武雄市で始まる「官民一体型小学校」について3
その1で述べた
(2)文科省が容認した(のだからいいものだ),は肯定できる理由にならない
について確認しておきましょう。ここについて,私はかなりひねくれた見方をしています。
文科省が容認したのは,その中身が素晴らしいからというより「自分たちが責任を取らなくてよいから」という側面の方が強いのではないか?
という疑問を持っているからです。市長が自ら実験してくれて,ダメだったときは非難の声をかぶってくれるのですから,今回の試みを否定する筋合いがないのです。
ちょっと考えればわかるのですが,塾の場合「やってみなはれ」が考え方の中心になります。チャレンジして失敗しても,撤退するなり視点を変えて再チャレンジするなりすればいい。児童生徒にも同じことを示し教えるのですから。でも学校は違う。ゆとりの失敗で懲りているはずなのですが,その施策に「失敗は許されない」はずです。そこに関わった子どもたちに影響があるし,それを選択したのは自分,自己責任」とはならないからです。
このプロジェクトの特別顧問は,かつて都内のとある公立中学校に進学塾を入れて放課後講座を始めた方です。その時の経緯をお忘れの方もいらっしゃると思いますが,
その講座がどうなったのか
この校長はその後どういう動きをとったのか
そして,提携した塾がその後どうなったのか
をチェックしてみれば,結局のところ「話題作り」のほうが強かったのかな?と思わざるを得ません。
放課後講座なら,希望制である限り許される側面もあるでしょう。
今回は「受験」とは関係ない小学生に,放課後だけでなく正規のシステムとして塾が関わるのです。このシステムも,市長の支持も,契約期間である10年間ずっと世に求められ続けるとは限らないのに。
そんなシステムを,自己責任ではなく受容しなければならない
となれば,自分だったらもう少し熟考すると思います・・・。
最後に。これだけはハッキリ言えます。
この市長の勇気と決断力は凄い
と。評価が二極化するシステムを,学校に導入しようとする勇気は誰にでもできることではない。ただし,今の段階で凄いと思えるのは勇気だけ。これからの実行力のほうが何十倍も凄くないと,この取組みは頓挫してしまいます。
武雄市で始まる「官民一体型小学校」について2
さて,昨日の続き(昨日の記事はコチラ )です。
文調も変えて,より客観的に自分の考えを整理していきます。
(1)あの市長のやり方や,塾のメソッドに対する「好き・嫌い」をベースにして論を組み立ててはいけない
twitterなどで意見を拾ってみると,「好き・嫌い」論に終始している人が多いですね。市長が取り組もうとしている改革・提携する塾のメソッドにケチをつける筋合いは私にはありません。
この提携塾の本部がさいたま市にあるってことも影響して,私にもこの塾の評判はよく聞こえてきます。理念がハッキリしていてわかりやすく,それを体現することが可能なので賛同される保護者は多いようです。
私が関心を持っているのは,
・このメソッドがはたして「誰にでも体現可能なもの」になるのかどうか
・先生方が「この塾のメソッドをただコピーするだけのスタッフ」になることに抵抗を示さないのか
の2点です。私は過去に,学校と民間が手を組んだプロジェクトにおいて「この2つの要因」で頓挫してしまったものを見たことがありますから。
まず前者。メソッドが共有されているはずの塾内であっても「指導者による授業レベルの差」は生じるものです。メソッドの体現者が行う授業が素晴らしいことは,学校に導入しようとしているくらいですから当たり前のことであって,解決すべき問題があるとすれば,
それ以外の指導者が行う授業のクオリティがどこまで高いレベルで均質化されるか
に尽きるのです。まずはこのメソッドが,塾で「誰がやっても授業のレベルが高く,効果が出ている」ものであってほしいものです。
そのノウハウを学校に移植するならば,現場の先生方にも必ずや理念が伝わることでしょう。
次に後者。これは言うまでもありませんね。うちの嫁のように「この塾のメソッドはパフォーマンスくさい」と否定的な意見を持つ人も存在して当たり前です。だけど,トップの方針だからシブシブだろうが何だろうが従わなければならない。現場の先生方の混乱や抵抗がないということは考えられません。
よって,市長はじめ決断した人たちは,責任を持って現場の先生方に理念を理解してもらい,本当に「これは素晴らしい」と思ってもらわない努力を続ける必要があります。トップダウンで「決まったことだから,やれ」というと失敗しますね。それがあと1年で間に合うのかどうか,自分にとってもこの仮説の検証は重要な意味を持っています。
武雄市で始まる「官民一体型小学校」について1
佐賀県武雄市は4月17日、公立小学校と民間学習塾「花まる学習会」による「官民一体型学校」を創設する..........≪続きを読む≫
