7月14日(日)
梅雨時なので雨が降るのは仕方ないが・・・
せっかくの3連休なのに、ずっと雨予想で長良川の水位も高い。
それでも、日々「美濃観測所」の水位を見ながらチャンスを窺っていた。
7/13の土用日は到底無理だが、少しずつ下っているから、このまま降らなければ日曜日はできるはず。
(とは言っても、普通の人は絶対あきらめる水位)
あとは明日、実際に川を見て垢があるかどうかだ。
7/14日曜日
他の釣り人は皆、最上流まで上がるだろうから、ゆっくり家を出る。
中央本流に到着して川を見ると、水は濁っていない。
底石には薄っすら色がついているから、絶対に釣れない垢じゃないだろう。
水位は平水より40cm高、もちろん変態しか竿を出そうと思わない水位だ。
今日も終日雨予想だが、夕方までは強い雨は降りそうもない。
朝8時から竿を出すが、もちろん見渡す限り無人。
(そりゃそうだろう)
土手の車窓から見る人も、馬鹿が何してるんだという顔をしている。
そんな目で見られると、私のⅯ気がゾクゾクする(笑)
まず、タビの滑り方で垢のつき具合を判断するが、ずっと曇りの日が続いていたので残り垢か新垢なのかの判断が難しい。
困った・・・全面を竿で探るしかないなぁ。
竿を出すまでは、即入れ掛かりを期待していたのだが、予想に反して反応は無い。
岸側を向いてヘチの残り垢を狙っても掛からない。
残るは・・・まさか、ド芯か?
見た感じ新垢なんか無いはずだけど。
9.5ⅿ竿に超ベタ竿仕掛けを張って、ギリギリまで立ちこんで流心を狙う。
ズキューン!
居た!
黄色い。
次も。
しかし、入れ掛かりには程遠い。
追い気が弱いのだ。
ド芯なのにチビも掛かる。
まだ垢の付きが悪いのだろう、掛かる鮎も痩せていて薄っぺらい。
この日は、天気予報通りずっと雨が降ったり止んだり。
午後になると、上流で少し降ったのか2センチ程水位が上がった。
それで水温が下がってしまったのだろう、まったく追わなくなってしまった。
更に増水する可能性もあったので、万全を期して川から上がることにした。
私は、このような状況で釣りをする場合、普段より神経質に30分ごとに雨雲レーダーと上流観測所の水位を調べて、万が一の増水にもいち早く対応するようにしている。
自分の釣っていいる場所と、上流水位のタイムラグも知っておく必要もある。
もちろん水位に変化はなくても、雨雲レーダーで上流で強い雨が降る予想があれば早めに川から上がるのだ。
(現場の大雨より、知らない上流の増水の方がよっぽど怖い)
私は、人一倍臆病で神経質だと思っている。
無理と無謀はまったく違うのだ。
この日は15匹釣るのがやっと。
チビもいっぱい釣れたがノーカウント。
型は20cm前後が揃ったが、痩せた鮎ばかり。
梅雨が明けて照り込んで新垢が付けば、鮎も太って楽しくなるだろう。
もう少しの辛抱だ。
ちなみに、7/15月曜日は朝起きて川を見たら、カフェオレが川いっぱいに流れていたから、さすがの私も諦めて帰ることにした。
6月29日(土)
梅雨の合間、つかのまの晴天予報。
長良川も引き水で最高のコンディション。
前日の金曜日は水が高くて竿が入っていないはず。
入れ掛かりになるかも・・・
早朝、国道156号を北上する。
長良川中央は、もちろん無理。
美並もまだ高い。
郡上八幡の街を通りて、勝更大橋から「五町の瀬」をのぞくと無人。
???
引き水どきは、ここが最高の場所のはずだけど。
(このとき少し違和感があった)
でもやりたい放題!
早速、着替えて吉田川合流すぐ上の荒瀬から釣り始める。
手前から丁寧にオトリを入れていくが、何も触らない。
垢はしっかり残っているのに??
