次世代を担う子供たちの現在そして未来 -55ページ目

2013年度版「中学生でも解ける大学入試問題(数学)」その3

第3弾は,早稲田大学政経学部の大問4です。


 新課程として数学Aに登場した「整数」の派生版として,この冬中学生に解かせた「慶應志木の入試問題」の類題(高校入試の方が難しい!)でした。


自然数の組(x,y,z)が等式x^2+y^2=z^2を満たすとする。

(1)すべての自然数nについて,n^2を4で割ったときの余りは0か1であることを示せ。

(2)xとyの少なくとも一方が偶数であることを示せ。

(3)xが偶数,yが奇数であるとする。このとき,xが4の倍数であることを示せ。


 ではさっそく(1)から考えていきましょう。難関高校受験志望の中学生なら,受験直前期には10分以内で解ききれてほしいレベルの問題です。


(1)自然数nが奇数,偶数のときに分けて考える。

 (A)奇数のとき 自然数kを用いて,n=2k-1 n^2=(2k-1)^2=4(k^2-k)+1 であるから,4で割った余りは1

 (B)偶数のとき 自然数kを用いて,n=2k n^2=4k^2 であるから,4で割った余りは0

よって,n^2を4で割った余りは,必ず0か1のいずれかとなる。



(2)中学生であっても背理法の考え方には慣れておきましょう。

 x,yをともに奇数であると仮定する。(1)より,x^2,y^2,z^2をそれぞれ4で割った余りは1である。このとき,x^2+y^2を4で割った余りは2となるが,このとき,4で割った余りについて等式x^2+y^2=z^2の条件に矛盾する。よって,xかyのどちらか一方は偶数。



(3) (1),(2)より,xが偶数,yが奇数のとき,zは奇数

自然数p,q,rを用いて,x=2p,y=2q-1,z=2r-1とおいて等式x^2+y^2=z^2に代入すれば

 

 (2p)^2+(2q-1)^2=(2r-1)^2 両辺を4で割って,

  p^2=r^2-r-q^2+q=r(r-1)-q(q-1)


 ここで,rとr-1は連続する2数であるからどちらかが偶数。よって,r(r-1)も偶数。同様にq(q-1)も偶数であるから,p^2も必ず偶数となる。したがって,pも偶数(p=2s,sは自然数)。


 よって,x=2p=2×2s=4s であるから,必ず4の倍数となる。


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2013年度版「中学生でも解ける大学入試問題(数学)」その2

 第2弾も,立命館大学(薬学部)からです。大問1(4)


1から5までの数字を1つずつ書いたカードが1枚ずつ,合計5枚のカードが箱に入っている。この箱から無作為にカードを1枚取り出し,カードの数字を記録して箱に戻す。この操作を4回繰り返すとき,次の確率を求めよ。ただし,答えは既約分数にすること。


(a)記録された4つの数の和が奇数となる確率を求めよ。

(b)記録された4つの数の積が6の倍数となる確率を求めよ。


では,さっそく(a)から見ていくことにします。


(a)4つの数を「最初の2数の和」「あとの2数の和」に分けてみれば,公立高校入試レベルになります。

1回の試行で奇数のカードを取り出す確率は3/5,偶数のカードを取り出す確率は2/5だから,


2つの数の和が偶数になる確率は,

「偶→偶」と選んだときの2/5×2/5=4/25・・・①

「奇→奇」と選んだときの3/5×3/5=9/25・・・②

を考え,①+②=13/25 よって,2数の和が奇数になる確率は1-13/25=12/25


求める確率は,(最初の2数の和,あとの2数の和)=(奇,偶),(偶,奇)となる場合を考えて,

13/25×12/25+12/25×13/25=312/625



(b)余事象を用いて基本通りに考えてみます。

A・・・4数ともに3以外 (4/5)^4=256/625・・・③

B・・・4数ともに奇数  (3/5)^4= 81/625・・・④


ただし,AとBの共通部分をダブルカウントしていることを忘れないように。

共通部分(4数ともに1または5) (2/5)^4=16/625・・・⑤


よって,求める確率=1-(③+④-⑤)=1-321/625=304/625


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2013年度版「中学生でも解ける大学入試問題(数学)」その1

 今年もこの季節がやってまいりましたw


 自分自身のデータベースとして,あるいは難関高校志望の中学生や私立中学生を指導されている皆様のネタとして,このシリーズが機能することを願っています。


今年度の第1弾は,立命館大学(薬学部)大問1(1)です。


四角形ABCDにおいて,AB=5,BC=3ルート2,∠ABC=45°,∠DAB=∠BCD=90°であるとき,


対角線ACの長さを求めよ。

対角線BDの長さを求めよ。


という問題。中学生にとって慣れないのは「図がない」という1点だけ。図を描く時間も含めて3分以内で解ききればOKでしょう。


では,中学生仕様の解説です。


(対角線AC)

