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☆☆☆☆★
『大人の』教養の育て方の本でもある。
子どもを育てながら、親も成長したいもの。
教養を身に付けるための書籍が具体的に紹介されていてわかりやすい。







ヒッグス粒子の発見が世間をにぎわせていたので、素粒子物理学について理解したいと思い、読んでみた。
とはいうものの、本書にはヒッグス粒子については全く言及されていないが、サブタイトルのとおり素粒子物理学の最前線について、わかりやすく説明されている。
ミクロの世界を解明するために、巨大な施設を作り莫大な経費をかけて実験を行うそのギャップが何とも印象的である。すぐに世の中に役立つとは言えない研究に多額の税金を費やすのはいかがなものかという意見もあろうが、人類の知的好奇心を止めることはできないし、そうした営みが人類の進化を支えてきたのだろうなと思う。
多田将さんの風貌やユーモアあふれる解説もおもしろい。
首相暗殺事件の濡れ衣を着せられた主人公の逃走劇。随分とスケールの大きな物語になっている。
最後に全ての事実が明らかにされるといったスッキリ感はないが、仮に、複雑な背景がありそうな首相暗殺事件の真相を説明して物語を完結させようとすれば、何か非現実的なもの、子供じみたものになってしまうし、かといって読者を煙に巻くようなストレスのたまる終わり方でもないので、そのあたりの頃合いが絶妙といえよう。
伊坂作品は、他に「重力ピエロ」と「グラスホッパー」ぐらいしか読んだことがないが、権威や権力に対する反感・嫌悪感が根底にあるようだ。しかも、この作品では、主人公がドンキホーテよろしく権威や権力に真っ向勝負するのではない。
主人公の親友の言葉 「おまえは逃げるしかねえってことだ。いいか、青柳、逃げろよ。無様な姿を晒してもいいから、とにかく逃げて、生きろ。人間、生きててなんぼだ」
また、主人公の父親はテレビに向かって言う。「雅春、ちゃっちゃと逃げろ」
正々堂々と闘って玉砕する美学もあるが、格好よくはなくても、弱いものが強いものに対抗するため、時には逃げて生き抜くのもアリかなと思う。
著者は北里大学医学部教授で顕微解剖学を専門としている。本書により顕微鏡を通した多彩な細胞の姿を見ることができる。細胞の主だった構成要素やその働きを改めて勉強してみたいと思っていたところ、帯で福岡伸一が「これは至高の芸術作品である」と大絶賛していたので手に取ってみた。
前半は、多くの細胞に見られる、細胞膜、核、ミトコンドリアといった細胞の基本的な要素の解説があり、後半は、血球、運動器官、神経、消化器官等、生物の様々な器官や組織ごとに、その活動を支えている特徴的な細胞が紹介されている。受精卵という一つの細胞が分裂を繰り返して、各器官の役割を担うために見事に分化を遂げた姿を見てとれる。
基本的に、1つの細胞について、新書の見開きの右側に解説があり、左側に関連写真が掲載されるという体裁をとっている。細胞に対する深い知識を持たず、また、顕微鏡を通じて細胞の微細な構造を撮影することの難しさを知らないので、本書の「芸術性」までは理解できなかったが、途中のコラムには顕微鏡の技術進歩や顕微鏡で観察するための技術を解説する記述も多く、著者の職人的な思い入れが随所に感じられる。
細胞の構成要素の形状やふるまいが豊かな表現力でもって、時にはユーモアを交えて説明されており、中学校の生物の授業どまりだった細胞についての知識が多少は深まったと思う。