ニュースでやっていた『カスタマーハラスメント』の話題。
看護師であっても無縁なわけではなく、やっぱり あります
医療現場の場合は『ペイシェントハラスメント』ということになります。
病院や施設という場所は どうしても人間の弱い部分や負の状態などに関わらざるえません。
さらに、顧客や患者という立場になった時に発生する間違った感覚や思考が 厄介です。
それは…
『お客様は 神様です』
【厚労省 『カスタマーハラスメント』のポスターより引用】
んなわけあるかい!!
かなり昔の歌のセリフに そんなのがありましたが、使い方も解釈も間違っている人が多いです。
これについては、三波春夫さんの公式HPで真意と見解が発表されていますので、引用してみます。
『歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払ってまっさらな、澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。ですからお客様は絶対者、神様なのです(後略)』
つまり 演者や事業者、職員といった立場の人の心構えについての話ですので、顧客から『顧客である自分を神様のように扱え』というのは間違った阿呆の所業となるわけです。
高校で教職員をしていた時に 生徒からバイト先でのこととして相談されることがありました。
ひどい場合は トラウマ経験となって、コミュニケーションや日常生活に支障をきたす事態にもなっていました。
自分が担当していた『キャリア教育』にも関連する選択科目の中で取り上げるようにしていましたが、本当に理不尽だと思います。
顧客にも 職員にも 絶対的な正義は どちらにも存在しないと考えています。
自分たちの過失や不手際については根拠や対応・解決策を明示したうえで真摯に対応するが、卑屈になったり 相手の要求をすべて無条件に受け入れる必要は全くないと思っています。
実は つい最近 自分の身にありました。
看護小規模多機能型居宅介護(通称 看多機)での訪問看護を行っていた時、利用者さんの知人という方でした。
利用者さん宅の駐車場に着いた時に いきなり運転席のドアを開けられて
「〇〇さんちに来たんだろ。どんな状況だ。いつ退院してきたんだ。週に何回来ているんだ。」
と掴みかかられそうな勢いと怒声。理不尽な謝罪と要求。
ビックリしながらも、個人情報であり本人や家族の承諾なしに話すことはできないことなどを なるべく冷静に伝えました。
(ご家族からは 事前に周囲に あまり知られたくないという話をいただいていました。)
しかし、怒りや興奮は治まることなく 車内にあった駐車許可証の会社名と連絡先、車のナンバーを携帯で撮りながら怒鳴りまくり、最終的に私は腕をつかまれて車外に出されました。
隙をついて、車内に戻り事業所に連絡し いなくなったのを確認してから訪問しました。
その間に 事業所と本社に その方から電話がいったようです。
怖かったです
所長には「若いAさんでなくてよかったです。私は大丈夫ですよ。」といい、所長も本社からの意見や指示もふまえて対応して この件は終了となりました。
ただ、そうは言ったものの しばらく訪問看護は怖かったです
色々考えて 看護師として現場に戻りましたが、また離れることに躊躇がなかったのは このことも1つの要因になっています。
職場には退職理由は 骨折としていますが…
顧客(患者)とサービス提供者・職員は どちらが上で 偉いということはなく、対等であると考えています。
これは自分がどちらの立場であっても 肝に銘じていることの一つです。
お互いが気持ちよく過ごせるようにしていきたいものです。
本日のF.ナイチンゲールの言葉
看護師は確かに患者の「要求に対して優しい思いやり」を持たねばならない。だが一方では、筋の通った考え方を持っていなければならない。
【F.ナイチンゲール 『ナイチンゲール書簡集』より引用】