上手なこと、好きなこと。
キース・リチャーズは、ギターが上手いだろうか。
三浦知良は、サッカーが上手いだろうか。
スティーブ・ジョブズは、会社経営が上手いだろうか。
ついでだが、園山真希絵さんの料理は旨いのか?
たぶん上手いのだろう。
でも、もっと上手な人はたくさんいる気がする。
長く続けられる力。結局そこかもね。
そんなことで仕事を決めていいのかって?
好きなことを仕事にしていいのかって?
うん、わかるよその気持ち。
実は俺もそうだったから。
好きなことを仕事にして、
もし一丁前になれなかったらショックだもんね。
いま考えるとビビッてたな~。
大丈夫。それでいいんだよ。
というか、それしかないよ。
逆に言えば、
いちばん続いていることが、
君の好きなことなんだ。
大事なことは単純の裏側に隠れてる。
見つけるのはちょっと面倒だけど、
必ずあるよ。
ふかいことをゆかいに。
むずかしいことをやさしく、
やさしいことをふかく、
ふかいことをゆかいに、
ゆかいなことをまじめに。
高校の大先輩である、故・井上ひさしさんが
色紙によく書いた言葉です。
それをそのまま、わたしの行動指針にさせてもらっています。
「行動指針」って固いなぁ。
迷ったらここに戻ろう!
という心のよりどころですかね。
言葉はやさしいのですが、
実行するのはとっても難しい。
とくに「ふかいことをゆかいに」。
いろいろな意味で余裕がないと、
こんな視点を持てません。
しかも、自分だけじゃなく
周りを愉快にすることに意味があるわけですからね。
でもですね。
難しいからこそ、一生をかけて
挑戦する価値があるともいえます。
開高健さんも、
「右足で一歩一歩歩きつつ、左足で跳べ」
と言っています。
長い時間をかけた挑戦です。
昨夜の深酒の反省と懺悔を込めて記す。
なくしたのは体力か、意志の力か。
明日の朝は、仕事でバタバタするので
いま走ってきました。
悔しい。
いつものコースを、なかなかフルで走れない。
最後の坂(麻布十番~六本木)の途中で、
ギブアップしてしまうことが多い。
若いときはボロボロになっても走り切る
根性(意志?)があったと思います。
つまりこれが、自分の現状なのか。
なくしたのは体力じゃなく、意志の力なのか。
違う。認めたくない。
ポイントは、最後の坂までにどれだけ体力を残しているか。
全体の走るペースをちょっと落としてみよう。
もっと歩幅を小さく、腕をより振ってみよう。
携帯はじゃまなので持たないでいこう。
考えてみると、やれることはまだまだ残されています。
明日は今日より、ちょっとだけがんばろう。
毎日が自己ベスト更新でいけばいいんだ。
小学校の標語みたいで気恥ずかしいですが、
いまの自分にとって大事なことのように思えるのです。
ここが踏ん張りどころなのでしょう。
優しい先輩が怖くなったとき。
6月になりました。
あと1か月もすれば、夏の甲子園大会の県予選が各地で始まります。
ちょうどいまは、各チームともベンチ入り(登録)メンバーが決まって
仕上げモードに入った時期ではないでしょうか。
県予選のベンチ入りメンバーは、県によって違いはありますが
20人弱くらいです。わたしのころは18人だったと思います。
当時のチームは1-3年生合わせて40人くらいいました。
各学年15人程度でしょうか。
仕上げモードの時期になると、
練習はベンチ入りメンバーが中心になります。
中心じゃないですね。ベンチ入りメンバーのため“だけ”の練習。
3年生のなかでも、練習のお手伝い役になる人が出てきます。
わたしが2年生のとき、3年生のなかに
ベンチ入れない先輩が数人いました。
彼らはメンバー発表の翌日から、自分の練習をしません。
バッティングの時間にはバッティングピッチャーを、
守備練習の時間にはノッカーやボール拾いを、
練習試合のときには審判やスコア付けをしていました。
誰から指示されることなく。当然のように、です。
キャッチャーだったわたしはあるとき、
投球練習前のブルペンを地ならししていました。
そこに3年生の先輩が来てこう言いました。
「それは俺がやるから、早くピッチングを始めろ」。
先輩が「俺がやるから」なんて言うのは初めてです。
びっくりして「はい」と返事するのがやっとでした。
当然のことながら練習にはピリピリした緊張感が高まって、
求められる内容も高度になっていきます。
練習中の檄は厳しくなりました。
いちばんきつかったのは、「それがオマエの全力か!」。
やさしい先輩が多かったけど、あの時期のこの檄は怖かった。
レギュラーも補欠も、上級生も下級生も、
「何でオレだけ・・・」という気持ちが少なからずある時期です。
プレッシャーを楽しめなんて、口で言うほど簡単じゃないしね。
みんないろいろな想いを封じながらボールを追いかけている。
そこでチームとしてひとつになれるかどうか。
勝ち残っていくための大事なポイントなのかもしれません。
泣いても笑っても、あと1か月。
あれもこれもやるな、課題にはシンプルに取り組め。
焦るな、笑え。
3食食べて、風呂入って寝ろ。
水分補給を忘れるな。
チームみんなの健闘を祈る。
何を恥と思うのか。
陸上選手の為末大さんが先日、
ツイッターで「恥と倫理」について
つぶやいていました。
ちょっと思うところがあり、
わたしも次のようにリツイートしました。
「何を恥と思うのか、その恥意識の共通項の多い人が
仲間になれるような気がします。
友だちとか恋人も含めてですが」
為末さんからの反応はありませんでしたがw
何が好きで、何を志向しているかよりも
何を恥と思って生きているのか。
それが共通している人と仲良くなれるような気がします。
もちろん、それがすべてではありません。
根っこの部分で、という意味です。
わたしは具体的に、
「弱い者いじめ」が恥だと思っています。
「位を笠に着る」ことも恥ずかしい。
…考えてみると単純ですね。
いずれも誰もが恥ずかしいことです。
でも、自分がそうであることがわからないから難しい。
威張っているのは格好悪い。
卑屈になるのも気持ち悪い。
つまりは、自信をもった謙虚さ。
そんな自分でありたいし、
そんな仲間と一緒に生きていきたいわけです。
将棋棋士の米長邦雄氏は
「勝利の女神は、笑いと謙虚を好む」と言っています。
言い得て妙ですね。
う~ん、わたしの道のりは長そうです。