ネタ少年
…この大人たちの対応は間違っていたでしょうか?間違っていたのは誰でしょうか?
ネタ少年は、「それは疑似科学じゃなくてカルトだ!」と叫びました。大人たちはマジメに「それはどういう意味ですか?」と議論しようとしました。しかし、ネタ少年は議論のための議論を繰り返し、大人たちの言うことをはなから理解しようとしませんでした。大人たちはそれでもマジメにネタ少年と対話しようとし、何を主張したいのか、大人たちのどこが間違っているのかを聞き出そうとしました。大人たちの多くは、自分たちが青かったころと重ね合わせ、若かりし頃の自分を説得するかのように、恥ずかしさで胸をいっぱいにしながら対応していたかもしれません。
ところが、ネタ少年は、「ただのネタになにマジになってんの?」と言い出しました。これには大人たちは呆れてしまいました。大人たちは、ネタ少年の発言を、「どうせネタでしょ」とマジメに取り合わなくなりました。
ネタ少年は、その後も時々「これは本当」と言いながら、自分の主張を書き連ねました。でも、大人たちは「どうせネタだろ」と思い、マジメに取り合わなくなりました。そして口々に「困った少年だねえ」と言うようになりました。バカにする大人も出始めました。
…この大人たちの対応は間違っているでしょうか?それとも、それでもネタ少年の言うことに耳を傾けるべきでしょうか?大人たちはそれぞれ自分の生活も抱えており、限られた時間を自分の思うところに従ってニセ科学批判にあてているのですが…。
※この物語はフィクションです。
参考:
「詭弁者」 (Interdiciplinary)
「『水からの伝言』は科学を自称していないから疑似科学ではない? 」(NATROMの日記)
「誠実さで判断する/されることのコスト? 」(田部勝也さん)
「求められているのは当たり前の誠実さではないだろうか 」(Skepticism is beautiful)
「議論における誠実さの判断は当事者間だけで行われるものではない 」(A_lie_sunの日記)
今日の江本ブログ1/19
1/19の江本勝のブログ について。
例の、ハドソン河不時着で一人も死者が出なかった件を引き合いに出して、こう言う。
うん、ぼくもまだまだ頑張らなくちゃいけない。きっといつかは世界の人々は、今回のように互いに手を取り合って、助け合うようになってくれるに違いない。もし人々の取るべき航路が的確に示されるならば、と思ったしだいです。そう、世界の人々が互いに手を取り合って、世界の進むべき道へ歩いていかなければならない。
しかし。
まさに、そう。「取るべき航路が的確」でなければならない。
そして、それは江本勝が主張するような「航路」ではない。
江本勝が主張する航路においては、確かに一部の人々は互いに手を取り合うかもしれない。しかし、それで愛だの感謝だの祈っているだけでは世界の進歩はない。具体的に批判するべきは批判し、具体的に改善するべきは改善し、具体的に克服しなければいけないことは克服していかなければならない。あらゆることは具体的に実行されなければならない。祈っているだけでは何も変わらない。百歩譲って(元がゼロだから無限に譲らないといけないのだが)「愛・感謝」で水の結晶が「綺麗」になったところで、そのことは変わらない。問題を具体的に乗り越えない限り、何も変わらないのだ。
さらに言えば、祈ったり念じたりという行為に矮小化することで、具体的な問題への取り組みを弱体化させるという効果さえあるのだ、「水伝」には。
平和な世界、すべての人が人として尊重されて生きることができる世界へ進もうという努力の足を引っ張るのが、「水からの伝言」なのだ。江本勝がどう考えているかは関係ない。彼の意図とは無関係に、「水伝」はそういう役割を持っている。
科学的言辞を弄びつつ、現実世界を見る目を曇らし対応を誤らせるイデオロギーをその中心に抱えるもの、それが「水伝」。あらゆる側面から批判し、孤立化・無力化していく必要があるのだと思う。
「波動」に基づくホメオパシーの検証は可能か?
レメディを、なんのレメディか隠しておいて、それを当てることはできるんでしょうかね。
もちろん科学的には不可能だと思う(「有効」とされる成分がほとんど含まれないくらい希釈するので)し、伝統的な方法ではどうしょうもないとは思うのだけれど、「波動」と結びついた「理論」を信奉している人にとっては、あるレメディがなんに効くレメディか、ってのは、「波動測定器」でわからないといけないもんなんじゃないんでしょうか。
IHM(江本勝の会社)の「波動アストレア」なんかにはホメオパシーのレメディをチェックする付属品もついてたし、これでブラインドテストできますよね?
