ゲイ占い師 豫 空潤です。
少し前のオンライン鑑定です。
カイトさん(仮名・20代前半男性・地方在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。
カイト「僕はもともとノンケ(異性愛)なんですが……」
僕「ということは、ゲイ体験をしたのですか?」
カイト「少しだけです。どうやったらノンケに戻れるのか? それを相談したいんです」
僕「難しいですね。完全にノンケに戻るのは、ほぼ無理でしょうね」
カイト「そうなんですか? でも、ノンケがゲイになるって、よく聞くじゃないですか? だったら、その逆も可能でしょ?」
僕「それは違います」
カイト「なぜですか?」
僕「世間には『刷り込み』というものがあって、人間は物心ついて以来、異性愛の刷り込みをされ続けて育ってきているんです。だから、人間は、もともと過半数がバイセクシャル(両性愛)だと言われますが、大半は異性愛者に育つんです」
カイト「人間の過半数がもともとバイセクシャルって、ゲイの希望的解釈じゃないですか?」
僕「いいえ。欧米の心理学者が何百名という男女で実験したのです。男女とも、自己申告では同性愛者はわずかだったのですが、老若男女や動物などの画像を見せた時の瞳孔の反応を調べたら……」
カイト「瞳孔の反応?」
僕「人間は、興味あるものを見ると、瞳孔が開くんです。生物的条件反射です」
カイト「異性愛者の男女の過半数が、同性の裸などを見て、瞳孔が開いたんですか?」
僕「そうです。その人達は、無自覚のバイセクシャルだったんです」
カイト「……」
僕「我々は、幼児からずっと、膨大な異性愛のモデルを見せられ、聞かされて育ちます。両親は異性愛カップルだし、親戚も友人の両親も、みんな異性愛カップル。テレビや映画に出てくるのも、圧倒的に異性愛カップルが多数。童話に出てくるのも、お姫様と王子様が結ばれる話ばかり……」
カイト「……」
僕「子どもの頃から、『お前もいずれ異性が好きになり……異性と結ばれる。同性同士は友情だけ』という暗示……もっと言えば、催眠術をかけられて育つのです。それに負けない100%同性愛者だけが同性愛者に育つのです……もちろん、社会との葛藤を抱えながらですが」
カイト「10%とか20%だけ異性愛で、80~90%が同性愛の人は?」
僕「きっかけがあれば、同性愛者になるでしょう。しかし、きっかけがないと、成人後、もしくは異性と結婚後に同性愛を自覚するようになります。90%同性愛の人は、生涯無自覚って、まずいないと思います」
カイト「異性愛と同性愛が50対50の人は?」
僕「思春期以後、自分はどっちなんだろうと思い悩むでしょうね。大半は『バイセクシャルだ』と自覚しますね。カイトさんもそうなのではないですか?」
カイト「僕は……ユウマさんが好きなだけです。男全般が好きなわけではありません」
僕「ユウマさんって? お付き合いしている男性ですか?」
カイト「30歳の会社の先輩です」
僕「ユウマさんはゲイ男性なのですね? 告白されて……お付き合いしたんですか?」
カイト「すぐにつきあったわけじゃないです。仕事を教えてくれて、いろいろ世話になったので……」
僕「恩人でもなんでも、それとこれは別問題でしょう。100%ノンケなら、同性の誘いは断りますよ」
カイト「ユウマさんって、すごいイケメンなんです。どうして女っけないのか不思議だと思ってました。で、何度か飲みに誘ってもらって、『好きな人いないんですか?』って聞いたら、『わかるだろ? カイトが好きなんだ』って……」
僕「驚きましたか?」
カイト「最初、冗談だと思って笑ったんですが、ユウマさん、目がマジで、ビールジョッキを持つ手が震えてて……」
僕「決死の告白だったんですね? 受け入れたんですか?」
カイト「いえ。断りましたよ、その時は。でも、恩人だし、大好きな人だったので、傷つけたくなくて、先輩後輩の関係も終わらせたくなくて……。『カラダの関係なしならいいですよ』って答えたんです。俺、彼女いないし……」
僕「ユウマさん、喜んだでしょ?」
カイト「はい、『ホッとした。嫌われるかと思った』って……。ゲイの人って、カラダの関係まで行きたいんじゃないですか?」
僕「まずは、拒否されるか? 受け入れられるか? ですよ。ノンケ男性だって、気になる女性から『プラトニックな関係でよければ』って言われたら、『じゃあ、まずはプラトニックで……』って考えませんか?」
カイト「やっぱり、ユウマさんは『そのうちに進展させて……』って、あの時から思っていたんですね」
