凄い大雪だった。・・・東京で、こんな雪が降るとは思わなかった。
さて、このところずっと何年も、ジュエリーCADは、激しく盛り下がっているわけだが、その理由は簡単である。
難しすぎたのだ。・・・
多くの人が、とりあえずやってみたが、到底、手に負えないということが判ったここ5~6年だったと云えるだろう。
それというのも、ただCADそれ自体が難しいというだけでなく、CAD自体はマスターしても、それで製品としてモノになる「ジュエリー」を作るのが難しいということである。
どんなに上手いジュエリーCADクリエイターでも、例えば、車とか、船とか、違うものを作ると、たちどころに、困ってしまう。
というのは、それらのデザインの何たるかを知らないからである。
逆もまた真なりで、カーデザインなどで鳴らしたという人が、ジュエリーに参入してきて、歯が立たなかったということは、普通にあることである。
何故って、ジュエリーを知らないからだ。・・・
ジュエリーを作るには、知らなければならないことが山ほどある。
デザインの流れというのもあるし、物理的、技術的にも、キャストは、造型機は、切削は、磨きは、石留めは、地金や、石の性質も、ある程度はイメージできないと、まともなジュエリーなど出来はしない。
結局、手作りなども知り尽くしたプロで無いと、まともなジュエリー原型など出来ないのだ。
そのことにみんなが気が付いたここ何年かだったというわけだ。
もちろんCAD王子などのように、恵まれたサポートが受けられる環境にいる人は、ジュエリーCADをマスターすれば、短期間で、「ジュエリー」が創れるようになることもあるが、大抵の人は、ジュエリーCADスクールに行くお金くらいは有っても、そのあと、データの未熟により、失敗続きの造型代などの負担が重過ぎて、挫折するというのが、よくあるケースだ。
「スクーデリア EVANCE」の生徒にも一番多かったパターンだが、実は、一番上手くいくのは、もともと手作り職人さんだった人が、CADを習うケースである。
事実、業界でも、ジュエリーCADの達人として知られている人たちも、ほぼ例外なくこのタイプである。
素人でも、ジュエリーが作れるという触れ込みのジュエリーCADだったが、結果を見ると、この通りのシビアで残酷な結果である。
結局、プロで無いと、プロレベルの仕事をこなすのは、殆んど不可能だという、当たり前といえば、当たり前の結論が証明されたということだ。(もちろん、何事にも少数だが、例外ということは有る。)
今度また、ジュエリーショップ用の、誰にでも出来る?(笑)ジュエリーCADが発売されるようだが、ド素人の作ったデーターがそのまままともなジュエリーになると信じる人は、ここ何年かで学習したので、最早、もういないだろうと思うのである。
ジュエリーCADは、勝手に、素敵なジュエリーを作り出してくれる。魔法の道具ではない。
いろいろな人がいろいろなところで云っているが、ただのツールに過ぎないのだ。
約まる所、使う人を選ぶのである。
いくら見た目が簡単そうでも、ほんとうに簡単に出来るジュエリーCADなど、どこにも無いのだ。・・・
コマンド数が少なく、操作が簡単で、覚えることが少ないCADシステムは、出来ることも限られてくるだけのことである。
これまでにも、簡単に出来るというのがウリの香港製のやつとか、フャイヤー何たらとか有ったが、みんな消えていった。・・・
で、結局のところまた、プロの時代に逆戻りだなあ。・・・というより、何も変わっていない?(苦笑)
ここで宣伝だが、IJTでプロモーションする新プロジェクトは、まさに、プロ中のプロが、サポートを担当するというのが、ウリである。・・・なんでもそうだが、結局最後は、マンパワーだということだ。