瀬の芯も肩もダメ。
・・・何かがおかしい。
毎年、誰かが入れ替わり立ち代わり入った後でも、必ず鮎が掛かる場所なのに。
そこを早々に見切って、上の長い瀬を上流の勝更大橋まで引きながら探り上がるが一匹も掛からない。
底バレもケラレも皆無。
古垢も新垢もダメ。
右岸も左岸もダメ。
橋直下の竿抜けすらカスリもしない。
小一時間で「五町の瀬」を見切る。
この調子だと長良川本流は、どこもダメだろう。
(予定が狂った)
さて、どこへ行こう。
情報は無いが吉田川へ向かう。
馴染みのオトリ屋さんで話を聞くと、吉田川も調子が良くないという。
解禁直後はよく掛かったが、ここ数日はビリ小が中心とのこと。
案の定、釣り人も少ない。
でも、仕方がない。
遊んでいこう。
チャラ瀬はチビ鮎が多いというので強い瀬を狙っていくが、アタリは遠い。
それでも、やっと黄色い良型が掛かる。
だんだん引いていく水位に合わせて、竿抜けだろう柳の際々を狙うと良型が掛かる。
それでも、石裏なんかの緩い流れではチビばかりが邪魔する。
頼むからオトリが弱るので掛からないでほしい(笑)
午後になると、本流から移動してきた人で混んできた。
話をすると、やはり長良川本流も小さい鮎しか掛からないとのこと。
小さい鮎は放流して、なんとか夕方まで20匹を超えた。
それにしても、久々に厳しい釣りだった。
やはり私は、支流のコマゴマした釣りは苦手だ。
早く梅雨が明けて、本流で伸び伸びと釣りがしたい。
郡上の長良川本流は、初期放流の良型は大方釣り切られた感じで、天然遡上のチビが梅雨明けまでに成長したら楽しくなるだろう・・・たぶん(笑)
6月15日(土)
2024年 長良川鮎釣りシーズン始動
長いことブログ更新してせんでしたが、無事生きておりました(笑)
今シーズンも始動しましたのでボチボチ再開いたします。
よろしければ、またお付き合いください。
私の今年の解禁は、6月08日(土)から
長良川中央を見るが5月末の増水の爪痕があちこちに残っており、その後一週間の照り込みでも、まだ垢つきは悪い。
下流域で竿を出してみたい誘惑を抑えて、友人の待つ郡上白鳥まで北上する。
ここまで上がると垢は十分すぎるほどついていた。
でも、解禁から一週間で一番鮎は抜かれているだろうなぁ。
案の定、サイズは小さい。
(写真をとるのも恥ずかしいくらい)
念のため強い瀬の中も探ってみるが音沙汰は無い。
仕方なく、立て竿でチビ鮎と遊ぶが・・・
なんだかなぁ(笑)
翌6月09日(日)
今にも泣きだしそうな曇天の空を見上げながら、ゆっくり朝のコーヒーを飲む。
昨日のような釣りは性に合わないので、釣れなくてもいいから水量の多い下流に向かうことにする。
大和と八幡の堺くらいまで来ると、水量が増えるにつれて釣り人が減ってきた。
解禁初期のセオリーに反して荒瀬を狙うのだ。
昨日までの照り込みで新垢がつきだすタイミングで、解禁からまだ誰も触っていない瀬には一番鮎がついているはず。
引き水時の今日が千載一隅のチャンスだろう。
トコトン「荒瀬バカ」である(笑)
荒瀬の真ん中に立ち、白っぽい石を歩くとタビが滑る。
(やはり新垢がつきはじめている・・・鮎がいれば間違いなく掛かる)
急瀬竿に複合メタル0.1号のベタ竿仕掛け、針は8号、ハリス1.5号。
躊躇なく強気で攻める。
ダメ元で、養殖鮎を荒瀬の白泡から底流れに引き込む。
瞬殺だった。
竿先をひったくったのは真っ黄色のヌルヌル鮎。
それからは怒涛の入れ掛かり。
1時間ちょっとで12匹。
今年の長良川の鮎は、背びれも長くて鱗も細かく、見とれるほど美しい。
場所を移動して新しい荒瀬でも追加する。
やはり荒瀬釣りは面白い。
たくさん掛かったビリは全部放流してもこれだけ。
氷水で絞めてお土産にする。
この時期にしては型揃いの20センチ前後ばかり。
今年の長良川は楽しくなりそうな予感がする。
10/28(土)
日を追うごとに秋色は濃くなっていく。