僕「その後、進展したんですね?」
カイト「その後、1か月ぐらい何事もなかったように、仕事終わりに飲んでも、他愛ない話ばかりで……『あれ? 俺、からかわれたのかな?』って思っていたら、金曜の夜に、居酒屋の後、ユウマさん宅に誘われて……」
僕「もしかしたらと期待しながら、ついて行ったんですか?」
カイト「いや、ユウマさん、俺が見たい映画のDVD持っているって言うから、それを見に行ったんです」
僕「DVDなら、貸してもらうとか……」
カイト「その後、『好きだ』とか言わなくなったので、安心していたんです」
僕「そしたら?」
カイト「映画観終わった時……キスされました」
僕「拒否しなかったんですね?」
カイト「ユウマさんの顔が近づいてきた時、『キスされる……』ってわかったんです。でも、その顔がイケメンで……『キスだけならいいかな』って思ってしまい……くちびるを奪われてしまいました」
僕「キスを受け入れられたら、ゲイでもノンケでも、男性は次に進みたくなりますよね?」
カイト「はい……そうなりました」
僕「その日のうちに、一気に最後まで?」
カイト「……ユウマさんから……『処女をくれて、ありがとう』って言われました……」
僕「後悔しましたか?」
カイト「その夜、ユウマさん宅に泊って、翌朝目覚めたら、ユウマさんと全裸で寝ていて……『なんてことしたんだろう?』って、激しく後悔しました」
僕「そうなんですか? すぐに帰った?」
カイト「いえ……ユウマさんも目が覚めてて、また抱かれて……」
僕「またも、ユウマさんを受け入れた?」
カイト「俺、童貞だったんです。初めて人と付き合って、初めて他人と同じベッドで寝て……ユウマさんの温もりを全身で感じたら……相手が男でも女でもいいって思えるようになって……」
僕「結局はそうですよね? 人間はひとりで生きていけないから、誰か、絶対に安心できる存在が欲しいですよね。で、ユウマさんとお付き合いしているんでしょう? なのに、ノンケに戻りたいって……?」
カイト「ユウマさん……上司の娘さんに好きになられて、上司から結婚話されて……30歳になったし……『断る。結婚はカイトとしたい』って言ってくれるのは嬉しいんですが……」
僕「え? まさか……」
カイト「俺は身を引こうと思うんです。上司の娘さんと結婚したら、ユウマさん、出世街道まっしぐらです。その方がいいに決まってます」
僕「ちょっと待ってください。ユウマさんは、『カイトと結婚したい』って言っているんでしょう?」
カイト「でも、男同士は結婚できないじゃないですか? ユウマさんが結婚したら、俺はノンケに戻ります。そして、女性と結婚します」
僕「そんな、うまくいかないですよ」
カイト「俺は、ユウマさんだけが、好きなんです。ユウマさんだから、同性愛を受け入れたんです」
僕「ゲイの大半は、そうですよ」
カイト「え? そうなんですか?」
僕「ゲイは、『男ならみんな好き』って思い込んでいる人達がいますが、そういう人は少数です」
カイト「そうなんですか?」
僕「若い頃は、好きな人しか眼中にないですよ。若いスリムな男性が好きなら、太ったおじさんは断固拒否です。1ミリも興味ないですよ」
カイト「……」
僕「それが、40過ぎて、50過ぎて、自分の需要がなくなると、必然的に門戸を広くしなければならないので、タイプの幅が広がるんです。カイトさんのように、若くゲイに目覚めた直後は、恋人以外には興味ない……よくある話ですよ」
カイト「……」
僕「だいたい、イケメンだからキスした……つきあった……って、ゲイの発想ですよ。100%ノンケは、イケメンとか関係なく、断りますよ。同性として、イケメンが憎たらしいっていうノンケ男性もいっぱいいます」
カイト「……」
僕「カイトさん、今も女の子への興味は変わりませんか?」
カイト「今は……ユウマさんが好きなので……」
僕「万が一、ユウマさんと別れたら、ユウマさんと似たタイプの男性を求めるようになりますよ」
カイト「……」
僕「言ったでしょう? 既に異性愛の刷り込みを受けまくって育っているのです。後から異性愛の割合が増加することはないんです」
カイト「でも……」
僕「日本に生まれ育つと、春夏秋冬があるのが当たり前と思いますが……熱帯の国では違うでしょう?」
カイト「熱帯では、冬がないですね」
僕「そう。そして、南極では、逆に夏と言えるほどの暑い時期はない。四季があるのは、温帯などの国の話で、決して世界共通ではない」
カイト「はい、知ってます」
