目の選択をしたということのようです。第2ヴァイオリンはアンゲリカから、アネッテ・ビク(Annette Bik)、そして現在のライナー・シュミットに交替しています。今回音源追加しました。

 

 

 まず、これは最初にこの曲を聴くCDではありません。ブルックナーの「ロマンティック」を聴くならまずはカール・ベームやヨッフムなどの演奏を選択すべきでしょう。このインバルの演奏は同じ「ロマンティック」でも第1稿を演奏しているので一般の人が聴いた印象はまるで別の曲を聴いていると思ってしまうでしょう。第1楽章の出だしの主題こそ同じ旋律が聴こえてきますが、後の展開は普通に聴いていれば違和感の固まりです。この録音はこの作品の第1稿で録音された世界初のものです。

 

 

 同じマスターワークシリーズの一枚でもこれはオーストリア盤によですものでFINELINEシリーズの一枚です。まず日本盤ではあり得ませんことですが「ファウストの劫罰」のラコッツイ行進曲ですけがバーンスタインの指揮で他の2曲がミュンシュ指揮/フィラデルフィア管弦楽団の演奏というちぐはぐな収録となっています。ミュンシュはフィラデルフィアとはLP一枚分の録音しか残していませんので非常に貴重な演奏です。メインはブーレーズ指揮の幻想交響曲なのですが、もともとこのCDは寄せ集め的色彩が強くちょっと中途半端な感じは否めません。先にリッツィオの幻想交響曲を取り上げましたので、その元祖ともいうべきブーレーズを取り上げました。最近取上げたインバルのものとかなり共通性があります。

 

 

 

 ムーティとしては後にフィラデルフィア管弦楽団と再録していますから、今となってはほとんど死蔵のソースといってもいい録音です。以前は激安ブランドのブリリアントからこの音源が復活して交響曲全集として発売されていたこともあります。メインの交響曲は旧録、その他の管弦楽曲はフィラデルフィア管弦楽団との録音という混成のセットです。なんともブリリアントらしい組み合わせでした。平六のマリナーのPeer Gyntの方が聞きごたえがあります。それにしても出版社系のCDでなければこん組み合わせはないでしょうなぁ。

 

 

 今回最後に取り上げるのもホグウッドのCDです。このCDは摩訶不思議な一枚です。CD番号から見ても分かるように、CD初期の一枚3000円以上した頃のものです。初出はLPレコードでした。日本盤のタイトルは「イタリア・バロック音楽名曲集」で1982年に発売されました。そういうことでは、オリジナルアルバムをそのままCD化したものといっても言いでしょう。でも、ここで不思議なことが発覚します。CDDBから引っ張るデータとこのCDの収録内容と日本語表記が一致していません。