橘は、日本に古くからある”かんきつ”の一つです。
レモン、ユズ、スダチ、カボス、ダイダイ、ヘベス、ジャバラ、シークワーサー、ライムなどは、料理に香りと酸味を加えるのに使われるため、香酸柑橘と言われます。橘は、私が大好きな香酸柑橘の一つです。
↑ 固くて小さくて青い、橘の未熟果
(2018年7月30日撮影)
記紀によれば、第11代垂仁天皇の命を受けた田道間守(たじまもり)が、常世の国に渡って持ち帰ったのが、「非時香木実(ときじくのかくのこのみ)」(現在の橘)であるとされています。
常緑樹である橘は、1年中、葉が落ちないため、不老不死の象徴で、縁起のいいものと考えられていました。
なので、京都御所の紫宸殿の前庭には、橘が植えられ、落葉樹の桜と共に、「右近の橘、左近の桜」と呼ばれます。
紫宸殿から見て、右側に右近の橘、左側には左近の桜(紫宸殿に向かって、左側に橘、右側に桜)が配置されています。
雛人形でも、同じ配置で、橘と桜が飾られます。
境内に橘と桜が植えられている神社もあります。
また、文化勲章は橘の花がモチーフです。
ちなみに、左近の桜は、元々は梅であり、10世紀に、梅から桜に変わったそうです。
平安時代以降に、権勢を誇った4つの氏族、源平藤橘の一つは橘です。
飛鳥時代、第43代元明天皇が、女官の県犬養三千代に、橘姓を下賜したのが始まりです。
苗字にするくらいなので、昔の日本では、橘はメジャーな植物だったことが分かります。
↑特製の果実皿にはいつも、香酸柑橘をかけます
橘は種は多いですが、内皮はそれほど固くないので、そのまま、または刻むかして、料理に使います。
果汁は、香りがたちさっぱりして、アクセントになるので、重宝します。
果皮も刻んだり、ミルサーにかけて細かくして使います。
木成り完熟の橘は、甘くてとてもおいしいです。
果物は、かつて、木菓子や水菓子と呼ばれていましたが、それこそ、昔の子供たちにとって、完熟の橘はお菓子だったのかもしれません^^
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