R-1ぐらんぷり2014の感想です。
ゆるく書いていきます。
毎年、低調なr-1ですが今年は血の入れ替えをしたように初登場の人が多かったですね。R-1はどうしてもキャラ芸が多く、漫談やコントの妙、のような所を見ながら感想を書くことが難しいのですが、今年はそこそこコントが多くて見所が多いように思えました。
それではAグループから。
Aグループ
1レイザーラモンRG
準決勝でも「出オチ」と言われていたR氏。スティーブジョブズに扮した姿は正に出オチ。ネタはジョブズの新作プレゼンをパロり、iPhoneに似たものを見立てるもの。あー、あのオモチャ持ってた笑
チョイスが絶妙でしたね。それっぽいし。後半はあるあるネタ。まずこの構成自体がテレビ等でRGを受け入れていることが最低条件なので、「お笑いというのは言葉の妙や構成が~」だとか「賞レースを考察してやろう」といった、肩に力が入った層には全く受けることのないネタだと思います。
お茶の間投票もドベだったし。でも、R氏のあるあるネタってお笑いの基本にのっとっていて僕は好きです。
2ヒューマン中村
フリップ芸って簡単に手は出せると思いますが、それでのし上がろうと思うとかなり奥の深い芸風なんじゃないですかね。
フリップ芸でのし上がる人って何かしらの〝強み〟があって、例えばバカリズムなら絵がめちゃめちゃ上手いとか色々あると思うんですよ。そういう観点でヒューマン中村のネタを見たとき「これ別にヒューマン中村である必要ないな」って。勿論、この言葉の妙や造語のチョイスというのはヒューマンが作り上げてるものではありますが、ヒューマン中村という芸人自体に魅力があるかといったらそうではないのかなと。もっと「ヒューマン中村だからこんなネタが出来る!これがアイデンティティです!」という主張があったらいいな。大喜利状態のブツ切りネタや淡白な進行など色々あると思いますが、4回出ていていまいち壁を越えられないのはそこなんじゃないかな。ものすごく偉そうな言い方ですけど。ツッコミは後ほど。ネタに関してですが「怖~」系が面白かったです。ジワジワ来る感じで。
3TAIGA
↑のツッコミ
偉そうに言いやがって!
「お、ま、え誰だよ!」あ、これが言いたかったんです。
TAIGA。前に骨法?空手?の師範みたいなネタやってませんでしたっけ?
ネタ。前振りのボケの内容はかなり低いんですが、このネタをやるに当たってそこのクオリティをあげてしまってはいけないのかもしれません。むしろ、このぐらいが正解なのかも。お約束として認知させるなら。
数年前なら「エンタっぽい」とか「内容がない」とか非難してたような気がしますが、すでに「r-1はそういうものではないんだ」という自念と「こういう毒にも薬にもならないネタっていいなあ」という気持ちになっていたので、とにかくr-1が楽しい大会になってくれればこういうのはアリなんじゃないかと思って普通に見ていました。
キャラ芸がうんぬん、って上の方には書きましたが「このキャラ面白いでしょ!だからこのネタも面白い!」というのが感じられなかったからですかね。お茶の間投票もTAIGAに入れました。
4スギちゃん
スギちゃんの核となる笑いの取り方として「不安定なところ」というのがあると思うんだけど、正直こっちに手を出したら駄目だと思うなあ。そりゃ笑えるかもしれないけど。
桂文枝師匠がTAIGAに票を入れていてビックリしました。以前も野性爆弾のくーちゃんが出た時も票を入れていて驚いた記憶があります。何が心に響くのかわかりませんね。
やべぇ。Aで既に長い。
Bグループ
1小森園ひろし
舞台に無残に小道具が転がっていく様って面白いですよねー。好きです。
