景気の物差しとして色々なものがあると思いますが、タクシーというのもその中の一つだと思います。
私は就職する前はタクシーにはほとんど乗ったことが無かったのですが、未だにタクシーに乗るときに変なところに気を遣ってしまうことがあります。
それは、ワンメーターで着く場所への移動のときに気が引けてしまうこと。
私がそうなったのも、バブル期のトラウマがあるからなのだと思います。
私が就職した頃はバブルだったので、バブルとバブル崩壊の両方を経験しているのですが、バブルのときは大変でした。
タクシーが捉まらないのです。
捉まらないばかりか、近くだと断られたり、露骨に嫌な顔をされるのです。
一見さんお断り、ならぬワンメーターお断り、という感じでした。
当時は、ワンメーターだと舌打ちをされたり、会計のときに乱暴にお釣りをくれたりといったサービス業らしからぬ態度が横行していました。
ところが最近はかなり事情が変わってきているようです。
最近、夜が遅いことが多くてタクシーを利用する機会が少なくないのですが、最近だけでも2回ほど、行き先を言った途端に「ご乗車いただきありがとうございます」とか「いやー、本当に助かります」と言われたのです。
中の1台は、乗車してから到着するまでずっと「最近は本当にお客さんが遠のいてしまって」とタクシー事情を話してくれました。
私が「ワンメーターのときは、嫌な顔をされて気分を害するのが嫌だったので、急いでいるときでも歩いていた」という話をすると「そんな時代はとうの昔で、過去の幻想です」とおっしゃっていました。
昔は遠距離と言うと、少なくとも1万円以上の距離というイメージでしたが、今ではその概念も変わってきているらしく、世田谷にある私の家までの距離でも遠距離というみたいです。
ちなみに、その運転手には「今日の初めての遠距離のお客様です」と大喜びされて、私が下車したら「初遠距離賞の景品をお渡しします」と後ろのトランクを空けると私に大量のティッシュをくれました。
いやはや、時代は変わったものです。
でもこれからワンメーターの乗車も後ろめたい気持ちにならなくて済みそうです。