長良川から夏の喧騒は消え去り、澄んだ青空の下を滔々と流れている。
あれだけ賑やかだった長い瀬にも人影はない。
久しぶりに郡上美並の福手さんのところに遊びにいくと、工房には留守で、奥さんに聞くと川らしい。
早朝から網漁をしてるとのこと。
「昨晩に夕立があっただろう…」
この時期の落ち鮎は、少しの水位変化と濁りをきっかけに一斉に下るのだという。
それも、未明から夜明け頃に群れで動くらしい。
そんな長年の経験による読みで、昨晩に入れた夜網を今朝上げると沢山の鮎が掛かっていたとのことだった。
更に下ってくる鮎を、今度は投げ網で狙っていたのだ。
風も無い小春日和の土手に二人で座り、網を解きながらいろいろな話をした。
福手さんも、もう88歳。
体を心配した奥さんが川に行くのを止めるのだが、どうしても鮎が気になって仕方ないのだと言いながら笑った。
若い頃から、もう何十年も鮎釣りと網漁で生きてきた漁師の血が騒ぐのだ。
尽きない話の途中で突然…
「見てみろ」
と川面を指さした。
いつのまにか鮎の大きな群れが来ていた。
音もなく、すっと立った福手さんの右手には投げ網が握られてる。
水面を睨むそれは「漁師の目」だった。
じっと群れの動きを読んでいる。
直後、右手がピクリと動いた。
迷いも無駄もない一瞬の動きだった。
手から放たれた網が鮎の群れを囲むように広がって川面に落ちたと同時に、手前に小石を投げて鮎を網に追う。
年齢などまったく感じさせない見事な技だった。
覗くと、水中では20匹ほどの鮎が網の中で銀色の身をくねらせていた。
福手さんはゆっくりと舟を出し、慣れた手つきで網を上げていく。
それでも、今年の鮎は小さいという。
網に掛かった鮎を外していると、福手さんが
「今日はそろそろ終わりだな」
と言った。
直後、それまで鏡のように静かだった水面に強い風が吹きだした。
老漁師には、川のことは何でも分かるらしい。
昨年の今頃は一日で60㎏も獲った日があったというが、この日の漁では15㎏。
昼になり、川から舟を上げる。
この古舟も作られてから33年もの長い間、福手さんと一緒に長良川をみてきた。
鮎が落ち終わると、長良川もいよいよ長い冬に向かう。
10/22(日)
葛の葉の隙間からのぞいたミゾソバの花とツユムシ
気づけば夏が終わっていた。
うだるような日差しの中で、嬉々として流れに浸かり鮎を追いかけていた日々。
寝ても覚めても、頭の中は鮎のことでいっぱいだった。
虫取り網をかついで野山を駆け巡っていた夏休み。
五十路になっても、あの頃からまったく成長できない自分がいる。
10/7(土)
今期最終の釣行
天気が良いのは今日だけだろう。
鮎の顔だけでも見たい。
今朝寄った長良中央の矢島オトリ店もこの週末分までしかオトリがないようなので、どちらにしても今シーズンはもう強制終了だ。
踏ん切りがついてちょうどいい。
土曜日は朝から寺瀬。
もう専用区じゃないから釣り人も少ない。
この時期の鮎は、深トロか淵に群れているのは分かっている。
もしくは、チャラの泳がせがセオリーだろう。
だが…
最後まで自分らしい瀬釣で、竿先を引ったくるアタリを記憶に刻んだままオフシーズンを過ごしたい。
単なる自己満足だが譲れない。
しかし、この時期の鮎は私のワガママをきいてはくれなかった。
早速、瀬を一通り探ってみるが留守番の鮎はいない。
やはり、トロか淵でオトリを取って瀬の時合が来るのを待つしかないだろう。
深いトロでは盛んに鮎が跳ねている。
群れ鮎だ。
フロロ仕掛けに替えて泳がせると、面白いように絡んで掛かる。
自分の釣りではないが仕方ない。
そこで掛けたオトリを持って移動し、大淵を狙う。
仕掛けをロングメタルに張り替え、オモリを打って流心の底を引く。
狙いは正解。
淵の底では、良型の黄色いメスが追って掛かる。
午後2時過ぎ、そろそろ瀬の時合が来る頃。
風が出て来たので竿を9.5から9.0mに替えて瀬を狙う。
ガツン、ギューン!