サイクロンZが以前にやったマジックネタも舞台が汚れていく様が面白くて好きでした。
ネタは、掴みはいいけどその後結局同じこと、というのはかなりマイナスになる構成ですね。なんとか1日目だけにできたら…とも思うけど、あれが最善だよなあ。
倒れた胴が立ってしまう、というのも不運でした。僕はお茶の間投票をこっちに入れたのですが理由として「昨日はすまんかった」「正直、俺はどうやっても零してしまう」「おつかれっした!」というセリフがあったからですね。これで「ラーメン屋なのにスープを零してしまう滑稽な人」というのが払拭され、コントとして最低限であるストーリーが出来上がっている。「キャラコント」では無くなっているところが良かったと思います。
ま、オチはいかに滑稽に見えるかだったんですけど。僕は今大会でコントをやった人の中で小森園ひろしが1番コント師っぽかったなあと感じました。
2ミヤシタガク
準決勝で「ブラックだけどやっていいのか?」と言われていたのでどういうネタなのかと思ったら、あーなるほど。
普段の声は普通なのに、なぜ車掌の声が「ぶらり途中下車」基盤の声なんでしょ。
「おやおや」っていつ言い出すか。西早稲田の駅員さんがあんな感じなのかしら。
あと、フリーって結構デメリットが多いですね。舞台の規模によって発声の仕方を変えなきゃいけなくて後半はそれに囚われてしまったように思いました。見た感じ、小規模の会場を主戦場にしてるみたいだし。準決勝はデカい会場だけど、テレビ用の魅せ方に困ったような。
我人祥太のときも思いましたが、ほんとにブラックネタって嫌われるんですね。
僕らが思ってる以上に一般には毛嫌いされるのかも。「ブラック」ってだけで評価するのも違うと思いますが。(ブラック大好きだけど)
3やまもとまさみ
以前、ネタパクリ疑惑(岸学が決勝でやったようなネタをやまもとまさみが決勝でやった)があってからあまりいい印象を持ってなかったんですけど、そういう印象があるからなのかなんだか「中古品みたいなネタだな」と思いました。
シチュエーションは「ベタ」という言葉があるのでいいんですが、「言葉がつかえて全部アレや別の言葉で通す」というのは少し既視感がすぎるかなあ。演技の仕方や声の出し方も喜劇じみてて、面白いストーリーというより面白いキャラになってしまっていたような。観客もやまもとまさみファンなのか、すごいゲラがいるなあと思うほどすごく個人的に温度差がありました。
ただ、これは所詮テレビを介してなので舞台レベルで見たい。多分、客席からだともう少し違う見方ができる。はず。
ネタは岩城滉一の一人勝ち。
4中山女子短期大学
シューベルトの魔王を知っていた方がいいのか、知らないで見た方がいいのか。
僕は知っていたので、歌の感じに合わせながら見ていました。
中盤までのカレーのくだりをいかに飽きさせずに見せるか、というのがポイントだったと思います。知ってる人は「ああ、そんな感じだったよね」となりますが知らなければ「くどいなあ」となってしまいますからね。今年の板尾枠はこの人でした。
まあ、そりゃやまもとまさみですよね。そりゃそうだわ。
Cグループ
1バイク川崎バイク
かなりどうでもいい話なんですが、以前某大学演劇サークルで劇を見た時に「BKBネタ」をやっていて「身内ネタなのかな?」と思っていたんですが、今回の大会で元ネタを知りました。
ネタはキャラ芸漫談。なんだけど、胸を押したら倒れるほど弱そうなキャラ芸。
すごい「あらびき団」っぽいですね。
強い言葉を言ってそのあと自虐するスタイルはそれ以上、上も下もないのでほんとにこのスタイルだけでやるしかないのだね。
サングラスを外すタイミングの良さだけが救い。ブンブン!