 CからABに下ろした垂線の足をHとおくと,△CHBは直角二等辺三角形であるから,BC=3ルート2を用いて,CH=HB=3 よって,AH=2

 ここで,△AHCに三平方の定理を用いて,AC^2=2^2+3^2 

∴AC=ルート13


(対角線BD)

 ∠DAB=∠BCD=90°より,BDは四角形ABCDの外接円の直径。外接円の中心をOとおくと,∠ABC=45°であるから,∠AOC=90°AO=R(半径)とおくと,AO:AC=1:ルート2より,

 R=ルート13/ルート2=ルート26/2 

∴BD=2R=ルート26


余弦定理,正弦定理無しで解ききれてしまいますので中学生にもお勧めです。



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2013年度埼玉県公立高校入試数学大問3 の話+α

2013年度の埼玉県公立高校入試が,3月4日に行われた。

最近高校入試の最前線から離れたところにいたので・・・,なんて軽く思っていたらビックリ。


一昔前なら「難関私立高校受験生向け」のレベルにあたる問題が,チラホラ出題されている。

例えば,この大問3(2)。

次世代を担う子供たちの現在そして未来


 公立中学のカリキュラムが「二次関数→相似」と進むので,いわゆる「座標平面上の図形」とよばれる融合問題は,それなりの塾とそれなりの教材を使って学校に頼らず準備をしてかなければならない。


ところが,この問題である。


図を見ながら考えてほしいが,BD:DC=1:3であれば公立生向けの問題としても理解ができる。

しかし,「AB:BC=1:3」となれば話は別である。


青山学院ではかつて同じ形で「AB:BC=1:8」の出題例があるし,慶應女子高でも(96年)pだとqだのといった文字が多数出てくるとはいえ全く同じ「AB:BC=1:3」が題材になっている。


こういった具体的な出題例を挙げると,この大問3(2)が「いわゆる普通の中学生」にとって,いかにハードルの高い1問であるかがおわかりいだだけるのではないだろうか。


この問題の詳しい解説をここで進めていくつもりはないが,一応ヒントだけ書いておくと,


難関高校受験生なら「AB:BD:DC=1:1:2」にすぐ気づくよ

(Bのy座標:Cのy座標=1:4だから)


となる。受験生諸君はこの後をしっかり考え,学校や塾の先生に相談してみよう。



結局何が言いたかったかというと,


「いまどきの公立高校入試問題(数学)」を舐めたらアカン


ということ。易しい問題を大量に解いて「絶対にミスをしないロボットのような仕上がり」が求められたのはもう昔のこと。「100点持ちの減点法(何問ミスしたかで決まる)」ではなく,「0点から何点積み上げられるか」という思考・準備が求められている。


 だから,普段の勉強からして「教科書ワークレベルの問題を何度も何度も解きなおすだけ」では通用しなくなっているのだ。もちろん基礎基本を頭と身体にしみ込ませる過程においては,解きなおしも必要だ。


でも,それが中1・中2の段階であったとしてもそれだけじゃダメ


正解まで至る途中経過に「いくつもの手数を要する」問題に触れ,慣れておくこと。


 特に保護者の方々は,目先のテストの結果(得点)だけで判断するのではなく,その中身まで吟味してほしい。今はそんな時代なのだ。これが「脱ゆとり」。


言い方を変えよう。大学受験で「中高一貫生たちと同じ土俵で闘う」ことを想定しているのであれば,上記のような「隠れた準備」は保護者・生徒にとってマストであるということだ。





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4月からは次のステージに向かいます

本日の授業を持って,私の早稲田塾における役割はすべて終了しま
した。

 2010年度から3年間,現役高校生専門塾に中学生部門を作り
軌道に乗せるミッションに沿って仕事を続けてきました。途中震災
もあり,自分の力不足も重なって紆余曲折がありましたが,何とか
3年で道筋をつけることができたと思います。

 自分の仕事はこういうもの。立ち上げて道筋をつけたら「大きく
育ててくれる方」に引き継ぐ。寂しいなんて言ってるヒマはありま
せん。

 ちょっと3月だけはゆっくりしますが,4月以降は色々と新しい
ステージに挑戦していきたいと思ってます。
「こわれた数学治します」のコンセプトで気づいたこと,学んだことを次のステージで活かしていきたいと思います。



 早稲田塾の皆様に花をいただきました。最後までお気遣いいただ
きまして本当に感謝しています。有難うございました。

次世代を担う子供たちの現在そして未来