ほたるいかの書きつけ -21ページ目

戦果

 こないだ、某レンタルCD屋に行ったらですね、中古放出品の100円セールをやっていたのですよ。
 で、目を皿のように(ってそんなに大量にあったわけじゃないんですが)して探して、以下の4枚をゲット。どれもナツカシイ。(^^;;
 Metal Church はクリスチャン・メタルではありません。(^^)
 メイク・ア・ディファレンスは…なんというか、激動の時代でしたね。歴史が動くのを実感した頃。世の中って、なかなか変わらないし、ややもするとずっとこのままか、なんて思っちゃうけど、変わる時は変わるんですよね。
 ニック・カーショウは、洋楽を聞き出したころにFMでよくかかってた。たぶん、カセットテープ(笑)の山を探すと、神谷明がやってた番組をエアチェック(大笑)したのが出てくるんじゃないかな。もうないかな。

 そんだけなんですが、これを400円で手に入れられたのが嬉しくて。(^^)
# ビンボが染みついてますな。

Human Factor/Metal Church
¥1,802
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Architect of Fear/Raven
¥2,415
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Make a Difference Foundation: Stairway to Heaven/°Highway to Hell/Various Artists
¥1,995
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日本版はこっち。
ザ・リドル/ニック・カーショウ
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統一協会信者の印鑑販売「会社」幹部逮捕に思うこと

 報道にある通り、印鑑販売会社「新世」の社長ら7名が、特定商取引法違反容疑で逮捕された。社長らは統一協会信者で、さらに購入者を信者に仕立て上げるまでのマニュアルを公安が押収したと言う。

 関連報道記事を挙げておく。
  特定商取法違反容疑で7人逮捕 統一教会関連施設を捜索

  『朝日』2009年6月11日11時15分

  印鑑販売拡大、統一教会幹部が指示か メールを押収

  『朝日』2009年6月12日4時3分

  不安あおり印鑑販売した容疑…統一教会信者を逮捕
  『読売』2009年6月11日15時55分
  印鑑販売→入信…霊感商法事件、統一教会の手順書押収
  『読売』2009年6月13日14時35分

 最後の記事のリードを引用する。

 「先祖が地獄で苦しんでいる」などと迫って高額の印鑑契約を結んだとして、社長らが逮捕された東京・渋谷の印鑑販売会社「新世」の関係先から、印鑑の購入者を世界基督教統一神霊協会(統一教会)に入信させるまでの手順を示した資料を、警視庁公安部が押収していたことがわかった。

 同庁幹部が明らかにした。この手順は、教会幹部の間で「生産ライン」と呼ばれ、初めは信者であることを隠すよう指示した勧誘マニュアルも押収されている。公安部は、同じように信者が印鑑を販売する企業が都内だけでも20社以上あるとみて「霊感商法」の実態解明を急いでいる。


まあ統一協会系のサークル・団体なんていくらでもあるので、こういう形で信者を獲得することが発覚したからと言って今更驚くにはあたらないが、むしろ漸く警察が実態を明らかにし始めた、というところが驚きと言えば驚きか。公安部だし。

 記事を見ると、被害者がどのように勧誘されたかが語られている。
「あなたは今、転機です」。川崎市の女性会社員(39)がJR渋谷駅前で、新世の男性販売員に声をかけられたのは2003年5月。キャリアアップのため大学に通い始めた時期で、手相を見てもらうと、「いい手相だから詳しく見たい」と、近くの新世の事務所に誘われた。

 そこで生年月日や家族構成を細かく聞かれた後、突然、販売員から「あの世でおばあさんが苦しんでいる」「因縁を断ち切るには印鑑が必要」などと印鑑の購入を勧められた。

 「お金がない」と断ったが、1本約12万円の印鑑の購入契約を結ぶまで5時間近くにわたって「絶家する」「結婚できない」と迫られ続けた。

このあとに、約一ヶ月後に再び呼び出され、結局1千万近く被害にあう様子が書いてあるのだが、それは本エントリの趣旨ではない(ひどい話ではあるのだけれど)。

 最初のきっかけは、手相なのだ。

 もちろん、どのように声をかけられたのかこれだけではわからないし、色々な話の一つとして手相が出てきただけかもしれない。断りにくい性格で、ついついついていってしまったのかもしれない。
 だけど。

 1年半ほど前、このブログを始めてから間もない頃、「江原啓之から統一協会への道 」というエントリを書いた。統一協会が勧誘教材として江原の出演したフジの番組「天国からの手紙」を使っていたというもの。江原と統一協会の間にはおそらく関係はないだろうが、やはり親和性はあると見るべきだろう。
 で。

 手相一般について、いまここでどうこう言うつもりはない。こういう形で悪徳商法に利用されるひどい場合もあれば、実際問題手相はどうでもよくて、実態としては人生相談になっているような手相占いもあるのだろう。現状では、人それぞれの付き合い方があるのだと思う。

 ただ思うのは、手相やオーラ、霊に頼る人生でいいのか?ということ。被害者の方に対してではなくて、今の世の中に対して言いたいのだ。手相に頼らざるを得ないようにしたのは誰なのか、と。

 占いやオーラ、霊といったものが持つ最も大きな問題は、それが人から主体性を奪うところにあるのだと思う。つまり、本来自立した人間が自主的に決定すべき判断を、他者に委ねているということだ。
 いまの日本社会においては、自立した人間が、自律的に民主主義社会の主体として行動するということが大前提だろう。そして、政府は国民がそのように主体的に生きられるよう保障すべきだし、なにより教育によりそのような人間を育成する義務が政府にはあると思う(無論、そのような環境を整え、自立した教師が自主的に教育を進められるようにするべきである、という意味で)。

 そう考えると、占いにしろオカルトにしろニセ科学にしろ(全部が全部というわけではないが)、なぜ批判されなければならないかと言えば、人間から主体性を奪うからだ、ということになる。自律的な生き方を阻害する、と言ってもいいかもしれない。だからこそ、「お水様」に教えを乞うような「水伝(水からの伝言)」は問題なのだと思う。血液型で他者を判断する血液型性格判断も、その人を見て判断するのではなく、血液型に判断を委ねているのだ。郵政の問題で総務相が更迭されたが、あれだってそもそも小泉の郵政民営化に端を発しているわけで、そこに国の将来を委ねてしまったというところで同根だと思う。

 そういうわけで、今回の事件を見て思ったのは、個別の悪徳商法をその背後も含めて法で裁ける部分はきっちり裁きつつ、主体的に生きるとは、自律的に生きるとはどういうことかを問うていかなければならないのだということ。そのための科学的思考、そのための批判的思考、なのだと思う。

アパホテルに泊まっちゃったよ

ここんとこ出張が続いてまして、某A氏の相手で精一杯だったのですが。
 先日の出張で泊まったのが、かのアパホテル。私が選んだんじゃなくて(←ここ強調)、別方面から来られる人々が「アパが便利そうなところにあるのでアパ予約しました」というもんだし、別のホテルだと何かと面倒臭い(自分で探さなきゃいけないし…って結局自分で選んでますな^^;;)ので。
 で、となると、例のアレが全客室にあるというウワサは本当なのだろうか…とワクワクドキドキしてくるわけです。
 チェックインして、部屋のドアを開け、電気をつけて机の上を見ると…あったー!!

ほたるいかの書きつけ

…しかしやっぱりApple Town以外は持ち帰り禁止なのね。ケチ。

 ちなみに「Apple Town」では、民主党の山田正彦と元谷外志雄との対談が載っていたりする。まあ馳浩の連載もあるので、要するに自民党も民主党も実質的に同じであるということを物語る冊子になっているわけだが。
 しかしなんで星占いが載ってるかなあ。「毎日が楽しくなる星占い」(Sakura・f)だそうです。仕事運、健康運、恋愛運がわかるよ! …って読者層をどのへんに設定してるんだろう。

 ちなみにホテルとしては特に悪くはありませんでした。普通のビジネスホテル。ちょっと事務的というか機械的というか、そんな感じはしましたけど、この値段だったらよくあるといえばよくあるかな。コイツのホテルだと思わなければ、気持ち良く泊まれるのですが(安いし)。

天安門事件20周年

というわけで、6月4日は天安門事件の日。今年はついに20周年となる。
 天安門事件についての私の思いは一年前に書いた 。だが、私にとってはとても重要な事件だったので、やっぱり今年も(忙しくて「書いた」というアリバイを作るかのようにではあるが)書く。
 香港では1990年以来という15万人がデモに集まったらしい。しかし、中国政府は相変わらずの対応のようで、残念である。
 事件の評価が変わるのはいつのことだろうか。20年間まったく前進がないというわけでもないようなので、いずれ変革の時期を迎えるのだろうが、しかしとはいえ20年である。長い時間だ。20年という区切りの時を迎えても相変わらずの対応を見ていると、まさに経済的土台が成熟しなければ、上部構造たる政治的民主主義(ここでは言論の自由や複数政党制など)は実現しないのではないか、とさえ思えてくる。
 国際人権B規約(自由権規約)への署名は行っているのだから、批准することで民主化をすすめていって欲しいと思う(ちなみに日本は批准してはいるが幾つかの項目-中・高等教育の無償化など-については留保したまである。情けないことに)。
 民主化の道筋はともかく、近い将来、政治的自由が保障された中国が見られることを望む。

ABO FAN「理論」の謎が解けた?

