こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
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勝手に【漢祭り】開催中!
枯れたオヤヂだけが漢じゃないぜ。と言わんばかりの熱い闘いがここにある。しかも、物理的バトルではなく生徒会長選挙における権謀術数渦巻く闘いだ。
『帝一の國』 (‘17) 118分
梗概
海軍士官養成校をルーツとする名門海帝高校。生徒会長を務めた者は将来の総理大臣のイスが約束されたようなもの。野心家は命がけで当選を目指す。
赤場帝一(菅田将暉)もその一人。入学早々ルーム長となるや二回生で生徒会長候補最右翼の氷室ローランド(間宮祥太郎)に目を付け派閥入りを果たす。が、卑劣漢・東郷菊馬(野村周平)の策により会長選挙の対立候補・森園億人(千葉雄大)陣営に参入せざるを得なくなる。
しかし、盟友・榊原光明(志尊淳)や大鷹弾(竹内涼真)とともに選挙戦を闘い圧倒的劣勢を挽回。森園の当選に貢献する。次は自分がその座を目指す番だ。帝一の当選なるか?
ちょっと類を見ないドリームマッチの如き豪華キャストだ。↑ ↑ ↑
TVドラマも映画も歌も芝居も声優も何でもござれで引っ張り凧の菅田将暉を筆頭に、こちらもいい加減見飽きるほどの露出度高い野村周平。『下町ロケット』『陸王』『ブラックペアン』と新進若手ナンバーワンの最旬俳優竹内涼真。などが勢揃いで壮観である。
メインキャラをざっと紹介しておこう。
・赤場帝一(菅田将暉)7・3分けで蛇のような目をしたピアノの才に長じている野心家
・東郷菊馬(野村周平)卑劣漢の名をほしいままにする帝一幼少時より最大の仇敵
・氷室ローランド(間宮祥太郎)金髪ハーフの武闘派で現会長当選の論功あり
・榊原光明(志尊淳)猫好きの発明家として天才的で帝一の右腕として支え続ける
・森園億人(千葉雄大)一貫して成績首位を維持する秀才で千手先まで読む棋士でもある
・大鷹弾(竹内涼真)赤貧に甘んずるも文武両道の庶民的ナイスガイで人望を集める
さらに、東郷の補佐役は萩原利久、大鷹の補佐には岡山天音、副会長は井之脇海がそれぞれ扮する。
*荻原(右* *岡山(右*
永野芽郁が紅一点の白鳥美美子役だ。
この顔触れなら一度は観ておかねば後悔先に立たずでしょ。
*仮想切腹?マジソン・スクエア・ガーデンバッグが気になって*
では、生徒会長選挙にフォーカスしたドラマにおける人間関係を俯瞰しておこう。
【氷室陣営】
氷室一派、東郷一派
次いで1年後、二回生になった赤場たちの会長選。
【赤場陣営】
赤場、榊原、支持者約350人
この結果は観てのお楽しみとしておこう。東郷の奇策とそれを上回る赤場の絶後なる奇策が炸裂する。
では、彼らの芝居はいかなるものか。
もう菅田が何をどう演じても驚きはしない。役柄といふ容器に注げば、たちまちそのカタチに合わせてしまう液体のようだから。『あゝ、荒野』と『民王』と『銀魂』を並べるととても同じ役者とは思えない。
劇中で父親役の吉田鋼太郎と大鷹との試験の点数比べをするシークエンスが白眉。両者の大まじめでハイテンションな芝居が素晴らしい。両者ともにアドリブ交えているんじゃなかろうか。
間宮も多様なキャラを演じており、イメージの固定化は免れていよう。『ライチ☆光クラブ』と『トリガール!』と『お前はまだグンマを知らない』では振り幅が激しいし。
竹内は上品さは欠けるが60年代の蛮カラ青年のように豪放磊落で表裏無く男気に溢れたアツいキャラである。彼らしいと言へば彼らしい好青年役。よって、芝居のクォリテイは現在進行中の『ブラックペアン』とほとんど変わらない。
*副ルーム長役・岡山天音と*
→『ブラックペアン』で二宮和也、小泉孝太郎、竹内涼真を観た
志尊も相変わらず癒し系の優男だ。しかし、この後『植木等とのぼせもん』で泥臭いキャラに扮して以降『女子的生活』『トドメの接吻』『半分、青い。』と性差を超えた役柄に挑戦し、イメージ打破に成功することだろう。
千葉はインテリ系の眼鏡男子で身体的アクションに乏しく『わろてんか』の兄さんと被っている。『兄に愛されすぎて困ってます』がちょっとした変化球か。
彼らを観る限りでは従来のイメージとさほどかけ離れてはいない印象だ。だが約1名、素晴らしく意外性を爆発させる男がいる。
野村周平である。
弾けっぷりがハンパ無い。いつものように格好いい役じゃあない。卑劣悪辣で時にはヘタを打つ道化役の笑われキャラである。だが、『サクラダリセット』や『ちはやふる』のように好い男ぶっている彼よりも数百倍いいと思う。個人的には彼のベストパフォーマンスに数えたいくらいだ。彼の実力が十二分に発揮されている。本作における最大の収穫は野村の芝居と断言しよう。よくぞ東郷菊馬役を引き受けたものだ。マジ見直した。
彼につき従う萩原利久も、普段の優等生っぽさとは真逆の卑しいヤツになりきって偉い。
だが、勿論ほかの役者たちも甲乙つけ難い芝居合戦を繰り広げていて観ていて実に楽しい。原作漫画を未読であっても当然の事ながら別状無く鑑賞できるのは言ふまでもない。何かの折に気楽に観てもらいたいものだ。
蛇足だが、エンドクレジットで永野めいめいのパフォーマンスが可愛らしい。
ステップタッチ主体のエアロの基本的な足さばきを数パターン組み合わせただけの単純な動きだが、プロの振り付けといふのは凄いね。全く新しい動きに見えてくる。
さて、スピン・オフ作品もDVD化している。『帝一の國~学生街の喫茶店~』(‘16)だ。
これは五つのエピソード集。だからこのメンツの大共演作というわけじゃあない。しかし一話ごとに一人の俳優を集中して観ることができるのでここはポイント高し。
*漢たちのパフォーマンスを体感せよ!*
【漢祭り】特集記事
参考: