2年前からの原因不明の外陰部(膣口)の痒みと整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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2年前から続く

原因不明の外陰部(膣口)の痒みと整体治療
患者Mさん=41才-女性-主婦の症例


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① Mさんの病歴・・・「何件も受診しましたが、原因不明です…」
患者Mさんは2年前に(第二子出産二か月後)突然外陰部に強い痒みが生じたそうです。婦人科での診察では発赤・発疹・潰瘍など特段の所見は無く、細菌検査でも異常は無かったそうです。その他複数の婦人科でも原因は不明で、内科、皮膚科、鍼灸、漢方、整骨院なども受診されましたが、ほとんど効果は無かったそうです。酷い時は「正常でいられないほどの強烈なかゆみ」があるそうです。

 





②    Mさんの診察
・血液検査は正常で、血圧は100/70mmHgだそうです。
・痒みの部位は膣口の周辺とその少し奥だそうで、痒みは一日中続いているそうです。
・月経終了時からかゆみは強くなりだし、排卵前位に痒みのピークがあり、次の月経日に近づくにつれて次第に軽減していくそうです。
・膣剤を用いると逆に痒みが酷くなるので、現在では膣剤を用いず、漢方のみだそうです。
・二度の出産とも安産だったそうです。ただ、第二子の妊娠中にカンジダ症になりましたが、すぐに治療をしたので、早期に完治したそうです。
・4年前の第一子を出産してから半年後に、突然「ぎっくり腰」の様な腰痛-下肢痛になったそうです。その疼痛部位は右臀部(腸骨稜付近)から右鼠径部および右大腿外側面と、左膝蓋骨の下部だったそうです。これらの痛みは仰臥位の時にのみ生じ、ご主人に手を引っ張って起こしてもらわないと、一人では起き上がれないくらい強かったそうです。しかし立位になると数分以内に痛みは自然解消していたそうです。この状態が半年以上も続き、その間に整形外科を始め、色々な診察と治療を受けたそうですが原因が全く分からず、放置状態だったそうです。ところがいつの間にか自然に治癒していたそうです。また、5年前に流産していたそうですが、その流産の1か月後にも同様のぎっくり腰になっていたそうです。
・上記「ぎっくり腰」とは別に、以前から慢性腰痛があり、その部位は上部の腰(T10~l2の左右)付近だそうです。
・6年前に細菌性膣炎(大腸菌感染)に罹患していたそうです。また、学生時代から頸管粘液減少症だったそうですが、本症により不妊状態だったので、その為に不妊治療をしていたそうです。
・月経周期は28~30日、月経期間は6~7日で、経血量は普通だそうです。また、レバー状の固まった経血もないそうです。ただ、第二子出産後から突然オリモノが増え、排卵直前には以前の数倍ものオリモノが出るそうです。オリモノに出血や膿は無く、臭いに変化は無いそうです。
・生理痛は無いそうですが、10年ほど前から排卵痛(下腹部痛)が強くなり、今では痛みが3日ほど続くそうです。また、排卵出血も時々あるそうです。性交時疼痛症は無いそうです。
・以前から便秘症で、1週間ほど出ていない時は排便痛があり、以前に某病院で「痔(詳細は不明)」の存在を告知されたそうです。排ガス(おなら)がかなり多く、毎日平均して30~50回も出て、その勢いもお腹の底から飛び出るような勢いだそうです。また時折、少量の便が下着に付着している事もあるそうです。この時は膣口の痒みは著しく痒くなるそうです。
・腹部聴診上、血管雑音は聴取されませんでした。グル音は弱く聴取されました。しかし血管の拍動が聴取され、それは左季肋部から右側腹部(右ASIS上方5cm付近)にかけて15~20cm程連続していました。
・腹部触診上、下腹部全般に泥沼様の感触があり、強い圧痛もありました。また、右側腹部(右ASIS上方5cm付近)にも癒着感がありました。同部の癒着感(?)は20代の頃から度々内科医等に指摘されていたそうですが、特段の診立てや処置は無かったそうです。右の恥骨結節深部に子宮底(?)が触知できましたが、可動性はありませんでした。
・恥骨筋と腸腰筋停止部付近(特に右側が強い)に著明な緊張と圧痛がありました。
・当初の問診では「学生-社会人時代を含めて特段のスポーツ歴は無い」との事でしたが、改めてスポーツ歴について問診すると、中学1~2年時に新体操部に入部していて、退部後も一人で新体操の練習を何年か続けていたそうです。また、10才の時に虫垂炎になり、その時は投薬で治癒したそうです。