ABO FAN氏とコメント欄で色々やりとりをしていたのだが、ここに来て、幾つか決定的なコメントが出たように思う。
 まず、ここで言っている「ABO FAN理論」について簡単に述べておこう。「ABO FAN『理論』の問題点 」でも述べたが、一言で言うなら、
思い込みがあれば母集団に差が出ることは明らか
ということだ。で、日本人の約7割は「思い込み」(血液型ステレオタイプ)を保持しており、思い込みがあれば「100%」影響があるので、原理的に差が出るのだ、と宣うのである。なお、「100%」ということについてはABO FAN氏自身がこのコメント(#44) で明言している。

> 結局、ステレオタイプを持つ者のうち、何%が影響を受けて性格(あるいは性格の自己報告)が影響されるのか、示せないということですね。

はぁ?
日本語は大丈夫ですか?
私は、#41に「性格心理学の定義では、ステレオタイプを持っていれば、必ず影響されることになます。」と書いてますよ。
要するに100%です。
繰り返しになりますが、私が言うのではなく、性格心理学が言っているのですよ。

ABO FAN 2009-05-17 01:08:51
この発言が出るまで、何人もの人が、「なんで『必ず』なんだ」と質問していたわけだが、これでABO FAN氏は100%である、しかもそれは「性格心理学」によると、などと言ってしまったのである。

ただし注意する必要があって、その後のコメント(#48) ではこんなことも言っている。

> 100%ではないですよね。だったら、JNNデータでたった数ポイントの違いになんてなるわけないんだから。

あのう…。ちゃんと日本語の文章が読めますか?
JNNデータは、そもそも血液型なんかとは関係ない質問ですよ。差が小さくて当然ではないでしょうか?
他の調査は、きちんと差が出そうな項目を選んでいるので、もう少し大きな差が出ているようです。

ところで、最近のFSMさんは、どこかおかしくありませんか?
体調が悪いのかと、少し心配です。
お大事に。

ABO FAN 2009-05-17 08:05:42
心配されちゃったよ!!
…ってのはまあどうでもいいんですが、これによって、一体どっちやねんと心の中でツッコんだ人は少なくないだろう。

で、ここまでは「おさらい」。昨日、決定的とも言える発言が飛び出した。このコメント(#234)。

>> > ステレオタイプは自分についてとは限りません。世間の○型は~で、自分も○型だけど自分は~じゃない、でもいいんですよ。
>> その人は、たぶんステレオタイプを持ってない人ですよ。(苦笑)
> ホント苦笑しますね。ステレオタイプとはなんなのか、調べてから言ってくださいね。

血液型と性格に関係があるという人は、世間の○型と自分の○型が一致する(もちろん、すべて一致する訳ではありませんが)という人ですよね?

>> > 私のABO FANさんへの批判について、ちゃんと具体的に反論してくださいね。
>> 心理学がわからない方には、どうかご遠慮させていただきたく、よろしくお願いします。
> 念のため言っておきますが、心理学以前の、論理の問題ですから。心理学を知らない人でも、ABO FANさんの論理展開のおかしさは理解できますので。

やはり、心理学をわかってないじゃないですか。(*_*)
心理学以前ではなく、「心理学の論理」ですから、s当然のことながら、心理学をわからない限りわかりません。


ABO FAN 2009-06-02 00:11:42
ポイントをもう一度引用します(太字強調は引用者)。
血液型と性格に関係があるという人は、世間の○型と自分の○型が一致する(もちろん、すべて一致する訳ではありませんが)という人ですよね?
さらに、#241(の後半) では、
>> 「ステレオタイプ」の研究は、私が知っているものもいくつかありますが、FSMさんがおっしゃるようなものはなかった、と記憶しています。
>> よろしけれれば、出典をお願いします。
> ABO FANさんが持ってる心理学の文献に載ってると思いますが。

???
これらは、「ステレオタイプは自分についてとは限りません。世間の○型は~で、自分も○型だけど自分は~じゃない、でもいいんですよ。」という内容ではないですよね?
ABO FAN 2009-06-02 01:13:50
とダメ押ししてくれている。言質を取られないように必死になっている様が窺えるが。

ABO FAN氏は、慎重にも、「血液型ステレオタイプとは」と述べるのではなくて、「血液型と性格に関係があるという人は」と述べているが、文脈から血液型ステレオタイプについて述べているとみなされても言い逃れはできまい。まあ、血液型と「性格」の関係の話をしているのに、世間の○型と自分の○型、と血液型同士を比べて何をやりたいの、というツッコミはあるが、ここは言質を取られないよう必死に言葉を選んで結果的にわけがわからなくなったのだろう、きっと。

 さて、血液型ステレオタイプとはそもそもなんだろうか。簡単に言えば、「○型の人は~という性格である」というように、ある特定の集団(この場合は血液型が○型である集団)は、~という典型的な性格を持つ、ということである。念のため、いくつかの文献から引用しておこう。
 ■「手っとり早さ」の魅力
 血液型による性格判断は、それを信じている人にとっては他人を判断するための非常に「手っとり早い」方法です。たとえば、友人を人に紹介するとき、その人の性格を事細かに説明するかわりに、「彼/彼女はA型です」と言うと、その人のイメージがパッと浮かびます。これは、「A型性格」がもっている一般的なイメージを思い浮かべた結果です。このように、ある血液型のイメージから他人の性格を推測することは、簡単で労力を要しません。この「手っとり早さ」が、血液型による性格判断を広めている理由の一つだと考えられます。
 このようなある集団の一般的なイメージをステレオタイプといいます。(以下略)
『不思議現象 なぜ信じるのか』(菊池聡、谷口高士、宮元博章編著)p.141

 ABO式の血液型によって人の性格が異なるという信念は、現代日本に広まっている。詫摩・松井(1985)はこの信念を「血液型ステレオタイプ」と命名した。
 (略)
 ステレオタイプ(STEREOTYPE)は固定的な考え方や行動の仕方を意味する言葉であるが、社会心理学では「特定の集団に属しているという理由で、その集団のメンバーが特有の性質をもっているという信念で、その社会に広く普及したもの」を社会的ステレオタイプと呼んでいる。たとえば、「フランス人は芸術的センスがよい」という信念は、フランスという国(集団)に属している人(フランス人)がすべて、芸術的センスという特有の性質をもっているという信念を意味するので、社会的ステレオタイプの一つと考えられる。A型B型という血液型によって性格が異なるという信念も、特定の血液型と個人の性質を結び付けており、社会的ステレオタイプの一つとみなすことができる。
「分析手法からみた『血液型性格学』」(松井豊、『現代のエスプリ』324, p.114)

 ABO式血液型の四カテゴリーによって人を分類し、同じ血液型の人に同じ性格をあてはめるという思考様式は、人種や性別によって人を判断するのと同様にステレオタイプの一種とされている。
「血液型ステレオタイプの解消と変容」(上瀬由美子、『現代のエスプリ』324, p.146)

 詫摩・松井(1985)は、血液型性格判断を一種のステレオタイプであると考え、血液型と性格との関連性について人々が持っている信念を「血液型ステレオタイプ」と命名した。「血液型ステレオタイプ」とは、血液型と性格の間には何らかの関連性がある(血液型が違えば性格も違う)とする信念である。
「血液型ステレオタイプ形成におけるプロトタイプとイグゼンプラの役割」渡辺席子、社会心理学研究、10, p.77 (1994)

という具合にABO FANさんが持ってそうな文献から列挙したけれども、集団についての偏見なのである。決して自分についてではない(もちろん自分が含まれていても構わないが)。松井さんの例で言えば、自分に当てはまるものがステレオタイプならば、フランス人は芸術的センスがよいというステレオタイプはフランス人しか持てなくなってしまうではないか!

 で、ABO FAN氏の勘違いを明確にしたところで、ではABO FAN氏がそのように勘違いしていると仮定すると、「ABO FAN理論」はどのように解釈できるか考えてみよう。
 …いやまあ考えるまでもないですね。自分に当てはまるものを血液型ステレオタイプと称するなら、そりゃステレオタイプを保有している人は100%影響出るわな。でも、日本人の7割が持ってるステレオタイプって、そんなんじゃないですよね。山崎・坂元論文の前調査で、JNNデータの性格特性についての質問項目のそれぞれが、どの血液型の性格そうかを答えさせることによって、ステレオタイプに基づく「○型的性格」というのを作っていたけれども、あれだって自分と違う血液型についても答えていたわけで、その時点で自分に当てはまるかどうかは問題ではない。

 というわけで、半年ほど前に出されたABO FAN氏についての人物評について、ちょっと修正(あるいは補足)が必要かもしれない。これね→「ニセ科学批判について読んでいく中で出てきそうな人物」

論理 破綻 が激しく、論理破綻 しており、破綻 した論理 を展開する。

知っている単語を繰り返す。意図 しているかは不明だが、クオート・マイニング を駆使する。

えーと、書いたの私じゃありませんよ?(と今更一応言ってみる)。
 ABO FAN氏の論理が破綻しているのは明らかなのだが、今回の件で、破綻の一因に前提を誤って理解しているというのがかなり大きいのでは、という気がした。もちろんそれ以外の論理も破綻しているので、あくまでも一因だが。しかし、こういう重要な概念について適当なことを言っておいて、心理学は御存知ないだの散々言ってくれたなあ。

 なんていうかなあ、私は哀しいですよ、とっても。そこかぁ~っ!!ガクっ…というような…。