2馬と魚
去年「さんまのまんま」で見ましたが、こっちが本ネタかあ。
ポップでワイドなマキタスポーツって感じですね。
ネタは歌ネタ。割とその歌手のメロディの特徴を掴んでいて、演芸向きのハイクオリティだなあと思いました。
若者向きではありますが、アジカンなんかはよく特徴を掴んでるなあ。
ももクロは僕がファンっていうのもあるから、「曲後半が完全にイメージだけだなあ」と思ってしまったけどファンでない人が「似てる!」と思ったらそうなのでしょう。完全にヒャダインイメージだったね。
緊張してるのか相づちの声が多かったのでネタというか即興感がありましたね。
3おぐ
これは良いネタだ。
これも舞台と客席で見たいなー。準決勝ではトップバッターでかなりのウケだったんですよね。ハゲネタなんだけど、陰気さとか汚さみたいなのがなく、すごくポジティブなハゲネタだったと思います。
ネガティブなことを言われるんだけど。
やはり良いネタだと思うのは、主人(?)が落ち込んでしまったときは「やべぇ言いすぎた」と言わんばかりに声たちがフォローに回ること。この〝押し引き〟が世界観を作り上げている。ただ罵倒されているだけでは作ることはできない。最低限の作劇法だと思うんだけど、やっぱり「笑いの量」優先だからこれを怠る芸人の多いこと。
お茶の間投票はおぐに入れました。
4じゅんいちダビットソン
ばってん多摩川みたいなアメリカンかぶれで映画を紹介してたと思いきや本田圭佑に。スッキリでまだプロトタイプの本田圭佑ネタも見ていたので、ここまで出来るようになったか・・・と感慨深いです。
ネタは「いかに普通のことをおかしく見せるか」という、これアメリカンキャラ時代と大して変わってないんだけど
言ったあとのフォローでだいぶ進化した感じがありますね。
漫談としては羅列ネタですが、そこそこ工夫がしてあって良かったとは思ったんだけど審査員からの点は伸びなかったですね。番組的にはかなりプッシュしてたんだけど。
なんだか、おぐのコメントのときに審査員がはっきりしないというか「面白い」と言ってるのに点数入れてないっていうね。
三浦マイルド騒動(三流雑誌の記事ですが)ってのがあって、要は東洋水産は食品会社だから見た目が汚いのを優勝させんな、と社長が言ったという噂。信じるか信じないかはあなた次第。
うぉー、やべぇ長さ。決勝は端的に。
決勝
R氏、海苔はちょっと難しいよ(笑)僕はラブファントムにのせたあるあるが1番好きです。インマイソゥ!
やまもとまさみ。二本目の方がまだいいかなあ。グローブの下りなど「古臭さ」がいい方にいっていた感も。クネクネしてたのはこれがオカマネタだった名残かな?オカマじゃない方がいい。しかし、新しければいいってもんじゃないけど古いなあ。
馬と魚。なぜ演芸向きの人は二本目をとちるのか。敗退行為ですよ。馬と魚はまだ2年目だから、なのかもしれないけどもうちょっとやりようがあったよねえ。「自分に酔ってる」というコメントを見て、まあそれも一理あるかなとも思った。
優勝はやまもとまさみ。まあ、妥当ですかね。
その他
今回のメンバーって準決勝のレポを読む限り、客席が湧いたか盛り上がったかでほとんど決めたのだろう。というか、観客票があって1人3票(3名)入れられるんですよね。TAIGAとかBKBはその類だと思います。楽しかったけど。
その他その2
今回、客席に芸能人も入れないし
2月放映が3月になり、平日の夜になる。
なんか「いよいよ」なんですかね。
優勝者もお金は貰えるけど、後に繋がらないもんなあ。恩恵を受けたのって華丸さんだけだよね。多分。
ただ、コンビやトリオはTHE MANZAIやキングオブコントがあるからいいけど
ピン芸人はこの大会だけだからね、自分を表現できるのが。最後の大会ぐらいはさ、ピン芸人だけエントリーにしようよ。お金集まらないけど。
終わり。
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