《再》毎日のみかん摂取で、2型糖尿病リスクが57%減少 | 中野瑞樹『5300日フルーツ物語』the Japanese Fruitarian

中野瑞樹『5300日フルーツ物語』the Japanese Fruitarian

元東大教員 体を張るフルーツ研究家
Mizuki Nakano Official Blog
”Let's pass cleaner batons to the next generation by eating fruit!”

《ブログ過去記事の再掲》
 
2016年3月23日、
フルーツに関する常識を覆す疫学研究結果が発表されました。
 
旬の時季、毎日3~4個以上のミカン(M寸)※を食べている方は、ほとんど食べていない方に比べて

 2型糖尿病リスク     57%低↓
 
また下記疾患のリスク低下も明らかになりました。
 肝機能異常症リスク※      49%低↓
  ※ウイルス性肝炎など非アルコール性
 高脂血症リスク          34%低↓
 
 リスクが低いことが分かりました。
 
※ミカン(S寸)なら、5~6個
 

 


毎日のみかん摂取で、閉経後の女性の骨粗しょう症リスクが92%減!?
 
 
に続く、あっと驚く、ミカンに関するニュースです。
 
 
 
「フルーツを食べれば糖尿病になる」と言われますが、
冬の主食がミカンで、いつもオレンジ色の手をしている私にとっても朗報となるニュースです。

私は、11~1月は、毎日20~30個の温州みかんを食べています。
きっと、世界でも、指折りの”温州みかんイーター”です^^

↑左が冬場の私の手
 ”β-クリプトキサンチン”がいっぱい。
鍵となるのが、ミカン類に多く含まれている”β-クリプトキサンチン”。
みかんを食べると黄色になる”柑皮症”の主成分。
”柑皮症”は手足などが黄色くなるだけで、”黄疸”とは異なります。


”β-クリプトキサンチン”は、
β-CPXは温州みかん、とうがらし、干し柿、せとか、タンゼロ系柑橘(セミノールなど)、ぽんかん、焼海苔などに多く含まれます。特に、温州みかんは手軽に量が食べられるので、効率よく摂取できます。

 

 

糖尿病リスクを下げたいと思う方は、
11~1月は、温州みかんやポンカンを
それ以降は、せとかやセミノールなどの柑橘類を是非召し上がってください^^

また、量は摂れないですが、血糖値を上げやすいデンプン食品を食べる際には、β-クリプトキサンチン や食物繊維が豊富な海苔もお勧め。そう思うと、おむすびや海苔巻きは、よく出来ていると関心します^^
 「和歌山の果樹 2016年4月号」でくわしく書いていますが、欧米では、ベリー類,リンゴ(皮付き),ブドウ,プルーンなどのフルーツが糖尿病予防になるという研究が発表されています。(※2~5)


論文を読むと、ニュースや新聞の情報がごくわずかに過ぎないことが分かります。
今回のミカンと糖尿病に関しても、  「和歌山の果樹 2016年6月号」で詳しく書きました。
 
生活習慣予防のために、旬のフルーツを毎日食べましょう。
私のオススメのフルーツの食べ方
①せめて先フル、できれば前フル
②朝イチ水フル
③決して無理をしない
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●毎日のみかん摂取で、2型糖尿病リスクが57%減少
2016年03月24日、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(杉浦実上級研究員)は、みかんに多く含まれる成分(β-クリプトキサンチン)と、2型糖尿病などに関する研究成果を発表しました。
 
プレスリリース:2016年03月23日
ミカン、糖尿病予防に効果 生活習慣病のリスク抑制
調査機関:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構、
        浜松医科大学、浜松市(旧 三ヶ日町)
開始時期:2003年
調査期間:約10年
対象人数:864名(男性264名、女性600名)
対象地域:静岡県浜松市北区三ヶ日町地区
研究形式:疫学研究(前向きコホート研究)
研究手法:アンケート、血清カロテノイド濃度
 
血中カロテノイド、特に血清β-クリプトキサンチン濃度の高い人(毎日3~4個以上のミカン(M)摂取に相当)は、低い方に比べて、

 2型糖尿病リスク     57%低↓
 
また下記疾患のリスク低下も明らかになりました。
 肝機能異常症リスク※      49%低↓
  ※ウイルス性肝炎など非アルコール性
 高脂血症リスク          34%低↓
 
 リスクが低いことが分かりました。

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三ヶ日町研究の特長
日本で唯一といえる、果物(個別)摂取と健康に関する疫学研究。
三ヶ日町の住民の約4割が農業に従事。特にミカンが地域の主幹産業であるため、ミカンをたくさん食べる人からほとんど食べない人まで幅広く分布。そのためミカンの摂取と健康指標との関連を高い精度で評価することが可能。
 

○β-クリプトキサンチン (※05)
人の血中主要カロテノイドの一つ。強力な抗酸化物質として注目されてるカロテノイドの一つ。がん(発生・増殖抑制)、糖尿病、リウマチ、骨粗鬆などとの関連研究が盛んに行われている。温州ミカンに多く含まれる。みかんを食べると手が黄色くなる「柑皮症」は、β-クリプトキサンチンなどのカロテノイドが原因。温州ミカン、干し柿、海苔、トウガラシなどに含まれる。特に、温州ミカンは手軽に量を食べられるので、効率よく摂取できる。

 

○カロテノイド (※06,07)

微生物、植物、動物に広く含まれる、赤、橙、黄などの天然色素成分。ポリフェノールと並ぶ、ファイトケミカル(植物中の天然化学物質)の主要群。動物は生合成できないため、体内のカロテノイドは全て食物に由来。カロテノイドは、果物、緑黄色野菜、海藻などに多く含まれる。ビタミン Aは過剰に摂取すると過剰症の恐れがあるが、カロテノイドは多量に摂ってもビタミン A過剰症は現れない。

 
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引用参考文献
※01:High-serum carotenoids associated with lower risk for developing type 2 diabetes among Japanese subjects: Mikkabi cohort study/M.Sugiura et al./BMJ Open Diab Res Care 2015;3
※02: Fruit consumption and risk of type 2 diabetes: results from three prospective longitudinal cohort studies
/Isao Muraki et al./British Medical Journal(2013)
※03: Dietary flavonoids intake and risk of type 2 diabetes: A meta-analysis of prospective cohort studies/Yu-Jian Liu et al./Clinical Nutrition February 2014 Volume 33, Issue 1, Pages 59–63
※04: Dietary flavonoid intakes and risk of type 2 diabetes in US men and women/Nicole M Wedick et al.  /The American Journal of Clinical Nutrition April 2012 vol. 95
※05: Food consumption and the incidence of type II diabetes mellitus/J Montonen et al./European Journal of Clinical Nutrition (2005) 59, 441–448
※06:β-クリプトキサンチン研究最近の進歩/矢野昌充ら/果樹研究所研究報告 第4号 2005
※07: カロテノイドの多様な生理作用/T.Masaoka/食品・臨床栄養、2、2007年(日本生物高分子学会)
※08: 日本人の食事摂取基準2015年版/厚生労働省「日本人食事摂取基準2015年版」策定検討会報告書/第一出版

※日本食品標準成分表2015/文部科学省

 

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