京都市内から急峻な山道を1時間と少し
山奥の花脊の地で120年あまりの時を刻む「野草一味庵 美山荘」
この土地の
趣のある心こもった「摘草料理」と、
「気づかいすれどもおかまいなし」の、
世界のグルメが認める至上のおもてなし処。
さて、
食事ですが、
お酒をお願いしようと思った矢先に
まず、一献どうぞと、銀の酒器に紅盃で 冷酒が出されました。

(注文はしてなかったのですが、 先回お酒をいただいたからでしょうか)
こういう気使いは 本当に嬉しいですね。
酒器の大きさ形がイイね。
若狭のお酒 ここは京都市左京区と言っても北の外れ 日本海側も近いです。
●銀杏の朴葉みそ焼き

山家のイメージの自家製削りのお箸
お箸はお店の皆さんで削って作られたもの みんなで作るのですが手が痛くなって大変だそうです それでも作ってこうやって出していただくと、少し曲がった枝がいかにも山家の粗野感が出ていい感じですね。
銀杏の朴葉みそ焼きは
味噌特有の辛味にやや甘めの味は銀杏を最良の酒の友にしてくれます。
●菊芋の甘酢漬け
味噌の味が付いているからと次は別の箸 利休箸
箸先はちゃんと湿らせてある
(こういう細やかさがいいね。)
●栗マッシュの白味噌椀

要は栗きんとん入りの白味噌汁
麹の味わいのする少し甘目の白味噌
栗きんとんは漉してとても細かく
●自家池の鯉の洗いと大根の茎

泥臭味は全くなく生臭みもない、いきの良い平目の生臭みを取った感じになっている。
一般の鯉はやや泥臭く生臭いから、鯉を湯通しをして少し白くなったぐらいで出されることが多いが、こちらでは綺麗な谷川の清流で育てるため 45℃位のぬるい湯でさっと洗うとだけだと思われる。
いい味だ。
付いている山葵は、擦りたてのねばみまである優しい辛み
●黒川茸の鯉の卵の真砂和え
やや苦味のある黒川茸
お酒によく合う
●季節の盛合わせ


ポップコーンの檜香
栃の実蒟蒻
蕎麦煎餅の鹿肉と林檎挟み
胡桃とお焦げのカリカリ
黄身
落花生
甘薯の銀杏
●焼き松茸
(焜炉に乗っている写真を撮り忘れた)

松茸のつゆ

蓮華の載っている器は島岡達三の作によく似ている。
蓮華の中は松茸を焼いている時に出てくるつゆをあつめたもの。
口に入れると口腔から一気にフワーっと松茸の香りと特有の旨味が広がり 特別 お い し い
松茸のつゆほどおいしいつゆはそうあるものじゃない。
ここは北山杉の産地なので、松のあるすぐ近くの京北産とのこと。
子供の頃から何度食べても占地より松茸の方が美味しいのにどうして「匂い松茸味占地」というのでしょうね。

結構大きな松茸だ
●松茸土瓶蒸し


雉の出汁 雉の団子
濃厚なお味
おいしい
●追加でお酒を注文
浦霞
浦霞は時々私も家で呑んだりしますが、いい酒を醸す醸造元です。
酒器はなんでもない形なんだけど胴の中央が少し多く膨らんだ可愛さ これも良い形
美しい女将が注いでくださいました。

お忙しいのに
季節の移ろいや花背や料理についてお話をさせていただくいい時間。
●鯖寿司

近くを若さからの鯖街道が通っており、美味しい鯖が食べられる。
鯖寿司の花柄の器は先程の島岡達三に似た皿と同じ作者と思われるが、

花の色等は濱田庄司の色使いによく似ている。 作を聞いていただいたら河井寛次郎の写しだそうだ。
(花の色等は濱田庄司の色使いによく似ているが、若い頃は濱田庄司と河井寛次郎は一緒に仕事をしていて、似た作品もあるから、そうかもしれないが、より、濱田庄司風だ。)
●丸い陶器の炙り器に大きな赤い葉 黄色い葉 紅葉を被せて出された琵琶湖の子持鮎の柚庵漬けの杉板焼




焼杉の香りに 鮎の味

腹がはち切れんばかりに膨らんだ鮎の卵
いい味 旨い 酒が合う
●きのこ鍋
鮑茸
舞茸
畑占地
なめ茸
蓮根饅頭
なめ茸の出し汁仕立て
良い出汁が出ている これを薄めておじやを作るとさぞやおいしいだろうね。
陶器の分厚い鍋がいつまでも熱さを出してくれている。
山椒の効いた唐辛子等の七味の匙

イイね。
栗の未熟皮でできている。
これを作ろう




●香茸と黒豆の炊き込みご飯

香の物は

柴漬け
昆布
瓜
沢庵古漬け
炊き込みご飯も美味しそうな香りだが、お腹がいっぱいで 仕方なく、少しだけお茶碗に注いでいただく。

いい味 お焦げ混じりの香ばしさも入り
美味しいご飯でした。
★最初から使われていたアンダープレート代わりの大きな根来塗のお盆
これが 中々味のある良いお盆です

使い勝手よく紅漆に黒漆がバランス良く磨かれてなかなか良い根来です。

永仁六年(1298年)十月の二月堂のお盆の写しだそうです。
このお盆 欲しい!
デザート
●代白柿とアイス 冬山苺

代白柿は京都名産の上品な味
表面は火でキャラメリゼされている。
スプーンで食す とろとろ軟らかい果肉の大玉柿 代白柿 甘さ抜群!お口でとろける果肉
最後に
●栃餅


まだ熱くビヨーンっと伸びる
餡は甘さ控えめ 栃の苦み走った味が十分あり特に美味しい

甘味は別腹というが 口はもっと食べたいがお腹がいっぱいで食べられない
。
最後にお薄をいただき 堪能しすぎた食でした。

紅葉真っ盛りの
大自然に囲まれた深い里 花背でゆったりとあるがまま
自然のものを自然体でいただける贅沢な食の時間
器だけをとっても、土物には土に合う器とか、それぞれきちんと料理に合う気の利いたものを上手く使いこなされて、どれも出過ぎないで 料理と一体化している。
お部屋 外の景色 お料理 お店の方達 全てが調和し 自然体
様々な発見と気付きがありとても勉強になる貴重な時間
お昼12時にお邪魔して、15時半過ぎまでゆっくりゆったりとここにしかない京の山家料理をいただきました。
秋の心地よいお昼 お料理25000円+お酒+サービス料+税で一人約3万円でした。
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野草一味 摘草 美山荘
京都府京都市左京区花背原地町375
075-746-0231
興味を持たれた方は、予約が特に取れにくいですから、数ヶ月前には申し込んでくださいね。
美山荘の女将の中東佐知子氏はミシュランが個人に贈るサービスアワードを受賞されています。
サービスアワードとは訪れる人を心地良くすることができる、おもてなしに優れたスタッフに授与される賞。プロフェッショナルかつ魅力的であり、レストランでの体験が特別なものになるような接客をする人に授与される。サービスに対する心からの情熱を称える賞 です。
と言ってもこんな賞より数段上の世界の方ですけどね
ここは、京都でいちばん予約のとれないと言われる日本料理の「草喰 なかひがし」の実家でもあり、テレビによく出られる料理研究家の大原千鶴さんの実家でもあります。