十分条件ではないけれど、それくらいはレメディが意味のあるものと言えるための必要条件となるんじゃないでしょうか。あくまでも「波動」に基づくホメオパシー理論にとって、ですが。
今日の江本ブログ1/16
…「引き寄せの法則」、ですか。ついに。ついにでもないか。
例の中央大教授の刺殺事件に絡めて、こんなことを言うてはる。
中央大学の教授が、トイレで何者かによって刺殺された。17歳の息子が父親を刺殺した。タクシー運転手が2人も連続して刺殺された。元厚生次官夫婦が刺殺された。秋葉原で無差別刺殺事件が起きた。・・・・・本当に「全く考えられない」ですかね。理解できないような殺人事件はずっと昔から起きているし、統計的には減少傾向にあるのもちょっと調べればわかること。勝手なパターンを見出し過去の「印象」と比較して意味付けをしてしまうのはアリガチではあるのだけれども。
全く考えられないような、恐ろしい刺殺事件が次から次へと起こっています。
なぜこの様に犯罪は同種のものが連鎖して起きるのだろうか?
それはエネルギーである振動の共鳴現象によって惹起されるものと思います。共鳴現象、すなわち引き寄せの法則です。同種のものは引き合うと言う、現象です。
振動は情報でもあります。ですから悪い情報が新聞やテレビ、ラジオで報道されると、それはそれらの悪い振動を潜在的に持つ人を、目覚めさせてしまい、同じような犯罪が次から次へと起きてしまうわけです。
しかし、なあ。悪い振動て。
そこでマスコミの皆さんにお願いです。皆さんで協定して少なくとも3ヶ月間は一切の悪いニュースを報道しないようにしてくれませんでしょうか。そして3ヵ月後に凶悪犯罪の発生率を警察と共同して調べてみて欲しいのです。きっと、驚くようなポジティブな結果が得られると思います。このあたりは心理学でいろいろわかっていることもあるんじゃないかな。
陰謀論にはまる市長
この人が、自分のブログで「辞めてもらいたい議員はだれ?」と問いかけて問題になっている。
→「辞めてもらいたい議員名」投票 阿久根市長自分のブログで募る 1月14日19時5分配信 J-CASTニュース
以前、この方のブログをざっと見た印象では、さもありなん、という感じ。
で、今回のこのニュースで思い出したのだけど、ブクマコメで済ますにはちょっと量が多いし、簡単にエントリにしておく。
この方のブログはこちら。「住民至上主義 」。
まず、左側にある「お気に入り」を見てほしい。ここに、「あれ?」と思われるものが幾つか入っているのがおわかりだろう。「デーヴィッド・アイク」「アンチ・ロスチャイルド」「オルタナティブ通信」「リチャード・コシミズ」「太田龍の時事寸評」…(ビミョーなところは除いてますが)。えーと、現職の市長さんですよね?かなり陰謀論がお好きなようで…。
で、少しブログの内容を見てみると、あるある、陰謀論。たとえばこちら、「陸幕二部別室 」1~4。
この馬鹿げた状態が偶然に続いてきたとは考えられない。大きな強い闇の力が働いていると考えるべきだ。日本を動かしてきた極悪秘密組織の正体が姿を現してきている。
私は、例の『ある金持ち組織』は天皇家や吉田、岸、児玉というメンバーを含んでいると考えている (「別室」)
9・11テロが米国ブッシュ政権による自作自演である可能性
は極めて高いが、米国では次に起こるであろうテロを機会に
FEMAによるクーデターが発動される危険性が高い。(「別室4」)
…はまっちゃってるよ!
まあ御本人がどういう思想をお持ちだろうと構いませんが、これだけでもリーダーとしての資質どうなんだろう、と思ってしまう。もちろん、市長という立場にありながら、今回報道されたような「辞めてもらいたい議員」を自分のブログで募るという方がよっぽど問題ではあるのだけど。
ちなみにこの方、本人の弁
によると、防衛大学校卒、航空自衛隊勤務歴がある。トップがトップだっただけに、陰謀論にハマりやすいのだろうか…(ということもないだろうけど、思わずつなげて考えてしまう)。
残念ながらちょっと消化しきれないので、こういう人もいる、という紹介だけ。