読みは正しかった、やっぱり居た!
黄色いオスが瀬に入ってきていた。
オトリを差す度に、また面白いように目印が飛ぶ。
だが、鮎のサイズの割に竿が硬すぎたのだろう…3つもバラした(涙)
見ていた友人にも笑われてしまった(笑)
それでも午後3時までに20匹。
この時期にしては上出来で、このまま終わっても満足できる釣果だ。
夜は、また釣友達と河原で納竿の大宴会。
私はいつものコック長。
毎週毎週、何やってんだか…(笑涙)
10/8(日)
今日は午後からは雨。
午前中が今シーズン最後の釣りになる。
場所はいつもの御神手洗(オミタラシ)。
釣友達は皆、この時期のセオリー通りにトロを狙いに行く。
私は昨日の釣果で満足したから、今日は徹底して自分らしい釣りをする。
釣れなくてもいい。
もう荒瀬に鮎が居ないのは、先週痛いほど確認している。
それでも今日は「荒瀬のド芯だけを攻める!」と決めた。
もちろん、この時期の荒瀬の真ん中に立つ人など誰もおらず、無人。
やった!やりたい放題だ!(アホ)
傍から見たら、馬鹿にしか見えないだろう。
幸いにも元気なオトリは沢山ある。
釣れても釣れなくても、荒瀬の底流れをノーマル仕掛けのゼロテンションで引く感触だけ体に刻み込んで終わりたい。
「バカの一つ覚え」と言われても、これが確立した私のスタイルなのだ。
そう言い聞かせて、無人の荒瀬に立ち込んでいく。
最後だからなのだろうか…
オトリを沈めると、いつも以上に感覚が研ぎ澄まされている。
荒瀬の中でも、竿先からラインを通じでオトリの泳ぎが水中映像でも見るかのように伝わってくるのだ。
ガンガン瀬の白泡の底、オトリの鼻先を引かずに石から石へと横にスライドさせる。
掛かるはず・・・
そう思った直後。
コン!
ギューン!
居た!!
なんと、そこから黄色いオスの4連チャン。
ギューン!
ギューン!
ギューン!
ギューン!
荒瀬で掛かった鮎の引きを味わうことで、私は生きていることを実感する。
そして、シーズンの終わりに、長良川の荒波に身をあずけて水流に抱かれる。
長良川の流れを全身で受け止めて、その感触を脳裏に刻むのだ。
(聖なるガンジス川で沐浴するヒンズー教徒のように)
…ギューン!