「官」のシステムに「民」が乗っかる教育というのは,私立小学校のことだと思っていたのだが。
しかし、これからの成熟社会を生き抜くためには、今まで以上に自分の頭で考え、未来を切り拓いていく力が求められるとして、武雄市では公立学校という「官」のシステムに「民」のノウハウや活力を融合させた「民間一体型」の学校を創設する。
これが「希望制」というのであれば「信じる者が信じる道を進む」ということで,誰も話題にすらしないことだろう。ところが公立小学校として,どこかの学区の児童が否応なく通うことになるというのであれば,ちょっと話が違ってくる。まず国立小学校で実験してからにしてよ,と考える親もたくさんいるだろう。
自分の子どもがここに通う,となれば私だって反応は微妙になる。この取組みは「チャレンジ」なのか「冒険」なのか。前者は,失敗してもやり直せるもの・成功するまで続けることに意義があるものだと思う。そして後者は「失敗すると致命傷を負うもの」だ。私自身でいえば,マンション購入はまさに冒険。
もしもこの取組みが失敗に終わったら,自分の子どもはどうなってしまうのか。その姿が見えないだけに不安が募る。よって「冒険はしてほしくない」と自分自身ならば考える。だって,成功したときに得られるアドバンテージも見えないから。
だけど,実際には自分は傍観者。だから「冷静に客観的にこの騒ぎを見つめなくてはならない」という想いが強い。
注意しておかないといけないことがいくつかあって,
(1)あの市長のやり方や,塾のメソッドに対する「好き・嫌い」をベースにして論を組み立ててはいけない
(2)文科省が容認した(のだからいいものだ),は肯定できる理由にならない
あたりは,自身が強く肝に銘じておかないと見誤る原因になるかな。
(続く)
職業病
今日は朝から用事があり、久々に「某ファーストフード店」で時間を調整した。
この街は東京でも有数の「おしゃれスポット」の1つで、この店はおそらく大繁盛店なんだろう。
ところが…
(1)朝だというのに客席がうす暗い
(2)座席のロングシートはボロボロで、ガムテープで修繕してある始末
(3)店内掲示用の木製掲示板もボロボロで、白の塗装がはげかけている
うーん、これでは商品の品質以前の問題だ。
ちょっとお金をかけられる層なら2度といかないだろう。だって綺麗じゃないもの。
このチェーン店は、うちの子が幼稚園の頃には「ここでお誕生会をやるのがトレンド」だったものだ。それが今では。
はやらないラーメン屋でもやらないような修繕シートで、どこのお母さんがお誕生会をやるもんかね。
品質とか価格とか、の以前に「客が見放す大問題」に気づいていないのだろう。
これじゃあ売り上げも落ちるはずだ。
これは塾予備校にもあてはまる。何教室も展開している大手塾だと「どの校舎でも均質なサービスを展開する」必要があるから、その管理方法はファーストフードやコンビニ業界、あるいはホテル業界に近い。
マニュアルを遵守することも大切だけど、自身の目でサービスの質をチェックできない従業員ばかりになると、あっという間に業績は落ちる。
内装などは無駄に豪華で中身はボロボロ、という塾予備校もあるけれど、その逆もダメなんだよね。
ちなみに、自分が学校や塾予備校を見学する機会がある時に必ずチェックするのは
トイレ
黒板消し イレーサー
かな。トイレはともかく黒板消しは意外に思われるかもしれない。
ここがボロボロでも平気なところは、日々の授業を軽視しているに等しいと自分では判断している。
飛ぶボール,飛ばないボール
久しぶりに野球の話。
ニュース等でご存じの方も多いと思いますが,現在プロ野球で使用しているボールは違反状態にあるらしいですね(記事リンクはこちら )。
いわゆる「飛ぶボール」になっていて,どうやら規定より2mくらい飛距離が違うとか。でも,10年くらい前の「飛びすぎるボール」に比べたらまだまだ飛ばないわけですが。
野球選手の生活や記録に関わってくるので,基準は基準として遵守する必要があるけれど,
2011年,2012年の「低反発球(飛ばないボール)」よりマシ
と自分は強く思う。2011年のホークスは投手陣が盤石だったのでこのボールの恩恵を受けて独走したけれど,プロ野球全体のことを考えたら「球場に行ってもホームランが出ない」ってのはつまらない。
「軽い気持ちで球場に足を運ぶ」って人(特に若者)が減ると,野球はあっという間に年寄りの娯楽になって衰退してしまう(注:今年のナゴヤドームの観客動員数には注目してほしい。トランペットがなくなるだけでどこまで動員が減るのだろう)。
2-1とか1-0の投手戦は我々のようなファンには面白いけれど,「選手のこともあまり知らない」「セットアッパー?何それ?」という人たちには,動きがあって点が入るほうが面白い。
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