僕「そこを知ってしまうと、四季が当たり前とは思わなくなる。同じですよ。異性愛が当たり前と思って育っても、当たり前じゃないとわかったら、逆戻りはしないんです」
カイト「……」
僕「今でこそ『多様性』とか『LGBT』と言いますが、少し前までは性的少数派は無視されてきた。多くの人は認識してなかった。それが、何かきっかけがあれば、自分の中の同性愛要素を認識する。そして、一旦認識すると……知らなかった過去には戻れない」
カイト「誰でも?」
僕「いえ。同性愛要素がない人は、死ぬまで異性愛者です。しかし、そういう人は、そもそも誘われても乗らない、興味持たない。無理やりに体験させられても、マイナスな思いしか抱かない」
カイト「僕はどうすればいいんでしょうか?」
僕「自分自身の心の声に従うことです」
カイト「わからないんです。ユウマさんは好きだけど……ずっと一緒にはいられない……ってわかるから……」
僕「今から、(オンライン通話で)千一夜タロットの裏を1枚ずつ見せます。全部同じ色柄のはずですが、1枚だけ濃かったり、光っていたりするはずです。そしたら『ストップ』と言ってください。カイトさんへのアドバイスカードです」
千一夜タロットの裏側を1枚ずつ見せていくと……10数枚目で、
カイト「ストップ! そのカード(裏)が光って見えます」
僕「これですね?(ひっくり返す)」
↑「聖杯のクイーン」正位置。
トランプでいう「ハートのクイーン」です。
バラが咲く自室で、衣装や宝石を選んだり、香水を試したり……女性が、デートの支度をしているのでしょうか?
カイト「まさか……女になれってことですか?」
僕「性転換を勧めるカードではありません。カイトさん自身の性的願望に正直になれってことです」
カイト「正直になってます。だから、ユウマさんに抱かれました」
僕「ユウマさんと付き合って、満足しているでしょう? それでいいじゃありませんか?」
カイト「結構大変です。同僚にバレないように、社内では、わざとよそよそしくしたり、女子社員と話すようにしたり……後で、ユウマさんに嫉妬されてイジメられますけど……」
僕「愛するがゆえの『イジメ』でしょう?」
カイト「……はい。いつもよりハゲシクされるんです」
僕「周りの雑音を気にし過ぎたらダメですよ。お互いの幸せを優先しないと、後悔しますよ」
カイト「そうですか?」
僕「イケメンに惚れられて、ラブラブになって……こんな幸せないでしょう? その幸運を大事にすべきです。先のことを考え過ぎて、今の幸せを手放すなんて……。生涯最高の相手かもしれないのに……」
カイト「……わかりました。……そうします。ありがとうございました」
僕「ありがとうございました」
さて、今日の占いです。
今日から「観音オラクルカード」です。
↑「秋の収穫の姫」
丹精込めた植物に果実がなり、収穫できるように、あなたの苦しみが解き放たれます。観音様があなたに恩恵をほどこしてくれるのです。あなたは心を開き、受け入れればいいのです。
観音様は、誰か他の人を使って、あなたに幸運をもたらすかもしれません。あるいは、災厄からあなたを逃れさせるのかもしれません。災厄の場合、あなたは、後で自分が恩恵を授かったことに気づくでしょう。
あなたは流れに任せ、心を開いていればいいのです。
「心を開く」というのは、どういうことでしょう? それは善意を疑わず、感謝の気持ちを忘れないということです。
疑ったり、「裏があるのでは?」という詮索をやめることです。そういう状態では、人の善意も、観音様の恩恵も受け取ることはできません。
あなたには恩恵が与えられるのです。信じて待ちましょう。
観音様があなたにご褒美・恩恵をほどこしてくれるのですから、あなたは心を開き、受け入れればいいのです。 過去やつまらないことにこだわっている場合ではありません。近い将来、あなたにもたらされることの受け入れ準備をしましょう。
観音様からご褒美や恩恵をほどこされるのですから、あなたはそれを生かさなければなりません。
人はひとりで生きているのではありませんから、あなたが得たご褒美は、あなたの周囲にもいい影響をもたらすはずです。いい影響をもたらさなければならないのです。
観音様から何かを与えられるというのは、そういうことでしょう。マイナスの気持ちは捨てましょう。あなたが得るものを周りの人々に分かち与える心を忘れてはいけません。
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