そんなキツイ荒瀬の芯で、まだ良型が追ってくれた。
やはり、荒瀬で釣れたこの日の釣果は全てオスだった。
でも、この時期のオスを引くと…悲しいかな黒くなる。
もう、そういう季節なのだ。
そろそろ納竿しよう…
この日、長良川は最後まで私のワガママに応えてくれた。
実釣3時間で良型ばかり10匹。
シーズン最後の釣行で納得の出来だ。
これで後ろ髪引かれずに納竿できる。
愛竿にもお礼を言いながら仕舞うと、それを待ってくれていたかのように空から冷たい秋の雨が落ちはじめた。
(この日、友人が撮影してくれた鮎たわけ)
今シーズンも長良川でたくさんの新しい友人と知り合うことができた。
また、毎年のように増える釣り友が一緒だからこそ、川でも淋しくない日々が過ごせた。
若い友が成長し追ってくる姿と、人生の先輩の後ろ姿、だからこそ自分の今の在るべき姿が見える。
このブログを通じて関わらせていただいた多くの方々に感謝したい。
そして何より、シーズン中の全ての週末を釣行に費やす「たわけ」を、笑顔で許してくれた妻に感謝したい。
最後に、豊かな長良川の恩恵に感謝し、これが末永く続くことを願ってやまない。
さて、来シーズンまでの半年、何を生きがいに日々を暮らそう(涙涙涙)
鮎シーズンが終わっても、新しい「ディープな世界」でブログを更新しますので見に来てくださいね。
私の友釣りは、追い気のある鮎を掛ける釣りだ。
追わない鮎を引っ掛けるのは友釣りではないと思っている。
だから、必然的に追う鮎が居なくなると納竿するしかないのだ。
今年の長良川も、既に成熟の早い大鮎は落ちて姿を消し、遅くに遡上してきた中小型中心の釣りになっている。
その中小の鮎も成熟して腹が重くなると遊泳力も弱くなるのだろう、流れの強い荒瀬には極端に薄く、ゆるやかな流れの平瀬や淵に群れ始めている。
そんな晩期の鮎でも、一日何度かの短い時間だけは瀬に入ってきて垢を食む。
その時間だけは、追い星もまっ黄色にして果敢に追い合うのだ。
9/30(土)
この日も渇水でシビアな釣りだった。
友人と長良中央のいつもの場所。
石色は明るいが、流れに生命感は薄い。
早朝に数匹掛けるが、日が昇ると瀬の中を金属ラインで引くオトリにはまったく反応がなくなった。
しかたない・・・
フロロラインに張り替えて、剛竿のベタ竿でテンションフリーという必殺技?で、なんとか元気なオトリを泳がす。
やはり、オトリの動きが違うのだろう。
それまで全く掛からなかったのに、追い気満々の黄色い鮎が派手に目印を飛ばして掛かる。
これだけ黄色いのに、引くオトリにはなぜ反応しないのだろうか?
理由は分からないが、結果は正直だ。
そんな釣りで昼までに16匹。
午後からは大移動。
更に長良川中央の下流域へ。
荒瀬好きな二人だから、ヨダレの出そうな無人の瀬に突撃するが・・・
あれ???
スカスカ!(涙)
鮎の気配がない。
時間ばかりが過ぎて既に午後3時半過ぎ。
釣り下りながら諦めかけていた時・・・
突然、夕食みが始まった。
ズキューン!
先ほどまでの沈黙が嘘のよう、オトリを差す度に目印が水面につき刺さる。
型はそれほどでもないが、天然遡上鮎の引きは強烈だ。
まだアタリは続いていたが、秋の夕暮れは早い。
4時半に納竿。
この日の私の釣果は計32匹。
10/01(日)
ついに10月に突入してしまった。
夜半から強い雨
これで水温が下がると、いよいよ季節替わりを告げる雨になるのかもしれない。
朝方の雨が上がるのを待って、ゆっくり竿を出す。
水位が10センチほど上がったが、これで活性は下がってしまったのか?
それとも・・・
本当に大鮎は荒瀬にいないのだろうか?
淡い淡い期待に、またバカの一つ覚えで荒瀬に一人立つ。
(これで釣れなくても本望だ)
案の定、アタリは遠い。
それでもマグレで掛かった?良型のメスを荒瀬のド芯にねじ込む。
直後、コツン??・・・ズッドン!
ほとんど期待していなかったから、不意なアタリに一瞬竿を絞るのが遅れてしまった。
GamakatsuパワーSP荒瀬9.5mが今年一番に大きく曲がる。
まるで一昨日の中秋の満月のように。
最初の走りを止めて流心のこちら側に寄せられなかったのが致命的で、掛かった大物は荒瀬の流芯を突っ切って対岸に走ってしまった。
(これは獲れないかもしれない)
これ以上下られないように、全身で剛竿を絞り耐えていると、フッと竿のテンションが消えた。
ハリ外れだ。
掛かりどころが良くなかったのか浅かったのか・・・仕方ない。
それで集中力が切れたというのは言い訳だろう。
この日は昼12時までに5匹のみで納竿。
一方で、波立ちの無い平瀬の釣り人の竿は頻繁に曲がっていた。
いよいよ、今年の鮎釣りを終わらせなくてはならない日が近いのだろう・・・
PS.
この日、昼に上がって片付けていたら、私の視線がある人から動かせなくなった。
なんと、トンガリ麦わら帽子にタモを乗せ、束ねた竹の郡上竿を担いだ釣り人が歩いているのだ。
麦わら帽子と被りタモは、長良川でもまだ見られるが、竹の郡上竿を実際使う釣り人は、私でもかれこれ10年くらい見ていない。
最初は何かの見間違いかと目を疑ったほどだ。
思わず近寄って話をさせてもらうと、その方は滋賀県から来たKさんで、郡上スタイルに憧れて数年前からこの姿で竹の郡上竿を使って釣っているという。
担いでいる竿は、一目で福手さんの竿と分かった。
やはり、それは福手さんが現役の頃愛用していた4本継ぎの竿を数年前に譲ってもらったものだという。
福手さんも、Kさんに実際に使ってもらって本望に違いない。
私も嬉しくなり、Kさんにブログに載せる許可をいただき撮影させてもらった。
今年長良川中央に来るのは今日で3回目だという。
その竿は4間(7.2m前後)で重さも850gほどあり、現代のカーボン竿とはかけ離れた代物である。
水中糸はナイロンの0.6号の通しで、仕掛けまでも往年の郡上スタイルを貫いていた。
Kさんは自分では「郡上スタイルのコスプレ」だと謙遜していたが、その立ち姿と竿さばきは鮎釣りの経験の長さを物語っていた。
長良川からこの姿の郡上漁師が消えて、もう幾年になるだろう・・・
私ももう見る機会は無いと思っていたが、意外にも県外の方が継いでいてくれたのは大変嬉しかった。
聞くとKさんも私のブログをよくご存じで、来年は長良川で一緒に釣りましょうという話になった。
私も、郡上スタイルの道具は家に山ほどある。
・竹の郡上竿と木製の引き舟
・トンガリ帽子に被りダモ
・ブリキのオトリ缶に木製の道具箱
・肩掛け車掌鞄で腰にはオモリ袋
・足半(なしなか=かかとの無い藁草履)までは無理だろうが・・・
下記は往年の福手氏
古いアルバムから飛び出したような恰好で川に立ち込んだら皆が驚くに違いない(笑)
小心者なので一人では恥ずかしかったが、二人なら少しは和らぐだろう。
来年は本場郡上の長良川で、私もオールド郡上スタイルで郡上抜きをしてみよう。
その時は、やるなら紺染めの法被(はっぴ)も着たいがどこかに売っていないかなぁ。
9/23(土)
赤い彼岸花には「あきらめ」という花言葉があるらしい。
たしかに、ちょうど鮎が追わなくなる時期に咲く花である。
しかし、この日は引水どきの絶好のチャンス。
まだ諦めてなどいられない。
いろいろと準備があって7時過ぎの遅めに到着すると、既に友人が竿を出していた。
水は濁っていたが、ボチボチ掛かるとのこと。
