2017年12月8日、
農林水産省は、ビワの種の粉末は食べないように注意喚起しました。
近年、がんが治ったという噂から、ビワの種に需要があり、高価に取引されることもあります。
私もビワ農家さんから、果実より、種の方が高く売れると聴いたことがあります。
ビワの種、アーモンド、梅・桃・アンズ・スモモなどの仁(殻の中の白い種子)には”アミグダリン”などが含まれています。アミグダリンは体内で変化し、毒性の高いシアン化合物になります。
(ただし、果肉は種子よりも含有量が少なく、特に熟した果実では、アミグダリンが分解されるため、心配は要りません。)
実際、アミグダリンによる健康被害は多く、海外では急性青酸中毒により死亡例も報告されています。
(オーストラリア)68歳女性担がん患者 、3gのアミグダリン摂取により死亡
特に、粉末では、大量摂取による急性青酸中毒の恐れがあるため、農林水産省はビワの種の粉末は食べないように注意喚起しました。
ところで、1982年、アメリカで、178名のがん患者にアミグダリンの効果についての臨床研究結果が、世界五大医学誌の一つであるNew England Journal of Medicineで発表され、がんの治療効果がないことが明らかになっています。
以前ウコンについても言いましたが、ビワの種やアミグダリンに限らず、治療中の方はかかりつけの医師に相談することはもちろん、健康食品を摂っている方、また摂ろうとされている方は、国立健康・栄養研究所のデータベース(「健康食品」安全性・有効性情報)で健康被害について調べることがオススメです。
出典
アミグダリン/国立健康栄養研究所
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