先日、近所のお茶屋さんで、茶そばを食べた時、お店のお姉さんと、silent(フジテレビのドラマ)の話しになった。
この世界にスマホが出現して、音声認識アプリが開発されたことで、音を聴ける人と聴けない人とが、スマホを介してこんなふうにコミュニケーションをとれる時代に変貌していた現実に触れ、感動したことをお姉さんに告げると、登場人物の「佐倉想(さくら そう)と青羽紬(あおば つむぎ)の名前には、「想い」を言葉にして「つむぎだす」という意味が込められているそうですよ、と教えてくれた。
そのあと、登場人物の湊斗(みなと)も加えてみると、「想い」を「皆と」「つむぎだす」になり、「お〜完全にドラマの内容と一致するではないか」と感心していた。
そして、ネットの方でも名前の由来について検索してみると、佐倉想を演じる目黒蓮さんの誕生日が2月16日で、その誕生花は「さくら草」、花言葉は「初恋」。
「なるほど、ここから佐倉想という役名が決められ、初恋をテーマにしたドラマの内容とも一致していたのか」と感心しつつ、さらにドラマの中で、紬が自分の誕生日を4月28日とつげた直後から、ネット上で、4月28日の誕生花もまた「さくら草」で、これはもう偶然ではないと盛り上がっていることを知った。
でも、私が一番驚いたのは、この情報を知る前の段階。
紬が覚えたばかりの手話を使って、想に向かって「私の誕生日は4月28日です」と告げた瞬間だった。
「僕の誕生日やん」
「このドラマのロケ地、東京で暮らしていた頃、よく散歩していた場所やん」
そういえば、紬を演じている川口春奈さんは九州の五島列島出身で、海釣りが趣味だと言っていたことを思い出し、私の父も海釣りが趣味で、五島列島で食べた魚が一番うまかったと言っていたことも思い出した。
このような誕生日つながりで、私はsilentにどハマりし、さらにネットを調べるうち、私は59歳になってはじめて、自分の誕生花が「さくら草」であることを知った。
そして、このようなシンクロが起きるのは、私たち人間が認識できるこの世界が「言語空間」だからだ。
私は20代から40代まで、言葉を扱うコピーライターの仕事をしていて、映画やドラマの宣伝文をよく書かせてもらっていた。
そして、先日、同世代のHさん(元コピーライター)と京都で飲んだ時、高校生の時に観た松田優作さんの映画に出ていた女優さんが、私のブログに「いいね」をくださって、びっくりしたことを話した。
その後、2件目の店に行ったら、その店の真向かいの家の表札に、Hさんと同じ姓が記されているのを発見し、二人でびっくりした。
そして、2件目の店で飲みだしてから1時間ほど経つと、私たちの方に向かってひとりの男性が近寄ってきた。
「先程はどうも」
私たちにそう声をかけてくれた男性は、1件目に行ったお店の板前さんで、飲み屋さんが何百軒もある先斗町で、こんな偶然が起こり得るのかと、またもやびっくりさせられた。
そして、今、思えば、ここまで強力なシンクロが起きたのは、言葉を扱ってきたコピーライターが2人揃ったからだと、私は思いはじめている。
なぜなら、言語の構造を把握すれば、それはただちに世界の構造を把握することに直結することを、ドラマのsilentが始まる頃、私は哲学書を読んで知りだしたからだ。
そして、今週のsilentの放送終了から約7時間後、ワールドカップのスペイン戦で、同じ青いユニホームをきた幼なじみの三笘薫選手からボールを受けた田中碧(あお)選手がゴールを決め、日本は決勝トーナメントへの進出を決めました。
勝利への「想い」を(サポーターを含めた)「皆と」「つむぐ」の言葉どおり。
青羽紬の青は、サムライブルーの青であり、田中あお選手の名前でもあり、そして、この勝利もまた、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)というテクノロジーの判定なくしては成立し得ない、まさに時代の変化を表す勝利だった。
そして今日、再び、お茶屋さんで茶粥を食べながら、お姉さんとsilentや言語空間の話をしていたら、店主の息子さん(幼稚園児)が2階の客席に上がってきたので、名前を聞いてみた。
「あお」
この答えを聞いて、「この言語空間、できすぎやろ!」と思うくらい驚いた。
世界(言語空間)は、「青羽紬(青は、むつぎ)」の登場以来、「あお」に染まりつつある。
でも、ほうじ茶で炊いた茶粥だけは、茶色のままでおいしかった。
追伸
このブログを書いた後に、Netflixを観たら今日のテレビドラマ第1位に「First Love 初恋」という宇多田ヒカルの曲をテーマにしたドラマが表示された。
そして、ドラマを観てみると、佐藤健さんが手話を使って会話するシーンが出てきて、silentから始まった諸々のつながりはどこまで続くのかと、またもや驚かされた。
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