このくらいの高水の方が私は一番面白い。
やっとgamakatsuパワーSP荒瀬9.5mを伸ばす機会が来た。
仕掛けは金属0.3号を7m張って、目印は天井糸についている。
高水、大鮎、ベタ竿の仕様である。
これで、押しの強い荒瀬の底を広く這わせて鮎を掛ける。
午前中、瀬の中では鮎の活性は高かった。
黄色い良型が掛かるが、この竿なら24・25㎝クラスぐらいは簡単に抜ける。
午後3時までに型揃いで26匹。
急にオス・メスがはっきりしてきた感じがする。
オス鮎
メス鮎
夜は、鮎釣り仲間が河原に集まって終盤恒例の大宴会。
なぜか私は料理長におだて上げられ、毎年、十数人分の鮎飯などを作って振る舞う役目。
だから、前夜から材料の準備で大忙しなのだ(笑)
この日も2回に分けて一升の鮎飯を炊いた。
(忙しすぎて写真もなし)
おまけに、私がその日に釣った良型鮎も焚火で塩焼きにして皆でペロリと食べてしまう。
コラ!(怒)
毎年私の釣る鮎ばかりあてにせず、たまには自分が釣った鮎を出しなさい(笑)
そんなこんなで、私は荒瀬の釣り疲れと料理疲れで早く寝てしまうが、皆は夜半まで大盛り上がりしていた。
そして、翌朝は誰よりも早く起きて残った塩焼きで鮎雑炊も作るのだ。
皆も楽しい・美味しいと喜んでくれるから、まあいいか(笑)
9/24(日)
この日は、更に他の仲間も集まって長良川中央でプチ大会。
皆、好き好きの場所に散って昼までの釣果を競う。
もちろん、私一人だけだれもやらないガンガン荒瀬のド芯狙い。
しかし、シーズン終盤の荒瀬は型は良いが数は厳しかった。
トロ場を丁寧に泳がせた人は、小型ながら20匹ぐらい釣っていた。
私は、もちろんダントツ大物賞(笑)
終わって家に帰って成熟度合いを調べたら、先週までとは違って急に精巣も卵巣も大きくなっており、代わりに垢が入った腸はかなり小さくなっていた。
「これじゃ追わなくなるわけだ」
やはり、ヒガンバナは「諦めろ」の合図なのだろうか・・・
PS.
先々週末のこと
長良川中央で鮎釣りの途中に、私のブログのファンだと言うSさんから、
「見てほしいものがあるのだけれど」
と声を掛けられた。
ん???
見せてくれたのは、、、
なんと兄弟舟だった。
(撮影・掲載OKは頂いています)
この引き舟は、そのSさんが私のブログ記事を見てどうしても欲しくなり、同じように苦労して作ったとのこと。
フタから排水口まで忠実に再現している。
それも私より丁寧な作りなのだ。
見事な完コピ。
左が私のホワイト2号、右側がSさん作
更に、SさんはDAIWAファンだと言うことで、オリジナリティも出してあった。
(私のはgamakatsu)
正直今まで、私のブログの記事を見ただけでここまでやる人はいないと思っていた。
その記事
↓ ↓ ↓
理想の引き舟を求めて【第1話】 | 長良川と郡上竿の世界 (ameblo.jp)
それには、並大抵ではない労力と技術が必要なのだ。
しかし、世の中は広い。
私みたいな変人がいたのである(笑笑)
それは、私の一作目のレッド一号の記事を参考に作ったとのことだか、偶然にも私のホワイト二号と同色になっていた。
私のレッド一号
ラッキーだ!
おまけにSさんも荒瀬好きだというから、これで長良川に私の影武者ができたことになる。
今後、あなたが長良川で見る白い大きな引き舟の釣り人は、「鮎たわけ」ではないかもしれない(笑)
波の谷間に命の花が
ふたつ並んで咲いている
兄弟船は親父の形見
兄弟船(1982年発売)
歌 鳥羽一郎 作詞 星野哲郎