 



➂ 治療目標と整体治療・・・

  膀胱子宮窩の癒着を剥がす作業から始めます !!
  ⑴    膀胱子宮窩の癒着(?)を解放し、会陰部動静脈-神経、外陰部動静脈・神経などの循環を回復・促進し局所免疫力を増進させ、あるいは知覚過敏状態を緩和する
  ⑵    右外上方に移動していると推測される回盲部-腸間膜根を定位置に戻す
  ⑶    腸間膜根の動脈拍動を緩和し、上腸間膜動静脈の循環を回復・促進させ、腸管内ガスの吸収を促進する
  ⑷    アルコック管の絞扼を解放し、会陰動静脈/神経を解放する

・会陰部動静脈解放テクニック
・外陰部動静脈解放テクニック
・腸間膜根解放テクニック
・回盲部移動テクニック
・膀胱子宮窩解放テクニック (子宮底解放テクニック)
・平滑筋テクニック
・アルコック管解放テクニック
(☚16診目より追加)

 





④    経過と結果・・・意外な部位にも原因が隠れていた…
・初診治療後、

膣口の痒みが強くなったそうです。


・2診目来院時、

前回の治療後の痒みは数時間続いていたそうですが、その後はいつもと同程度の痒みが続いていたそうです。


・3診目来院時、

「オナラが激減しています。以前はお腹の底から吹き出るようにして出ていましたが、(前回の施術後)排便があってから「スーッ」といった小さなオナラで、回数も半分以下になっています」とビックリして喜んでおられました。ただ3診目来院時は月経2日目だったので、外陰部の痒みについては変化が無かったそうです。

 

・4診目来院時、

子宮底への施術で、わずかですが、やっと子宮底の可動性ができました。施術後、会陰部に「ボヮ~ンとした生暖かさ」を感じたそうです。


・6診目来院時、

「(2~3日後に排卵予定)オリモノが増えてきましたが、いつもなら気が狂いそうになるくらい痒くなりますが、今回はかなりましです」と仰っていました。


・7診目来院時、

「前回の治療終了後から次第に痒くなり、二日目がピークでしたが、三日目・四日目と軽減し、今日は普段の2/10くらいまで減っています」と仰っていました。
 

・8診目来院時、

「この一週間、以前の2/10程度でした。でもストレスがある時は痒みがありました」と仰っていました。


・9診目来院時、

「腰を前に曲げると痒みが少し強くになり、その後20~30分ほど続くことがありましたが、それ以外の普段の生活では以前の1~2/10程度で、痒みはほとんど感じなくなりました」と仰っていました。


・月経6日目の10診目来院時、

「月経の終わりになって少し痒みが出てきました」と仰っていました。施術中、子宮の可動性はかなり改善され、癒着感・粘着感もコチコチに固まっていた治療初期、ベトベトの感触であった治療中期に比べ、ネトネト感に改善していました。
 

・11診目来院時、

「先週より少し痒みが増えていました(3/10~4/10)」と仰っていました。しかし施術時の子宮の可動性はかなり改善し、前回の”ネトネト”と言った感触から”ヌルヌル”といった感触に改善していました。一般的に内臓と内臓の間隙は間膜と体液によって摩擦が緩和され、癒着されないようになっている為「ヌルヌル感」が正常な感触です。ですから当初の可動性ゼロの状態=コチコチ感からベトベト感➡ネトネト感➡ヌルヌル感、と改善していると想定され、これで絞扼されている血管や神経が解放される可能性が上がるのでは、と推定されました。
 

・しかし外陰部の痒みはその後も一進一退状態が続きましたので、改めて問診すると、初診時には「二人とも安産」と仰っていましたが、「(第二子の出産の時)出血が多くて出産直後から丸一日寝ていました。その後も1か月ほど出血が続いていました」と仰っていました。そこでアルコック管付近を診察すると著明な緊張と圧痛があったので、「アルコック管解放テクニック」を追加施術しました(16診目来院時より)。
 

・17診目来院時、

今まで不安定だった外陰部の痒みが安定し、「今週は比較的穏やかに過ごすことが出来ました」と仰っていました。また「オリモノもかなり減っていました」とも仰っていました。


・その後、

外陰部-膣口の痒みは、普段の生活ではほとんど気にならないくらいまで消失していたそうです。他の愁訴(排卵痛・慢性腰痛・他)も完治していましたので、20診目来院時で全ての治療を終了することにしました。

 





⑤  今回の症例の概説、、、外陰部の痒み…三つの要因がある ?!
◆ 三つの要因=
虫垂炎の後遺症、卵胞液の漏出、新体操練習による恥骨筋損傷、、、

・Mさんの外陰部-膣口の痒みは大きく三つの要因があると思われます。
 1.
10才の時の虫垂炎後に回盲部が右外上方に移動・固着し、腸間膜根内の動静脈循環が阻害されて吸収力が減退し、腸管内で発生するガスが過剰に蓄積された(➡排ガスの増加により大腸菌が外陰部と下着の間に蓄積↗)


  2.たび重なる排卵時の卵胞液の腹部露出・他の理由で下腹部腸管に軽度炎症と癒着が慢性的に生じ、その結果内陰部動脈流域(特に膀胱子宮窩の右横-会陰部動脈流域)の循環が阻害され、会陰の局所免疫力や細胞再生能力が減退し、あるいは知覚過敏が生じた


 3.新体操の練習により恥骨筋・腸腰筋に筋挫傷の様な障害が生じ、その瘢痕性後遺障害により外陰部動脈の循環阻害が生じ、膣口周辺の局所免疫力や細胞再生能力が減じた

 

 

腸間膜根内を貫通する上腸間膜動脈と静脈

 

 

◆ 三つの要因により、会陰部の局所免疫力と代謝能力が低下 ?!

・まとめると、上記2,3の要因によりMさんの会陰部の局所免疫力と代謝能力の減退が持続し、そこに1の要因によって慢性的・持続的に膣口に大量の大腸菌等が浸潤し、軽度な慢性の炎症状態に至り、あるいは細胞再生能力減退による皮膚や粘膜の脆弱性、そして同部の皮脂分泌減退、あるいは同部の過剰な洗浄による皮枝の除去による皮膚粘膜の過敏性増強、、、等が相まって膣口を中心とした外陰部の閾値が低下し、持続性で強烈な痒みが生じているのでは、と考えました。
 

・そこで上記③の治療目標と整体テクニックを施術することにしたわけです。当初は、3診目という早期に「回盲部移動テクニック」によってオナラが激減したことも含めて、比較的順調に外陰部の痒みが減少傾向になり、治療計画通りに進みましたが、中盤あたりから痒みが不安定になり出しました。

 

 

◆ 第四の要因が隠れていた !! アルコック管(陰部神経管)の絞扼 ?!

・そこで改めての問診-診察で第二子出産時の大量出血の件が分かりました。それが上記1~3の要因に加えて四つ目の要因
 4. 分娩後の大量出血で仰臥位で寝る事で、血液の一部が下腹部から仙骨部-アルコック管付近にも浸潤し、その結果、内陰部動脈流域(特にアルコック管付近の会陰動静脈-神経)の循環・伝導が阻害され、会陰の局所免疫力や細胞再生能力の減退、あるいは知覚過敏が生じた

 


骨盤最深部の「アルコック管」は陰部神経や内陰部動静脈が貫通する

 

 

◆ アルコック管解放テクニックが最終的な決め手 !!

・上記4の事から、新たに「アルコック管解放テクニック」を追加施術する事になったわけです。結局、このアルコック管への施術が最後の決め手となり、不安定だった膣口の痒みが安定化しだしました
 

今回のMさんのケースでは、上記1~4の原因が重なる事により、外陰部の局所免疫力の低下が続き、2年も続く、膣剤等も無効な外陰部掻痒感を生じさせていたものと推察して、概ね妥当だと思われます従って外陰部を中心とした動静脈の循環を改善する手技が、局所免疫力の回復をきたし、外陰部掻痒感の解消につながったのでは、と考えます。

 




 

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